ショートの固定に苦しんだヤクルトが連れてきた内野手。GGの獲得経験もあるメジャー屈指の名手で、メジャーファンの知名度も高かったのでかなり期待されていた。
横浜のエドウィン・エスコバー投手の親戚で、オフには仲良く草野球に出ているという私生活面でも注目を浴びる。
が、蓋を開けると打率以外はボロボロ。打撃についてはとにかく早打ちなので打率に対して出塁率が低く、規定打席到達した助っ人ではおよそ半世紀ぶりのシーズン1本塁打となったが、これは下馬評通りではある。
だが肝心の守備で衰えが顕著で、UZRが-16.7という悲惨すぎる数値を叩き出しており、同年限りで解雇となった。
その後はワシントン・ナショナルズでメジャー復帰を果たしている。
去年まで主力投手の一角を務めていたデビッド・ブキャナンに代わる投手として契約する。
練習試合やオープン戦ではそれなりの成果を出していたものの、いざペナントが始まると登板するたびに炎上。先発するたびに4点以上失点して試合を壊しまくり一度2軍降格。
その後再度昇格し中継ぎに回るも、やっぱり炎上しまくり結局一軍では一つも勝てないまま降格。この頃には二軍でも通用しなくなり打ち込まれてしまい、とうとうペナントレース終了前に解雇されてしまった。
NPBでの一軍成績は9試合24投球回で0勝3敗・45被安打・被本塁打8・10四球・防御率10.13。上記のアイケルバーガーをも上回る惨状で
ムノーア
という不名誉な仇名までつけられてしまった。
なお、この年のヤクルトは7月12日に単独首位に立つなど決してスタートダッシュに失敗したわけではないが、イノーアが炎上し出した8月以降はシーズン終了まで負け越すなど急失速し、2年連続の最下位でシーズンを終えた。
珍しい南アフリカ出身の選手。前年4位に沈んだ広島の新クローザーとして期待された。
オープン戦では結果を残し1軍スタート。しかしシーズンが開幕すると2回目の登板でいきなり1アウトも取れずに満塁にされた挙句サヨナラを決められる。翌月にはヤクルトの村上宗隆から
サヨナラグランドスラムを被弾
し、スコットならぬ
スットコ
と呼ばれるようになる有様。
後半には先発を試すもうまくいかず、シーズン通しての防御率は
15.75
、リリーフ防御率に至っては
22.50
という異次元の数字を残した。これは是非もなく退団…かと思われたが、助っ人の確保が難しい事もありまさかの残留。だが翌年は1軍登板なしに終わり、今度こそ退団した。
「スコット」という名前の選手がやらかすたびにスットコ呼ばわりされるようになるなど、同じ年にやらかしまくったイノーアと並び2020年を代表する炎上投手となってしまった。
さらに珍しいリトアニア出身の選手。長身から繰り出す160キロのストレートとパワーカーブで先発として期待されたが、その割にストレートが甘く入り痛打されることが多く、そもそもストレートの球速は良くて150キロ前半しか出ず、またクイックが極端に苦手なこともあり、一軍登板は1試合で防御率10.30、二軍でも防御率5点台と全く結果を残せず、ネバカスと呼ばれる始末で1年で退団となった。
2020年度ストーブリーグの目玉、KBO最強打者ロハス・ジュニアを阪神との競合の末に逃した巨人が、それに代わって契約を結んだ選手。ロハスと同じくKBOを経験した選手であり、2015年度KBOシーズンではなんと.381・47本・40盗塁という凄まじい成績を残した。16年度にも40本塁打以上を放ち、2年連続40本塁打の肩書きを提げてメジャーへと凱旋、17年度は31本の本塁打を放ち、KBO・MLB両リーグでシーズン30本塁打を達成した唯一の選手となる。
新型コロナウイルス感染症の影響による入国制限で来日が3月末にずれるも、隔離生活を経て4月中旬にチームに合流。二軍公式戦9試合に出場し打率5割(22-11)・4本塁打の結果を残すと、4月27日に一軍へと昇格。同日、ヤクルト戦において6番レフトスタメンでNPB初出場を飾ることとなった。
ところが、なんと
3回裏のレフトフライを後逸した後に倒れ込み悶絶
。担架で運ばれる負傷を負い、
わずか3イニング・2打席(しかも2三振)での交代
となってしまう事態が発生。
試合後、病院で右アキレス腱の断裂と診断され、米国に帰国し手術を受けると発表。今季中の復帰は絶望となった。そして2021年8月にはとうとう自由契約となる。その後は米国で治療を続けながらも9月に古巣ブリュワーズの試合を観戦している様子が確認されている。
スモークとの併用で不慣れなレフトをやらざるを得なかったのもあるが、その退場の速さ、特に難しくないレフトフライを取り損ねた守備の稚拙さ、病院診断中と思われるタイミングでInstagramのストーリーに投稿された「Wow」というメッセージなど、
イテームズ
の蔑称とともに多くのインパクトを我々に残してくれた。
その後好調だったスモークも家庭の都合で電撃退団、さらにその埋め合わせで来日したハイネマンも体調不良で即退団と、2021年の巨人は
助っ人外国人野手に呪われたシーズンとなった
。
中日の一軍打撃コーチを担当していたアロンゾ・パウエルによる推薦もあって中日に加入した助っ人野手。
MLB時代から三振率が異常に高かったが、日本でもボール球じゃないストライクゾーンに連続で投げられて三球三振するという空振りっぷりで三振を量産。
守備も怠慢や雑な動作が目立ち、最終的には157・0本・1打点・18三振という散々な成績を叩き出して途中帰国。そのまま1年でクビとなった。
エキシビションマッチで1試合2HRを叩き出したのが日本での唯一の輝きとも言われている。
そもそも新型コロナウイルスの影響で2020年はマイナーが中止されていた事で直近の試合経験がなく、その点に関しては不運だったとは言えるか。
ガーバーに関しては、中日の仁村徹二軍監督による「
ガーバーは速い球、変化球、インコースの見極め、落ちる球の対応とまだまだひとつずつクリアしていかなければならない。もう少し時間かかるとは思いますね
」との分析が有名。
解釈次第では
何も打てない
と言っているも同然の評価であり、中日ファンから失笑を買った。
もっともそのソースが、自ら信憑性を否定するスポーツ新聞と悪名高い東京スポーツなのが引っ掛かる所だが……
先発左腕の駒不足に悩む西武が2021年に獲得した左腕。
しかし、メジャーでは中継ぎメインで投げていたことから、一部ファンからは「見当外れの補強ではないか?」と疑問視されていた(一応、中継ぎ左腕も先発左腕程ではないにしろ駒不足ではあったが)。
案の定、シーズンに入るとその不安は的中し、スタミナ不足で5回まで持たない試合を連発。かといって中継ぎに回ると今度は大炎上……したばかりか、6月末にはTwitterにて「
聖書によると、同性愛者は神の加護を受けられずに地獄に落ちる
」旨の問題投稿をしていた事が判明。そちらでも大炎上してしまうというどうしようもない有様で、当然のごとくシーズン終了後に退団となった。
結局、この年の西武は先発左腕不足を解消できず、またダーモディーをはじめ外国人選手が軒並み振るわなかったこともあって、所沢移転初年度の1979年以来となる
42年ぶりの最下位
という屈辱を味わった。
キューバ代表として名を上げ、ボストン・レッドソックスで約75億3500万円の7年契約を結んだが、全く活躍できなかった選手。
贅沢税対策によってマイナーに幽閉され、最終的に「
年俸1100万ドルのマイナーリーガー
」というレッドソックスを代表する死刑囚として有名となった。
契約が切れた後に楽天と1年契約で来日したが、上述の死刑囚としての実績や年齢から懐疑論が出ていた。
新型コロナウイルスの影響で合流に出遅れながらも4月に交流するが、初出場の初打席でいきなり脇腹を痛めてしまい、テームズ以上の速さで離脱するという出オチっぷりを発揮。
復帰後も僅か1HRしか打てずに打率も.225、打点は僅か3打点という散々な成績で最後は放出された。
複数年契約ではないのでレッドソックス時代のような死刑囚になることはなかったが、楽天でも優勝争いからの脱落の原因として厳しい目で見られるなど散々な結果に終わった。
楽天がカスティーヨと共に獲得したメジャーリーガー。同名のオリックスの投手とは無関係(スペルが異なる)。
初出場2打席目で本塁打を放つなど当たりかと思われたが、あっという間に成績は低下。最終的に.167・4本という悪い意味で驚異的な成績を叩き出して戦力外に。
久々の本塁打の際には「この成績でも使ってくれる球団に感謝したい」と述べていたので、謙虚ではあったのだが…
2021年の楽天は悉く助っ人野手を外したため、楽天ファンからはカスティーヨとコンビで「クソカス」という酷い蔑称が付けられた。
その後はMLBでプレイしたのち、2024年に引退。
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タイラー・チャトウッド
(ソフトバンク・2022)
MLBで229試合に登板し、先発で12勝を上げた経験もある実績抜群の投手。
……なのだが、キャンプ時点から既に故障しており、ファームでは6試合に登板したものの、6月時点で右肩を手術し今期絶望に。そのまま1度も一軍登録されずに7月に退団した。
この年はかねてより進むドル高やコロナ禍の影響もあってどのチームも新助っ人の質の低下に苦しめられたが、
1軍登板すらなく半年で退団
という強いインパクトには勝てず、「令和の3.5億円事件」と言われてしまった。
MLBで173試合に登板し、2019年には中継ぎながら11勝を挙げたことがあるなどこちらも実績十分の投手で、日本ハムが2.4億円+出来高という高待遇で獲得した。
しかしながら来日時点で肘に故障を抱えており、オープン戦はおろか
教育リーグや2軍戦にも登板しない有様
。6月には治療のため一時帰国するなど、この年は肘のリハビリに終始し、来日初登板したのは10月30日の
みやざきフェニックスリーグの試合
となる。シーズン前にBIGBOSS(新庄剛志)監督は「支配下全員を1軍公式戦に出す」との公約を掲げていたものの、ガントが唯一の未出場選手となった。
だが潜在能力を買われてか、5000万円の大幅減俸を受け入れて翌年も残留。早速オープン戦から試合に参加し、2先発で失点0と期待がかけられた…のだが、2軍戦で投げていた最中に右肘の状態が悪化し4月下旬に帰国。そのまま帰って来ず6月30日に退団が発表された。本人は「違う自分を見せたい」と意欲的なコメントも残していたのだが、1年半の在籍でありながら2軍戦や教育リーグを含めても上記の
チャトウッドすら下回る出場回数
という有様であった。
前年21本塁打ながら守備に難のあるグレゴリー・ポランコを切ってまでして獲得した俊足、好守の外野手。
打撃面でも期待されたが打率.248/11本塁打と物足りない結果に終わり解雇された。
だが、彼の最大の問題点はあまりのボーンヘッドの多さ。
中でも語り草なのは4月6日の対DeNA戦、2回表一死一塁の場面で打席に立ったブリンソンは左中間を破る二塁打を放った………のだが、問題はその後だった。
この時一塁走者の岡本和真は一気に本塁を狙おうとするがややオーバーランしたところで三塁へと引き返す。だがブリンソンは
岡本の動きを見ておらず三塁を狙おうとした
。この動きを見た岡本は仕方なく本塁を狙おうとするがあえなくタッチアウト。
ここまででも好機を潰した失態とみなされてもおかしくないが、それだけではなく自身の暴走で三塁に達していたブリンソンは
これでチェンジだと思ったのかベンチに引き返そうとする
。そして
ベースを離れたところをタッチされ、先制のチャンスどころか自身のボーンヘッドのせいで一気にアウトカウントを2つ増やしイニングを終わらせてしまうという大失態
を演じてしまった。結局巨人はこの試合を0-4で落としている。
他にも、一死の場面で二塁走者だった際に特に際どくもない中飛となった打球で三塁手前まで走ってしまっており帰塁できずにアウトになる、センターのフェンス直撃の打球で本塁打を確信したか二塁に進塁し損ねるなど、プロではありえないレベルの集中力に欠けたプレーが多かった。
前年打率こそ1割台だがMLBでシーズン2桁本塁打を打ち通算でも41本塁打、さらに俊足+強肩の元メジャーリーガー。
シーズン前の侍ジャパンとの練習試合ではオリックスの左腕若手エースの宮城大弥からホームランを打つなど、貧打解消の救世主として大いに中日ファンから期待されていたのだが‥‥‥。
いざシーズンが開幕するとボールがバットに当たらず凄まじい勢いで三振を量産する三振量産機と化し、68打席で32三振と打席の約半分で三振を記録するという有様。
最終的な成績は打率154/1本塁打/6打点/安打数10/OPS.438と惨憺たるもの。
守備も肩こそそこそこ強かったが、守備技術自体は某スポーツ紙では『プロのレベルではない。投手が可哀想』と酷評されるレベルだった。
この攻守に精彩を欠いた有様に対し当然立浪監督も我慢の限界を早々に迎え、あっさり見切られファーム暮らしに。
しかもモチベーションが低下していたのか定かではないが、そのファームでの成績も打率183/7本/25打点と『本当にMLBで41本も打ったアキーノなのか?別人が来たんじゃないか?』と疑う程の体たらくぶりだった。
当然1年限りでクビになったが、なんと推定年俸は1億6700万。1本塁打につき1億6700万円・1安打につき1670万円と、中日にシャレにならない損害だけ与えてチームを去っていた。
上述のブリンソンもアキーノと比べれば神助っ人に見える程である。
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ウイリアンス・アストゥディーヨ
(ソフトバンク・2023)
アルフレド・デスパイネやジュリスベル・グラシアルといった神助っ人を引き当て味をしめ、キューバ出身の外国人野手を獲得するのが恒例となったソフトバンクが、彼らのような活躍を期待して2023年シーズン前にアメリカのコートニー・ホーキンスと共に獲得した、キューバ出身野手。
名前が長いのでファンからは通称「亀」と呼ばれていた。
触れ込みは『どこでも守れるユーティリティプレイヤー』といういかにも地雷外人野手にありがちなフレーズであったが、いざシーズンに入るとその予感が皮肉にも的中してしまうことに。
期待の表れか開幕戦はスタメンに抜擢されるが、開幕6試合で10打数0安打と結果を残せず早々に二軍降格。
この時はまだ期待されていたのか、割と早くに一軍に再登録されるが、ここでも打率1割台、0本塁打と早々チームの期待を裏切る結果しか残せなかった事で完全に見限られ、ダメ外人の烙印を押されてしまった。
彼を含む助っ人打者の余りの不振ぶりから、フロントは何と2022年限りで退団したデスパイネを呼び戻し再契約するという行為に出るハメになった。が、碌に調整させずに実戦投入したためかこちらも打てずじまいとなり、結果的にチームに貢献した名助っ人の晩節を汚させる事になってしまった。
最終成績は20試合/44打数/6安打/打率136/1本塁打/3打点/OPS.447というもので、上記の2023年ダメ助っ人筆頭格であるアキーノと悪い意味でいい勝負という結果に。
ソフトバンクも彼の不甲斐ない成績、および諸事情もあり流石にキューバから外国人野手を補強するのは懲りたのか、巨人からウォーカーをトレードで獲得することとなった。
なお、ホークスの守護神ロベルト・オスナがチームの大型連敗ストップまであと1死と迫ったところからサヨナラホームランを浴び逆転負けを喫した際、テレビカメラがベンチで笑いながら戦況を見つめていたアストゥディーヨの表情が被弾の瞬間に真顔になる様子を捉えており、彼に関しては成績などよりもこの場面が一番印象に残っているというファンもいる模様。
あまりにも綺麗な表情の一変っぷりなので、興味があれば見てみてほしい。
長らく監督を務めた原監督から阿部慎之助新監督への交代に伴い、心機一転V奪回を目指す阿部巨人の補強の目玉として加入したベネズエラ出身の左の大砲。
MLBでは長らくテキサス・レンジャースの正二塁手を務め通算178本塁打、17年にはベネズエラ代表としてWBCに出場するなど実績十分のバリバリのメジャーリーガー。巨人では外野にコンバートされ、新体制のキーマンとして期待されていたのだが…
12試合に出場したオープン戦の成績は打率1割7分6厘(34打数6安打)で0本塁打とやや期待はずれな結果に終わり、ビザの関係で合流が遅れた調整不足と判断した首脳陣は彼を開幕二軍スタートにする。
ところがこの通告に納得できなかった彼は米国に帰国したいと申し出、球団はその意思を尊重し契約を解除。これは開幕戦を3日後に控えての出来事であり、散々な内容の数試合ではありながらも一応試合には出場したダン・ミセリをも超える、開幕前に退団した前代未聞の助っ人外国人として球団の歴史に名を遺すことになってしまった。
球団側は「シーズンの中で調子を上げていってほしい」と長い目で見た上で二軍スタートを要請しており、また契約も一軍での起用を確約するものではなかったため、退団希望は完全に彼の勝手な要望。
さらにこの件が取り沙汰される中で年齢詐称疑惑まで浮上するおまけつきで、新指揮官のもと華々しいスタートを決めることを思い描いていた巨人は開幕前に出鼻を挫かれてしまうことになった。