仮面ライダーファイズ

登録日:2011/01/24 Mon 15:13:38
更新日:2024/03/19 Tue 22:28:50
所要時間:約 15 分で読めます






俺には夢が無い…。でもな、夢を守る事はできる!

5  5  5

Standing by…


変身!


Complete.



画像出典:仮面ライダー555
©2003 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映


仮面ライダーファイズとは、『仮面ライダー555』の主役ライダー。
主な装着者は乾巧、『仮面ライダーディケイド』では尾上タクミ
他の装着者は赤井海堂直也琢磨逸郎草加雅人木場勇治

スーツアクター:高岩成二、渡辺淳(『ディケイド』版)

スペック

身長:186cm
体重:91kg
パンチ力:(通常時)2.5t
キック力:(通常時)5t
ジャンプ力:ひと跳び35m
走力:100mを5.8秒で走る。


概要

ギリシャ文字のΦ(ファイ)がモチーフ。数字表記および変身コードは「555」
作品名を表す時は「仮面ライダー555」、このキャラクターを表す時は「仮面ライダーファイズ」と表記するのが通例。

フォトンストリームの色は低出力だが、最も安定した

最も後期に開発されたシステムであり、ツール数も最多。
更にライダーズギアの中で唯一強化変身(フォームチェンジ)が可能な、拡張性が高い設計となっている。

3つのベルトに共通して言えることだが、あくまでスーツ自体は強化装甲服のような位置付けなので、結局のところライダーとしての強さは装着者の格闘能力に左右されることとなる*1
ベルトの性能が対オルフェノクに特化しているとはいえ、素の戦闘力自体は幹部クラスのオルフェノクと比べて圧倒的に高いというわけではない。
それこそ変身しない方が強い」とかバイクの方が強い」とかネタにされてるレベル。

実際、シリーズ全体を見ても総合スペックは主役ライダーとして最低クラスであり、
これより弱いのは仮面ライダー龍騎 ブランク体仮面ライダー電王 プラットフォームなどの未完成形態ぐらいしかない(一応、仮面ライダージョーカーなどにはぎりぎり勝っている)。
なお、相手がオルフェノクでも個体によっては通常のキックでも倒す事が可能とされており、実際、第1話では通常のキックでスティングフィッシュオルフェノクを倒している。

圧倒的な戦闘力差がある上級と下級オルフェノク間でもいざ戦いとなると一撃で勝敗がつくことはほぼ無いが、
ベルトでの必殺技(後述)であれば、大概のオルフェノクに致命傷を与えることが出来るのは大きなメリットと言える。

前述のようにデザインモチーフはギリシャ文字のφ(ファイ)…とされているが、これは後付けであり、「子供にも似顔絵が描きやすいように」という前提条件が先にあり、そのためシンプルな丸と直線だけでデザインされた。
検討段階ではサメをモチーフにしたデザイン案も描かれており、決定デザインでもグローバルフィーラーのディテールなどにその名残がある。
最終的にはメカニカルライダーであることから、生物モチーフは廃された……
が、公式のネットムービーでサメモチーフのライダーと紹介された事もあり(一応初期案がサメモチーフとは言及されているが)、公式でも曖昧なのでモチーフがサメというのも別に間違いではない。


【装備】

ファイズエッジを除いたこれらのベルト、および付随する装備一式は公式にまとめて「ファイズギア」と呼称される(ただし、劇中での呼名は一貫して「ファイズのベルト」だった)。
ファイズギアを一セットとして、基本的には専用アタッシュケースに納めて持ち運ばれる(このアタッシュケースは「ファイズギアボックス」として限定販売された)。
なので前もって装着していなければ、変身する際には迫りくる敵を前にベルト一式をガチャガチャ取り出して装着する羽目になる。
ちなみに劇中で使用したプロップは、DX版とサイズが変わらないケース収納用、変身用、スーツ用、アップ用など計5、6種類もある。

見るからに煩雑なためか、翌年の『仮面ライダー剣』以降は「バックル部分だけを持ち歩いて、腰にかざすとベルトが自動装着」「装備は変身と同時に出現」といった簡略化がなされるようになった。

なお、喋るアイテム自体は前作『仮面ライダー龍騎』からだが、近年まで続く喋る変身アイテムは何気にこの「ファイズギア」が初。
携帯電話など当時流行の電子機器をモチーフにしたこともあり、7年後の『仮面ライダーW』のダブルドライバーに抜かされるまでの間、仮面ライダーシリーズの変身ベルトとしては最多売上を誇っていた。

  • ファイズフォン
携帯電話型トランスジェネレータで、ファイズへの変身時はこれに変身コード「555+ENTER」と入力する。
通話やメールといった通常の携帯電話機能の他、横方向に展開する事で変身の有無を問わず使用できる「フォンブラスター」にも変形する。
ブラスターは光弾を単発で発射する精密射撃に適した「Single Mode(入力コードは103)」と、
光弾を3連射し破壊力は高まるが精密射撃には不向きな「Burst Mode(入力コードは106)」と使い分けが可能。
入力コード「279」では凄まじいエネルギーの濃縮光弾が発射可能だが、長時間の使用はできない。
ファイズポインターを装着してレーザーサイトとして使用出来、設定上は2000m先のターゲットもロックオン可能とされるが、劇中未使用。


  • ファイズドライバー
ベルト型変身ツール
変身コードを入力したファイズフォンをセットすることで適合者をファイズへ変身させる。

適合者をファイズへと変身させる。

大事なことなので2回言いました。
なので、適合者なら「Complete」の音声と共に変身出来るが、不適合者だと「Error」の音声と共にベルトから弾き飛ばされる仕組みになっている。
……とはいえ、変身自体は出来ても、変身後に異常を及ぼす場合もあるカイザギアデルタギアに比べれば安全設計。
もっとも、たとえ不適合でも変身だけはできる他2つのベルトと異なり、不適合なら変身自体できないため、人間の自衛手段としては一番役に立たない(逆にオルフェノクからすれば返り討ちに遭うリスクがないため、最も安全とも取れる)。
なお、ダメージによる変身解除でも勢いでベルトが弾き飛ばされる事が多々あり、その場合は大抵敵にベルトで変身されてピンチになる事が多い。

  • ファイズポインター
デジタルトーチライター(懐中電灯)型ポインディングマーカーデバイス。型番は「SB-555L」。
右足の脹脛に装着し、後述の「クリムゾンスマッシュ」を放つ際に相手をポイントする光線を発射する。
上記のようにフォンブラスターにセットして射程を伸ばす事もできる(最大2000m)が、登場したのは予告編のみで、劇中未使用。
その割には立体化に恵まれており、ファイズのフィギュアでは大体再現可能になっている。

  • ファイズショット
デジタルカメラ型パンチングユニット。型番は「SB-555C」。
手に装着することでパンチ力を強化する。
デジタルカメラとしても使用でき、2000倍ズーム機能やX線モード、サーモグラフィモード、暗闇でも撮影可能な暗視カメラモードがある。
動画を記録する事も可能。

  • ファイズエッジ
オートバジン(後述)の左ハンドルをミッションメモリーを挿入し、引き抜く事で出現するエナジーハンドルブレード。
設定上は「ロウ」・「ミディアム」・「ハイ」・「アルティメット」の4段階の出力調整が可能。
上記の通りミッションメモリーを挿入しないと刃が生成されない設定なのだが、初使用時にはメモリー無しで引き抜き、必殺技を使う際にメモリーを挿入するという描写が見られた。
オートバジンが近くにいなければ使用できないため、カイザブレイガンほどの汎用性はない。
なお、多くの人物がファイズに変身したが、この武器を使用したのは巧だけだったりする。


オートバジン

ファイズの専用バイクでバリアブルビークル。
搭載されたAIによって自律行動が可能なほかに変形機構を持ち、
オフロードバイク形態の「ビークルモード」から人型ロボット形態「バトルモード」に変形する
詳細は項目参照。


ジェットスライガー

ファイズの専用マシンで、スマートブレイン社製大型アタックビークル。
普段はとある下水道に隠されているが、ファイズフォンに「3821+ENTER」と入力すると、「Jet Sriger Come Closer.」のコールと共にファイズの下に駆けつける。
各ライダーズギアに用意されており、劇中ではファイズとデルタが使用したが、ファイズ用は初戦で大破してしまい、一度しか登場していない。
ちなみにファイズフォンにはこのコードが記載されておらず、巧がデルタが口頭で入力しているコードを打ち込んでみたら登場した。
詳しくはデルタの項目参照。


【必殺技】

各ツールにミッションメモリーを挿入し、ファイズフォンのENTERボタンを押すことにより、
「Exceed Charge.」の音声が発せられると共に、フォトンストリームを経由してフォトンブラッドが「限度を超えて」注入され、各種必殺技が使用可能となる。
ファイズの必殺技を受けて倒されると、その場に赤いΦの文字が浮き出る。

  • クリムゾンスマッシュ
ファイズポインターから円錐状の赤い光を放って目標をポイントし、跳び蹴りを放つ。
喰らえば並のオルフェノクは内部から原子分解を起こして灰化し、後にはΦの紋章が浮かび上がる。
劇中この技を使用したのは巧と木場だけだが、ロックオンの方法が異なり、巧はジャンプして前方一回転した際に、木場はその場で相手に脚を向けてロックオンする。
破壊力は17t。

  • グランインパクト
ファイズショットを拳にはめて放つライダーパンチ。
ヒットした際にフォトンブラッドを光子変換した高エネルギーを直接相手にぶつける。
ただ、発動したにもかかわらず逃げられたりカウンターを食らったり寸止めになったり通用しなかったりと不遇な扱いを受けることが多い。
それでも全く不遇というわけではなく、クロコダイルオルフェノク戦で見せたクリムゾンスマッシュからの連続攻撃は一見の価値あり。
また、ホースオルフェノクの魔剣ホースソードをへし折る威力を見せ、最終話ではカイザスラッシュと相殺して見せた。
破壊力は5.2t。

  • スパークルカット
ファイズエッジから放つ衝撃波で敵を拘束し、距離を詰めて切り裂く。
もちろん、単純にフォトンブラッドの刃で切り裂くパターンもある。なお、劇場版も含めて映像作品では3回しか使用されていない*2
映画『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』における仮面ライダーサイガとの一騎打ちでのカウンターは今でも名シーンに挙げられることも多い。


【特徴】

『555』の他ライダーと比べての最大の特徴はその汎用性。
先述の通り、安定を優先した分低出力な事もあり、「上級オルフェノクであれば、このベルトを使うよりオルフェノクとして戦った方が基礎戦闘力的には強い」という状態にあったりするのだが、
この汎用性の高さ故にツールによるパワーアップが可能という点が最大の長所である。


【アクセルフォーム】



Complete.


Start up.

03

02

01


Time Out.

身長:186cm
体重:91kg
パンチ力:(通常時)3.75t(グランインパクト時)7.8t
キック力:(通常時)7.5t(クリムゾンスマッシュ時)25.5t
ジャンプ力:ひと跳び52.5m*3
走力:100mを0.0058秒で走る。

デジタルウォッチ型デバイス「SB-555W ファイズアクセル」のミッションメモリーをファイズフォンに入れることで「Complete.」の音声と共に変身。
巧がこれを攻撃に使用した場合、話の展開上仕方ない強敵以外は100%の殲滅率を誇る、正に一撃必殺のフォーム。

排熱のために胸部装甲・フルメタルラングが左右に跳ね上がるように展開して肩アーマーとなり、内部が露わになる。
また、目は赤色になり、全身に流れるフォトンストリームは銀色に変化する。

この銀色のフォトンストリームはファイズのフォトンブラッドの限界値であるがそこは安全設計のファイズギア、ちゃんと安全装置が備わっており、アイドリングタイムを含めて変身後35秒経過すると「Re Formation.」の音声と共に自動で通常形態に戻る。
もし無理に35秒以上変身し続けた場合臨界点を突破、スーツは自壊し装着者は大量のフォトンブラッドを浴びて即死、更に空気に触れて劣化したフォトンブラッドにより周囲3km四方が汚染されるという時限爆弾と化す。*4

¥¥最大の特徴は、起動中にファイズアクセルのスイッチを押す事により、「Start Up.」の音声の後、カウント開始と共に発動するアクセルモード。
10秒間だけ通常の1000倍の速度での移動が可能になり、10秒経過すると「Time Out.」の音声と共に機能が停止する。
その間100mを僅か0.0058秒で走る事が出来、秒速に換算すると実に秒速17.2km*5

ちなみに時速にすると驚異の62068km。音速に直せばこれまた驚異のマッハ52
因みに第三宇宙速度はおよそ時速60100km。地球脱出どころか余裕で太陽系の引力を振り切れる
後続の高速ライダーである仮面ライダーアクセルトライアル仮面ライダーオーズ ラトラーターコンボ仮面ライダードライブ タイプフォーミュラをも遥かに凌ぐ。

参考までに、2番手のタイプフォーミュラで時速3000kmほど。
とはいえ、タイプフォーミュラの加速には時間制限はなく、肉体への負担こそ掛かるが、繰り返し使用も可能なので、一概には比較出来ない点には注意。

この時轟き渡るエキゾーストノイズが示すように、壁や天井を走れるほど猛烈な数Gものダウンフォースが発生している。

必殺技

全身のフォトンブラッド出力がエクシードチャージ状態と同等レベルまで達しているため、通常形態のようにいちいちエクシードチャージする必要がなく、連続で必殺技が発動可能となる。
そのため必殺技のマルチロックもしくは多重ロック攻撃という離れ業を繰り出すことができる。

  • アクセルクリムゾンスマッシュ
敵一体、或いは複数の敵に連続でクリムゾンスマッシュを浴びせる。それ故、ファンからは「多段ロックオンクリムゾンスマッシュ」とも呼ばれる。
劇場版『パラダイス・ロスト』では10人ほどのライオトルーパー部隊を殲滅し、TV本編では強敵・バットオルフェノクにクリムゾンスマッシュを5連続当てて倒した。
その他、センチピードオルフェノクとシーキュカンバーオルフェノク戦でも使用した*6
劇中で3回(含む)しか使われていないにもかかわらず、その威力とかっこよさから「一番好きなライダーキック」に挙げるファンも多い。

  • スパークルカット
超高速で敵を斬りつける。超スピードで動けるため、エネルギー波による拘束はせず、そのまま敵を滅多斬りにする。
ソードフィッシュオルフェノク戦では周囲の時間がスローになる演出だった。
その他、第48話ではライオトルーパー4人を瞬殺した。

  • グランインパクト
複数の敵に連続でグランインパクトを浴びせる。
アクセルフォームで初めて使用した技で、ファイズが敵集団に突っ込んだ瞬間、敵が一斉に吹っ飛び、後の映像で詳細を流すという凝った演出も特徴的。
この技でスコーピオンオルフェノクを倒すも、ロブスターオルフェノクには躱された*7
木場が変身した際はドラゴンオルフェノクに放ったが、直後に龍人態になったため通用せず、手痛い反撃を食らってしまった。


時間制限の都合上、アクセルフォームの使用自体がある種の必殺技的な扱いとなっている(この点は仮面ライダークウガライジングフォームにも通ずるか)。

ブラスターフォームばかり出番の少なさが語られるが、こちらもテレビ本編では7回しか変身していない。
それでも印象深いのは、やはりそのインパクトの強さと『パラダイス・ロスト』で2回も登場した故だろうか。

このフォームでの加速演出は、後に『仮面ライダーカブト』でのクロックアップなどにも活かされる事となる。
なお、加速演出の初出は『龍騎』でオルタナティブが使用した「アクセルベント」だが、主役ライダーの加速能力としてはファイズが初。

実際、特にアクセルフォームとクロックアップの2種が有名だったため、「クロックアップとアクセルフォームではどちらが速いのか」はファンの間では議論の的になる事が多い。
とはいえ、所詮は推測の域を出なかったが、遂に『仮面ライダーディケイド』第16話「警告:カブト暴走中」にて、ディケイドファイズVS仮面ライダーザビーにおいてこの夢の加速対決が実現した。

+ 該当のシーン概要

クロックアップ出来ないお前など、俺の敵ではない。

そうかな?とも限らないぜ。

《KAMEN RIDE FAIZ》

付き合ってやる、10秒間だけな!

《FORM RIDE FAIZ ACCEL》

Start Up.

宣言通りに、クロックアップしたザビーと加速したディケイドファイズ アクセルフォームは両者互角のスピードで動き回り、緩やかに漂う瓦礫を砕きながらの戦闘を繰り広げる。
しかし、どちらかの効果が先に終了する前に仮面ライダーカブトの登場で水入りとなったため、持続時間での有利不利については明確にされていない。
どう見ても10秒どころか1分ぐらい経過しているが瓦礫はゆっくりと落ちていたため恐らく実際は数秒も経っておらず、映像作品としての描写では同等の能力という事にされているようである。


しかし、あくまでこれは『ディケイド』内での設定であり、ここから両者の優劣を測ることはあまり意味は無さそうでもある。
とはいえ、『カブト』公式サイトのマイザーボマーの解説に「クロックアップした敵も高速移動で追いつめて爆裂する」とあり、『カブト』第1話でレーザーに補足されていることなどから、『ディケイド』放送前からクロックアップは高速移動でも対処可能とされていたようである。

一方、『仮面ライダーウィザード』第52話や映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』でファイズとカブトが共闘した際には、併走しながら敵を撃破する*8描写が見られた。
両者が対決した場合はともかくとして「アクセルフォームもクロックアップも使えない雑魚怪人目線(あるいは視聴者目線)で両者を見た場合は同じくらいの速さに見える」といった扱いの模様。

なお、胸部が開いて内部メカが見えるデザインは製作現場でロボコンに似ていると言われ、公式HPでも「別名“ロボコン・フォーム”」と記載された事もある。
何の因果か、リメイク作である『燃えろ!!ロボコン』の挿入歌である『燃えろ‼︎ロボコン』の歌詞には「信じてた未来が~」と、『Justiφ‘s』に似たフレーズが入っている。

ちなみにDX玩具版のファイズアクセルは劇中演出と異なり、アクセルメモリーを引き抜いた際に「Re Formation.」の音声が流れる仕様となっている他、
同時にアクセルメモリーをDXファイズフォンに挿入しても「Complete.」の音声が流れない。
しかしながら、後の「COMPLETE SELECTION MODIFICATION ファイズアクセル」ではしっかりと劇中準拠の音声演出になっているのでご安心を。

【ブラスターフォーム】



5  5  5

Standing by…


Awakening.


身長:186cm
体重:94kg
パンチ力:(通常時)4t(ファイズショット使用時)8t
キック力:(通常時)8t(ファイズポインター使用時)30t
ジャンプ力:ひと跳び55m
走力:100mを5秒で走る。

アタッシュケース型デバイス「ファイズブラスター」にファイズフォンをセットし、「Awakening.」の音声の後、
中央部のボタンで再び「555+Enter」のコードを入力して「Standing by.」の音声と共に人工衛星イーグルサットから変身コード受信、フォトンストリームが再構成され、ファイズブラスターからスーツと装甲が送られて変身する。
手順を逆にして変身待機状態のファイズフォンをセットすることでも変身は可能で、最終回や『パラダイス・ロスト』での変身シークエンスはこちらだった。数字コードは「555-2」
劇中映像などを見る限り、こちらのスーツは新たに製造された2号機なので、厳密には通常のファイズとは別のライダーである。要は仮面ライダー史上初の「乗り換え」。
なお、これの次の乗り換え主役ライダーは実に約17年ぶりとなる『仮面ライダーゼロワン』の仮面ライダーゼロツー

この形態になるとファイズドライバーからファイズフォンが外されるが、スーツ自体にフォトンブラッドが行き渡る。
逆に何も流れなくなったストリームラインは絶縁体「ブラックアウトストリーム」として機能し、スーツの崩壊を防ぐ。
増大したフォトンブラッドをファイズフォンなしで制御するため、胸部、両手、両足、バックパックにそれぞれ制御回路「フォトンブラッドサーキット」が搭載されている。

この形態ではフォトンブラッドが自動で生成・制御されるため、ファイズドライバーは「ブランクドライバー」となり、完全な飾りとなる。
公式でもはっきり「不要」と断言されているがフォトンストリームの構成、収納時にファイズドライバーが反応しているので変身時には必要なのかもしれない。

スーツの全身そのものに赤いフォトンブラッドが通っているため、上級オルフェノクさえ圧倒する程のパワーを誇る。
いわば全身がフォトンブラッドの鎧であり、表面エネルギーはファイズエッジ(ミディアムモード)並の出力。
そのため、通常のオルフェノクは触れただけで灰化する。
同時に防御力も尋常ではなく、ドラゴンオルフェノクの龍頭双甲、ホースオルフェノク激情態の魔剣ホースソード、仮面ライダーオーガのパンチを食らってもビクともしないほど強固。

全身にフォトンブラッドが満ちているので危険そうに思えるが、赤く変色したインナースーツ「クリムゾンクロス」の内部に冷却繊維物質「クーラントサブスタンス」が通っているため、変身者はフォトンブラッドの影響から保護される。
が、変身時のキックバックが強すぎるため、上級クラスのオルフェノクでなければ変身に耐えられないリスクがある。

背中にはPFF(フォトン・フィールド・フローター)というマルチユニットを装備している。
ファイズブラスターへのコード入力で様々な機能を発揮する*9


劇中未使用だが、ファイズショット(腰には携行している)、ファイズエッジも『仮面ライダー図鑑』によると設定上は使用可能。
それぞれブラスターに「5232+ENTER」「5432+ENTER」で起動する。勿論フォンブラスターも可能。
一方でファイズアクセルが使用出来るか否かが議論の的にある事もあるが、ブラスターフォームになるとファイズアクセルが消失するため、アクセルとの併用はできない/想定されていないと思われる。

上記の様に関連商品が大いに売れ販促の催促が無かった為か、劇中での登場シーンが少ない(TV本編で4回+劇場版で1回*12)上に、
通常形態から特にシルエットが変化しないため、最強フォームなのにいまいちパッとせず、仕様上ベルトが空っぽになってしまうのを嫌うファンも多い。
おかげで映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』終盤の「平成ライダーキック」発動シーンで連続してベルトが映るシーンでは唯一ベルトが空っぽという悲劇が……。
アクセルフォームが「超スピード」という分かりやすい演出を持っているのに対し、こちらは強さがいまいち分かりづらいという事もあろう。

また、正装着者の巧は基本的に通常形態で戦う事が多く、アクセルフォームやブラスターフォームに変身するのはバットオルフェノクアークオルフェノク仮面ライダーオーガなどのような通常形態では勝ち目がない敵が相手の場合*13
またはライオトルーパーのような敵が複数いる場合が殆どであるため、強化フォームの使用率自体が割と低かったりする。

だが、出番が少ないとは言ったが、一応仮面ライダークウガ アルティメットフォームと比べればまだ恵まれ、かつその僅かな出番の殆どが
といった劇中屈指の強豪相手。しかもラスボスアークオルフェノク以外は真正面から圧倒している(そのアークオルフェノクにも最終的に致命傷を与えている)ため、性能は間違いなく最強フォームに相応しいと見ていいだろう。
特に本編に先行して登場した映画『パラダイス・ロスト』ではオーガを真っ向勝負で圧倒し、必殺技の撃ち合いで勝利するなど活躍。
直前の巧と真理のやりとりも合わせて、劇中屈指の名場面である。


巧「おい真理、真理!!…何だっけかなぁ…救世主は何をするんだ?『闇を切り裂き』?」
真理「…光を…もたらす……」
巧「聞こえねーよ!」
真理「…『闇を切り裂き、光をもたらす』のよ!!」
巧「……きっついなぁ、お前の期待に応えるのは……」
真理「出来るよ巧、巧なら!…だって……巧は…巧だから!」

必殺技

  • 超強化クリムゾンスマッシュ*14
ブラスターフォームで放つクリムゾンスマッシュ。設定上「5532+ENTER」でポインターが起動する。
映画『パラダイス・ロスト』ではミッションメモリーを挿入せずにファイズポインターだけ足にセットし、フライトモードからチャージ無しで放った。
TV本編最終回ではフォトンブレイカーからチャージしてポインター代わりの衝撃波を放ち、そのままキック。破壊力は30t。

その様子は「紅い竜巻」のようであり、映画『パラダイス・ロスト』で「オーガストラッシュ」とぶつかった際には、余波でアリーナを上下に真っ二つにする程の規模。
最終決戦でアークオルフェノクにぶちかました際も周囲の建造物を破壊していた。

本編・劇場版合わせても使用回数は上記の僅か2回のみだが、いずれもそれぞれのラスボスへの決定打となった文句なしの大技である。


【余談】

ネット上では「フォトンブラッドは強烈な劇薬でもあり、フォトンブラッドによる毒殺が攻撃の肝となる。」……と語られる事が多いが実際には毒殺ではなくフォトンブラッドの“衝撃”によるもの。
超全集においてもフォトンブラッドの衝撃について触れられているものの、毒性に関しては触れられていない。
恐らくアクセルフォームの
「35秒を超えると自壊し、装着者は大量のフォトンブラッドを浴び、死に至る」
「周囲3km四方が空気に触れて劣化したフォトンブラッドに汚染される」
といった設定や、ブラスターフォームの
「通常のオルフェノクは触れるだけで灰化される」
という設定が曲解されて広まったものだろう。
なので、実際にフォトンブラッドに毒性があるのかどうかは不明だったりする。
別作品を例に出すが、アニメ『機動戦士ガンダム00』のGN粒子もフォトン(光子)の一種で条件や種類では毒性がある。


通常形態のみだが、一部の回では暗所においてスーツの眼の半円が黄・フォトンストリームが赤にそれぞれ輝くギミックが導入され、何とも言えない美しさを醸し出す。
しかし、実際の撮影では元来特撮用のスーツは視界用のスリットが小さい所に加え頭部前面に発光装置があるため、スーツアクターの高岩さんは何も見えない状態でアクションをしていた。
マスク外してアクションリハ→ここでこう動いて斬りつけると頭に叩きこむ→マスク被って本番
リハと一挙一動同じに動けばいいだけだから簡単でしょ?って出来るか普通!

また、「電飾の塊」というべきスーツの雨天の撮影は大変だったそうで、更に内部はかなりの配線が走っており着心地も酷かったらしい。
ことに電熱による発熱は下手をすると火傷するほど凄まじかったそうで、小まめに消灯してクールダウンしてやる必要があったのだとか。
それから6年後の『ディケイド』で新調された電光スーツについては技術の進歩により、視界が(多少)確保出来るようになっている。

ちなみに当初はその電飾スーツはオープニングなどのアクションしない場面用のものしかなく(初期アクションシーンでの発光はCG処理)、
それ以外の時のアクション用電飾スーツはスーツ制作会社が東映に内緒で(期待させて失敗したら悪いので)完成させたもの。
こちらのスーツはカイザ版電飾スーツとともに第38話から使用されたが、視野に関しては上記の通りである。



俺はもう迷わない…。

追記・修正する事が罪だというのなら、俺が背負ってやる!!

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最終更新:2024年03月19日 22:28
添付ファイル

*1 例を挙げると、三原がTV本編では最も出力の高いデルタに変身しても一般オルフェノクに苦戦するが、巧や草加が変身した際はあっさりと打ち倒している

*2 『ディケイド』やアクセルフォームでの使用を除いて、スカラベオルフェノク戦、アルマジロオルフェノク戦、サイガ戦の3回。

*3 『仮面ライダー555超全集 上巻』P23 では5.25mとなっているが、公式サイトでは52.5mとなっており、超全集の記述はおそらく誤植。

*4 この設定を意識してかアクセルフォームへのチェンジを再現したゲームでは、基本的にファイズアクセルを腕に装着する事をフォームチェンジ扱いとし、必殺技の際のみフォームチェンジするという演出を取っている

*5 ただし、劇中では何回か敵を仕留めそこなった事がある。

*6 センチピードオルフェノクにはギリギリでかわされてしまったが。

*7 もう一体いたドルフィンオルフェノクはスマートブレインに脅されていたため、通常のキックだけで済ませた。

*8 後者ではドライブ タイプスピードも参加しており、シフトスピードのシフトアップではファイズやカブトに速度が劣るものの、それでもクロックアップ空間から見れば少しスローになる程度のように描かれている。

*9 なお、映画『パラダイス・ロスト』で登場したファイズブラスターをよく見ると、コンソールボードのキャンセルキーがなくなっている。

*10 巧が木場を死なせないために威力を抑えた可能性もある。

*11 『仮面ライダー555超全集 下巻』P13より

*12 しかもそのうち第39話と第44話は変身のみ。

*13 仮面ライダーサイガ相手にはフライングアタッカーのスピードに対抗するためにアクセルフォームを使用した。

*14 名称はデアゴスティーニ刊『週刊仮面ライダー オフィシャルパーフェクトファイル 第43号』及び食玩「SGロックシード ファイズロックシード(ブラスターフォーム)」より。