グリード(仮面ライダーオーズ)

登録日:2010/12/12 Sun 01:56:36
更新日:2023/05/18 Thu 23:04:19
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グリードとは、『仮面ライダーOOO』に登場する幹部怪人。
語源は英語で「貪欲」を意味する「Greed」。ただし、こちらの表記は「GREEED」と、Eが一つ多い。


【概要】

800年前、とあるの命令を受けた錬金術師ガラを始めとした錬金術師たちによって作り出された疑似生命体。

三種の「コアメダル」九枚を核、大量の「セルメダル」を細胞として肉体が構成されている。
強い欲望を持った人間に自分のセルメダルを埋め込んでヤミーを創り出し、
その人間の欲望をヤミーに代理で満たさせることでセルメダルを増やし、己の糧とする。

元々創り出されたコアメダルは各10枚ずつであったが、数として完成されすぎていたために自我を持たなかった。
そこで、コアメダルを一枚抜き、あえて中途半端な数とすることで「欠けたものを埋めたい」という欲望が生まれ、
初めて動きだしたという寓話めいた誕生の経緯を持つ。
そのため、それぞれの属性のコアメダルが9枚揃うことで完全体となる。10枚目を投入したら満たされて崩壊するのだろうか。

800年前にもその欲望のままに暴れて世界を食らいつくそうとしたが、とある出来事を機に封印されてしまう。
そのまま現代まで封印されていたが、辛うじて右腕だけで抜け出したアンクが封印を解いたことで復活。
人類を脅かす存在として仮面ライダーオーズと戦うこととなる。

復活した当初は怪人態のまま暴れていたが、SNSで怪人なうされてからは目立つことを避けるために人間に化け、つぶれたバーでたむろしている。
また、彼らの周辺にはイメージカラーのカーテンが張られるという特徴的な演出も見られる。


【グリードとコアメダルとセルメダル】

グリードはそれぞれが生命のエネルギーを凝縮したコアメダルを核とし、そのメダルの種類に応じた外見・能力を持つ。
コアメダルが破壊されない限り不死身であり、そしてコアメダルは人類の持つ手段では傷つけることができないとされる。
つまり、コアとセルをバラバラにしたり封印したりして一時的に活動不能にすることはできても完全に倒すことはできず、いずれ必ず復活して世界を滅ぼすという非常に厄介な存在。

一体のグリードが保有するコアメダルは上記の通り10枚から1枚引いた9枚で、その9枚はそれぞれ3種×3枚で構成される。
各グリードに発現した人格はこの9枚の内の1枚(オーズが使う頭部用コアメダルの1枚)に内包されており、この一枚を中心にグリードの肉体は形成される。
逆にいえばこの人格が宿ったコアメダルが無ければグリードは成立せず、コアメダルを複数のグループに分けても同じグリードが複数生まれるといった事態にはならない。
ただし、例外として特異な条件下においては別のコアに最初に発現した物とは別の新たな人格が生まれることもあり、その場合は同種のグリードが別の存在として同時に活動する。

9枚のコアメダルが揃った万全の状態=完全復活を果たすとグリードは本来の力を取り戻し「欲望のままに世界を喰らう」と謂われる。
しかし、現代で復活した際にはどのグリードたちもコアメダルの多くを失った不完全な状態になっており、
行方不明になったコアメダルを探し、唯一オーズと共に活動し、自分たちと敵対するアンクが持ち去ったコアメダルを執拗に付け狙う。
なお、不完全なため体は頭部以外必ずどこか一部の素肌が剥きだしで、コアメダルを取り戻せば素肌の部分が無くなり、完全体に近付く一方、
コアメダルを奪われるとさらに剥かれていくなどかなり脆く不安定な存在になってしまっていた。

後に自分以外のグリードのコアメダルも取り込むことという方法が考案・実行され、グリードの能力を強化することに成功しているが、
自分以外の属性のコアメダルの制御は難しいらしく、取り込めば取り込むほど不安定化し、暴走し易くなってしまうというリスクも確認されている。

また、肉体の形成や戦闘などに使うエネルギー源としてセルメダルもグリードにとって無くてはならないものである。
代えの利かないコアメダルに比べると重要度は大きく下がるものの、セルメダルを大量に取り込めば戦闘能力も大きく向上させられる。
しかし、グリード自身はこのセルメダルを生成する能力を持っていないため、上述の通り人間からヤミーを生み出し、
そのヤミーを媒介に人間の欲望から精製されたセルメダルを回収する必要がある。
アンクは第2話にて、「例えるならアイスの棒がコアメダル、アイス本体がセルメダル」と火野映司TVの前の視聴者にも分かりやすい形で説明している。

ちなみに、「体がメダルでできている」という設定のおかげで、切断描写・出血描写に対する規制が滅茶苦茶厳しいニチアサでも、切断攻撃でのダメージ描写が非常にわかりやすい、という副産物が生まれている。

上記の通り、グリードの発生要因は10枚1セットの完璧な状態から1枚抜くことで不完全にすることによるもの。
それを踏まえてかは不明だが、後の時代に創り出された新造コアメダル5種15枚は色が統一されていない。
要はセットの時点で不純物、他色の混じった不完全な状態にすることで、グリードに変化しないようにしている模様*1
とりわけ、5種類の新造コンボのうち、コンボ時に特性が発現する唯一の形態にして、猛毒攻撃&隠密スタイルを得意とする、敵に回った時の危険性が極めて高いムカチリコンボのセットに至っては、3枚全てが全く違う色になっている。
……が、欲望のない新造コアメダルが人間に取り憑くことで無理矢理グリードとしての自我を得るというケースが二度も発生しているあたり、グリードの生まれないコアメダルなんて存在しないのだろうか。


【グリードと感覚と欲望】

グリードは本能的に9枚のコアメダルを得て完全復活することを求めているが、その目的は名の通り自分自身の欲望を満たすことである。
しかし、グリードが持つ欲望は底なしであるため、いくら求めようと決して満たされることは無い。

彼らは人間に比べると五感があまり発達しておらず、世界がくすんで見えているといい、
聴こえてくる音は濁り、視界は白黒、木材と食べ物の味の違いすら分からない。
実際、ある出来事で人間からグリードに変貌し始めてしまった映司は、
グリード化が進行すると共に、味覚が薄れて食べ物の味が分からなくなり、視界も徐々にくすんでいっている。
ただし、グリードが人間に憑依すると五感は宿主となった人間のそれがベースとなるようで、
泉刑事に憑依し、人間の五感で世界を体感したアンクは、初めて味わったアイスの「味」に魅了されて事あるごとに食べていた。

このように、感覚的な側面においても充足を得ることが困難であるため、
完全復活したグリードは人間をその欲望ごと取り込むことで自らの欲望を満たそうとするが、
そこまでしても充足を得るまではいかず、どこまでいっても彼らが永遠に満たされることはない。

メダルで形作られた不安定な体を持ち、それ故に死ぬことは無いが生きているとも言い難く、
満たされないと半ば自分でも理解していても、自らの欲望を止める事が出来ない。
それがグリードの本質である。

この在り方について、アンクは自嘲も込めてグリードを「只のメダルの塊」と吐き捨て、嫌悪しており、
進化することで命と呼べる物を持った存在になることを望んでいる。


【グリード一覧】

本編開始時点では、
鳥類系昆虫系猫系重量動物系水棲生物系
これらを司る5体が存在する。
なお、アンク以外の各完全体はOPに出ているため、完全体が出る頃に見れない人も安心。

またシリーズを通してこれら以外の特殊な個体も登場する。


本編に登場するグリード

鳥類系のグリード。アイス好き。
他のグリードと敵対し、自らが仮面ライダーオーズとした火野映司と共に行動する。

コアメダルは
タカ、クジャク、コンドル


昆虫系のグリード。頭の弱い虫頭。
最後まで生き残り、かつ完全体のまま話数を跨いだ唯一のグリード。

コアメダルは
クワガタ、カマキリ、バッタ


猫系グリード。腹黒い策略家。
時に味方すらも欺いてコアメダルを集めるが、最終的に本編のグリードの中で真っ先に消滅した。

コアメダルは
ライオン、トラ、チーター


重量動物系グリード。無邪気なお子様。
完全体の初お披露目は一番早かったが、実際はメズールのコアも何枚か取り込んで不足分を補った見せ掛けの完全体でしかなく、
真の完全体は終盤までお預けとなった。

コアメダルは
サイ、ゴリラ、ゾウ 


水棲生物系グリード。非常にエロい。
自己中心的なグリードの中ではそれなりに仲間を思いやる性格で、ガメルから慕われている。

コアメダルは
シャチ、ウナギ、タコ



本編以外で登場するグリード及び関連する存在


  • ギル
声:浜田賢二
名前の由来は“裏切る”
(単に"ぎる"という説も)

コアメダルは
プテラ、トリケラ、ティラノ

映画『仮面ライダー×仮面ライダー OOO&W feat.スカル MOVIE大戦CORE』の『仮面ライダーオーズ ノブナガの欲望』に登場した恐竜系グリード
映画には声のみで姿を現わさなかった。台詞は一言のみだったが、しゃべり方が時代がかっている。
他のグリードとも顔見知りのような描かれ方をしていが、TV版では上記の恐竜グリードが登場したため、ギルの存在はこの作品内だけの設定となった。



映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』に登場。
ショッカー独自に入手したコアメダルを改造して生み出した「ショッカーメダル」で誕生した、鷲型のショッカー製グリード。
コアメダル1枚で完全体となっているイレギュラーな存在。


  • 鎧武者怪人
映画『MOVIE大戦CORE』の『オーズ ノブナガの欲望』に登場。
(まだ人間だった頃の)真木が織田信長ミイラをベースとした人造人間・ノブナガにサソリ・エビ・カニの甲殻系コアメダル*2を投げ込んだことで実体化した。
織田信長の甲冑がモデルだが、頭はサソリの尻尾、左腕は蟹の鋏、草履はイセエビに酷似している。
不完全態の頃から、自分を守り通せなかった不甲斐ない部下大名達の子孫への「天誅」という名の報復(辻斬り)を繰り返していたが、
主犯である明智光秀の子孫・明智ヨシノにノブナガが次第に情を抱いていくようになり、
遂には自分の命を削ってまで彼女の夢を支えようとしたが、「実験の最終段階」として真木により完全態にさせられ、欲望に心を食い尽くされてしまった。


映画『劇場版 仮面ライダーOOO WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』に登場。
800年前、グリード達を作り上げた張本人
現代に蘇った際にセルメダルの塊に魂を載せてグリード化し、たまたまその場にいた女性・若葉五月に強制的に憑依した姿。
そのため、外見こそ美女だが、人格は男性そのもの。
膨れ上がった人間の欲望に辟易し、人類文明を滅ぼして作り直そうという傍迷惑な欲望を掲げ、総てのコアメダルを手中に収めようとする。
現代で獲得した大量のセルメダルを吸収して悪魔のような醜悪な姿となり、オーズに器となる五月を分離された後も暴れ回った。
最終的に「全てのライダーと友達になる男」と豪語する新ライダー・仮面ライダーフォーゼとの協力で一旦は倒されたかに見えたが、
隙をついてオーズの体内から恐竜系コアメダルを強奪し、21のコアメダル全てと失われたメダルを取り込んでワイバーンのような巨大怪獣に変貌を遂げた。


映画『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズMOVIE大戦 MEGAMAX』に登場。
40年後の未来で新たに作り出されたコアメダルによって変身する仮面ライダーだったが、
本来発生しないはずの人格が変身に使うコアメダルから発生し、変身者の肉体を乗っ取って暴走してしまった。
ある意味、新種のグリードとも呼べる存在。


  • ムチリ
ゲームKAMEN RIDER memory of heroez』に登場。
ムカデ・ハチ・アリのコアメダルから人工的に生み出されたグリードであり、コアエナジーを無制限に受け入れることが可能。
元々はゼウス博士とアイダ博士による、財団X絡みの「不死の生命体の創造」の実験体であったが……。
保有するコアメダルのうち1組はオーズに一度倒された際に奪取されている。
なお、グリードでありながら自身の意志はないに等しく、本能の赴くまま敵を攻撃する。
そのため、アンクからは「欲望あってこそのグリードだ! 意志のないお前はグリードでも何でもねえ!」と全否定されている。


  • ゴーダ/仮面ライダーゴーダ
Vシネクスト『仮面ライダーOOO 10th 復活のコアメダル』に登場。
ムチリ同様ムカデ・ハチ・アリのコアメダルを保有するが、これらのメダルは映司の欲望をベースに作られた特別性のメダル(プロトタイプ?)であり、古代王オーズとの戦いで瀕死の重傷を負った映司に取り憑くことで自我を獲得、彼の体を借りて活動していた。
映司の欲望から生まれただけあって古代王オーズへの敵愾心自体は本物であるものの、実のところは表面的な欲望しかなぞっておらず、映司の「どこまでも届く腕」「力が欲しい」という欲望の生まれた理由や本心については何一つ理解していない節がある。
そうなってしまっては、ただ力を求めるだけの映司の姿をしたグリードに過ぎず、古代王オーズの遺した大量のセルとコアを見るなり最強の力を求めて奪い取る行為に出てしまい、仮面ライダーとして顕現することとなった。
ある意味ではポセイドンの同類。



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その欲望、解放しろ(チャリン)

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最終更新:2023年05月18日 23:04

*1 実際、ガメルは他色であるメズールのコアを取り込んだ際に身体が不安定になっていた。後にカザリやウヴァ、アンクも他色のメダルを取り込んでいたが、安定していたのはカザリとアンクのみだった。

*2 CSM「オーズドライバー コンプリートセット」付属の解説書によれば「ガラとは別の錬金術師によって生成されたものと推測される」とのこと。