ふたりはプリキュア Splash☆Star

登録日:2009/10/20 Thu 23:29:26ラピ
更新日:2024/03/13 Wed 17:17:58チョピ
所要時間:約 10 分で読めるムプ/フプ





輝く金の花、キュアブルーム
煌めく銀の翼、キュアイーグレット

画像出展:ふたりはプリキュアSplash☆Star(2006年2月5日~2007年1月28日)
第1話「おっどろきの再会!ふたりは何者なの!?」より
© 2006 ABC・東映アニメーション

ふたりはプリキュア

『ふたりはプリキュア Splash☆Star』

プリキュアシリーズ三作目。
だが、その待遇は……。



初代プリキュアシリーズが終了、主人公を新たに『日向咲』と『美翔舞』に変更して制作された。

初代で好評だった戦闘シーンはドコからかわからないが批判を受けていたらしく、このS☆Sでは直接的な打撃戦は少なくなった。
精霊パワーによってキラキラと光の粒子を纏いながら闘い、攻撃よりも防御が重視された……のだが……??


主題は『自然』であり、初代とは異なる方向から『命』を大切にする作風。
北欧神話の要素も混ぜつつ、全体に柔らかい世界観となっている。
特に自然描写・背景画の美しさはシリーズでも群を抜いており、SD画質作品ながら未だに頂点と言ってもいいかもしれない。


そんな本作は、よくご存知だとは思うが、鷲尾プロデューサーが担当した作品の中では唯一一作のみの制作となった。
これは元々は二年構想であったが、商業的な不振が響いて頓挫したためである。
それでも前前シリーズであるお邪魔どれみの売上と比較すれば遜色ない成績だったのだが、初代と比べるとその落ち込みっぷりは顕著であった。
なおここまで追い詰められた原因の一つとして、前作『MaxHeart』の時点で競合商品に押されていた影響が、本作で尾を引いたことがあげられる。*1
業界紙には前作の主人公と見た目の変化が大きくなく、新シリーズとして認識されづらかったことも指摘されている。
詳細は『プリキュアぴあ』や『プリキュアシンドローム』、DVD-BOXの特典ブックレットを参照。

二年構想の断念が決まってからは、続編用に想定していたキュアブライト・キュアウィンディの投入と、変身アイテムの強化という
シリーズを通して珍しい施策がおこなわれた。変身アイテムが途中で新調されるのはシリーズでもかなり珍しい展開。
そして終了が決まったことである意味自由に作れるようになったのか、迫力ある戦闘演出も多く盛り込まれるようになった。
当時映像展開がほぼストップしていたドラゴンボールの再来とまで言われたが、当初から目指していた「柔らかい雰囲気」は最後まで捨てなかった。

初代との人気の差が顕著だったため、『明日のナージャ』と合わせて本作を嘲笑する風潮がネット上ではよく見受けられた。
実際人気はあまり出なかったわけだが、鷲尾プロデューサーは本作を高く評価しており、
  • 「関係者はすべてを尽くして良い作品にしてくれた」
  • 「自己評価としては充実したいい作品を作れた自負がある」
  • 「良い結果が出なかったのは自分の商業的見通しが甘かったせい」
とし、決して作品の内容が悪かったわけではないことを強調している。

さらにストーリーにおけるあからさまな伏線の未回収などはない。
二年目はあくまで新しいストーリーをやる予定だったようで(初代とMaxHeartの関係と同じ)、1年目だけになっても何も問題ないように始めから考えられていたようだ。

こうしたことから熱心なファンが多く、関係者の思い入れもあって本作の関係者を中心としたライブ活動を行っている。
テレビシリーズが終了してから関係者がライブイベントやトークイベントを開催することはあるが、10年以上活動が継続しているのは本作だけ
鷲尾Pも今やかなりのお偉方にまで昇進したが、にも関わらずイベントがあると関係者席に足を運んだり、コメントを寄せるなどしている。


プリキュア


(詳細は各項目参照)

作中では回によって変身する形態を使い分けていたが、その後のオールスターズ作品では戦闘中にブルーム・イーグレットの形態からブライト・ウィンディの形態に二段変身するようになった。

ソフトボール部に所属し、ピッチャーである。
家は両親が営む「ベーカリーPANPAKAパン」というパン屋。
勉強・絵画は苦手だが、部活動では活発になる。


美術部に所属し、絵を描くのが大好きである。
熱心にデッサンをしていたり、感動した物事に集中していると名前を呼ばれても気づかないことが多い。



【パートナー妖精】


  • フラッピ(花の精霊) CV:山口勝平
  • チョッピ(鳥の精霊) CV:松来未祐
  • ムープ(月の精霊) CV:渕崎ゆり子
  • フープ(風の精霊) CV:岡村明美

みんなかわいい。一般人に見つかり珍獣扱いされたことも。


  • アワーズ&ミニッツ CV:菊池正美・TARAKO
劇場版に登場した、短針のせっかちな亀と、長針ののんびり兎。



【プリキュアの仲間】


(詳細は別項目を参照)

  • 霧生満 CV:渕崎ゆり子
赤色のショートヘアの少女。頭脳明晰、スポーツ万能で、薫と共に現れたが満は社交的な部分を見せていた。
18話や漫画版の描写から、メロンパンが好物であるという非公式(半公式?)設定が生まれている。
咲の影響か、終盤にパン作りに興味を示す。


青色のロングヘアの少女。デコ。頭脳明晰でスp(ry
見た目は無愛想で事実敬遠されがちだったが、実際は感情に流されやすい。
そのためか、みのりに感化されていく。ふたご版を見るにロリコン疑惑もむべなるかな。
舞の影響だろう、絵を描く事に興味を持ったようだ。



【主なサブキャラクター】


最強の笑顔を持つ少女で、咲の妹。
薫との初対面時、お互いの空気読めなさが奇跡的に噛み合ったことで気に入り、最終的に彼女を籠絡した末恐ろしい娘。
なにげに世界を救えたのは彼女のおかげ。
咲と喧嘩する8話は必見。
10年後には喋るクマのぬいぐるみになったらしいモフ。


  • コロネ CV:渡辺英雄
日向家のオス猫。キントレさんと双璧を成す漢。


  • フィーリア王女 CV:川田妙子
うっかり王女。彼女のうっかりで世界が滅んだ。
後のチョコラ王女だったりシプレだったり。


  • 美翔和也 CV:野島健児
舞の兄であり、咲の想い人。
温厚で爽やかだがどこか変わり者。
宇宙飛行士が夢で、丈夫な体を作るために牛乳を飲んでる。そのためファンからは牛乳王子と呼ばれる。


親父ギャグをこよなく愛する、大変痛いやつ。オマケに空気が読めない。こっちは悪い意味で。
後のりんちゃんさん…もといキュアルージュである。


  • 伊東仁美 CV:小野涼子
咲と同じくソフトボール部員。口癖が「マジ」と、明らかに前作の志穂を引っ張っている……。


  • 太田優子 CV:城雅子
な ぜ こ う な っ た !!
ソフトボール部で、まさかのピザ。リアルと言えば確かにそう、だが……。
ちなみに健太にかなり惚れている。応援せざるをえない……。


咲と舞のクラスのクラス委員。
大人しく気の弱い男子だったが、成り行きで健太と漫才コンビを組むことになり、マジレスツッコミが受けてハマり役に。
中の人は後のナッツ

ダークフォール


彼らの目的は世界の支配……ではなく滅ぼすこと。正確には宇宙誕生以前の静けさを取り戻すこと。
幹部5人のモチーフは五行思想から。

一番手の刺客。木行。
カレーパンは中辛がお薦め。カレッチと呼んでくれ。


二番手の刺客。火行。
海の中から出てくるチャチャチャなセニョール。


三番手の刺客。土行。
ネクラな巨漢。演じる岩田光央氏のアドリブのおかげで化けたキャラクター。


四番手の刺客。水行。
タカビーなお姉さん。絶対わざと名前を間違えられてる。
かき氷うまそう。8年後には改心してお目付け役の妖精になった。


最強最後の刺客。金行。
全身金色の紳士なマッチョマン。
達筆で絵もうまい。ライバルはコロネで好物もコロネ。


参謀。越後屋。
自室の趣味が悪いくせに自慢したがる。
実は強い。


  • アクダイカーン CV:五代高之
ダークフォールの支配者。悪代官。どっしりしている。
「なかになにもないじゃないですか…」


劇場版に登場。牛。
世界の時を止めることで、世界に静寂をもたらそうとした。



【プリキュアについて】


精霊の導きにより、咲と舞が変身する。
掛け声は『デュアル・スピリチュアル・パワー』。

初代と同じく二人一緒でなければ変身や必殺技は不可能。
戦闘スタイルはブルームはブラック、イーグレットはホワイトに似ている。
しかし、あちらとは根本的な部分で大きな違いがある。

本作のプリキュアは精霊の力を借りて戦っており、前作までのようにプリキュアたち自身の能力が高まるわけではない。
攻撃、防御、跳躍と、あらゆる面で精霊の力に依存しているため、力を放出し過ぎるとパワーダウンしてしまう。

ちなみに攻撃を受けた際には必ずバリアのようなものが現れる。
壁や地面に叩きつけられそうになると、背中をちゃんと守ってくれる徹底振りである。

また、二人が仲違いした場合等は相当戦闘力が下がってしまう。


前述の通り、戦闘シーンは過激さ抑え目で作られていたが、打ち切りが決まり吹っ切れたのか番組後半になるにつれてテンポや迫力が増すようになった。
だが、スマートでキラキラした雰囲気は最後まで徹底しており、初代の戦闘演出の焼き直しには最後までならなかった。

48話・49話(最終話)は本作の「精霊アクションバトル」の集大成で、文章ではとても表現できない唖然とするような戦闘シーンを繰り広げている。
光と風を身に纏い、DB顔負けの打撃戦、連続&連携技をする様子はよく動画サイトに上がっており、
この最終戦闘シーンだけを観て「プリキュアを勘違いしていた」と更に勘違いして帰る者が後を断たない。



【プリキュアの必殺技】


プリキュア・ツインストリーム・ スプラッシュ

プリキュア・スパイラルハート・スプラッシュ

プリキュア・スパイラルスター・スプラッシュ

プリキュア・スパイラルハート・スプラッシュスター


最後のプリキュア・スパイラルハート・スプラッシュスターはブルームとイーグレットだけでなく満と薫の力も必要。
だから『プリキュアオールスターズ』では使われない。今後、満薫も活躍の機会があればきっと…



【その他】


DX2』ではドロドロンを除く幹部4人が復活した。
初代が無印・MH通じてウラガノスしか復活しなかった事を思うとかなり優遇されている。

モエルンバ・シタターレが採用された理由は炎や水の表現が欲しかったからだそうだ。
ドロドロンが出なかったのは蜘蛛モチーフが5のアラクネアと被ったためだとか。

『NewStage3』でもカレハーンを除く幹部4人が登場。
カレハーンが出なかったのは蜘蛛モチーフが5のアラクネアと被ったためだと思われていたドロドロンと入れ変わったためだとか。


プリキュアダンスの『ガンバランスdeダンス』は高い人気を得、『Yes!プリキュア5/〃Go!Go!』の後期EDにも採用された。


エンドカードでしんちゃんとコラボしたことがある。


2011年になり設定資料集が発売された。初代もこの年に発売している。


2012年にはDVD-BOXが登場。稲上さんの描き下ろし色紙がプレゼントされた(応募者全員)。



【漫画版について】


なかよし連載の上北ふたご先生の漫画版は、咲と舞の仲良し度が凄く、もはや百合漫画。素晴らしい。
先生は現在もシリーズの漫画を担当しているが、百合度は本作が一番だと思われる。

そんな漫画版だが、2巻が発売されていない。講談社……
一応、5GoGo以降がおはなしブック/まるごとブックに収録され続けてはいるが、SSの続きは……5も……

ちなみに毎年、咲舞らしきモブが登場している。満薫やみのりがいることも。


そして2014年、プリキュア10周年記念の一環として漫画版をまとめた『プリキュアコレクション』が発売されることに。
これにより入手が容易になり、全話+描き下ろしを楽しめるようになった。やったね!

2015年には劇場版のコミカライズも復刻された。



【声優について】


ファンの間では声優達の仲がかなり良い事で有名で、番組終了後も継続してライブ企画を幾度となく決行している。
特にプリキュア二人はラブラブ。
今でもデート(と称したお出かけ)をよくしている。

しかしこの度、咲役の樹元オリエが男性と結婚&妊娠した事を発表。舞役の榎本温子は取り乱し、二人の蜜月は終わった。


……かと思われたが

  • 結婚は元々知っていた

  • だから旦那公認の愛人に

  • でも愛人なんていやだよおおお

色々おかしいが更に

  • 「プライベートでもふたりはプリキュアしませんか」とプロポーズしようと思ってた

との衝撃の事実が明らかになり(プリキュア=結婚が公式化された瞬間である)、それを受けて樹元も「一番はあっちゃんだよ!」と発言。
子供も一緒に育てる約束を交わすのであった。


インタビューやTwitterでもお互いの仲の深さがよく分かる。



【余談】


同じく小村氏が監督を務める映画『手塚治虫のブッダ2』では、「S☆Sで考えていたが当時表現できなかった」という、美しく見応えのある光の演出が見られる。






画像出典:ふたりはプリキュアSprash☆Star
© 2006 ABC・東映アニメーション

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最終更新:2024年03月13日 17:17
添付ファイル

*1 なお「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」であり、こちらがヒットした影響で前作の『MH』も下半期の売上はがっくりと落ちている。