ドーベン・ウルフ

登録日:2012/01/30 Mon 16:55:20
更新日:2024/03/09 Sat 00:59:35
所要時間:約 16 分で読めます





見掛け倒しが!!


ドーベン・ウルフ(DÖVEN WOLF)とは、『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場するモビルスーツ(MS)である。




機体データ


型式番号:AMX-014
頭頂高:22.0m
本体重量:36.8t
全備重量:74.5t
ジェネレーター出力:5,250kW
推力:87,300kg
センサー有効半径:12,000m
装甲材質:ガンダリウム・コンポジット

武装:
  • 30mmバルカン砲×2
  • グレネードランチャー×2
  • ビームキャノン×2
  • ビームサーベル×2
  • 12連装ミサイルランチャー×2
  • メガ粒子砲×2
  • 大型対艦ミサイル×2
  • メガランチャー兼ビームライフル
  • インコム×2
  • 有線式ハンドビーム×2(一般機のみ)
  • 無線式ハンドビーム×2(指揮官機のみ)
  • 隠し腕×2(指揮官機のみ)

搭乗者:ラカン・ダカラン 他


機体解説


U.C.0088の第一次ネオ・ジオン抗争の際、ネオ・ジオン軍が開発した量産機
緑系のメイン装甲に赤いアクセントが入ったボディが特徴。

ひたすら高出力と高火力を追い求めたU.C.0088の熱狂の権化の如き機種。

ローレン・ナカモト博士らがアクシズに亡命した際に手土産として持ってきたガンダムMk-Ⅴや、グリプス戦役中に鹵獲に成功したサイコガンダムMk-Ⅱを元に開発した機体。
基本フレームはMk-Ⅴを受け継いでおり、アクシズ製MSでも珍しい角ばったフォルムをしている。
また、全身にビーム砲を搭載したサイコMk-Ⅱのように本機も多数のビーム砲を内蔵しており、同クラスの機体の中でも特に高い火力を誇る。
更にハンマ・ハンマでは未完成だった準サイコミュシステムの発展形を搭載した結果、パイロットのNT能力を問わずインコムや有線式(指揮官機はレーザー通信を利用した無線式)ハンドビームなどの遠隔攻撃端末の使用が可能になった。

原型機のガンダムMk-Vと比較して重装備ながらも重量は軽減され、姿勢制御バーニアの数増加しているなど、スペック値の推力は低いながらも高い機動性が確保されており、パイロットを選ばない点でゲーマルクより高評価を得た。
火器の多さはどっこいとはいえ、撃ち切りの実弾兵器・多用途切替可能な携行ライフル・前傾で正面火力補強にも使える肩ビーム・接近戦で役立つ切替式腹部ビーム…と分類すればあちらと比べ遥かに用途やレンジがはっきりしていると言える。
もっとも実際はこれにインコムやビームハンドが加わるので、やっぱり火器管制は複雑で「乗り手を選ぶ」ことには変わらなかったが。
腹部メガ粒子砲の上にコクピットがあるなど安全性にも難がある。

これらの理由に加えて既に戦争末期だったため、量産は決定されたものの結局は少数限定生産に留まり、
本機はスペースウルフ隊などのエース部隊向けに少数が実戦配備されたのみであった。


機動戦士ガンダムUCの時代である宇宙世紀0096においても現役。
しかしそれは貧乏所帯な袖付きゆえで整備状況は劣悪だったらしく、小説版ではアンジェロに同期と纏めて耐用年数切れのガラクタ呼ばわりされていた。
袖付き仕様として装飾やメインカラーを青みかかったグレーに変更するなどされているが、機体自体はほぼそのままの装備となっている。




武装


  • 30mmバルカン砲
側頭部に2門内蔵する。

  • グレネードランチャー
両脇に装備。ちゃんと設定画にも描いてあるのだが、忘れられがち。
弾種は任意で変更可能。

  • ビームキャノン
ジェネレーターに直結されたビーム砲。
バックパック両側のバインダー先端部に装備されている。

大腿部に2基格納する。腰アーマーにある丸い蓋のようなものがそれ。
格納させたままビーム砲としても使用可能。

  • 12連装ミサイルランチャー
バックパックのバインダーに装備されている。
ミサイルガザDと同型。

  • メガ粒子砲
腹部に内蔵されたメガ粒子砲。
切り替えによって、ビームを拡散・収束させる。

  • 大型対艦ミサイル
バックパック中央部のパイロンに2基装備する。
劇中未使用。

  • ビームライフル(メガランチャー)
メインの携行武器。
単体でも高出力を誇るが、腹部メガ粒子砲に接続させて砲身を展開し大型メガランチャーとしても使用可能。
その威力はマゼラン級戦艦をも一発で撃沈するとされるが、消費も大きく連射は出来ない。一応出力調節は可能で、低出力ならば連射可能。

  • インコム
有線式の準サイコミュ兵器。バックパックに搭載された小さな円盤状の端末がこれ。
一般パイロットでも擬似的なオールレンジ攻撃が可能である。
ただし、有線式であるためファンネルには劣る上、弾数制限もタイトで発するビームも標準の域を出ない。
また、「自分の意思で制御できる」範囲もファンネルに比べればかなり限定される。
それでも「相手の死角から攻撃できる」等利点は多い。
バックパックに2基搭載されている。

  • 有線(無線)式ハンドビーム
準サイコミュ兵器。
一般機用の有線式と指揮官機用のレーザー通信を利用した無線式が存在する。
掌からビームを発射したり、電流で攻撃が可能。

  • 隠し腕
簡易型マニピュレーター。
指揮官機に装備されている。
上記のハンドビームの中に手袋のような形で仕込まれている。
複雑な動作には向かないがビームサーベルの使用など、最低限の動作能力は持っている。
劇中ではラカン機に装備された。



劇中での活躍


U.C.0088

『ΖΖ』

ラカン率いるスペースウルフ隊としてグレミー軍で戦い、特にラカン機はゲーマルクを圧倒したり、
部下との連携でマシュマー・セロが乗るザクⅢ改を撃破している。

だが隊自体はザクⅢ改戦の前にゲーマルクに1機、その改の自爆(「何の光ィ!?」)で1機、直後のゲーマルクの攻撃で2機が倒され、
ラカン機だけになった所をジュドー・アーシタが駆るΖΖに倒され、全機撃破された。


????

GUNDAM EVOLVE

第二シーズンの第10話に登場。
ネオ・ジオンの残党部隊として、脱走したキュベレイMk-Ⅱとそのパイロットを追い木星へ向かう途中のジュピトリスⅡに通常カラーとグレーカラーの二機が襲来。
不完全なΖΖを追い詰めるが、通常カラーはリィナが送って来たコンテナにぶつかって損傷しそのまま宇宙の迷子に。
一方グレーカラーのほうはジュピトリスⅡに取りつき大型メガランチャーを発射するが、完全になったΖΖのハイメガキャノンにかき消され、機体も跡形も無く消し飛んだ。


U.C.0096

『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』

パラオ戦でまさかの登場。
メガランチャーや拡散メガ粒子砲を浴びせるがユニコーンガンダムのガトリングの餌食となってしまった。
シルヴァ・バレトの時の恨みだろうか。


『機動戦士ガンダムUC MSV 楔』

パラオを偵察に来たEWACジェガンを襲撃。
2機の内1機を仕留め、もう1機をメガランチャーで仕留めんとするが、
相手のデブリをにした巧みな逃走経路に阻まれ、逃げられた。
なおこの機体に乗っていたのは同じ外伝漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』に登場したザミュ大尉であり、
この戦闘の後彼は「俺やっぱドライセンの方が性にあってるわ」としてドライセンに乗り続けた模様。
ちなみにこのドーベン・ウルフはジェトロが無理を言って引っ張ってきたものだったらしい。



デザイン


デザインは明貴美加氏。当初計画されていた「G-Ⅴ」を流用した物である(G-ⅤはセンチネルでガンダムMk-Ⅴとして登場する)。
当初の予定では流用元の意匠を色濃く残してしまった「ガンダム」であったが、「これ以上ガンダムは出せない」という方針の為、頭部デザインが現在の物に改められた。
この時に余った頭部デザインは同作で監督から駄目だしを喰らったクィン・マンサの頭部デザインへ流用されている(あちらがガンダム顔なのはここに由来する)。

本機の色については制作当時アニメ用の塗料が不足していたらしく、ゲーマルクや本機もその影響を受けたものらしい(一応富野監督が指定したカラーリングらしいが)。
本機を運用していたスペースウルフ隊の隊長ラカン・ダカランが機体色の塗替えを拒否したのはそういった裏事情ゆえ。
これについて、劇中設定的には、ドーベン・ウルフの機体色はスペースウルフ隊のチームカラーであり、
「赤い彗星」シャアの赤い機体にも見られる「エースパイロットにはパーソナルカラーによる塗装が認められる」というジオン軍の伝統に、
ジオン出身の古参兵であるラカンが強く執着した……とされるが、真偽の程は不明である。



関連機体


ガンダムMk-Ⅴ

項目を参照。



押し通るッ!!!

◇シルヴァ・バレト

型番:ARX-014
頭頂高:22.0m
本体重量:33.5t
ジェネレーター出力:5,250kW
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:
  • 60mmバルカン砲×2
  • ビームキャノン×2
  • ビームサーベル×2
  • インコム×2
  • 有線式ハンドビーム×2
  • シールド(2連装ミサイルランチャー、ビームランチャー)
  • ジェガン用ビームライフル
  • グレネードランチャー×2(設定には未記載)

搭乗者:ガエル・チャン(OVA版)


機体解説

漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』に登場。メインカラーはグレー。
『ΖΖ』の後にドーベン・ウルフを回収したオーガスタ研の元技術者がAE社グラナダ工場で開発した準サイコミュ試験機。
外観はウルフの特徴を色濃く残しており、名前の由来は「ウルフ」にかけた「狼男を殺す銀の弾丸」と思われる。

過剰を削ぎ落とし90年代らしく兵器としてのバランスを整える方向で改修を施され、
結果ジェネレーター直結式の火器はほぼ廃されているが、その分安全性や操縦性は改善されており機体バランスも良好で実戦にも即時対応可能な数値を叩きだした。
だが優秀な数値は、この機体に固執する技術者が優秀さを主張したいがために予定以上の改修を施したからという疑惑もある。まあアナハイムだし。

なお、頭部には準サイコミュ兵装テスト用のガンダム・ヘッドの他にシステム解析用のジム・ヘッドが用意されたが、
Mk-Ⅴ顔は流石になかったようだ。


劇中ではユニコーンの仮想敵として登場し、本機のパイロット達の私怨からユニコーンをリンチにするも擬似NT-Dが発動し、
貫手などを喰らい大半が倒された。
また残った機体もネェル・アーガマリゼル隊と交戦し、撃破されている。


OVA版ではアナハイムで作られたものがビスト財団に一部だが渡っており、EP7ではサイアム・ビストの護衛役であるガエル・チャンが搭乗する。
メガラニカ内部に侵入してきたネオ・ジオングからバナージ・リンクスを守る壁役として戦いを挑むも、圧倒的な攻撃を前に四肢と頭部を破壊され行動不能に。
トドメを刺されそうになるも、バナージの叫びに答えるかのように現れたユニコーンガンダムの介入よって事なきを得る。
尚、ガエル機は頭部のデザインが変更されており、よりガンダムらしい顔になっている(単なるデザイン変更なのか、劇中設定で改造された結果なのかは不明)。
また、設定には書かれていなかったが脇の下のグレネードランチャーを使用したことで、ドーベン・ウルフからオミットされていなかったことが判明した。


武装

  • 60mmバルカン砲
側頭部に2門内蔵する。
頭部変更の際、連邦軍の標準規格である60mmに改装された。

  • シールド(2連装ミサイルランチャー、ビームランチャー)
ジェガン用のシールドを改造したもの。
その際にウルフのビームライフルをショート化したビームランチャーが搭載された。

  • ジェガン用ビームライフル
ジェガンが使用するものと同型。
模擬戦などで使用される。

その他の武装はウルフの物を踏襲している(インコムは装弾数やチャージ時間に改良が加えられている)。



◇シルヴァ・バレト(ファンネル試験型)

型番:ARX-014P

PS3版「ガンダムUC」に登場。
背中にフィン・ファンネルを装備しているが、有線式になっている。
U.C.0092年時にジオンの残党狩りを兼ねて実戦テストが行われた。
後に本機のデータはνガンダムの開発に活かされている。



◇シルヴァ・バレト・サプレッサー


機動戦士ガンダムNT』に登場したミネバ一派が保有するシルヴァ・バレト。
元々はメガラニカ内に保管されていたシルヴァ・バレトの一機で、その拡張性に目を付けて改修を施された機体だという*1
装甲が黒系に変更されており、頭部は四本のブレードアンテナを備えたガンダムヘッドタイプとなっている。
その他にもバックパック、膝や足首など脚部周りも変更されている。

武装としてユニコーン系と同型のビームマグナムを装備。
反動の大きさは解消出来ておらず一発撃つだけでも腕部が壊れてしまうのだが、腕部の分離機能を利用して「破損した腕を切り離し、予備の腕を装着する」という力技で無理矢理解決している。
なお予備の腕は、後方に付き出したブースターユニットの装甲に四本懸架されており、後腰部に増設されたアームを介して装着を行う。



◇リーベン・ヴォルフ

型式番号:AMX-014R

本体武装:
  • 30mmバルカン砲×2
  • グレネードランチャー×2
  • ビームサーベル×2
オプション武装:
  • ビームマシンガン
  • 対艦ライフル
  • ビームランチャー
  • ミサイルポッド
  • グレネードランチャー(オプション)
  • アームミサイル
  • ビームキャノン
  • 胸部メガ粒子砲
  • インコム
  • 対艦ミサイル
  • 有線式ビームハンド


機体解説

『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ -くろうさぎのみた夢-』に登場。
ネオ・ジオンに協力していた火星独立ジオン軍が独自に改良した機体。

連邦系っぽい角張った形状を廃するついでにザクⅢとパーツの共用化によるコストダウンを図り、過剰な装備を整理・オプション化することで操縦性・生産性を向上させた。
また、アクシズで開発された新技術を用いている為に後のギラ・ドーガヤクト・ドーガに繋がるパーツや武装が見られる。

地球圏で戦うネオ・ジオンの為にチェスター艦隊が輸送していたものの、到着した頃にはネオ・ジオンは内部分裂の末に瓦解しており、巻き込まれるのを避けて火星に帰還した。
……もっとも、火星に戻ったら今度はレジオンとの抗争に投入されるハメになったが。


武装

  • 30mmバルカン砲×2
  • グレネードランチャー
両脇に隠されたグレネードランチャー。
原型機からそのまま受け継がれた。

  • ビームサーベル
グリップの形状がギラ・ドーガのビームソードアックスに似ているが、サーベル以外の機能の有無は不明。

  • ビームマシンガン
本機の主兵装。
ヤクト・ドーガのビームアサルトライフルにそっくりだが、グレネードランチャーが無いなど微妙に形状が異なる。
開発時期が近いので、おそらくどっちかが設計を流用したのだろう。

  • 対艦ライフル
旧ジオン軍の頃から使われている対艦用の大型ライフル。
旧式の実弾兵装ではあるが、対艦というだけあって平均的なサイズのMSなら一撃でブチ抜く威力は健在。

  • ビームランチャー
リック・ドムのビームバズーカに似せた形状の高出力ビーム砲。
後のRFドムに引き継がれた。

  • オプショングレネードランチャー
  • アームミサイル
前腕部に装備する対MS用小型ミサイル。
後のRFゲルググに引き継がれた。

  • ミサイルポッド
  • ビームキャノン
  • 胸部メガ粒子砲
  • インコム
  • 対艦ミサイル
  • 有線式ビームハンド
オリジナルで固定兵装だった物をオプション化したもの。
メガ粒子砲は砲門数を1〜2門から選択出来る。



◇リーベン・ヴォルフ・カスタム

型式番号:AMX-014Rs


機体解説

MAビグ・ザムールの護衛兼管制機として改修されたリーベン・ヴォルフ。
強化人間部隊の隊長ムンスキーの専用機である。

ビグ・ザムールはIフィールドを装備している為にビーム兵器には強いが実弾に対する防御手段が無く、巨体故に懐に潜り込まれると弱かったため、その対抗措置として開発された。
Iフィールドの影響下で戦うことを想定しているため、メガ粒子砲などが外された代わりにダブル・ガトリングガンをはじめとした実弾装備を使用し、ビグ・ザムールに接近する敵機やミサイルの迎撃を行う。



◇フェンリス・ヴォルフ

武装:
  • 30mmバルカン砲×2
  • グレネードランチャー×2
  • サイコアーム×2
  • ハイパーメガ粒子砲
  • ハイメガカノン
  • バインダー部メガ粒子砲×2
  • ミサイルポッド×2
  • マザーファンネル×2
  • チルドファンネル×28


機体解説

リーベン・ヴォルフの強化人間用カスタムタイプ。
別名「サイコ・リーベン・ヴォルフ」、「サイコミュ高機動型」。
機体サイズと不釣り合いに巨大な前腕部、ソール部が無く足首から直接スラスターの生えた脚部、大型化したバックパックのバインダーなど、一見するとドーベン・ウルフ系には見えない外見が特徴。

元のリーベン・ヴォルフにも準サイコミュがオプションとして残されているが、フェンリス・ヴォルフはゲーマルクの技術を取り入れた完全なサイコミュ仕様機として調整されたもので、つまりはドーベン・ウルフとゲーマルクとの合の子である。

装備面にもその特徴が表れており、ゲーマルクからハイパーメガ粒子砲とマザー/チルドファンネルを受け継ぎ、股間部の砲身をハイパーメガ粒子砲と接続することでハイメガキャノンを使用出来る。

特に目を引くのは両腕部がクィン・マンサの機能を再現した40m級MSサイズのサイコアームとなっている点で、これはメガ粒子砲と大型ビームサーベルを内蔵した言わば「ビッグサイズのサイコミュハンド」であり、より高火力なオールレンジ攻撃を実現している。

また、強化人間の搭乗が前提なので高機動用の装備を増設、背部にはシュツルム・ディアスのグライ・バインダーを参考にウルフのバインダーを発展させた大型バインダーを装着して重装備ながら高い機動性を確保した。


武装

  • 30mmバルカン砲
  • グレネードランチャー
  • オプションミサイルポッド
リーベン・ヴォルフと同じ物。

  • サイコアーム
巨大な両腕はサイコミュ制御の複合兵装となっており、メガ粒子砲、ビームサーベル、クローを集約して多角的なオールレンジ攻撃を可能とした。
これはクィン・マンサの機能を再現したもので、射出後には原型機と同じく隠し腕が備わっている。

  • ハイパーメガ粒子砲
胸部に備え付けられた高出力メガ粒子砲。
基本的にゲーマルクと同型。

  • ハイ・メガ・カノン
股間部に格納した砲身をハイパーメガ粒子砲と接続することで使用可能となる長距離用ビーム砲。
ウルフのメガランチャーに相当する火器と思われる。

  • バインダー部メガ粒子砲
背部のバインダー先端に内蔵。
シュツルム・ディアスのビームカノンの系譜で、ウルフのビームキャノンよりも出力が高い。

  • マザーファンネル / チルドファンネル
これもゲーマルクから受け継がれたもの。
マザー1基あたりにチルド14基の合計28基を内蔵。




余談


重武装が売りのドーベンだが、実は劇中ではその武装の殆どを使っておらず、インコムさえ使用していない。
ゲームに出なければ、大半が忘れられていただろう。
現在に至るまで武装全てを扱えるゲーム作品は存在せず、あのガンダムバトルシリーズでもシステムの都合上武装がオミットされている。
あまりにも武器が多すぎるのである。
恐るべしウルフ。

ちなみにこの時代はΖΖを始めとしてサイコガンダムMk-Ⅱ 、ゲーマルクやクィン・マンサなどのワンオフの火力バカが列挙しているが、それに量産機で並ぶというのもさすがである。

ゲームで量産機のみを使用する縛りプレイをする場合はエース機として大いに活躍が期待できる。
ただ、少数生産の高級機な為、ガザCギラ・ドーガのようないわゆるやられ役大量生産機とは線引きがなされる事がある。

関連機体が数多く存在するように、この機体はご先祖さまから子孫までの系譜がわかりやすい一方……
1.連邦軍の試作機
2.ネオジオンの量産機
3.連邦軍の試作機
4.ビスト財団の私有機
5.姫様一派の魔改造機
敵だったり味方だったり、ガンダム顔だったりそうじゃなかったりと、複雑怪奇な一族である。

また、ΖΖでの立ち位置からSDガンダムでは敵の中堅幹部クラスでの出番が多かったが、UC以降の描写が影響してか、三国伝のようにガンダム顔の主人公達と行動を共にして活躍するケースも。



立体化


ガンプラ

放送当時に1/144で発売されている。


2013年には『バンデシネ』と『楔』に登場した袖付き仕様で念願のHGUCが発売した。
可動は良好で背部のビームカノンもちゃんと可動。
ビームライフルも腹部に接続してメガランチャーになるほかインコムも付属。
さらに差し替えの選択式で有線式ハンドや隠し腕もあるほか射出した腕用のスタンドも付属するなどボリューム満点な、ファン待望の出来である。
ただ、インコム用のリード線は付属していないが、一応有線式ハンド用のリード線を繋ぐことは出来る。

改修機であるシルヴァ・バレトの発売も決定したので、
多くの人が馴染みあるであろうΖΖ版のカラーや原型機であるガンダムMk-Ⅴの発売も期待したいところである…
とか言ってたらΖΖ版の発売も決定した。しかも、一般販売なので昔から待ち望んでいた人は買うべきだろう。

そして『NT』公開後、サプレッサーも一般で発売。
流用の都合上劇中イメージより若干太目だが、腕部の交換ギミックやビームマグナムなどちゃんと付属しており、相変わらずボリューミー。

プレミアムバンダイ限定でシルヴァ・バレト・ファンネル試験型及びガエル・チャン専用機(ガンダム顔が劇中準拠のデザインに)が発売されている。



ゲームでの活躍


スパロボ

やや強めの敵軍量産機として登場することが多いが、条件を満たせば味方機として手に入ることもしばしば。
特に『EX』ではリューネの章とシュウの章で入手できるが、後者では同時に入手できるサザビーと共に自軍を支える貴重な戦力となる。
第2次α』ではハマーンと休戦した場合のみ量産型キュベレイと共に入手でき、「メガ・ランチャー」がALL兵器扱いである等、小隊長機として優秀。
また、主役機と遜色ない性能ながらパーツスロットは最大の4つであり、潜在能力が高い。
主役機やニュータイプ専用機以外で強力なモビルスーツが少ない中、バニングやドレル等の脇役オールドタイプが乗るには最適な機体と言える。
実は『一次』から登場している古参組であり、『一次』では上記のような量産機だけでなく、ステージ4のボスを務めるという快挙を成し遂げている。
30』では『NT』が参戦しているためサプレッサーが自軍で使える…が、終盤からの参戦に加えてバナージの乗機としてはやや心もとないのでシュラク隊に乗せ換えるという手もある。しかし戦闘シーンに関してはとてもかっこいい。
なおビームマグナムは原作通り一度撃ったら腕を換装する。
その換装に対しての専用台詞も多いので、乗せ替えしてて楽しい機体ではある。
それとデフォルトで6発撃てる上にBセーブで12発まで撃つことが可能。一体腕を何本装備しているのか…


Gジェネ

初代から登場。初期は多少射程に穴があるのが難だったが、威力と射程の優れた「インコム」や「メガランチャー」のおかげで使い易い。
削り役として重宝した人も多いのではなかろうか。『魂』からは武器に「ビームライフル」が追加されたが、射程2から攻撃できるMk-Ⅴとはまだ差があった。
しかし『WARS』からはほぼ全ての機体が射程2から攻撃可になり、『WORLD』からは「メガランチャー」が通常使用可になるなど、Mk-Ⅴと評価が逆転した。

ただ、設定通り、機動性・移動力ではMk-Ⅴに劣る。
とは言え、その点を差し引いても強力な機体であり、基本性能・武装の優秀さ共に歴代量産機の中でも最高レベルを誇る。
上述の「インコム」や「メガランチャー」に加え、ビーム耐性を備えた機体には「ミサイル・ランチャー」が威力を発揮する。
そのため、下手な主役機やラスボス機より使いやすいことも多い。
UC後半やアナザーの機体に比べて飛行能力がない点で劣るが、OP「ミノフスキードライブ」を入手すれば飛べるようになる。
『GENESIS』では射撃向きの指揮官機と格闘向きの一般機に分化したほか、ステータスの強化された袖付き仕様が追加された。

シリーズをプレイしてきた方なら本機が大量に出てくるΖΖ最終面は大いにてこずっただろう。
何しろ長射程かつ高威力のメガランチャーを連射してくるのだからうっかり間合いに入って何発も浴びせられたり、
ガーダーが何発も喰らってピンチになった人も多いのではないだろうか?

それ以前にもΖΖではズサによる全弾発射地獄もあり、量産機によるMAP兵器地獄というある種の「数の暴力」を思い知らせてくれる。
当時の高火力主義は色々と狂っていたようだ。


ギレンの野望 アクシズの脅威

アクシズ系の他に正統ジオンやシャアが総大将のジオン系で使用可能。
武装が豊富な上にインコムを持つため殲滅力は抜群。一方で盾が無い上に運動性も時期を考慮するとさほどでもないので、スタック戦闘に配置して敵エースに挑むと思わぬ損害を被ってしまう。
接近戦を挑みたいならバウを、距離を取って戦うならガズエルを護衛としたいところ。


機動戦士ガンダム 戦場の絆

連邦軍のコスト300近距離機体として、シルヴァ・バレトが登場。
射程が長く3体までマルチロック可能な連装ミサイル/ビーム・ハンドか
誘導が少ないが対拠点威力の高い対艦ミサイル/ビーム・ハンドをメイン武装に持つ。
ミサイルを打ち切った後にビーム・ハンドに持ち帰る形式。

サブ武装はインコムAとBで、それぞれ2発ダウンか1発ダウンの違いがある。

ローゼン・ズールと同様に同タイトル初のインコム搭載機体であり、メイン武装のボタン長押しで腕が飛び
腕が伸び切るor障害物に当たる前に離すとビームを発射可能な特性を持つ。短めに押せば通常のビーム・ライフルと同様に運用が可能で、インコムと併用すれば2体程度なら同時に相手に出来
単体が相手なら相手を近づけさせない戦法も可能。ただし運用方法がこれまでにないタイプであり、コストの高さも相まって人を選ぶ機体。

格闘は三連撃可能なビーム・サーベルAか、一発ダウン&ノックバック効果ありのビーム・サーベルBとなっている。


2018年9月の勢力戦、オータムバトル2018ではジオン軍のコスト280近距離機体として、ドーベン・ウルフが登場。何気に初となるΖΖ本編登場のMSである。
メイン武装は低威力高誘導のミサイルを四発発射する12連装ミサイルランチャー/ビーム・ライフルと
高威力高爆風範囲のミサイルを単発発射(弾数2発)する大型対艦ミサイル/ビーム・ライフルがあり、ミサイルを撃ち切るとビーム・ライフルに持ち帰る形式。

サブ武装は相手をダウンさせやすいインコム。ボタン長押しで腕を飛ばして離すとビームを発射し、腕の命中でカメラ破壊効果を与えるビーム・ハンド
コスト+10だが威力と貫通効果を持つメガ・ランチャーの三種類がある。

2019年12月の勢力戦、クライマックスバトル′19→′20ではジオン軍のコスト300格闘機体としてシルヴァ・バレト・サプレッサーが登場。
メイン武装は高威力&硬直の重いビーム・マグナム一択。サブ武装はダウン値の高い60mm頭部バルカン砲、そこそこの威力と本機のサブ武装で最もリロードが短いグレネード・ランチャー、コスト+20で高威力&当たり判定の広いビーム・キャノンが存在する。

ジオン軍初の高威力メイン武装かつバルカン持ちの高コスト格闘機体で、QD時には密着威力65と破格のダメージを与えられるが
格闘機体屈指の射撃硬直の重さがネックとなっており、扱いが難しいMSでもある。

ビーム・マグナム発射時には腕が破壊される演出が入るが、プレイに支障はない。


◇機動戦士ガンダムExtreme VS.2

コスト2000で新規参戦。
射撃寄り万能機として遺憾なくその性能を発揮できる……はずが、プレイヤーの間ではドーベン・チワワと呼ばれている。

機体の全身に装備された武装をバルカンとグレネード以外は使用できる。
サブ射撃はメガランチャーによる照射で、発射までの銃口補正が良く近接戦闘ではラグこそあれど当てやすい部類。
特殊格闘はインコムを射出。一度の入力で一基につき二回攻撃してくれるので、一度目の攻撃で避けられてもある程度リカバリーが効く。
格闘CSは無線式ハンドの射出となっていて、命中すると敵機の機動力を著しくダウンさせられる。その間はメイン射撃は拡散ビーム砲(収束)、格闘は隠し腕によって制御され、サブ射撃は大型対艦ミサイルに切り替わる。
覚醒技はザクⅢ改を屠ったスペース・ウルフ隊の連携攻撃。

反面、キャンセルルートに乏しく静止射撃も多いため、S覚醒を含む落下ルートの少なさには気を付けたい。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOSTでも続投。
共通で特殊射撃の誘導強化、特殊格闘の射程減少と再誘導付与。通常時はサブ射撃の威力がちょっと下がり、ハンド射出中はメイン射撃周りの強化と被覚醒で手が取れなくなった。
とはいえ2000コストの後衛砲撃機としては影が薄めで、降りテクの無さと足の止まる武装ばかりなのが尾を引いていた。

2021年12月のアップデートで強化が入る。
かなりの射撃武装に強化が入る中、遂に特殊格闘からメイン射撃への降りテクルートが開設。その特殊格闘もほぼ全ての要素が強化されたので、気軽にスルーし辛い武装に変貌した。
格闘でも特殊格闘派生が追加され、既存の格闘CSが出せるようになった。格闘を差し込めるタイミングで鈍足効果が容易に狙えるようになったのは大きな追い風であり、更にそこからメイン射撃キャンセルなどもあるのでカバーもできている。
限定的とはいえ降りテクを得られた事などで見た目以上に大きな強化を貰えたが、移動技や動きを止める武装による逃げ性能が低く、特に近距離での対応がプレイヤーの腕前次第で変わってくる点は相変わらずなので注意したい。


◇機動戦士ガンダム バトルオペレーション2

ドーベン・ウルフはコスト600の汎用機。Ζガンダムや、同期で言うとハンマ・ハンマと同格のコスト。
全機体中最大数となる8個の武装を駆使するバリバリの射撃機体。
特徴的なのがこれでもかと盛られたよろけ耐性スキルの数々で、射撃だろうが格闘だろうがほとんどよろけない。
よろけを生み出して動きを止め、そこに追撃していくゲーム性の中では、どれだけ殴られようが平気で撃ち返す様はかなり異質。
以前より同様の機体にゴッグがいたが、あちらは低コストの鈍足格闘型強襲機のため運用は異なる。
その代わりこのコスト帯の汎用機で最もHPが低く*2、流石に回避もせず撃たれっぱなしではあっという間に溶けてしまう。格闘攻撃への耐性も低いので強襲機の格闘コンボも割と痛い。
よろけない=回避行動を阻害されない事を活用して、回避と攻撃を同時に行う運用が求められる。

シルヴァ・バレトは650コスト汎用機。よろけ耐性が若干マイルドになった代わりにHPと防御力が体格相応になっている。
武装は変わらず豊富だが、スモークグレネードやインコム系のやや癖が強いものに差し変わっていたり格闘よりのベースパラメータとのかみ合わせが悪い関係で、
射撃一辺倒でも格闘一辺倒でもそれだけでは激戦区である650コスト汎用の中では埋もれがち。
豊富な射撃武装もややよろけにくいスキルも活かし、状況に合わせて射撃も格闘も交えていくことで強みを発揮するテクニカルな機体となっている。



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最終更新:2024年03月09日 00:59

*1 監督のイメージではネオ・ジオングに破壊されたガエル機がベースなんだとか。

*2 数値にして15000、450コストの汎用機並しかない。600コスト汎用機の平均HPはおよそ18000〜19000なのでどれだけ脆いかよくわかる。同コストの低HP機体にトリスタンがいるが、あちらは機体サイズが小さくシールド持ちで足が速いのに対しこちらはシールドなし、鈍足に加えてΖΖガンダム級の大型サイズなので被弾率が高く、脆さに拍車をかける。