アンク(仮面ライダーオーズ)

登録日:2011/03/06 Sun 23:07:40
更新日:2024/04/20 Sat 01:05:39
所要時間:約 6 分で読めます






俺の名前は泉信吾。


こないだ、パンツ一丁の男を尋問した帰りに、蟷螂怪人に襲われたんだ。


そして、気がついたら……



右手(とか)がこんなになっちまった☆




テイクは好きだがギブは嫌いだ。


仮面ライダーOOO』に登場する怪人。グリードと呼ばれる幹部怪人の一体。
仮面ライダーオーズ火野映司に協力する。

前日譚を描いた小説『仮面ライダーオーズ アンクの章』では主人公を務める。


人間体/怪人体(声):三浦涼介
スーツアクター(腕):永徳
CV:吉野裕行(KAMEN RIDER memory of heroez)


概要

800年前、錬金術師によって作り出された人造生命体「グリード」の一人。
鳥類の特徴と、炎を操る力を持つ。
対応コアメダルは「タカ」「クジャク」「コンドル」。

とある経緯から他のグリード共々封印され、コアメダルだけの姿になっていたが、2011年、日本の博物館において復活。
他のグリードの封印も解いたが、自分のコアメダルが1枚しかなかった腹いせに、他のグリードのメダルを奪って逃走した。

その後、火野映司と出会い、彼にオーズドライバーとメダルを渡してオーズへと変身させ、以後協力(というか互いに利用しあう)関係となる。
が、天然ボケ気味&意外としたたかで性根が読めないの映司には終始振り回されっぱなしであり、無鉄砲な言動・行動に翻弄されては「エージィィィ!!」と怒りのツッコミをかますのがお約束。

タカのコアメダル1枚だけで構成されている為、右腕だけしか実体化出来ず、グリードとしては瀕死の状態。
(一応タカメダルは二枚あるが、タトバに使うためほぼ一枚の状態)

普段は刑事・泉信吾の体に憑依している。
これは、重傷を負った信吾の生命維持のための措置であるが、同時に、アンクが現代社会に溶け込むためのカモフラージュでもあり、映司に対する人質も兼ねていた。

また、「本来不可能な一部分だけでの復活」「ヤミーを作り出せない」「コアメダルを四枚取り込んだのに右腕以外復活できない」等かなり謎が多い。

普段の性格はグリードらしくメダルを求める強欲なものであり、他人の言うことは明確なメリットがなければ聞き入れることはない。
また、映司やグリード達以外を名前で呼ぶことはめったになかったりする(お前、女、など)。
なかなかに頭が回り、特にメダルの管理に関しては非常に厳しい。
が、ウヴァを「虫頭」と馬鹿にしつつカザリや鴻上の仕掛けた策に簡単にはまる鳥頭だったり。

信吾の記憶を利用していることもあってか現代への順応も早く、パソコンやiPhoneなどの使い方をあっという間に身に着け、アプリまで使っている。
カザリが後を付けていた際も、掲示板を使って逆にカザリを監視していた。


他のグリード達とは折り合いが悪く、唯一名前に濁点がない、というか名前の由来からして違う(ヒンディー語で目の意。転じて鷹の目を意味する)など少々異質な存在である。
それなりに知られた話だが、古代エジプト・コプト語ではアンク/ankhは「命」の意味である。


好物は復活後に初めて食べたアイスキャンディ。
嫌いな物は信吾が好きな鶏肉。共食いだからか?
本来グリードには味覚が無いため、こういった傾向は肉体憑依しているアンクにのみ見られる。

クスクシエ支配人の白石知世子に「悪い環境で育てられたせいで汚い言葉しか喋れない、世間知らずで引き篭もり気味の外人青年」扱い(という設定を吹き込んだ映司のせいだが)されたり、
泉比奈からは怪力に加え、鶏肉を食わされそうになったりと、女性に頭が上がらないことが多い。
その他、自分より何枚も上手な鴻上会長に一杯食わされて「カンドロイドなど設備使用の対価として、ヤミー退治で手に入れたセルメダルの6割を譲渡する」という契約を呑むハメになった*1り、やたらマイペースな伊達に名前を間違われるたびにキレたり脱力したりしている。
狡賢い割に根は意外と単細胞素直なのかも知れない。


他のグリードと求めるものが異なり、当初は強固な実体を求めていた。
が、泉刑事の体に取り憑くことで次第に人間の感覚を覚え、グリードはモノでしかないと考えるようになる。
そして人間のような感覚を欲し、アンクは「命」を求めるようになっていく。





以下ネタバレ










アンクにまつわる謎の原因は、アンク(ロスト)が存在したため。詳細はそちらの項目で。


結末

終盤、ヤミーを倒してクスクシエに戻ったところをアンク(ロスト)に吸収されてしまう。
しかし吸収される直前、比奈に最後のタカメダルを渡していたためアンク(ロスト)の完全復活は免れた。
また、吸収された後も映司はプトティラの力でアンクの意識を感じていた。

後に暴走しかけて力を引き出したプトティラがアンク(ロスト)を倒したことで、セルメダルを利用して右腕のアンクが復活。
その際、アンク本来の姿ではなくアンクが憑依した信吾の姿で復活していた。

が、その代償としてコアメダルを砕かれたため、完全復活が不可能となる。
そのため信吾の体を再び依り代とするが、そのことをめぐって映司と対立し決別。真木清人やカザリたちと手を組む。
ちなみにアンクを失ったオーズは自分でメダルを選んで戦おうとしていたが、かなり悪戦苦闘していた。

再びグリードたちの中に戻ったアンクだったが、信吾に長い間憑依していたせいか、自分がメズールたちとは別の存在であるかのような違和感を覚えるようになる。
そしてカザリの消滅を知って「所詮モノでしかない」グリードという存在に心底嫌気が差すと同時に、信吾に取り憑いたときに得られた人間の持つ五感を欲するようになる。
ちなみにアイスばかり食っていたのはグリードの五感はまともに機能していないため、味覚を得てからアイスを食べて、初めて美味しいと感じたから。

その後、海岸にて映司と対峙。この世界や生きているという実感を確かに味わえる「命」が欲しいと映司に訴える。
しかし逆に映司からオーズの力を与えてくれたことを感謝される。

そんなときに、真木の介入により映司は完全にグリード化して暴走。
映司グリードを止めようとする中で自分が映司に対して情を抱いていることに気づく。

映司グリードの暴走をくい止め、ひとまずその場を退散したアンクだったが、真木(恐竜グリード)の追撃により意識を宿しているコアメダルにヒビが入ってしまう。
自分の存在が消滅するのも時間の問題だと感じながらも、再び映司達と合流し、世界の終末を阻止するために力を貸す。

最終決戦では真木と戦う映司に、自身の意志が宿るヒビ割れたタカメダルごと鳥系3枚のメダルを渡し、
タジャドルコンボへと変身させ、幻影のように共に戦う。
ちなみに、この時ドライバーのコンボボイスがアンクの声になった。メダルをドライバーに入れる際、映司はグリード化が進み目が見えづらくなっており、ヒビの入ったコアメダルに気付いていなかった(可能性のある)描写がなされている。

そして真木の終末と共に全てのメダルが砕けていくなか、アンクのタカメダルも真っ二つに割れてしまい、“死”を迎えることとなった。 


しかし最期の瞬間、気絶して上空から落下する映司をデコピンで叩き起こし、


欲しかったモンは手に入った!

それって"命"だろ?死んだら……

そうだ。ただのメダルの塊が“死ぬ”ところまで来た……こんな面白い、満足できることがあるか!

お前を選んだのは、俺にとって“得”だった。間違いなくな。


と告げており、その欲望を満たされた満足と共に散って行った。
「誕生」に価値を見出す鴻上や「終末」に価値を見出す真木のように、アンクは「生きる」という過程に価値を見出していたのかもしれない。*2


ただ、タカコアメダルは割れこそしたが消滅はせず、現在も映司が持ち歩いている。
そんな、彼の後ろには透明の腕が漂っているのだった…


仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズMOVIE大戦 MEGAMAX


まさかの再登場を遂げる。40年後の未来ではどうやってか復活しており、時を超えて助っ人に現れた。
最初のポセイドン戦では映司の姿に擬態していた。相変わらずアイスキャンデイーをなめているが、今回は泉信吾に憑依しているのではなく擬態しただけでグリードには本来味覚がないため味は感じていないと思われる。
が、アイスを目の前に出された時には嬉しそうににやけて"美味しそうに"食べており、もしかしたら未来で復活したアンクには味覚が備わってるのかもしれない。

いつ、どうやって復活したかは説明されていないが、きっと「いつかの明日」に復活して映司達に会いに行くのだろう。



仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー


映司、相変わらずボロボロだな。

映司の前に他のグリードと共に出現。
正体は他のグリード共々、財団Xが過去のデータから作り出した人造の鳥系コアメダルによって生成されたダミーグリードであったが、映司が持っていた割れたタカコアメダルに共鳴したことで行動不能に陥る。
戦闘が続く中、映司と共に転落するが、思わず引っ張り上げようと腕をつかんだ際、映司が持ち歩いていた割れたタカメダルが飛び出して入り込む。
そして、メダルに宿っていた本物のアンクの意識がダミーアンクを乗っ取り、まさかの復活を遂げた。

早々に「ちゃんと今日の分のアイスよこせ」と催促するなど、ガメツさは相変わらずだったが、映司とのコンビネーションもまた健在。早速コアメダルを投げ渡し、仮面ライダーオーズは復活を遂げた。

永夢と戦兎が魁星を撃破すべく上空へ向かった後は映司と共闘しており、Xガーディアンの大群を前に、ダミーの肉体の核であった鳥系メダルを投げ渡してタジャトルコンボ・ロストブレイズを再び発現。

事件解決後は復活直後に要求していた今日の分のアイスを味わい(泣いていたので、おそらく味覚はなかった)、ダミーの肉体が消滅したことで、再び割れたタカメダルの状態に戻った。

ちなみに今回はアンクの視点から見ると「MEGAMAX」の前日談になる。
また、本来アンクの登場予定はなかったが、映司役の渡部氏が要望を出し、三浦氏も渡部氏が言うならと快諾したことで参戦の運びとなった。*3



《ヤミー》

製造方法は「対象人物にセルメダルを投入する」というもので、ウヴァさんと同じ。

昆虫系ヤミー以外で初めて人語を介したところを見るに知能は高いようで、自身の親と流暢に会話する辺り自我も持ち合わせている。
しかも平均的な戦闘能力も高く、全体として某虫頭の作るヤミーの上位互換。
鳥らしく親や欲望の対象を巣に持ち帰るという習性を持つ。


  • オウムヤミー
  • フクロウヤミー
  • 軍鶏ヤミー
どれもアンク(ロスト)が生成したヤミー。詳細はそちらの項目にて。


  • ハゲタカヤミー
欲望『自分(生みの親)以外の男が居なくなる事』

ヤミー生成能力を取り戻したアンクがウヴァのコアメダルに取り憑かれていたおっさんにセルを投入して誕生。
おっさんのトラックを巣として移動し、リア充を片っ端からボコった。
亜種形態に倒された数少ないヤミーの一体にして、本編に登場した最後のヤミー。


  • コンドルヤミー
欲望『綺麗な景色が見たい』

小説版「アンクの章」にて登場。
親は森の小屋に一人で住まわされていた盲目の少女で、人間の目玉を抉り出してその持ち主が見た「最も美しい景色」を彼女に見せるという方法でセルを稼いでいた。
アンクはしばらくの間少女から「美しい景色」の話を聞きながら交流していたが、ある日ヤミーが持ち帰って来た目玉が少女の父親のもので、さらにその景色がよりによって「少女(娘)を暴行して失明させる光景」だった事から運命が狂い出す。


【名(迷)台詞】


「歌は気にするな!」
「映司!こいつに変えろ!」
「エージィィィ!!」「おい映司!」
「確かお前、楽して助かる命はないとか言ってたな……タダで助かる命も無いんだよ!」
「おう、お前俺のこと何発殴ったんだよ!?」
「この男をショッカー最高の怪人仮面ライダーにするのだぁ――!」
「あいつ……伊達より酷い」
「俺のアイス……」
「食いに来た」
「グリードは生きてさえいない…ただのモノだ!そのくせ欲望だけは人間以上ときてる。食っても見ても触っても、絶対満たされない欲望…!」
「(お前の欲しいものは人間かと映司に問われて)もっと単純なものだ。この世界を確かに味わえるもの……『命』だ!!」
「お前も何か欲しがってみろ!そうすればわかる!お前は何か欲しいと思ったことあんのか!あんのか映司ィ!!」
「お前を選んだのは、俺にとって得だった。……間違いなくな」
「お前が掴む腕は、もう俺じゃないってことだ……」
「そうしたくなけりゃ、キッチリ生き残れ!」
「ただのメダルの塊が、死ぬところまで来た……こんな面白い、満足できることがあるか!」
「映司、相変わらずボロボロだな」


【余談】

実はアンクの時の金髪は地毛。
つまり、信吾の時の黒髪はカツラである。
気付いてた人も多いかも。

鳥の怪人らしく劇中では木の上等の高い所に登ってる事も多かったが、実は三浦氏はガチの高所恐怖症でありそうした高所でのシーンがある度に泣きそうな思いで撮影に臨んでたとか…

ちなみにアンク(ロスト)から解放され、信吾と向かい合うシーンでは画面合成によりアンクと信吾の一人二役を演じた。

また、ロケ中に小さい子供から「メダルなくなったら(アンクが)いなくなっちゃうから」とオーメダルの玩具を渡され、
その場で号泣してしまったというエピソードがある。

ライダーマン/結城丈二は元敵組織幹部、右腕のみが武器となる、主人公と敵対関係で最後は死亡するなど共通点があり、『KAMEN RIDER OOO EDITION -OOZ-』でアンクは実際にライダーマンに憑りついている。


ロストヒーローズ』シリーズにも(腕だけだが)登場。

『1』ではビギンズ・キューブでオーズとはぐれ、ネガ電王とカザリに邪魔された腹いせでライドベンダーに八つ当たりしていた所を発見される。
オーズがいてもいなくても付いてきてゲームの進行役として登場し続けるので
「アンクこそが真の主人公じゃね?」と思ったプレイヤーもいたとかいないとか。*4

2』でも当初はオーズとはぐれているが、マウンテン・キューブで無事に合流できた模様。
小さくなったタロウと共に進行役を再び務める。
終盤、リジェス・ハザードの影響で行方不明になるが、何とかリジェスのかけらを掴み取り、命からがら拠点に帰還する。
この時は既にリジェスが復活してしまったため、ヒカリとライジングにかけらの厳重保管を頼んで自分はやけアイスをすることになった。
だがそのかけらは、リジェスとの最終決戦で予期せぬ活躍を見せることになる…。


映司との互いに利用しあう関係は前作『仮面ライダーW』の「最高のパートナー」であった左翔太郎フィリップとは真逆の関係であり、キャスト、スタッフも認めている。

三浦は『超星艦隊セイザーX』のビートルセイザー/ケイン役で知られ、アンクとは違い温厚な性格である。また『仮面ライダーディケイド』にもタイガーオルフェノク/百瀬役でゲスト出演している。また、『セイザーX』のアド役だった進藤学も2011年2月から『海賊戦隊ゴーカイジャー』にてバリゾーグ/シド役としてレギュラー出演しており、同じ作品に出演した二人が約半年間スーパーヒーロータイムの同期となった。


アンク役を担当した三浦氏は、2013年に放送された深夜ドラマ「警部補矢部謙三2」の7話において、
アンクが元ネタであると思われる名探偵「 渥地小五郎 」役として出演するが、
その役どころは「時効寸前の殺人事件を調べている際、犯人が仕掛けたトリックに気づくも、それを知られてはまずいと思った犯人によって、
口封じのために殺害されてしまう 」という、あんまりなものであった。
さらに、2014年に放送された深夜ドラマ「私の嫌いな探偵」の5話においても「アパートの一室で何者かに刺殺されたBARの店長( しかも男装の麗人! )」と、
三浦氏は深夜のミステリードラマで 被害者役 として2回も出演することに…。どうしてこうなった…。



おい映司!追記・修正しろ!

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最終更新:2024年04月20日 01:05

*1 いわゆる「ドア・イン・ザ・フェイス」という交渉術

*2 実際、この少し前の話で、アンクは泉比奈に「死ぬの…?」と問いかけられたときに微笑んでいた。彼にとっては「死ぬ」こともまた、生きるという過程のひとつだったのだろう

*3 ちなみに公開後には2人で見に行ったらしい。

*4 本作では基本的にパーティー構成が自由となっており、やろうと思えば1人でも冒険が進められる為、イベント会話の進行の為に戦闘に参加せず、なおかつ常に自軍に同行できるキャラクターとして抜擢されたと思われる