エンドレスエイト

登録日:2009/07/20(月) 10:59:07
更新日:2018/06/21 Thu 10:26:54
所要時間:約 7 分で読めます




涼宮ハルヒシリーズのエピソードの一つ。ザ・スニーカー2003年12月号に掲載された短編。

溜息にまみれた映画撮影以前、高校がまだ夏の長期休暇中での話。
設問を何一つ解くことなく遊びほうけた日数だけがカレンダー上に刻まれて、いつの間にやら8月も半ばを過ぎようとしていた頃……。
それは人知れず始まっていた……らしい。

8月17日~8月31日の間を『涼宮ハルヒが夏休みの最後に何かやり残していると思ってしまった』ために、何度もループしていた。

原作では15498回目にループを脱出した。
そこに行き着くまでの内訳は、
盆踊りに行かなかった 2回
盆踊りに行ったが金魚すくいをしなかった 437回
プールに行く 毎回
アルバイトをした 9025回
その内容は風船配り・荷物運び・レジ打ち・ビラ配り・電話番・モデル撮影会の6つ
風船配り 6011回
2種類以上重複 360回
異変に気づいた 8769回
長門が買ったお面の金額 プライスレス

17日~31日の15日間で、
15498回×15日=約637年。
これらは登場人物達の中で唯一異常に最初から最後まで、その全てを観測している長門(情報統合思念体)がカウントした数である。

2009年4月からあらためて放送の『涼宮ハルヒの憂鬱』のアニメ新作2~9本目として放送された。
原作の回数を越える15532回目でようやく脱出した。
15532×15日間=約638年。

そして、エンドレスエイトだからほぼ同じ内容を8週放送という至極ふざけた話。
タイトル名は8月が終わらないというだけなので関係が無い。
無論ダブルミーニングにはなるし設定とも矛盾はしないのだが、だから何?という話にしかならない。
微かにうんざりした様子を見せていた長門の追体験が軽く出来る程度である。

ちなみに内1回は全く異変に気づかず(明確な描写が無いためループ開始前の1週目だった可能性もある)、6回は異変に気づくが何もできずループした。
そのループもイベントごとの作画や演出は見事なぐらいに違うが、内容はほぼ同じ。
最終シークエンスですら、前半は割り振りが短いだけで内容は同じ。
ループ物は数あれど、ここまでほぼ同じ内容をTVアニメで執拗に流したことは確かに前代未聞である。
誰もが考えてもやらなかっただけの話であり、評価は別の話だが。


最速放送が見たいからと、わざわざホテルに泊まったり予約録画をしたりなんてした人が不憫でならない。

「同じような回を8回もやるなよ! 放送事故かと思ったじゃねえか!」


このせいで京都アニメーションの評判はガタ落ち、株主総会なんかでもヤバかったらしい。
ちなみに一期製作に携わった元社員のヤマカンによると、エンドレスエイトの複数話構成案は一期製作時点からあったらしい。
ヤマカン自身は「幾ら何でも同じ内容で放送するのは3週が限界。8週なんておかしい」と言う趣旨で反対していたとか。
他の発言や立場などからヤマカンの発言は強い賛否両論を巻き起こしたが、この批判に関してはもっともとしか言いようがない。


オチとしてはこの夏休みを満喫して8月30日を迎え、集まってはいたものの昼になったのでハルヒが立ち去ろうとした時に、
やり残したことを考えていたキョンが唐突に「俺の宿題は終わってねぇ!」と叫んだ(※素で宿題を忘れていた)。
そして8月31日にSOS団勉強会を行い、無事9月1日を迎えることとなる。


頭が良く、苦労もなくとっくに宿題を終わらせているハルヒは「夏休みの宿題を友達と一緒にやる」という概念がなく、思い付きもしなかったが、
それが何処か心残りとして残っていたようだ。


散々長引かせたアニメも原作と同じく結局このオチで終結。
キョン曰く「過去の俺達が経験したおかげで、最後に気付けたから無駄ではない」

アニメの紙飛行機とか関係なかった。
白ワンピースハルヒは可愛かった。

そしてその直後の、ハルヒがキョンの胸をツンツンして「あたしも行くからね!」と叫ぶシーンはハルヒ可愛いと評判である。




一度目なら、今度こそはと私も思う。
終わらない夏休みに。


二度目なら、またもかと私は呆れる。
終わらない夏休みに。



三度目なら、呆れを超えて苦痛になる。
七度目を数えるとそろそろ喜劇になる。


Endless Eight



この話にこれだけかけたのは、消失を劇場版に回すためだったと言う説がある
何故なら8回もやらなきゃ余裕で放送できたので……。
更に言えば作画や収録などの労力は一回一回かかっているわけで、お金や手が足らずにこうなったという訳ではないだろう*1
ちなみにこの新アニメは旧アニメの再放送と新作アニメのミックスという形を取っていたのだが、
新作として放送されたのはこのエンドレスエイトに笹の葉ラプソディ、溜息のみであった。

笹の葉ラプソディはシリーズとしては非常に重要なエピソードで評価も高いのだが、
溜息は作風の関係などから元々ハルヒファンからの評価が低めのエピソードだった。
そこにこのエンドレスエイトによって圧迫され、他のエピソードが新たにアニメ化されなかったことに対する不満も大きい。

さらに、このほとんど内容の変わらない8回を、やはりと言うか2話ずつDVDに収録された





一体どれだけファンから搾取すれば気が済むのだろう……。




なお、制作側は全く反省を見せなかったどころか、(原作のタイトルの意味を勘違いしていたのか)「やってよかったエンドレスエイト」と思っている。
ランティスの斎藤滋が2月6日の午後3時14分に呟いた。
とは言えこの人の仕事は音楽プロデュースであり、ランティスとしても出資や商売で関わっていたもののこの様な展開を主導したとは考えづらく、この呟きの意図も不明。
後の対談などでは作品批判は避けつつも、思い違いをしていた*2という話をしている。
ランティスとしても同意はしていただろうが、企画立案や決定を下してしまったのは別の人達だろう。


一方で声優陣についてはハルヒ役の平野綾は「またやれと言われても、もうやりたくない」と発言し、
みくる役の後藤邑子は自身のHP宛てのメールはおろか、直接の知人にすら「いつ終わるんだよ!」と突っ込まれたと発言している。本当にお疲れ様です。
ちなみに男性陣は何かフォローをしていた。こちらもお疲れ様です。

余談になるが回が進むにつれてキョン役の杉田智和のアドリブが激しくなっていく。
これは杉田智和が暴走したというよりも、
同じ話を8回もするなんて何かしらの変化をつけないと視聴者にとって明らかにつまらないという配慮からだろう…。
少しでもアフレコを面白くしようとしたということもあるだろうが。
ちなみにハルヒに関してはループに気づくことが一度として無いという公式設定のせいで、迂闊にアドリブすらつけられない。

さらなる余談だが新作を加えるとアニメは合計28話である。
基本1クール13話なので、2クールピッタリの26話どころか2話オーバーしてます。
本当に(ry


この時期のハルヒは新刊となる「驚愕」の発売が遅れに遅れており、人気に陰りを見せ初めていた。
それだけにこの新アニメはハルヒ再起の起爆剤になることが期待されていたのだが、この一件でファンを激怒させ、コンテンツの衰退を急速に加速させてしまった。
そして翌年の劇場版消失の公開、驚愕の発売をもってしてもコンテンツに勢いは戻らず、
2015年の『長門有希ちゃんの消失』のアニメ化までハルヒというコンテンツはほぼ完全に停止してしまった。

ついでにこの一件のせいで『エンドレスエイト』というタイトルが凄まじくショックを与えた&悪名高いものになってしまったため、
人によってはこの字面を見ただけで不快に感じる人も出ることになった。
原作の方は最終ループのみの描写であり、普通のラノベだったのだが……。


なお、『長門有希ちゃんの消失』では、原作ではいなかったある人物の介入によってエンドレスエイトは阻止された。
SF要素の無い世界観なので、そもそもループが発生するはずは無いのだが。
なお、『長門有希ちゃんの消失 北高文芸部ラジオ支部』ではリスナーから「悪夢のエンドレスフラグ」と言われていた。




ところで、今年の夏休みってこんなに長かったっけ……。
なんか8月17日に戻されてるような気がするけど……。

まぁ気のせいだよな! 冥殿ちゃん!




「どうせ明日になれば誰かが追記・修正してくれる。もうどうにでもなれだ」



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