ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

登録日:2009/07/13(月) 14:28:21
更新日:2024/04/05 Fri 07:46:11
所要時間:約 5 分で読めます




アスカ「…そっか、私、笑えるんだ」



シンジ「僕はもう、誰とも笑えません」

マリ「そんなにいじけたって、楽しいことなんて何もないよ」



EVANGELION:2.0
YOU CAN (NOT) ADVANCE.

概要

2009年6月27日公開の新世紀エヴァンゲリオンの新劇場版、全四部作の第二作目。

前作、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序はTV版の第5使徒ラミエル戦までをほぼなぞったストーリーだったが、
今作は新たなヒロイン、エヴァ、使徒、そして旧シリーズでは未登場に終わった人物が登場する。
その斬新なリメイクからかなりの高評価を獲得し、公開劇場が少ないインディーズ作品ながら40億円の興行収入を得るに至るヒット作となった。

尺の関係か意図したものか、TV版以上にシンジがクローズアップされる構成になっており、キャラクターの多くがシンジに対し微妙に好意的。
特にチルドレン達の仲を深めるのに一役買っていた『使徒との実戦と訓練』が大幅にカット及びリメイクされているため、細かな日常のやり取りにおいて絆が深まっていくハートフルな出来になっている。
その影響あってか、『彼氏彼女の事情』のBGMが一部流用されている。

本作ではミサト操るNERVの車両がそれまでのアルピーヌルノーA310からコスモスポーツに変更された。これは『帰ってきたウルトラマン』へのオマージュが込められている。国産車のため商品化等の許諾が楽になるというメリットもあったとか。


主題歌は宇多田ヒカルの「Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix-」。前作主題歌のアレンジバージョンである。


公開されたバージョンは大きく分けて二つ。
  • 「2.0」劇場公開版。
  • 「2.22」BD・DVD版。追加シーンや音声の修正が加わっている。
他、地上波放送版の「2.02'」「2.02"」「2.02"'」が存在する。



ストーリー

第6の使徒撃破後、世界はエヴァの建造と使徒との戦いで揺れつつあった。
北極のベタニアベースでは仮設5号機が使徒と戦い自爆。
そして、ドイツで建造された2号機がパイロットのアスカと共に日本のネルフ本部へと配属されることとなった。
勝ち気で周囲と馴れ合わないアスカに戸惑うシンジだが、使徒との戦いを経て彼女は周りと馴染むようになる。
一方、シンジに心を寄せるようになったレイは彼とゲンドウを和解させたいと思うようになり、様々な働きかけをする。
だが、エヴァ4号機の消滅と3号機の起動実験が、全てを台無しにしてしまう。
やがて現れる謎の少女・マリと月面の少年・カヲル。
果たして、碇シンジの物語はどこへ続くのか?

登場人物

碇シンジ

ご存じ第3の少年。
前作でレイやミサトと分かり合え、そして冒頭でゲンドウと墓参りしたためか今作では若干明るめ。
料理上手で家庭的な面を覗かせ、レイの心を徐々に解きほぐしていく。
同い年の女の子・アスカと同居し、彼女とも気の置けない仲になっていく。
そして、使徒との戦いで初めて父に褒められ、またレイの働きかけで父との和解に一歩前進するのだが、3号機の件で決定的な亀裂が入る。
だが、その後の使徒襲来である決断をする。

綾波レイ

ご存じ第1の少女。
前作でシンジと近づき、徐々に彼に心を寄せるようになり、TVシリーズでは見せなかった人間らしさも覗かせるようになった。
やがて、シンジとゲンドウを和解させ、二人に「ぽかぽか」してもらうために、手料理を披露した食事会も企画するほど積極的になるが、破局に繋がってしまう。
終盤はシンジをエヴァに乗らなくてもいいようにある行動を起こす。 しかし……。

式波・アスカ・ラングレー

ドイツ出身で、ネルフユーロ支部所属の第2の少女。
勝ち気で高慢ちきなのはTVシリーズと同じだが、加持への慕情と母親のトラウマの設定がカットされているため、エヴァへの執着や愛着行動は抑え目となっている。
孤高のエリートとして周囲に馴れ合わないことを信条としてきたが、シンジやレイとの触れ合いによって段々他人との関わりに安らぎを感じるようになった。
そして、レイの食事会を応援するために自らを3号機起動実験の被験者に志願するのだが、その先に悲劇が待ち受けていた……。

真希波・マリ・イラストリアス

エヴァ仮設5号機に搭乗する、眼鏡をかけた謎の少女。
鳴り物入りで登場した新キャラクターだが、イギリス出身でエヴァに乗ることを楽しんでいる以外は謎に包まれている。
「匂い」で何かが分かるらしい。
エヴァに乗る理由には何か目的があるようだが……?

渚カヲル

月面に佇む謎の少年。
ゲンドウを「お父さん」と呼び、そしてシンジの「幸せ」のために行動しているようだが……?

葛城ミサト

ご存じ作戦部部長。今作では一佐に昇進。
すっかりシンジやアスカの保護者として定着し、彼らの成長を見守り、レイの食事会にも応援していた。
一方で、シンジに自分の夢や目的(父親の復讐)を重ねてしまったことに罪悪感を感じていた。

赤木リツコ

ご存じ技術部責任者。
レイの成長にミサトが感心する一方で、「ありえない」と冷淡な態度を取っていた。
ゲンドウとの愛人関係がなくなったため、冷淡な科学者としての立場が強調されている。

碇ゲンドウ

ご存じ総司令。
今作ではレイの働きかけもあってシンジに向き合おうとしている(しかし、それはあくまでユイのためのようだ)。
ゼーレの目指すエヴァ建造計画を出し抜き、初号機の覚醒を急いでいるようだが……。

冬月コウゾウ

ご存じ副司令。
ゲンドウの思惑に気付いており、彼と共に思案を巡らす。

加持リョウジ

日本政府の首席監察官。
TVシリーズと同様アスカの登場と共にネルフ本部に赴任するが、互いの接点はゼロで、マリと知り合いの様子。
昔の彼女・ミサトにちょっかいを出しつつも、彼女の身を誰よりも案じ、彼女が一番信頼を寄せているシンジに「守ってやってくれ」と頼む。

伊吹マヤ

ご存じ技術部オペレーター。
今作では通勤風景に「シックスナイン」発言、さらには敬愛するリツコとの絡みもあって出番多め。

日向マコト

ご存じ作戦部オペレーター。
ダミーシステムやシンジとレイの関係にシニカルな見方をしている。

青葉シゲル

ご存じ情報部オペレーター。
やはり↑の二人より出番は少ない。

鈴原トウジ

ご存じ関西ジャージ。すっかりシンジと打ち解け、親友になる。
「男は料理を作らない」とアスカから「前時代的」と突っ込まれる物言いをしていた。
入院していたが退院し、機嫌が良くなった。

相田ケンスケ

ご存じミリオタ眼鏡。
初めての海洋研究所にハシャギまくっていた。
トウジの妹の退院のニュースをシンジに伝え、彼を励ます。

洞木ヒカリ

ご存じ委員長。
アスカに話しかけ、彼女と仲良くなる。

ゼーレ

ネルフを裏で操る上層部。
エヴァの戦闘の損失を憂いているが、それらはエヴァMark.06のための踏み台に過ぎないとしている。
Mark.06に期待の全てを賭けているようだが……。

エヴァンゲリオン

エヴァンゲリオン初号機

ご存じ主人公機。
第8の使徒戦では華麗な走りを披露し、体を張って使徒殲滅に貢献。
第9の使徒戦においてダミーシステムを搭載され、その猛威によって3号機を一方的に凌辱。戦闘後は「そんなの関係ないよ」をやって見せた。
その後、パイロットをダミーシステムに切り替えるも、ダミーを拒絶し起動しなくなる。そして、シンジが再び乗り込んだ時、予想だにしないことが……。

エヴァンゲリオン零号機

TVシリーズとは異なり色替えはなし。
第8の使徒戦では手に大火傷を負い、第10の使徒戦で包帯を巻いた状態で出撃。そして……。

エヴァンゲリオン2号機

ユーロ支部から配属された先行量産型のエヴァ。
TVシリーズとはカラーリングや頭部の角など、デザインが異なっている。
初戦でS型装備を自在に駆使し、単独で第7の使徒を撃破する。
第8の使徒戦でもコアを破壊するなど活躍するが、3号機の配属と共に封印。
そして、第10の使徒戦でマリが無断で使用。さらには2号機に隠された力も解放される。

エヴァンゲリオン3号機

アメリカのネルフ第2支部で建造されていたエヴァ。
アメリカ支部の消滅に伴い日本に移送され、起動実験が行われることになるのだが、その果てに思わぬ事故が発生。一転して最大の脅威とみなされる。
そしてそのパイロットは……。


エヴァンゲリオン4号機

アメリカ支部にて次世代駆動機関搭載型として開発中だったエヴァ。
試験中に謎の事故によって支部ごと消滅してしまう。

エヴァンゲリオン仮設5号機

北極のベタニアベースで第3の使徒を封印監視するために製造されたエヴァ。
急増された機体で、4つ足の車輪付きといった他のエヴァとは異なる形状をしている。
脱走した使徒と戦うためマリが搭乗するのだが……。

EVANGELION Mark.06

月面で建造中のエヴァ。
巨人にエヴァの装甲を被せるといった謎の建造方法をしている。
ゼーレが「真のエヴァンゲリオン」と称しており、人類補完計画に欠かせない存在とされているようだ。

使徒

第3の使徒

ベタニアベースにて封印・実験されていた使徒。骨で出来た鳥のような外観。
封印を脱走し、エヴァ仮設5号機と死闘を繰り広げた。
デザインは『なるたる』『ぼくらの』の漫画家・鬼頭莫宏が担当。

第7の使徒

新劇場版オリジナルの使徒。TV版第八話「アスカ、来日」の原画が紛失したため新しく描き下ろされた。
巨大な鉄骨型の水飲み鳥のような構造をしている。2号機により呆気なく撃破。

第8の使徒

TVシリーズの第10使徒サハクィエルに相当。
宇宙空間では巨大な黒い球体をしていたが、地表に近づくとサイケデリックな見た目に変化。さらに巨大な羽を広げ、内部から本体が出現しエヴァに攻撃を仕掛ける。

第9の使徒

TVシリーズの第13使徒バルディエルに相当。
菌糸状の侵食タイプであり、3号機を乗っ取った。異様な身体能力、伸縮自在の腕、肩からもう一対の腕を生やす等、TV以上に機体を異形へと変化させている。

第10の使徒

TVシリーズの第14使徒ゼルエルに相当。
最強の拒絶タイプとして、TV版よりも明らかに強化されている。
多数のA.T.フィールドを展開し、全く攻撃を受け付けない。
エヴァを捕食し、その能力を受け継ぐ力まで備える。








予  告


レイとシンジを取り込んだまま凍結されるエヴァ初号機。

廃棄される要塞都市。

幽閉されるネルフ関係者。

ドグマへと投下されるエヴァ6号機。

胎動するエヴァ8号機とそのパイロット。

ついに集う、運命を仕組まれた子供達。

果たして、生きることを望む人々の物語は、どこへ続くのか。



次  回


ヱヴァンゲリヲン新劇場版:

Q
Quickening



さぁ~て、この次も、サービス、サービスゥ!





西暦2012年11月17日公開

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最終更新:2024年04月05日 07:46