フルアーマーガンダム(FSWS計画)

登録日:2012/04/01 (日) 10:03:15
更新日:2024/03/02 Sat 16:31:16
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フルアーマーガンダムとは、企画「MSV」に登場するMS。また本項ではこれに始まる強化案「FSWS計画」についても記す。





概要

一年戦争末期、ガンダムの成果を評価した連邦軍は、ガンダムの武装強化案である "Full armour System and Weapon System" 略してFSWS計画とそのデータを盛り込んだ量産案である「RX-81」計画を実行。
特に前者についてはMSに強化装甲や火力を追加したフルアーマータイプと下半身を丸ごとブースターに換装した高機動タイプの2つが考えられていたというが、最終的にはフルアーマータイプの方が評価され、実機の建造はともかく後発機の殆どに重装備案が考慮されることになる。
しかし、重装備案はコンセプト的にはガンキャノンと完全にかぶっており、以降、ガンキャノン系列の開発が行なわれない一方で、重装備案が後々まで継続して行ったのには、何らかの政治的要因が重きをなしていたのではないだろうか。



■フルアーマーガンダム

型式番号:FA-78-1
頭頂高:18.0m
本体重量:62.5t
全備重量:93.1t
装甲材質:ルナ・チタニウム合金
出力:1,380kW
総推力:60,500kg(異説55,500kg)
武装:60mmバルカン砲 ×2門
   2連装ビームライフル
   ミサイルベイ
   360mmロケット砲
   ビームサーベル ×2基
   小型シールド
搭乗者:ハインツ・ベア
    タカシ・キタモト


上記の計画に則って開発された強化型ガンダムの代表格がこれ。
なお、正式名称は「ガンダム フルアーマータイプ」。

全身を簡単な強化装甲と追加火器で覆っており、右肩の360mmロケット砲や両肩と両脚のミサイル・ベイ、二連装ビームライフル、さらに最近正式装備となった後腰のビームサーベル(長らく持ってないとされていたが)など、遠近隙がない。正に「鬼に金棒」であり、火力は戦艦1隻に勝るとされた。

ただ、開発は難航したらしく、さらに存在が発表されたのも終戦後に軍が公表した写真からだが、大半がトリックとみなされた。
だが後になって連邦軍の士官が存在していたと発言。
実戦にいたのを目撃した証言も少なからず寄せられ、現在では一年戦争末期に少なくとも母艦として建造されたノースポール級空母と共に8機が実験部隊に配備されてルナツーで錬成していたようだが、詳細な記録は抹消されている為という記述があり、複数機が存在していたと考えた方が自然と思われる。
しかし矛盾も少々残るので一概には言い切れない。
いずれにせよ、ガンダムの強化案に重装備案をお約束にした意味では意義深い機体である。

漫画「プラモ狂四郎」ではパーフェクトガンダムの後継機として登場。ここでの色は青色であり、様々な機会で立体化されている。

実はパーフェクトガンダムを宇宙世紀らしいデザインにしてMSVに加えるためリファインされたのが本機であり、緑色なのも軍用機っぽくするためであった。

なお、「レッドウォーリア」登場以降はパーフェクトガンダムMk-Ⅱとも言われるようになる。
…だが、Gジェネではパーフェクトが異常に強く、本機ははっきり言って弱い。この差は何だ。



■フルアーマーガンダム(タイプB)

型式番号:FA-78-1B
全高:18.0m
重量:68.7t
装甲材質:ルナ・チタニウム合金
出力:1,380kW
武装:60mmバルカン砲 ×2門
   3連装ビームライフル
   360mmロケット砲
   ビームサーベル ×2基
   肩部7連装ミサイル
   脚部6連装ミサイル ×2
   大型ミサイルランチャー
   小型シールド
   スパイクシールド


「MSV-R」に登場。

フルアーマーガンダムが対MS・対艦戦闘を両立させた機体であるのに対して、タイプBは「単機で敵艦隊と戦える機体」をコンセプトとした機体。
素体はG-3ガンダムとされ、「FA-G3」のコードネームを持つ。

通常仕様に比べてジェネレーターを増設してエネルギー効率を改良、右腕部には単射・連射・バーストを撃ち分け可能な三連装ビームライフルを装備、更にジオン側が対ビーム装備を投入することを予期して背部左側に22連装の大型ミサイルランチャーを装備し、原型機と同じくロケット砲やミサイルベイもそのまま装備され、合計で41発ものミサイルを持つ。
左腕にはビームサーベルも2本マウントされているが、基本的に接近戦は苦手。
総じて50近い火器を持つ本機の戦闘能力は中規模の艦隊と単機で互角かそれ以上と試算された。

時代にそぐわない超火力からこちらも実在は疑問視されていたが、少なくともデータは残されていたようで、U.C.0090年にFSSが本機の戦闘シミュレーションを行った。



■フルアーマーガンダム陸戦タイプ

型式番号:FA-78[G]
全高:18.0m
重量:63.4t
装甲材質:ルナ・チタニウム合金
出力:1,380kW
武装:60mmバルカン砲 ×2門
   2連装ビームライフル
   ミサイルランチャー
   360mmロケット砲
   ビームサーベル ×2基
   小型シールド


「陸戦に特化したMSの開発」を求める地上部隊からの要望に応えて地上戦用に特化したフルアーマーガンダム。
素体はプロトタイプガンダム。

地上で活動するにあたって機動性の低下を避ける為に装甲面積を減らしているので防御力は下がっているものの、素のガンダムが持つ高い機動性と汎用性を維持しつつ装備の拡張に成功した。

が、制式採用には至らず、実機も製作されなかったという。



ヘビーガンダム

型番:FA-78-2

項目を参照。
フルアーマー化するとコアファイターが使えなくなるため、パージ可能な装甲案と始めから重装甲でコアファイター無しの2つの案が提案された。
本機は後者である。



■バストライナー


「MS-X」に登場したフルアーマー及びヘビーの補助武装。
Gファイターはいろいろと問題点があったため、単独でも使えるSFS兼大型火器として提案された。
だが、ガンダムには元々戦艦並みの出力とされたビームライフルが使えたのと宇宙での自重増は特に意味がないとされたため、ガンダム用には作られなかったらしい。

しかし、それ以外の機体の補助武器として作られた説もあり、その後にメガ・バズーカ・ランチャーメガライダービグウィグキャノンなど似たようなコンセプトの武器は作られており、ネオガンダムのG-B.R.D辺りまで続くため、発想は悪くなかったと言えるだろう(ジオンにもスキウレがあったし)。

なお「コロ落ち」のライノサラスが持つバストライナーは開戦初期に奪取したものだが、これは大型砲台として使うためだったと考えられる。

余談だが、バストライナー砲8機とフルアーマー8機で運用する計画があったらしい。

ほかにもヘビーの補助案としてガンキャリーというGファイターの発展型があり、「プラモ狂四郎」ではガンキャリアーとして登場している。



■フルアーマーガンダム7号機

■重装フルアーマーガンダム


ガンダム7号機の項目を参照。



■ガンダムGダッシュ

型番:RX-78Opt.
全高:15.8m
重量:89.6t
ジェネレーター出力:1740kw
武装:頭部60mmバルカン
   ビームライフル
   ビームサーベル(以上はAパーツ部のRX-78-2互換装備)
   フォールディング・ビームキャノン×2(Bパーツ部)


ゲーム「GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079」が初出。先述した高機動タイプの一つである。
上半身から腰の前半分辺りは元機ガンダムと同じで腰の後半分以降(脚部は無い)を宇宙戦専用のGダッシュパーツに変更した物だがはっきりいっておまけにガンダムが付いている様にしか見えない。
だが火力と機動性は凄まじい様で上半身のガンダム(RX-78-2)互換の武装は全て使える*1上に
普段は機体後方に折り畳まれているが使用時に前に展開し腕で保持して使用する強力な専用武装「フォールディング・ビームキャノン」を左右一対2基有し
しかも宙間機動に特化したGダッシュパーツの高機動力のおかげで僚機を置いていってしまう程速い*2らしい。
ある意味、GP-03DSガンダムBstの原型と言える。
ゲーム本編ではゲームのシステム的な都合上ビームライフルとフォールディング・ビームキャノンしか使わない上に
Gジェネなど他のゲームにはほとんど呼ばれないという意外な所で不遇な機体でもある。

言うまでもないが、Vダッシュガンダムとは無関係である。



■高機動型ガンダム


「ギレンの野望」シリーズに登場。

これも高機動タイプの一つと思われる。
宇宙での運用を想定し、背中や脚にスラスターを増設して機動力を上げている。



■その他


フルアーマーガンダム(サンダーボルト)

並行世界』のフルアーマーガンダム。
詳しくは項目を参照。


フルアーマー・ガンナーガンダム

漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』に登場。

ややこしいが、ガンダムの中距離支援型であるガンナーガンダムをフルアーマー化した機体ではなく、「ガンダムをフルアーマー化してガンナーガンダム仕様にした機体」。




ガンダムアーマードタイプ

ガンプラ「マイクロガンダム」オリジナル。
追加装甲を腕部・腰部・背部に絞った軽装仕様。



ゲームでの活躍

ギレンの野望

連邦系で開発可能だが、裏取引でプランを入手すればジオン系勢力でも開発可能。
この機体の最大の特徴は撃破されてもガンダムになり、さらに撃破されてコアファイターと2回までなら落とされてもセーフな点である。
さらに遠距離攻撃も可能なため、本機の生存性は異常なまでに高い。
故に総大将が最前線で暴れるのに最適なMSであり、サイコガンダムを開発するまではレビル将軍の愛機だったというプレイヤーも多いのでは?

さすがに近年では脱出機構のイカサマっぷりを修正され、撃墜されてもガンダムに变化はしなくなった。
それでも、脱出コマンドを使って体力と燃料を全快したガンダムとなれる点は強力。
似たような活躍ができる機体として、ガンダムNT-1・チョバムアーマー形態が存在する。


■Gジェネ

一応ガンダムの強化型なはずなのだが、はっきりいって弱く、接近戦が出来なかったり多少防御力はあるがあまり役に立たないと散々。ガンダムより生産コストが低いことがそれを物語っているといえるだろう。
ヘビーになれば少しマシになるが、あまりパッとしない。その後のパーフェクトが強すぎるのが余計哀愁を誘う。

魂以降はカトキデザインで登場し、魂でのビームライフルの砲身を換装するアニメは格好いいのだが、以降の作品で削除された。

ジェネシスにおいてはサーベルやミサイル・ベイの追加、ヘビーの方はフレームランチャー装備になったことでかなり使い易くなったものの、年代による性能の差が大きい同作において一年戦争の機体を最後まで使い続けるのは厳しい。


スパロボ

ファーストガンダムが参戦している一部の作品において(参戦作品『機動戦士ガンダム』扱いで)入手可能。
キャノン砲の追加で最大火力も向上し、ビームサーベルもついてるし、分離で一気に回復できる
…と一見強そうに見えるが基本性能の関係もあって、またAでは二者択一となるGファイターが最強クラスのせいであまり使われない。


戦場の絆

以下の3種類が登場

●フルアーマーガンダム
コスト280の射撃型
メインは二連装ビームライフルでAとBの2種類
A…常時リロード
B…威力が高く打ち切りリロード
となる。Bはリロード時間が長い

サブはミサイルベイAとB、頭部バルカン砲
Aの威力は敵機の体力をMAXの3/4も削るが、自身の機動力が中ダウンとなる。またミサイルの速度も遅く、容易に回避される事も
Bは威力は微々足るものだが、命中すると敵機の画面に損傷効果を与える、ミサイルは速くまた機動力は本来のものとなる。
バルカンは射撃仕様の普通のバルカン

格闘はパンチor可動式ロケット砲
パンチは三連撃
可動式ロケット砲は射角を変えられる強力な弾を撃つがコスト+20となる。ビームライフルBとの組み合わせが良い

ビームライフルA・頭部バルカン・パンチの組み合わせをするくらいなら素直にG-3ガンダムに乗ろう。

ヘビーガンダム
項目へ

●フルアーマーガンダム(タイプB)
コスト240の遠距離砲撃型
他の遠距離砲撃型よりも遠くから拠点を狙う事が出来る。

メイン
大型ミサイルランチャー
対拠点兵器AとBがある。
A…高威力
B…機動力向上

サブ
ミサイルベイ・可動式ロケット砲・大型ミサイルランチャーC
ミサイルベイは射撃型のとは異なる軌道を描く。扱い易いが機動力低下:小

可動式ロケット砲は対MS弾でこれも射撃型とは異なり、射角調整は不可となる

Cは拡散弾でこれも機動力低下:小

格闘
三連装ビームライフルとツインビームサーベル
ビームライフルは一回に三連射
ビームサーベルは緊急用の一撃のみ、ただし拠点に対する攻撃力が高い。



ガンプラおよび立体物

旧キットでは1/144、1/100、1/60とキット化に恵まれている。基本緑系の成型色。
1/144説明書にグレーのカラーリングが紹介されている。
MGでは通常版が緑系、プレバンで青色のが販売されている。Ver.2.0のガンダムにアーマーを装着する仕様だが、そのために裏面に貼り付けるゲルシートが弱くて一部アーマーがポロポロ落ちてしまうのが難点。
BB戦士では旧BB戦士のパーフェクトガンダム対応の改造パーツがガレージキットとしてBクラブより発売された後、元祖SDガンダムにてパーフェクトガンダムとのセットで登場。これはパーフェクトガンダムの装甲とフルアーマーガンダムの装甲がセットになったもので、装着するガンダムはトリコロールカラーである。ゆえに少し変な印象がある。
後にBB戦士でも単独のものが発売。GFFのデザインを反映させたものである。

フィギュアでは、GFF第一弾としてカトキハジメリファインデザインのものが登場。このデザインは後に発売されたBB戦士にも反映されている。
後にMSinアクション、ROBOT魂でも発売された。こちらは旧来のMSV準拠である。

そして2022年も終わろうかという12月23日、『THE ORIGIN』及び『ククルス・ドアンの島』規格のMSVと言うべき『MSD』にてフルアーマーガンダムの受注生産が発表された。





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最終更新:2024年03月02日 16:31

*1 やろうと思えばハイパーバズーカやガンダムハンマーなどガンダムが使用していた他の携行武装も装備可能との事

*2 ジムは勿論コアブースターも楽々追い抜ける程の速さ