クチート

登録日:2010/08/17 Tue 22:23:20
更新日:2024/01/10 Wed 01:21:56
所要時間:約 9 分で読めます




クチートとは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。



■データ


全国図鑑No.0303
分類:あざむきポケモン
英語名:Mawile
高さ:0.6m
重さ:11.5kg
タマゴグループ:陸上/妖精
性別比率:♂50♀50

タイプ:はがね/フェアリー ※第六世代以降
特性:かいりきバサミ(相手の技や特性で攻撃を下げられない)
   /いかく(場に出た時に相手の攻撃を1段階下げる。先頭にすると自分よりレベルが5以上低いポケモンの出現率が半分になる)
隠れ特性:ちからずく(技の追加効果が発動しない代わりにその技の威力が1.3倍になる)

HP:50
攻撃:85
防御:85
特攻:55
特防:55
素早さ:50
合計:380

努力値:攻撃+1、防御+1


■概要


二足歩行の人型をしており、頭部には鋼の角が変化してできたポニーテールのような大きな顎がある。
可愛らしい顔と愛嬌のある仕草で敵を油断させ、突然振り向いて体の後ろに隠している大顎で噛みついて攻撃する。
まるで映画のエボリューションにでも出てきそうなやつである。

因みに食事をする時は基本的に前の方の口から食べる。
一応後ろの方の口からでも食べ物を摂取する事は出来るらしいが、味覚といった感覚機能が薄い為に前の口でちょっと食べて不味かったりしたものを、後ろの口に器用に放り込んだりして処分する時程度だとか。

ルビー・サファイア』では『ルビー』でのみ出現し、『サファイア』のみ出現するヤミラミと対になっている。
初登場である第三世代のグラフィックでは大顎をこちらに向けているため、初見でその不気味さに驚いた人も多いのではないだろうか。
そして同時に自分側から見た可愛らしさにさらに驚いた人も多いだろう。
真の意味でキモクナーイ!


ちなみに第四世代のグラフィックはちゃんと本体の方が前を向いていて受ける印象が大分違う。
でもやっぱり自分側から見るとさらに可愛い



名前の由来は口+チート(欺く)、姿は妖怪の二口女がモデルだろうと思われる。

よく勘違いされがちだが足はスカート状ではなく袴の形に近い。
あと大顎の模様もではなくである。


■対戦において


第五世代以前では数少ない貴重な単鋼タイプだった。
種族値はお世辞にも高いとは言えないが、威嚇と鋼タイプの耐性の多さや技の豊富さを生かせば色んなポケモンを突破できる侮れないポケモン。
特性「いかく」+鋼タイプはクチートだけ。

威嚇込みの物理耐久は高く、鋼に対して有効打を持たない相手の前にだせば余裕を持って積める。
とはいえ反面特殊耐久は紙同然なので役割破壊の「だいもんじ」はもちろん等倍の電気ですら致命傷を負いかねないので注意。
因みに威嚇込みのHP252振り、防御4振りの物理耐久は計算されたかのように陽気ガブリアスの「じしん」を最大ダメージでも1残して耐える。

アタッカーとして採用する場合、火力不足は否めないので豊富な技を生かして弱点を突いたり、補助技を絡めて戦おう。
メイン技は「じゃれつく」や「アイアンヘッド」等の一致技(…と言いたいところだが、実はクチートの一致技は前述の2種を除くと後は特殊だけ)
3色パンチや「はたきおとす」などなど、攻撃面では不足はない。鈍足は「ふいうち」で補う形になる。
また万能カウンター技「メタルバースト」も使用可能であり、気合いの襷と併せて相手を返り討ちにすることができる。
補助は「つるぎのまい」や「みがわり」が軸。たまに「ちょうはつ」搭載型もある。ただ鈍足かつ耐久もまずまずである為、交代読みで使う事が多くなる。
XD限定技で「うたう」も使えたりする。

ハマればかなりの活躍が期待できるが、使用者の判断力が試される。
上手く相手の行動を読む実力がないと使いこなすのは難しい上級者向きのポケモンと言えるだろう。

しかしクチートに対するさえあればそんな事は障害にすらならないのだ。

かわいいは正義。

隠れ特性は「ちからずく」。
クチートは「追加効果があり、威力も申し分ない物理技」には結構恵まれている為、なかなか相性が良い。
れいとうビームやかえんほうしゃも覚えるため、特殊技を絡めても面白い。
…のだが、自身の耐久を補助する「いかく」を捨てるも同然なのでさらにトレーナーの腕を求められることになる。

余談だが同じく単鋼タイプのギギギアルとは真逆の悩みを抱えていたりする(クチートは種族値の低さ、ギギギアルは技の貧相さ)。


そして、『X・Y』においてクチートは新たな一歩を踏み出す事になる。
新タイプ・フェアリーが追加されたが、クチートもまたこのタイプに属する事となった。
その結果耐性が


[新]
抜群:ほのお/じめん
半減:ノーマル/くさ/ひこう/むし/いわ/エスパー/あく/フェアリー
無効:どく/ドラゴン

…と変化している。
この結果抜群3・半減11・無効1から抜群2・半減9・無効2となった。
半減が減った代わりに弱点も減って無効も増えたため、耐性は相変わらず高い。
はがねタイプの耐性変更の影響でゴースト技をいなす事が出来なくなってしまったが、本来等倍になるはずだったあく技はフェアリーのお陰で半減のままとなっている。
また、フェアリーの弱点であるはがねが等倍・どく無効と弱点のフォローも完璧。

さらにはメガシンカもする。

  • 種族値
HP:50
攻撃:105
防御:125
特攻:55
特防:95
素早さ:50
合計:480

元のクチートの約2倍に巨大化し、自慢のポニーテールがツインテール化。さらに可愛らしくなった。

能力上昇は攻撃に+20、防御・特防に+40と守り重視の上昇。
そして特性は攻撃を倍加する「ちからもち」。遂に高い攻撃種族値+「ちからもち」が実現してしまった。
(今までの「ちからもち」所持者は素の攻撃種族値が低いとする事でバランスが取られていた。本作で追加されたホルードもそんな感じ)

その凄まじさや攻撃個体値V・無振りの時点で実質数値250相当。※Lv50です
攻撃特化ゼクロムグラードンの実質数値は222。それを努力値無しで成し遂げてしまうのだから恐ろしいものである。
ちなみに極振りで攻撃数値は172となる為、特化時の実質値は344となる。※もう一度言いますがLv50です。
おまけに今回「ちからもち」は攻撃力ではなく「物理技威力が2倍」に変更された為混乱による自滅や「イカサマ」のダメージが減ると言う地味ながらうれしい仕様があったりする。まさにクチート
……と言われていたが、混乱やイカサマのダメージ仕様は第五世代でもちからもち適用外であったし、さらに検証の結果第六世代でも攻撃力倍増ということが判明した(攻撃力2倍と技威力2倍ではダメージ計算結果がわずかに異なる事例がある)。
いずれにせよクチートの一致最大威力は90なので、伝説のポケモンを一方的に蹴落とせるかと言うとそうでもなかったりする。それでも十分だが。

ダブルバトルでは超火力+「いかく」の両立が可能な点が十二分に活かせる為、メガシンカ枠としてはなかなか有力な候補。
また、GSルールでは禁止ドラゴンが多い為、タイプの都合上優位に立ちやすい。
但し最近はホウエン組が全力でハッスルしている為少し辛いか。

鈍足高火力という点で「トリックルーム」との相性も良い。発動役としてはポリゴン2やクレセリアがよく選ばれており、「ポリ2クチート」「ポリ2クレセクチート」などと呼ばれていた。

ただし欠点もある。
メガシンカすると特性が「ちからもち」に変わる影響で完全に物理型化。
火傷にかなり弱くなってしまう。
「からげんき」でひと泡吹かせる…ことも出来なくないが相手がゴーストだと普通に止まる。
特攻55で特殊技はありえない
また、防御・特防の数値に反してHPはわずか50しかない。
物理はメガシンカ前のいかくと合わせればある程度の耐久となるが、特殊耐久を自力でフォローする手段はなきに等しいため、意外と耐えきれずに落ちる事も少なくない。加えて弱点も、2個だけとはいえ炎・地面というメジャーなタイプであり、鋼対策のサブウェポンがしっかり刺さる。
役割破壊程度では落ちないのが幸いといったところか。
素早さが低いのもあり、上を取られて落とされてしまうことも多い。
第六世代では「でんじは」を撒いてもらう、「ふいうち」で先制する等で補っていたが、第7世代から麻痺・不意打ちともに弱体化したため厳しくなる。
存分に暴れさせるなら「トリックルーム」等の工夫は欲しいところ。


とはいえ、第五世代以前と比べると圧倒的に強くなったのは変わりなく、昔からの愛好家も大満足であろう。

ソード・シールド』のストーリーではポプラに調教されフェアリー使いとなったビートの手持ちポケモンに加わっている。どの試合でも必ず先鋒になる。
一方、対人戦における戦術の変化としては、共通の調整でメガシンカを没収されてしまい、元の低種族値でまた戦わなければならなくなった他、何故か素のクチート最大の武器であった「メタルバースト」まで没収された
おまけに同タイプのクレッフィは自主退場に使えるてっていこうせんの習得により壁張り型が大幅に強化。益々立場が苦しくなってしまった。
スピアーやピジョットのようにガラルに行けないほうがまだ幸せだったかもしれない…。



■アニメにおいて


AG編105話「恋するクチート!ハスブレロの花道!!」に登場。
CV:西村ちなみ。

トレーナーのサヨリ(CV:小林沙苗)のポケモンで、リボンを使いダンスを踊ることができ、惚れっぽくて惚れられやすい。
同話中でもサトシヘイガニに惚れられたり、タケシハスブレロや通りかかったコダックに惚れるなどしている。
……ぼーっとした感じのポケモンが好みなのだろうか。

上記を理由に幾度と赤面するクチートだが、この姿は反則級でキュンキュンキュンとくる。

使用する技は「ソーラービーム」や「きあいパンチ」など。

ちなみに劇場版『裂空の訪問者デオキシス』にも少しだけ登場している。


■本家以外の作品

■ポケパークWii


ケイブゾーンに住むポケモンとして登場。
ピカチュウが訪れた時、ケイブゾーンは人影もまばらで、すっかり寂れた状態だった。
クチートの話によれば、かつては名物の温泉に入るためにやってくるポケモンたちでこのケイブゾーンも活気づいていたが、
地震の影響で温泉が枯れてからはぱったりと客足は途絶え、元々ケイブゾーンに住んでいたポケモンまで出て行ってしまった。
おまけにトロッコのレールが壊れたために他のゾーンに移動する事もできなくなり、ポケモンたちは困り果てているという。
クチートのために温泉復旧とレールの故障の手がかりを探すべく、ポケモンたちに聞き込みを開始するピカチュウ。
すると、ココドラの口から驚きの証言が飛び出す。なんとレールを壊した犯人はクチートだというのだ。
急いで事情を聞きに行くと、彼女はあっさりと犯行を認め、大アゴで?噛み切ったレールをダグトリオに隠してもらったと話す。
ピカチュウがレールを壊した理由を尋ねると…

「・・・だってトロッコが うごかなければ
みんな このゾーンから でていかないでしょ?」

思い返せば、ピカチュウが最初にこのゾーンを訪れた際、クチートはこう話していた。

「おひさまも うみも みどりも ないけど、ここが ワタシたちの ふるさと。
 トロッコに のって でていくヤツの きが しれないわ。」

そう、彼女はなにも嫌がらせでレールを壊したのではない。
仲間たちがどんどん離れていくのが、そして彼女が愛するケイブゾーンがこれ以上廃れるのが耐えられなかっただけなのだ。
こんなに健気で可愛い娘が困っていたら、助けないわけにはいかない。
かくしてピカチュウの活躍により枯渇していた温泉は復活し、ケイブゾーンにはポケモンたちと活気が戻ってきた。
後日、ピカチュウが復興を果したケイブゾーンを訪れると…

「また あえたわね! キミに いいたいことが あるの。
・・・どうも ありがとう。 ふう・・・ やっと いえた。

キミの おかげで ケイブゾーンは とても ステキに なった。
キミの えがお だいすきよ。 また あそびに きてね。

か わ い い


■ポケダン


ダンジョンに出現する野生ポケモンとしては『救助隊』から登場している。…生憎『マグナゲート』にはいないが。
空の探検隊』ではED後のあるストーリーにて、ある個体がNPCとしての登場。
』では「ポケモン調査団の考古学者」としてストーリーに関わる個体が登場。




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最終更新:2024年01月10日 01:21