てつを(評価)

登録日:2012/01/29(日) 01:07:17
更新日:2024/04/17 Wed 09:43:21
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「まだ見てないし、YouTubeでちょうど一話配信してるから仮面ライダーBLACKを見てみようかな」

「( ^ω^)へぇ~これがBLACKか、歩いてバイク乗るだけなのにかっk」



キミハーミタカーアッイッガーマッカニモエルノオー


「( ・ω・)」







"てつを"とは、俳優の倉田てつをの歌唱力の評価である。

倉田てつをは主演作品の仮面ライダーBLACKでOPを歌うことになったのだが、当時の氏はデビューしたばかりで特に歌唱の訓練などを受けていないズブの素人であった。その結果音程を外しまくったレコードに仕上がってしまった。

特撮ヒーローの世界においては、主役との一体感を高めるために演じる俳優が主題歌を歌うことは珍しくない。そもそも仮面ライダーシリーズは初代からして藤岡弘、氏が歌っている。

そう、ライダーファンなら多くの者が知っているだろう。



倉田てつをは音痴なのである。
(ちなみに倉田てつを自身もそれを認めている。)
フォローをさせてもらうと作曲者の宇崎竜童氏はプロが歌うと思い作曲したため、音痴云々を抜きにしても素人にはかなりハードルの高い曲である。

この曲は後にリテイクされ、ベスト盤などでは主にこちらが収録されているが、やはり上手とは言い難い。

さらに、『BLACK』後半時並行して放送されていた『超獣戦隊ライブマン』ではプロ歌手にして主演の嶋大輔氏が主題歌を担当しており、ある意味では比較対象がまずかったのかも知れない…。


その後、BLACK自体の人気は非常に高く、続編のBLACK RXの製作が決定した。

肝心の主題歌担当は……


宮内タカユキ氏


プロの歌手であり超電子バイオマンの御仁である。


そう、てつをは外されてしまったのだ……


てつをは外されてしまったのだ!

ただし、劇中の挿入歌なら幾つか担当している。歌唱力は相変わらずだが。
ちなみに、BLACK10周年で歌い直した時には結構上達していた。それにより……

上手い版→「上手い」
下手版→「下手」
もっと下手(っていうか、そういうレベルじゃない)→「てつを」

……となった。

つまりてつをは下手なんじゃない、ただてつをなだけなんだ。


そもそも倉田氏はヒーローの役に選ばれるだけあって決して悪い声ではない。むしろ歌い慣れていないが故の気取らない素朴さというべきか、不思議な味わいが感じられたりもしていた。

NHKのど自慢が長寿番組として愛されるように、素人が一生懸命歌う姿にはプロの歌手が流暢に歌うのとはまた違った良さがあるだろう。

絵の世界には「ヘタウマ」という言葉があるように、上手い訳ではないがそれはそれで好き、という者もそれなりにいたはずである。

半ばネタではあるものの、歌唱力という尺度に収まらない魅力が「てつを」という概念なのである。


放送当時、自身らのラジオのコーナーでこの曲を聴いた関根勤は「倉田てつをさんはソウルフルな歌声だね」と評価した。


そして時は流れ2022年、キャスト・スタッフを一新し設定にも多大に手を加えた新しい南光太郎の物語『仮面ライダーBLACK SUN』が公開された際、
最終話において倉田氏の『仮面ライダーBLACK』の歌声が、往時のオープニングを模した映像に合わせて登場
原典とは色々な意味で違う『BLACK SUN』の世界で、それでも「『BLACK SUN』世界の南光太郎が最後の戦いへと向かう」時「『BLACK』世界の光太郎の声」が響いたのは、何を意味していたのだろうか…。


なお、これをネタにしたものとして仮面ライダーSDのRXの設定に「カラオケ好きだが、音痴」というものがあったりする。



似たような物として


てつを語


というものがある。具体的にはBLACKやBLACK RXを視聴すればわかると思うが……


  • 話す言葉の半分くらいに濁点が付いている

というもの

倉田氏は南光太郎を演じる際、やけに力んで少ししゃがれた調子でセリフを発していた。

そのため「が」みたいな元々濁音が付いている言葉だけではなく、「ゆ゙る゙ざん゙」のように本来濁点が付かないはずの言葉にも濁点が付いているように聞こえていた。

断じでゆ゛る゛ざん゛!
お゛の゛れ゛ゴル゛ゴム゛!

まあ詳しくは観れば分かる。

仮面ライダー剣の放映後はオンドゥル語疑惑がかけられることもあったが、何を言っているかしっかり分かる為『てつを語』だと結論づけられた。

当時、倉田てつをは俳優としてのキャリアが浅いことを気にしており、ヒーローらしい迫力のある演技をしなければ、と気負ってあのようなドスの利いた声を出していたのだという。*1

彼はその後も何度か南光太郎役を演じたが、もちろん俳優としての実力は上がってきているため、2009年のディケイド客演時では残念ながらそう分かるシーンは少なかったと思われる。



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最終更新:2024年04月17日 09:43

*1 後年、藤岡弘、氏のご子息である藤岡真威人氏が本郷猛役をやった時も父の演技指導のもとかなりドスを利かせた声を出していたため、「ヒーローの迫力=ドスの利いた声」という認識はてつをに限らず昭和ライダー俳優陣の間に根付いている模様