ノノノノ

登録日:2011/02/24(木) 02:22:13
更新日:2023/08/23 Wed 18:34:23
所要時間:約 4 分で読めます




2007年10月からヤングジャンプにて連載開始。
作者岡本倫。
単行本は全13巻。
VOMIC(ヴォミック)にて声優が声をあてたラジオドラマも配信された。


作者があの『エルフェンリート』を描いた岡本倫で、
連載開始前は、スキージャンプという珍しい題材でどんなグロいマンガが出来るのかと期待と不安が広まっていたが、
連載が開始され蓋を開けてみると前作とは雰囲気がガラっと変わり爽やかなスポーツ漫画であった(多少血は飛び散るが…)

●あらすじ

強風が吹く夜のジャンプ台でスキージャンプをする少年・野々宮悠太。
スキージャンプ界に突如現れた、無名の新星えある彼の夢はオリンピック種目で金メダルを獲ること。
しかし、彼にはある秘密があった。

●登場人物

  • 野々宮悠太(ののみや ゆうた)
声:能登麻美子
本作の主人公である美少年。
北海道出身で、成績上は道内で85位の予選落ちのジャンパーだったが、
本作登場時には全日本選手権3位のジャンパーと野試合で対決し、バッケンレコード(そのジャンプ台の最長不倒記録)越えを叩き出して圧勝するなど成績とはまるで別人の実力の持ち主。
高校はスキージャンプで有名な長野県の奥信高校に入試トップで入学し、また容姿端麗でたちまち注目の的となる。
他人とはあまり関わりを持とうとせず、どこか謎めいた雰囲気を持っている。


  • 興梠みかげ(こうろぎ みかげ)
声:福原香織
世界フィギュアスケート選手権で金メダルを取った天才で、数々の男性から告白を受けてきた美少女。
学年4位の成績を取る優等生でもある。高校入学後、悠太の容姿とオーラに惹かれて(上から目線で)告白するも、あっさり断られてしまった。
それ以来、大会の合間を縫って悠太の元へと現れるようになり、彼の心を射止めるべくアタックをかけ続けている。
ある一件から悠太を女装趣味のある変態だと勘違いし、それをネタに彼のことを「マイスレイブ(奴隷)」呼ばわりするようになった(周囲には恋人同士ということにしている)。
悠太が寮で(正当防衛とはいえ)暴力事件を起こしてからは、彼を自分の家に同居させるようになった。
世間では「天才少女」として通っているが、実際は裏で筋トレ等の地道な努力に励んでいる努力家。競技の特性によるものもあるが、持久力では完全に悠太を上回る。

  • 天津暁(あまつ あきら)
声:前野智昭
悠太と同じスキー部の1年生であり、全中体優勝経験を持つ天才ジャンパー。
登場時に野々宮との出会いが「日本のジャンプの歴史を変える」と予告されていた。
ジャンプ一家に生まれたサラブレッドで家族を誇りに思っているが、祖父・父共に銀メダル止まりで、子供の頃から「銀メダルコレクター一家」と揶揄され続け、コンプレックスとなっている。
女性アレルギーであり、女性に近づかれるだけで蕁麻疹が出てしまう。

  • 岸谷弘基(きしたに ひろき)
悠太、天津と同じスキー部の1年生。野々宮の良き理解者の一人。
猛者揃いのメンバーの中では技術も体力も平均、勤勉というわけでもなく大会前でも周囲ほど練習していない。
常に向かい風を意識して前傾姿勢で跳ぶため、無風時の記録は非常に悪いが、向かい風が吹けば大きく飛距離を伸ばせる。

  • 尻屋潔(しりや きよし)
スキー部の先輩。短気で粗野で欲望に忠実な困った変態。
横柄な性格ゆえに人望が無くスキー部の部長になれなかったため、スキー部初代「皇帝」と名乗っている。
自分の名前や外見(アフロに近い天然パーマ)に猛烈なコンプレックスを抱いており、過去に彼を陰で「アナルショップ」(「尻屋」の直訳)と呼んだ生徒は3日間行方不明となった後、退学した模様(但し、自分が本気で一目惚れした相手にはそう呼ばせている)。
190cmを超える長身で肩幅も広いという恵まれた体格を持ち、前年度のインターハイでは3位という実績を残している。


以下ネタバレ

















  • 野々宮ノノ
天才ジャンパー野々宮悠太の正体。彼の双子の妹である。
かつては由良姓を名乗っていたが、父親の失敗による悪質な嫌がらせを一家で受けた為、悠太と共に母親の旧姓「野々宮」に改姓した。
幼いころからスキージャンプに天賦の才を発揮したが、女性なので五輪には出られないことから選手の道を一度諦めていた。
しかし、中三で兄が自殺したのを機に、その遺言に従って兄と入れ替わり金メダルを目指している(戸籍上、死んだのはノノということになっている)。

普段の反動も相まって年頃の女の子らしくオシャレしたい願望が強く、暴走じみたやらかしで後悔することもあったほか、
体も女性らしく育ってしまったため、コルセットで締めたりバレてひん剥かれたりと受難の美少女。
猶予が2年(2014年大会まで)しかない、というのも6年後まで自分が女性であることを誤魔化しきれる自信がないためだったりする。


  • 野々宮悠太(真)
ノノの双子の兄であり、ジャンパー由良悠介の息子。
過剰なバッシングを受けた父親にささげようとスキージャンプを始めるも、妹ほどの才能は持っていなかった。
周囲には金メダルへの憧れを語るビッグマウスで傲慢な人物と見られていたが、本当は穏やかな少年だったようである。
努力の甲斐なく並以下の成績しか残せない悠太を由良は激しく責め、虐待紛いのスパルタトレーニングを施し続けた。それでも芳しくない成績に終わって父に見捨てられると、最後には自分では父を救えない、と家に火を放って自殺した。
彼の遺言でノノは入れ替わりを実行したが、遺言には妹のまま生きる道も示されていたほか、
死後もノノを気遣っていて、体調不良時や集中を欠いた危険なジャンプに挑む際には警告するようにジャンプ台に彼の幻が現れていた。
(尤も、妹には因果が歪んで映っていたようで、しばらくは「悠太が出てくるから失敗する」と認識されていたようだが…)

実は絵画の才能があり、教師からもその道を薦められていたが、美術へのあこがれを義務感で封印、薦めを拒絶している。
奇しくも、彼の死んだ日に総理大臣賞受賞の報せが学校に届いていた。

  • 由良悠介
アンカレッジオリンピック(現実の2002ソルトレイク五輪に相当)のジャンプ日本代表で、野々宮兄妹の父親。
「能天気で大口を叩く代表チームのムードメーカー」とされる反面、その実メンタルの弱い男性でもあった。
怪我で機会に恵まれなかったことや過度の期待に応えようとしたために、足の怪我が完治していないのを隠してジャンプに挑み、見事失敗。過剰なバッシングを受けて実業団を追われると、虐待紛いのトレーニングを息子に課す鬼となってしまった(五輪に出られない娘の方はほぼ放置)。
指導の甲斐なく*1息子の才能に見切りをつけて自殺を図ったが一命を取り留め、現在も病院で眠り続けている。

●連載終了

連載開始当時(2007年)はスキージャンプ女子種目はオリンピック種目に採用されていなかったこと、またその予定も無かった為、
「女性主人公が男性と偽って、男子選手としてオリンピックでの金メダル獲得を目指す」という部分がストーリーの要となる作品であった。

が、連載中もレギュレーションや五輪採用種目は刻々と変化していった。
2009年の世界選手権でテスト採用されたのを機に女子ジャンプの気運が高まると、
IOCでも2010年バンクーバー五輪の後に議論され、2011年4月、遂に「2014年のソチオリンピックからの採用」が決定。
女性でもオリンピックでジャンプ競技の金メダル獲得を目指せるようになったため連載は打ち切りとなった、とされる。
(なお本作の連載終了は2010年12月と非常に微妙な時期の終了であったことを補記しておく)



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最終更新:2023年08月23日 18:34

*1 なお、由良の指導方針は時代の主流に逆らったものであり、悠太が成績を伸ばせなかったのも彼が誤った飛び方を教えていたためではないか、という指摘が作中で行われている。