デスラー

登録日:2009/10/21(水) 02:22:10
更新日:2024/02/17 Sat 08:42:19
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デスラー総統バンザーイ

ガーレデスラー!総統バンザーイ!



デスラーとは宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場するキャラクターである。
声優は伊武雅之(現:伊武雅刀)、山寺宏一若本規夫石塚運昇

概要

大ガミラス帝国総統。
傲慢で冷徹な統治者であり反対者を躊躇なく粛清する冷酷な独裁者であるが、その権力を私利私欲の為に行使する事はなく、
国家の繁栄と自民族の存続の為にのみ行動している一種族の指導者。敵役ではあるが決して悪ではない。

愛用のマントは真空でもはためく特殊仕様。

ちなみに既婚者で、メラという妻とジュラという娘がいる。
しかしスターシャに浮気して怒られたり*1、プライベートではけっこう苦労人*2


最初は肌は地球人と同じ肌色だったが、突如設定を変更。青くなった。
設定上は「照明の色のせいで肌が白く見えていた」と設定されており、本編中でもそれを示唆するシーンがある。

プロデューサーのお気に入りのキャラクターであり、ヤマトシリーズ全体で活躍する。

各シリーズでの活躍


宇宙戦艦ヤマト

母星であるガミラスの、星としての寿命が尽きようとしていたため、移住先として地球に狙いを定め、徹底的に攻撃しまくり、隷属か滅びを地球側に要求した。

なんやかんやで、ヤマトとの戦闘を繰り返し、名将と名高いドメル将軍までが負けたことを受け、ガミラス本星にヤマトを引き込み、希硫酸の雨と濃硫酸の海にヤマトを落とすことに成功する。
しかし、海底火山脈を海中から波動砲で撃たれ、星全土の地殻が崩壊する。形勢を逆転され、ガミラス帝国は崩壊。

ガミラスからデスラー艦で脱出後、ヤマトに攻撃を仕掛け、得意のデスラー砲でヤマトを破壊しようとするも空間磁力メッキで反射され、デスラー艦にデスラー砲が直撃。
デスラー艦は爆散、デスラー閣下も死亡したように見えた。が、ちゃっかり次のシリーズで復活する

なお、第11話『決断!!ガミラス絶対防衛線突入!!』では、
「総統も相当冗談がお好きなようで〜WAHAHAHA!」と笑った太った部下をクールに処刑した。



さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち

副官のタランと共に白色彗星帝国に身を寄せ、ガミラス再興の機会を待って、敗軍の将として屈辱の日々を過ごし、白色彗星帝国の一将軍として戦う。
古代に対しかつての好敵手沖田に対する敬意や「心は遥かに君達に近い」と白色彗星帝国に対する反感を漏らすなど、デスラーの武人的な性格は本作で確立したと言って良い。

またヤマトに負けて宇宙にスペースダイビングして死亡した。
が、さらばはパラレル扱いのため、なかったことになった。


■宇宙戦艦ヤマト2

白色彗星帝国のズォーダー大帝によって救出、蘇生されまたヤマトに戦いを挑む。

「ヤマトの諸君、待っていたよ。また会えて光栄のいたりだ」

航海が長引いたヤマトクルーのホームシックを見抜いて、鉄を食うバクテリアを美しい宇宙ホタルに見せかけて艦内に持ち込ませ、ヤマトの機能をマヒさせる。
無能な部下のせいで失敗してもめげずに、今度はヤマトが修理のために立ち寄ることを見越して空洞惑星に誘い込み、捕縛してデスラー砲で仕留めようとするも、一瞬の差で取り逃してしまう。

サーベラーの姦計により彗星帝国に拘束された際は、落ち着き払って格好良く投獄されたにもかかわらず、僅か数日で情緒不安定になって荒ぶる豆腐っぷりを見せつける。
ちなみにその際のベッドのシーツが替えられていないことに憤慨し、シーツを畳む→投げ捨てるの謎コンボは現在でもネタにされる。
一瞬の隙を突き、衛兵から某蛇の如く見事なCQCで銃を奪取。サーベラーを人質にとり脱出に成功した。

その後はさらばと同様ヤマトに決戦を挑む。
お得意のデスラー戦法でヤマトを追い詰め、同じくお得意のデスラー砲によるヤマト殲滅を謀るもワープされまた外す。
しかしこのあとのヤマトとの白兵戦において、ヤマトクルーの母星を守る姿に民族の存亡をかけて闘ってきた自分の心が、ガトランティス人よりヤマトクルーに近いことを悟り、ヤマトへの積年の怨恨もここに潰える。

愛に目覚め、白色彗星の弱点を何故か暗号にして森雪に託し、大宇宙にガミラス復興のために旅出た。


■宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち

ガミラス再建を目指すデスラー艦隊がさすらいの旅に出る前に、ガミラス星に戻ったら暗黒星団帝国が勝手に自分の母星を掘削していたためブチギレ。
奇襲しこれを全滅させるが、暗黒星団帝国の採掘部隊かその護衛と見られる艦艇による誤射によって採掘物質が誘爆、
既にボロボロになっていたガミラス星は爆発崩壊し、二連星の兄弟イスカンダル星が暴走を始めてしまう。
デスラーはこれを追い、イスカンダに住むスターシャに脱出を促すと共に地球にもSOSを送る。

危機的状況を地球に通信し、ヤマトが出撃。

駆け付けたヤマトとの共同戦線で、暗黒星団帝国マゼラン方面第一艦隊と戦い、勝利。

対する暗黒星団帝国は自動惑星ゴルバを駆って報復してきたので、
あたらないと定評があるデスラー砲でゴルバを攻撃。

初めて命中したデスラー砲もゴルバが固すぎてまったく効果がなかった

その後イスカンダルのスターシャがイスカンダルを自爆させゴルバを沈めた。
なおデスラーはどさくさに紛れて彼女に告白したもの、華麗にスルーされて発狂したとか。
終戦後は当初の予定通り部下達と共にさすらいの旅に出た。


■宇宙戦艦ヤマトIII

銀河系中心部にガミラス人の遠い先祖であるガルマン民族の住む二重惑星を発見した。
ガルマン民族は当時銀河系の中心部まで支配していたボラー連邦によって奴隷として酷使されており、デスラーは二重惑星のボラー勢力を放逐し彼らを解放、
その後デスラーは総統に選ばれてガルマン・ガミラス帝国を建国する。

ガルマン民族の住んでいた二重惑星系はガルマン・ガミラス本星と「スターシャ」と名付けた。
よほどスターシャが好きだったことが良く分かる。
自国に変な宗教が流行ったり言う事聞かない部下にイライラしたりと苦労するも、なんやかんや戦ってハイパーデスラー砲とかを使ったりしてブイブイ言わせた。

そして太陽系内で、ボラー連邦首相ベムラーゼは、自ら大艦隊と巨大機動要塞を駆ってヤマトを攻撃する。ヤマトを餌にデスラーをおびきよせて葬ることが目的だった。
ブラックホール砲の連射によりデスラー艦隊は旗艦以外ほぼ壊滅。
しかしだれかのコスモタイガーによるブラックホール砲口への唐突な特攻で、機動要塞は攻撃が不能に。その隙をついてハイパーデスラー砲で撃破した。
反撃の糸口となる特攻をかけたのが、今まで自分が迫害してきたシャルバート狂信者とは知らない。

妙に人間味が増しており、(というかIIIはみんなキャラ崩壊している)誕生日プレゼントを期待したり倒置法で部下をビビらせたりと、なかなか意外な一面も。


宇宙戦艦ヤマト 完結編

全デスラーが泣いた。
冒頭で異次元から突如出現した銀河の衝突によってせっかく復興したガルマン・ガミラス帝国を再び壊滅させられてしまう。
せっかく地球の近所に引っ越してきたのにあんまりである・・・

だが本人は星間和平交渉に出席していた為無事だった。
ヤマトの危機を知り、バラを持って颯爽と登場。ディンギル帝国の残存艦隊を全滅させた。
最後の最後でおいしいとこを持って行って、ヤマトの最期を涙を流しながら見届けた後、再び旅に出た。

ちなみにこのバラは物語序盤で古代達がガルマン・ガミラス本星に手向けた献花である。
耽美に見えるが、古代との友情を感じさせる隠れた名シーンである。


■PSゲーム版

増永計介による松本風デザインで登場。
渋さ大爆発のナイスミドルとなっている。
声は変わらず伊武雅刀が務めた。


■熱血小説 宇宙戦艦ヤマト

高垣眸が手掛けた無印ヤマトの小説版。
全編通して「粘着気質な暴君」とでも言うべき人物像で描かれており、敗色濃厚になると機嫌を悪くし部下を簡単に処刑しようとする。
またガミラス人の地球移住に際しては女子供や老人は滅びゆく母星に置き去りにし、地球人の女性にガミラスの子孫を産ませようと企んでいたり、
イスカンダルのスターシャを自身の59番目の妻にしようと何十回求婚を断られてもしつこく執着するなど色々酷い。


宇宙戦艦ヤマト2199シリーズ


フルネームは『アベルト・デスラー』
32歳相当で担当声優は元古代
ガミラスとイスカンダルの大統合及び武力による全宇宙の平和統一を目指しており、若い頃はスターシャにその夢を語り、中盤で国家元帥若本の物真似を披露。
デザインは時代の流れに合わせてか旧作と比べると大分イケメンで若いころは今より髪が長く、より優男。

性格は相変わらずだが、彼の行動原理はすべてスターシャの為で、旧作と変わらず一途。「滅び行く星の最後の王」であった旧作に比較すると、祖国への情熱はあまり感じられず、どこか冷めた「銀河を股にかける大帝国の支配者」と良くも悪くもキャラが違う。
幼少期のセレステラを収容所から保護したり、あやまって彼女を誤射した際にはひどく動揺する、野望のためにガミラス本星の市民を巻き込むことに罪悪感を感じるなど、ただ過激な人物というわけでもない。(むしろ初代よりマシかもしれない)
イメージとしては初代の過激な面とスターシャへの愛の面を混ぜたような形だろうか。

(少々歪んではいるが)愛ゆえにいろいろとこじらせちゃった人に見えるので、ファンからはコスモ童貞と散々なあだ名を付けられた。

なお山寺はデスラー役は前任者の存在が大きすぎるため「絶対やりたくなかった」と語る。


宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち

リメイク前と同じく生き延びてズォーダーのもとに迎えられる。
ズォーダーより艦隊を与えられ、ヤマトが見せた「執念」を知るために任務に赴くところまでは『さらば』『ヤマト2』と同様。
冷徹な一面も相変わらずで感情に支配され、独断行動を起こしたメーザーを粛清している。

しかし、デスラーはガトランティスに従う気は最初からなく、ヤマトに対する怨恨も抱いていない。ズォーダーも一国の王としてある程度の敬意を払っているが離反する事を見抜き、ゲーニッツからは「貴重な標本」と、武人としての扱いすらされていなかった。

<真の目的>
デスラーの真の目的は、ヤマトを隠れ蓑としてコスモウェーブによるミルとズォーダーの通信を遮断、ガトランティス監視下から逃れる事であった。
首尾よく成功した後は監視役のミルを拘束したうえでガトランティスから離反し、ヴェルテ・タランの弟であるガデル・タラン率いる旧体制派と合流。戦略家としての一面を遺憾なく発揮し、ご存知デスラー戦法でヤマトを追い詰めた。
テレザートで兄の息子キーマン(=ランハルト)と再会した際は自身の胸中を明かし、人々が復権を望んでも戻る気がない事を伝えている。

+ <その隠された過去>
重臣達の間にのみ知らされていたガミラス星の寿命の事実を聞いてしまった事で叔父エーリクに処断されそうになったところを、マティウス・デスラー(デスラー家の長男であり兄)の取り成しで「血の誓い」を立てた事で幼少時に秘密を共有し、兄と交わした「ガミラスの移住先となる惑星を生涯かけて見つける」のために戦乱のガミラスを統一して武力による惑星併合を推し進めた。
太陽系への侵攻も遊星爆弾による攻撃も、移住候補地だった地球環境を改造してガミラス人を移住させるためだったことが明かされる。
父は幼いころに既に亡く、母アデルシアの愛情は父の面影を残す兄マティウスに向けられていた。若くして亡くなった英雄である兄と比較され、周囲からは「デスラー家は呪われている」等と陰口を叩かれており、重圧として重く圧し掛かっていた模様。
総統となった後にはマティウスの元妻エリザに暗殺されかけ、アデルシアの情は亡くなった兄に向き続けた…というかむしろ余計拗れる。それでも兄との約束を決して忘れなかった事や身内としての情から、処刑したように見せかけてマティウスの妻子を追放するに留めている。

初代と同じく滅ぶ定めの星と民族の命運を一身に受けるという重責を背負って、兄であるマティウスと比較する他からの重圧に耐え続けたことが精神に歪みを掛けた要因となった。

キーマンの意志と覚悟を見届けた後はテレサから「誰かを自分以上に大切に思う気持ちがある限り、民を率いる資格がある」と伝えられ、テレザート消失と帰路につくヤマトを見届ける。
ミルを通して協力を求めるズォーダーを「ガトランティスの傀儡に成り下がる気はない」と一蹴するも「ヤマトを倒せば、ガミラス星と同じ環境の惑星を見つける」という提案に応じて索敵範囲外からヤマトを葬ろうとするが、デスラー砲発射直前にヤマトに向けて発した光信号にキーマンが気づいた事で回避されて白兵戦闘を仕掛けられる。
艦橋で地球と手を組むべきと説得するキーマンと対峙するが、直後戻ってきたミルに銃撃されて負傷。自分を撃つようキーマンに促すが、これを制止した古代とミルのやり取りを見届ける。

しかし、自身の救出に来たガミラス兵がミルを殺してしまった際には、「何と愚かな……」と嘆息の言葉をつぶやいた。

「戦いの空しさを知った貴方に、ガミラスの命運を委ねたい」とキーマンからガミラスを託され、自身はトランジット波動砲によるふく射からヤマトを守るためにデウスーラの艦体を提供。古代と再会の約束を伝えると、救出部隊と共にその場を去って行った。

最終話では戦死したキーマンとの約束を果たす為、ガミラスを再び率いるデスラーの姿が描かれている。(その際、ゲルバデス級戦闘空母らしき船にコアシップが接弦する様子が描かれている。もしかしたら、この戦闘空母が、後のデスラー戦闘空母(デスラー・ガミラシア)になるのかもしれない)

宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち

前作において民主派と和解し、バーガーを始めとする人員や新たな乗艦として赤く染められた戦闘空母『デウスーラ3世』を融通してもらっている。デスラー艦隊と称する独自の勢力を率いて放浪の旅に出ていた。

ボラー連邦の占領下にあるガルマン星を母星として見出すと、これを実力で奪取。ガミラス本星から送り込まれたディッツ提督艦隊に防衛を託し、移住計画支援のためガミラス本星に帰還したところでデザリアム侵攻を受け、数々の苦難に直面する事となる…

なお、前作ラストの「コアシップに対してゲルバデス級が大きすぎる」と指摘があった戦闘空母は、「外見こそゲルバデス級と似ているが、一回り大きい別のタイプである」と設定された。*3


★デスラー総統名セリフ集



「ヒス君、君は馬鹿かね?」

「私は戦争をしているのだよ。ヒス副総統。私の一番楽しい時間を、くだらん飲み物で邪魔しないでくれたまえ」

「ガミラス帝国の再建を宇宙を幾年さすらおうとも成し遂げる」

「デスラー砲発射!」

「タラン…何年おまえは私の副官をしている?ハイパーデスラー砲用意だ!」

「見たかタラン…地球の少年が…命を懸けて咲かせたあの美しい花を…あの花を決して無駄に散らせてはならん…ハイパーデスラー砲…発射」

「貴方の葬式は何宗で出せばよいのかな?ベムラーゼ君」

「全艦…ヤマトを囲む敵艦隊に向かって…突撃!」

「何か言い残すことはあるかね?ゼェエエー…」バキューンッ

「戦争だよ」

「あーあ、メラは心優しくていい女なんだけどなあ」

▼余談

テレビシリーズを筆頭とする声優を担当したのは俳優の伊武雅刀氏(当時の芸名は伊武雅之)。
当時声優としても活動していたが、当時の声優業は待遇も悪く俳優を目指していた氏としては不本意だったともいう。

とはいえ氏にとって俳優業の原点であるため、デスラー役については積極的に出演しており、実写版では実体の存在しない液体のようなキャラながら、声のみならずモーションキャプチャーも担当している。

何を血迷ったか青島文化教材社からデスラー愛用のワイングラスが発売された。
ファンにはおなじみのあのイボイボのアレである。






「デスラー項目の追記修正を宇宙を幾年さすらおうとも成し遂げる」

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最終更新:2024年02月17日 08:42

*1 とは言え、「密かに思慕を抱いていたのを隠していた」内心を読心能力の有る妻に見られたと言う状況であり、厳密には「浮気の誘惑に抗していた」。一線を越えないよう妻子を気遣っていたにもかかわらず、メラの幻覚能力でお仕置きをされて別の星に別居する程の大喧嘩に発展してしまった。

*2 とは言えガミラス本星自体が滅亡寸前なので、妻子を他の星に別居させたと言っても本星で暮らすよりは安全であり、勢力圏の他の星に避難して後にデスラーやガルマン・ガミラスに合流したガミラス人と同じ扱いをしているだけに過ぎない。

*3 この件に限らず、『2202』は演出意図を優先して設定を無視する事が多々見られたが