姫鶴一文字(刀)

登録日: 2012/02/17(金) 19:02:08
更新日:2021/08/16 Mon 09:48:05
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姫鶴一文字(ひめづるorひめつるいちもんじ)とは、上杉謙信が所有していた名刀である。





【基本スペック】
正式名称:太刀 銘一(号 姫鶴一文字)
刃長:71.5cm
反り:中反り 2.0cm
拵え:合口打刀拵(後述)


鎌倉時代の刀工「福岡一文字派」の作品。茎(なかご:普段は柄に隠れているシャイな部分)には一文字派を表す「一」という銘が刻まれている。

刀身は幅が広く、刃紋は激しく波打ち非常に美しい。後述する拵の造形も含めて、刀剣愛好家からの評価も高い。


【合口打刀拵】
あいくちうちがたなこしらえ。
上杉家の刀に多く見られる様式で、鍔(つば:刀身と柄の境にある丸っこいやつ)がないのが特徴。
このため、幅広い刀身の割りにスマートに見える。いわゆる着痩せするタイプである。

なぜ鍔を取っ払ったかというと、

  • 馬上で抜刀する際に引っ掛からなくてウマー
  • 鍔競り合い?その前に叩っ斬ってやんよ! という意志のあらわれ

などといった説があるが詳細は不明である。


あるいは酒好きな謙信公のことだから酔った勢いで


謙信「鍔ない刀とかカッコよくね!?」


家臣「パねえ!!」

的なテンションで作らせたのかもしれない。


【名前の由来(逸話)】
むかしむかし越後の国に上杉謙信という武将がおりました。
謙信はある日イカした刀を手に入れました。しかし悲しいかな、扱うには少々長かったので、自分の体格に合うよう刀身を削ることを職人に命じました。

職人は刀を預かると、 「明日から本気出す」 と決意も新たにその日は寝てしまいました。
ところがその夜、職人の夢に「鶴」と名乗る 黒髪の 美しい姫君が現れ、



ふえぇ…削っちゃダメだよぉ…


と懇願してきたのです。

その後同様のことが何度も続いたので、職人はその旨を謙信に報告しました。
報告を受けた謙信は刀を短くすることを諦め、夢に現れたという姫の名前にちなんで、刀に「姫鶴一文字」と名付けて末永く愛用しましたとさ。


おしまい
…が、実物には刀身を削った形跡がしっかり残っている。
どうやら江戸時代に上杉当主だった中の誰かがやっちまったらしい。
今ならセミロングの鶴姫ちゃんが見られるかもしれない。


【余談】
現在は山形県米沢市の上杉博物館にて保管されている。ちなみに国の重要文化財に指定されている。

無類の刀剣愛好家でもある明治天皇が米沢市に立ち寄った際、名刀に夢中になって翌日の予定をキャンセルする珍事が起こった。
その際この姫鶴一文字が特にお気に召したようで、刀の押型(魚拓みたいなもの)を持ち帰った。
陛下自重して下さい

無双シリーズにも上杉謙信の武器として登場するが、実物とは打って変わって七支刀の形状をしている。




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最終更新:2021年08月16日 09:48