ギルガメス/バララント(装甲騎兵ボトムズ)

登録日:2011/10/29 Sat 17:21:06
更新日:2023/11/24 Fri 03:14:22
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装甲騎兵ボトムズシリーズに登場する星間連合国家。どちらもシリーズの舞台となるアストラギウス銀河を二分する巨大勢力として登場する。


なお正式名称はそれぞれギルガメス連合、バララント同盟となっている。

◆成立
アストラギウス銀河中心部に存在するクエントから追放された異能者達は辺境惑星へ逃れ現地の文明レベルを引き上げていった。その中で誕生した星間連合国家がバララントである。優れた航宙技術を持つバララントはアストラギウス銀河中に勢力を広げ、多くの惑星を傘下に置いた。
一方バララントに反発する惑星は単体では巨大なバララントには対抗出来ないと悟り惑星間で軍事通商連合を設立。後のギルガメスの源流となる。
その経緯から両者の仲は基本的に険悪で、百年戦争時には凄まじい戦いを幾度となく繰り広げている。ただし外交交渉が全く無い訳ではなく、必要とあれば一時的に手を組むことも厭わない。


◆ギルガメスの特徴〜バララントに対抗して〜
社会主義的要素が強く統制が厳しいバララントへの反発から生まれた為か所属惑星に対する統制が比較的緩く資本主義的な路線をとっている。特にギルガメスに対して軍事技術提供をある程度こなしている場合は寛容で、所属惑星がギルガメスからの離脱を表明した際には兵器輸出を継続するという条件でこれを認めている。例外的にクメンのようにバララント寄りの姿勢を見せる場所には軍事介入する場合もある。

政治体制は民政だが長きに渡る戦争により軍部の発言力が増大、政府首脳を軍人が占め事実上の軍政が敷かれている。

勢力圏の広さや資源量はバララントに劣るがその分技術面で勝っており、特に百年戦争中にはアーマードトルーパー(AT)の開発に成功しその後の戦争に大きな影響を与えている。
その反面、民衆の生活水準は低く、各地で経済格差によるインフレや戦争難民の増大、治安悪化など様々な問題を抱えている。


◆バララントの特徴〜「大バラン主義」の名の下に〜
その最大の特徴は「大バラン主義」というある種の同化思想を傘下の惑星に強制している点。このため所属惑星に対する締め付けは厳しいと言える。

政治体制は成立当初から軍が主導しており、ギルガメスと比較するとスムーズに意志決定が行われる。

勢力範囲や資源量、国家としてのまとまりではギルガメスに勝り、技術的にもギルガメスより航宙技術に優れており、レーダーやセンサー関連も得意とする反面それ以外の技術ではギルガメスに劣る。特に陸戦兵器関連では大きく後れを取っており百年戦争ではAT開発に出遅れ劣勢に立たされている。

意外にも住民の生活水準はギルガメスよりも高く、思想教育として大バラン主義が強要されこそするがそれなりに裕福な生活を送っている市民も少なからず存在する模様。


◆主な所属惑星
★ギルガメス側

メルキア
該当項目参照
現在の首星。

☆ギルガメス
名前の由来となった初代首星。百年戦争開戦後すぐにバララントの攻撃により消滅する。

☆ビシュティマ
二代目首星。ギルガメスから首星の座を引き継ぐも戦況は芳しくなく、百年戦争中期にギルガメス同様バララントの攻撃により消滅する。

☆レクスティア
百年戦争最大の艦隊戦が行われた星域。両軍合わせて十数万隻が投入される激戦の末、ギルガメス側が勝利を収めた。

☆リド
百年戦争末期にパーフェクトソルジャー(PS)の開発が行われていた辺境の小惑星。秘密結社の襲撃を受け開発中のPSは奪取され、基地は爆破された。
キリコ・キュービィーがフィアナと初めて出会い、そして更なる地獄へと転がり落ちるきっかけとなった地。

☆ミヨイテ
百年戦争の激戦地として知られる惑星。戦争末期にバララントから奪取した大量のヂヂリウムを一機甲猟兵小隊が横領したとされる「プランバンドール・スキャンダル」が発生している。

☆オドン
悪名高いレッドショルダーの秘密訓練基地が存在していた辺境の惑星。標準的な可住惑星に比べて重力が強く大気も薄いうえにごく微量だが有毒物質も含まれており、惑星で暫く過ごすだけで心肺機能が鍛えられるという正にレッドショルダーにはうってつけの地。
基地を探知されぬように惑星には大量のチャフが散布され強力な妨害電波を発する事で衛星軌道上からの地上走査を防ぎ、直接上陸してきた場合はレッドショルダーが物理的に排除することで味方にすら基地の所在地を隠す事に成功している。

☆ロウムス
百年戦争の激戦地の一つ。ここに存在するタイバス河を戦場に行われた渡河作戦では1500機のATを囮にし、それに気を取られている隙に主力部隊が背後を突くという戦術でギルガメス軍が勝利を収める。
囮となったATの内、生き残ったのはキリコを含むごく少数である。

☆クズスク
メルキア情報省医療収容所が所在する惑星。一見すると自然豊かな保養所といった感じだが、実際は収容所の名に違わず必要と判断すれば命の危険すら伴う拷問を平然と行っており、ここに送られる事は死よりも悲惨な境遇に置かれる事を意味するとされ恐れられている。
主に高級軍人や政治犯が収容され、ヨラン・ペールゼンも情報省次官フェドク・ウォッカムにより一時ここに収容されていた。

☆マナウラ
百年戦争の激戦地の一つ。辺境ながら交易の要衝として知られ、第四次銀河大戦においても激戦地となっている。
マーティアルの第9セクターが設置されている他、衛星軌道上にはコンプラントと呼ばれる工場群が存在している。
TVシリーズラストでコールドスリープに入ったキリコが覚醒した地。

☆ラザース
第四次銀河大戦の激戦地の一つ。1万年以上前の遺跡を観光資源とする「神話の星」。それ以外にこれといった産業や資源は無かったが地理的問題から第四次銀河大戦中は戦略上の重要拠点として両軍の争奪戦が展開された。
キリコ達の時代より300年以上経過したアストラギウス銀河を描いた小説『equal ガネシス』の舞台であり、ギルガメス、バララント双方のアンドロイド兵器が自我に目覚め反乱を起こしている。


★バララント側

☆バラン
バララントの首星。ギルガメス側から特に攻撃は受けていない様だが首都機能の大半は軌道上に存在する小惑星ミノータスに移されている。

☆ミノータス
惑星バランの衛星。小惑星を改造した移動要塞となっており現在では首都機能はほとんどこちらに存在している。緊急時にはバランの衛星軌道から離脱させて運用する事も出来る。

☆モナド
超古代文明の遺産であるエネルギーコアを取り囲むように人工の外郭が設置されていった惑星。両軍により度々争奪戦が繰り広げられ、百年戦争末期にはバララントが占拠、惑星全土を要塞化した。
これに対しギルガメス軍は動員数一億二千万という空前絶後の大兵力を投入するが、エネルギーコアが突如として暴走。ギルガメス、バララント両軍を巻き込み消滅した。


◆余談
両勢力ともシリーズ中での描写はそこまで多くなく、設定はムックや同人誌初出である事が多い。
特にバララントの描写は各作品の主人公がギルガメス側もしくは中立惑星出身の者が多いためにギルガメス以上に少なく、その傾向がより顕著である。


ボトムズ本編より遥か未来を描いた『equal ガネシス』では主力兵器がATからアンドロイド兵器(ギルガメス側はロボトライブ、バララント側はニュードロイドと呼称)に変わっても尚元気に戦争を続けている事が判明している。
ちなみにこの時期に行われた第五次銀河大戦は後に二百年戦争と呼ばれているそうである。




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秀逸な項目も立て逃げも一瞬の星の瞬き


万物流転


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それは誰か


次回『編集』



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最終更新:2023年11月24日 03:14