千歳ゆま

登録日:2011/06/18(土) 03:58:15
更新日:2024/01/25 Thu 15:04:32
所要時間:約 7 分で読めます




じゃあ、わたしも戦えるかな
わたしも魔法少女になって
魔女と戦いたい!




千歳(ちとせ)ゆま

魔法少女まどか☆マギカ』の公式外伝作品『魔法少女おりこ☆マギカ』の登場人物。

緑の髪を持つ幼女で外見年齢は小学校低学年程度。

CV:久野美咲(マギアレコード)


★杏子との出会い

魔女の襲撃で両親が死に、自らも殺されかけた所を佐倉杏子に救われ、この一件をきっかけに杏子に懐く。

ゆまは魔女と戦う魔法少女に憧れるが、杏子はゆまが魔法少女になることに強く反対し、
その代わりに「一人で生きる術」*1を教えるべく彼女と同居するようになる。


また、このときの杏子自身の頼みで、ゆまは彼女を「キョーコ」と呼ぶようになった。

杏子を姉のように慕うゆま。ゆまを死んだ妹に重ねる杏子。
共同生活を送る二人は穏やかな時間(色々と方向性に問題はあるが…)を過ごし、保護者代わりになった杏子も、ゆまとの生活を悪くないと考え始めていた。
だが…。






★トラウマ

杏子と「玩具の魔女・ローザシャーン」の戦いに同行したゆまは、戦う杏子の姿に再び魔法少女への憧れを強くする。
杏子もまた、ゆまが死んだ母親から度重なる虐待を受けていた事実(この母親の哀れな末路を見届けた読者は気持ちが整然したであろう)を知り、家族に裏切られる気持ちを知る彼女はゆまに改めて自分を重ねた。



わたしはっ、強くなりたい!


虐待の記憶がフラッシュバックして「弱い役立たずのままだと、いつかキョーコにも捨てられる」という強迫観念を抱くゆま。
そこに美国織莉子からゆまの存在を教えられた敏腕営業マン、もといキュゥべえが現れ、お馴染みの魔法少女への勧誘を行う。

このときは杏子の妨害によって契約は不成立に終わるが、キュゥべぇと邂逅したゆまは、自分にも魔法少女になる素質があることを知ってしまう。

そして、杏子が単独で「趣の魔女・シズル」と戦っていた際、留守番をしていたゆまの前に織莉子が現れる。



佐倉杏子、彼女はまだ現世にいるのかしら
それとも最早死神は
彼女を連れ去って仕舞ったのかしら



キョウコ、死…ん…じゃ…う……の?


織莉子の話術で強く不安を煽られたゆまは


「キョーコを死なせない事」

を願ってキュゥべぇと契約を結び、魔法少女となるのであった。


美樹さやかが癒しの願いによって回復能力に特化した魔法少女となったように、杏子を死なせない為に魔法少女になったゆまは治療魔法の使い手となり、
シズルの罠で切断された杏子の四肢を遠くから一瞬で再生させる規格外の力を見せた。

ゆまの助けを得た杏子はシズルを倒すが、ゆまが過酷な魔法少女の道に踏み込むことを良しとしない杏子はゆまを激しく問いただす。

だが、杏子と離れたくない一心で自分の役割を求めたゆまにとって、杏子の反応は死刑宣告に等しいものであり、
杏子が自分を捨てる気なのだと思い込んだゆまは半泣きになって杏子に捨てないでと訴えた。
ゆまの抱える孤独と恐怖の深さを察した杏子は、それ以上ゆまに強く出ることはせず、彼女を受け入れる意思を改めて示した。



★ゆまとマミさん

魔法少女となった後もゆまは杏子と行動を共にし、マミが杏子を魔法少女狩りの犯人でないかと疑うと、スカートめくりで彼女をマジ泣きさせた。



キョーコは
わるい魔法少女なんかじゃないよ!
キョーコをいじめるやつは
ゆまがやっつけてやる!



しくしく



いじめられてないって
あーあ、マミの奴マジ泣きじゃんか


この光景のなんと微笑ましいことか…



★変身後の概要

ソウルジェムの色は不明だがおそらく緑。変身後の位置は首の後ろ。
変身後の姿は通称でじこ。


魔法少女としての戦闘スタイルは、猫の尻尾の様な飾りが付いた鉄球メイスを使う近接パワー型。


このメイスから衝撃波を飛ばすことも可能で、衝撃波で銃弾の軌道を曲げることも出来る。











この先、ネタバレあり









★見滝原中の戦い

終盤、見滝原中学校で虐殺を行う織莉子とキリカを倒すため、杏子と共に出動。

キリカの呼び出した使い魔に「数の暴力」で苦戦していたマミを救い出し、先行して織莉子達と戦っていたほむらと合流する。

しかし、4対2の状況を不利と見たキリカが自ら魔女化を完遂し、
その様子を目の当たりにした杏子とマミは、魔法少女が『いつか』魔女になってしまう事実を悟り、戦う気力も生きる意欲も失ってしまう……





いつかはいまじゃないよ


ひとはみんないつか死ぬよ


キョーコとマミおねえちゃんは


ほんとうにいま死ぬの?


ゆまがまだ母親から虐待を受けていた頃、彼女は苦しい思いをするくらいなら死んでしまった方がいいと思っていた。
だが、杏子と出会うきっかけとなった魔女の襲撃の際、不思議なことに彼女の中には生きたいという意思が強く沸き上がった。
このとき、ゆまは生きることを望む本能の存在と生きていくことの大切さを知る。
そして、自分が魔女になるかもしれない存在だと知ってもなお生きる意思を捨てなかった。

妹分のこの発言に杏子は奮い立たされ、魔法少女としての誇りを見失いかけたマミも絶望を振り切る。
再起した3人は抜群のチームワークを発揮し、魔女化したキリカを見事撃破する。

その団結した姿は、幾度となく敗北を繰り返してきたほむらにさえも希望を抱かせた。



★ゆまの契約の真相

そもそも、織莉子の本来の目的はまどかの魔女化によって生まれる最強にして最悪の存在「救済の魔女」の誕生の阻止であり、
ゆまはキュゥべぇの目をまどかから逸らす為の囮でしかなかった。
だが、ただの囮に過ぎないハズのゆまが魔法少女になった事が遠因となって織莉子のパートナーであるキリカは倒され、
彼女の計画が頓挫するという意外な展開を生んでしまったのは、何とも皮肉な結末であったと言えるだろう。
もっとも、織莉子もいまわの際で偶然にもまどか殺害のチャンスを掴み、「救済の魔女」の誕生を阻止しているのだが。


★別編

別の時間軸では、優木沙々と織荊子との戦いに巻き込まれてしまう。
当初は母の虐待により死亡するはずだったが、未来を知った織荊子の言葉に勇気付けられ、祖父母に助けを求めたゆまは存命し、祖父母と共に新たな生活を開始。
エピローグにおいて、ゆまは見滝原を襲うワルプルギスの夜に立ち向かう織荊子とキリカを応援していた。


★余談
ゆまは外伝作品が初出であるがゆえに公式なグッズ展開がなく、二次創作でも扱われる機会は少ない方だが、
杏子の数少ない家族ポジションということもあり、ゆまが扱われるときは必ず杏子も絡んでくる。
大抵ゆまは杏子にベッタリなので、

『おりこ☆マギカ』では特に接点がないものの本編では杏子と深い関わりを持つさやか

『おりこ☆マギカ』で共闘し、後付けとはいえ公式で杏子との師弟関係を明かされたマミさん、

などとも絡み、杏子と仲良くしている彼女達に妬いたり、一緒に杏子を囲んでワイワイやったりしている。


あと、アラサーマミさんシリーズでは杏子の実娘という大胆な改変を受けて登場(今作では杏子は既婚)。そもそも母親が違うためか扱われ方も異なり、母親からは溺愛されているようだ。まぁ、そりゃなぁ…。
ちなみにマミさんはこの作品でもゆまに心を抉られている。



マギアレコードでは、織莉子、キリカ同様サービス開始当初から常設キャラとして実装されている。
織莉子たちが最高レアの☆4なのに対して、ゆまは☆3。
上記のとおり常設キャラだが、スピンオフ作品の登場人物ゆえか織莉子たち共々メインストーリーには一切絡まない
一応キャラクター個別エピソードである魔法少女ストーリーは実装されているため、マギレコの世界にも存在することは示唆されてはいるのだが、マギレコの世界線は原作におけるほむらの3周目のループから枝分かれしたパラレルの時間軸と思わしき設定なので、新約版の設定で実装されているおりマギ勢はマギレコの世界観と矛盾してしまっている
(まどかが最初からキュゥべえと契約して魔法少女になっているので、おりマギ原作のようにキュゥべえの目をまどかからそらすためにゆまを囮に使うという意味がまったくないため)
2021年現在、スピンオフ作品でおりマギのみいまだコラボイベントが一度も行われていないのは、この設定の矛盾によるところが大きいと思われる。


また、アプリ内の個別プロフィールの年齢と学年の欄が、11歳で小学5年生と設定されていたため、それまでは齢一桁だと考えていたファンたちに衝撃を与えた。
しかし、原作者のムラ黒江からこの設定に対するコメントは公式の場では一度もされていないことから、マギレコのアプリ版のみの独自設定だと考えられる。
実際マギレコのゲーム中においてゆまの正確な年齢や学年を明言するセリフは一切存在せず、むしろ作中では「小学校低学年ではないか?」と他のキャラから示唆されている


11歳の小学5年生とプロフィール欄に書かれた理由としては

  • ゲーム中最年少キャラとして登場・実装させる予定だったオリジナルキャラクターの環ういよりも幼くかつ「妹属性」を持ったキャラを登場させると、ういの登場・実装時にプレイヤーからそのキャラが薄いと思われる可能性があったため、無理やりういと同年齢・同学年設定にして調律を図った
  • 当初から北米版の配信が予定されていたため、日本よりも厳しい海外のゲームに対する規制をすり抜けるためにあえてプロフィール欄には「11歳」と書いた(要するに大人の事情

という2つの説がファンからはささやかれている。

2021年現在、マギレコに実装されている魔法少女のうち詳細な設定が明かされている者は11歳が最年少(ういとゆま以外にもう1人いる)であるため、どちらの可能性も大いにあり得る。
実際、マギレコ初出の魔法少女を除くとゆまと双璧をなすロリキャラ枠の百江なぎさが後にマギレコに実装された際には、プロフィール欄の年齢と学年の項目はどちらも「不明」と書かれていた
(これは実装されたなぎさがマギレコ世界のなぎさではなく、「円環の理の一部」という叛逆の物語の設定に準拠しているからというのも理由だが)



ゆまはちゃんと追記・修正できるよっ。役に立つんだよっ!

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最終更新:2024年01月25日 15:04

*1 杏子が万引きをする間に迷子のフリをして店員の目を逸らす役や銭湯で無銭入浴するコツなど、かなりアウトローな内容