UE/ヴェイガン

登録日:2012/02/07(火) 09:52:07
更新日:2023/04/18 Tue 01:48:39
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UEとは『機動戦士ガンダムAGE』に登場する敵性勢力である。


●目次



【概要】

正式名称は「Unknown Enemy」の略で、世間一般にはその名の通り「正体不明の敵」「謎の存在」と認知されている。
A.G.101に突如出現し、スペースコロニー『エンジェル』を破壊した「天使の落日」を引き起こした事で敵性勢力と地球連邦軍に断定され、長きにわたる戦争を続けていく事となる。


【特徴】

そのほとんどが可変機構を持つモビルスーツのような外見をしているが、MSのような搭乗兵器か自律稼動兵器か、はたまた異星生物であるかは未だ不明。

ハンドサインによる情報伝達、戦闘不能機を破壊しての情報隠滅。格下の相手を弄ぶなど、かなりの知性を有している可能性が高い。
しかしながら人類とは14年間も戦い続けているため、対話・共存は難しいと考えられる。

UEのMSの戦闘能力は高く、地球連邦軍の主力量産MS『ジェノアス』を火力・防御力・機動力あらゆる面で凌駕する性能を誇る。
そのため出現からの14年間は常に攻勢に立ち、幾つものコロニーを破壊して回っていた。



以下ヴェイガンについて




【正体】

当初は地球人からUEと呼ばれ、異星人かと思われていたUEだったが、アンバット要塞攻防戦の終盤、ヤーク・ドレことギーラ・ゾイの暴露から、自身達がUEの正体が『ヴェイガン』という火星国家の者だということが判明する。


【実情】

国家の内情はというと、火星移民第1世代で当時を知る生き証人でもあるイゼルカントが指導者として台頭、コールドスリープによる断続的延命を繰り返してヴェイガンという国家を築き上げるに至っている。

特徴

日本風の入浴文化を持つほか、一般兵から将校に至るまで中東の民族衣装や陣羽織・赤熊のような幕末~明治初期に見られた和風軍装を模した制服を着用しており、その社会体制は「旧共産系国家のイメージ」「農業的な共産主義」であるが、住民の貧富の差は激しい。
国民はマーズ・レイから国民を防護するかのような分厚い鉄の外殻のコロニー「セカンドムーン」を建造しており、その中での生活を余儀なくされている。

当然、地球や地球圏コロニーのような環境に近づけるのは難しく、コロニー内上空は青空などではなくやや濁ったような緑の空が広がっている。

軍事面

高度な軍事技術力と指導者を崇拝する結束力を保有するが、人材と物資が圧倒的に乏しいため、有能な戦闘員をコールドスリープで温存している。

組織内の階級制度は無いが立場により軍服が異なっていたり目上の者を「様」付けで呼ぶ等、上下関係はしっかりしている。
まだ「UE」と呼ばれていた当初はステルス技術と隠蔽工作によって効果的に立ち回っていたが、敵のAGEシステムによる強化と戦争長期化により徐々に綻びが出るようになり、部隊内の上下関係も完全に冷え切っており、組織内の連携もロクに取れていない。
その上、何故か効果的な侵攻作戦を行わず、敵に猶予を与えてしまう隙があるような作戦か多い。

保有技術

資源・物資の少ない環境でありながら地球圏を凌駕する兵器技術を持ち、MSに至ってはAGE-1のドッズライフルが完成するまでは文字通り傷一つ付けられない程だった。
ガンダムの登場で徐々に連邦軍に対抗されるようになるが、それでも優位差はなかなか縮まらず、可変機から局地戦用の異形の機体まで数多くのMSを開発・保有する。

これらの技術は第三部の約80年前に地球圏で連邦の調査をしていたヴェイガンの指導者イゼルカントが偶然「銀の杯条約」で廃棄されたデータをまとめたデータバンク「EXA-DB」の一部を入手したことでもたらされたものである。

端末などの表記には独特なフォントのアルファベットが用いられ、数字もローマ数字で表示されているのが確認できる(ローマ数字において0を示す文字は存在しないため、作中ではアルファベットのOで代用されている)。


【関連用語】

  • 火星移住計画(マーズバースディ)
本編第一部から遡ること約150年前(A.G.以前の旧世紀)に増大した地球圏の人口問題解決のため、シュトレイト・フォンドール博士が立案し、当時の地球連邦が行った火星移住計画。

当時の火星圏は豊富な資源と広大な土地があると見込まれ、実験的に16基のコロニーが建造された。
しかし火星の環境は強力な磁気嵐「マーズレイ」が引き起こす死病で総人口の20パーセントが命を落とすという、想定された以上に危険で過酷な環境であったため、計画は頓挫した。
連邦政府は調査不足の責任から逃れるために居住者は全員死亡したと発表し、多くの生存者が火星圏に取り残された。
ミレースの回想では、その事実を連邦が隠蔽したことが全ての元凶であると語られている。
あれ?これ何てナ○シコ

なお、小説版でも経緯はほぼ同じだが、マーズバースディ計画そのものは隠蔽されていない。
しかし、マーズレイによる調査不足の「詰め腹」を切られる事を恐れた連邦政府は火星移住者が全滅するまで事態を傍観することを選択し、移住者達からの地球帰還要請を「拒否」した事が語られている。
更にその直後から50年続いたコロニー国家戦争で地球圏のコンピュータ・ネットワークが破壊された事を利用して、戦争期間中に火星移民団は地球圏に帰還したと情報を改竄していた。
そもそも、50年に渡る戦争で地球圏で火星移住計画を覚えている者は当時計画に関わった者達の関係者を除いて皆無であり、結果的に火星に取り残された人々の事は地球圏で忘却されるに至っている。

  • マーズレイ
火星移住計画失敗の直接的な原因である磁気嵐。
人体に悪影響(緩慢な呼吸器・循環器の障害)を引き起こし、これにより死病が蔓延し、ヴェイガンでは多くの人々が命を落としている。死病のため根本的な治療法は存在せず、投薬かコールドスリープによって進行を抑えるという気休め程度の手段しか無く、ヴェイガンでは短命な者が非常に多い。

小説版では元々はテラフォーミングの一環として行われた土壌改良プロジェクトの失敗により火星の地表面に有害な超極小粒子が発生、それが磁気嵐で宇宙空間・衛星にまで届いてしまっているのだ。
しかも有害微粒子はフェムトやアト等ナノサイズよりも小さい為、磁気フィルターやプラズマフィルターを通しても完全には除去は出来ない。
人体に呼吸器と循環器の障害と言う悪影響を及ぼし、やがては死亡させてしまう。
根本的治療法は存在しておらず、コールドスリープと体内に入った有害物質をキレートにして排泄物として出す薬で進行を抑えると言う気休め程度の対症療法しか存在しないが、ラ・グラミス攻防戦後、AGEシステムとEXA-DBを使い、A.G.164年から37年をかけて開発された「イヴァースシステム」により、ついにマーズレイは無効化された。

  • EXA-DB(エグザ・ディービー)
コロニー国家戦争終結後にMSを含むすべての兵器やその設計図の廃棄、および再製造の禁止を定めた「銀の杯条約」締結当時の連邦政府により、秘密裏に戦争終結時までの軍事技術などが収められたデータバンク。

第三部より80年前にイゼルカントによるハッキングを受け、データの一部がヴェイガンにもたらされたことで、ヴェイガンは地球圏の技術水準を凌駕する技術内容を習得したとされる。
そのデータは地球とヴェイガンのミリタリーバランスを崩壊させかねないとされ、ごく一部のデータを使用して開発されたMS部隊でさえ地球連邦軍の戦力を凌駕することから、ビシディアン、ヴェイガン両陣営からは「呪われた秘宝」と称している。
詳細は公式外伝『~追憶のシド~』にて描かれている。


【物語での活動】

物語開始当初は得体の知れない敵として描かれたヴェイガンではあるが、その国民も『地球種』と同じ紛れもない人間である。

第一部ではノーラなど多くのコロニーを襲撃・破壊しており、行く先々でディーヴァ一行と敵対する。
そして終盤の宇宙要塞アンバットでの戦闘において、上記の通りヤーク・ドレからその正体が明かされた。

第二部でも引き続き交戦中、この頃には「ヴェイガン」と言う名称が人々にも知られており、地球圏の領地をいくつか奪取されている模様。
連邦政府は度々和平交渉を行おうとしたが、全て跳ね付けられていた。しかし実際は、裏では連邦政府と繋がり暗躍していた。
移動要塞ダウネスを失うが多くのヴェイガン兵が地上に降り立った。

第三部では連邦軍司令本部ビッグリング基地を破壊。同時に地球に潜伏していた多くのヴェイガンが侵攻を開始する。

第四部、最終局面をむかえつつあった惑星間戦争に終止符を打つべく前線要塞「ラ・グラミス」の後方基地とするべくセカンドムーンを地球に移動。
一部の民はついに念願の地球圏帰還を果たす。

激戦の最中セカンドムーンが崩壊の危機に晒されるが、連邦とヴェイガンが協力してこれを阻止。
ここに長きに渡る因縁は消え、以降は協調路線をとることとなり、AGEシステムとEXA-DBを組み合わせることで磁気嵐を克服、火星のテラフォーミングも成功した。



【関連人物】

独立国家ヴェイガンの指導者。
母なる地球を「エデン」とし、地球種の排除と帰還を理想に掲げ行動する。ヴェイガン全体にその理想は根付いておりゼハートをはじめ多くの信奉者を持つ。
第一部から存在は明かされていたが第三部から本格的に登場。
地球に対する侵略の全面開始を宣言する。

本名はギーラ・ゾイ。UEの初めてのコロニー襲撃事件「天使の落日」を引き起こした張本人であり、
地球圏で失われた兵器技術を持ち、仮面をつけてヤーク・ドレとして地球圏の内乱を誘発したりしていた。アンバット要塞の司令官であり第一部のラスボス

第一部時点で7歳、ギーラらからは「エデンの住人」と称される。
フリットと同じXラウンダーで、年相応の無邪気さを持つ、それは人の命を顧みず戦争をゲームととらえている危険なものである。
第二部では、当初はコールドスリープしていたが、弟・ゼハートがヴェイガンの総司令になったのを機にコールドスリープから目覚める。
ゼハートのことを少々疎ましく思いながらも、自分に屈辱を与えたフリットを執拗に狙う。

第二部から登場したヴェイガンの総司令。第二部時点で18歳。
デシルの弟で、兄と同じくXラウンダー。
当初はアセムの学校に編入生として潜入し、アスノ家について調査していた。
その過程でアセムと友情を育んでいくが、後にアセムとは「ガンダムのパイロット」に「ヴェイガンの総司令」と立場を違えることになる。


【ヴェイガンのMS】

UE/ヴェイガンのMSの項目参照。

銀の杯条約で破棄されたはずの技術を記録したEXA-DBの情報を用いており、第一部開始時点での地球連邦製MSより遥かに高性能。
その装甲は連邦軍の大半の通常火器を寄せ付けないほど強靭であった。

フリットがガンダムAGE-1ノーマルを造り上げ、ドッズライフルやビームサーベルが完成して初めて対処が可能となる。

第一部終盤で頭部にコクピットがある有人型であることが判明しており、
コロニー「ノーラ」で動けなくなったガフランを他のガフランが破壊したのは自分たちの正体を隠蔽する為だったのかもしれない。


クロスオーバー

スーパーロボット大戦BX』では主な敵勢力として序盤から登場。
やっぱりと言うかなんというか木連と同盟を結んでおり、ネオ・ジオンとは敵対関係になっている。
原作以上に過酷な人生を歩んできたフリットの心労やいかに…。
また、ランカの歌を解析しバジュラを戦力として操っていることから、当然アルトの怒りを買った。







追記・修正はヴェイガン製のMSを倒してからお願いします。

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最終更新:2023年04月18日 01:48