オオミズアオ

登録日:2010/10/26(火) 22:52:32
更新日:2024/01/27 Sat 15:48:35
所要時間:約 5 分で読めます





―― 或る日 ――


―― 月から女神が降りてきた ――



オオミズアオは 昆虫網 鱗翅目 ヤママユガ科に属するの一種。
学名はアクティアス・アルテミス・アリェナ。
漢字表記は大水青。または大水青蛾。

沖縄を除く、北海道から九州に分布する蛾で、平地から高原地まで幅広く生息。
幼虫はモミジ、サクラ、ウメ、リンゴ、ザクロ、アンズなどのバラ科の樹木の葉を好む。
どれも身近な植物なので、緑の少ない都心部でも見掛る事がある。

成虫の前翅の長さは8~12cm。ヤママユガ科に属するだけあって、日本産の鱗翅目の中では比較的大型である。メs(ry
全体的に薄く白が掛かった水色っぽい色合いをしており、身体は例に漏れずもっこもこの体毛に覆われている。
成虫の発生する時期は春~夏。
走光性を持つ為、街の灯りや家屋の電灯にも寄って来る。


幼虫はかなり厳つい体型をしており、太くて長い。段平のように節目の付いた身体には細く長い刺毛が生えている。
要するに毛虫なのだが、重症になるような毒は持っていない。それでも軽い炎症を起こす事がある為、迂闊に触らない方が身の為である。
初令は黒色、2令で赤褐色となり、3令から鮮やかな緑色となる。

皆さん誤解しているが、ぶっちゃけ毒を持っている毛虫の種類は少ない。
日本にも1000近い種類の毛虫が存在すると言われているが、人間に有害な毒を持っているのはカレハガ科ヒトリガ科マダラガ科イラガ科ドクガ科に属する蛾の中でも極一部に限られる。
それ以外の毛虫は全くと言っていい程無害であり、触っても何ともない。



…話を戻して。

幼虫は前述の通りバラ科、それもリンゴやアンズなどの農作物も食べ、大きな身体に見合った旺盛な食欲を持つ為、基本的には害虫扱いされている。
しかしヤママユガ科に属するので成虫はウスタビガやヨナクニサン、カイコなどと同じく口吻が退化しており、一切の食物を食べる事が出来ない

またオオミズアオに限った事ではないが、幼虫は自分の口が届かない所に葉がある場合、その葉に繋がる根元の柔らかい部分を食べて茎を折り、
口が届くようにしてから食べると言う妙技を会得している。
デキる子は一味違うのである。


越冬は蛹で行い、羽化は春中盤になる。
繭は糸で編まずに自らが食用とする葉で囲い、その中で蛹の状態となる。
クルマユとか言わない。


飼育する際は餌となる葉がなくならないよう、常にたっぷり葉を入れてあげよう。
ぶっちゃけ幼虫の全盛期は喰うか寝るかのどっちかしかしないので、外出て帰って来たら殆ど完食…と言う事はザラである。

餌がなくなると、探し求めて右往左往し始める。首を振ったりして餌を探す姿は中々にチャーミングだが、
本人(?)にとっては死活問題なので早めに餌を補充してあげましょう。
困った姿を見たくて餌をやらずに放置してたら餓死してました、なんて事になったら目も当てられない。



以下、余談。

何気にオオミズアオは日本国内だけでなく海外での知名度も高い。全国の虫ヲタ達の人気者である。また、昆虫雑誌や児童向け図鑑の表紙を飾る事も多い。

この子をそんな一員たらしめているのは、何と言っても――――

その
美しさ、だろう


この子の学名を思い返して欲しい。

―――― ア ル テ ミ ス

そう、何と学名にギリシア神話の美と狩猟の女神、月神アルテミスの名前を頂いちゃっているのであるこの子は。


水色に淡く白を溶かしたような、清濁併せ持つ2枚の麗しい翅の色。

純潔を醸し出す翅とは対照的に、妖艶で妖しげな魅力に満ちた赤紫のお御足。

映るもの全てを見透かし、我々の心を魅了する濃紺の複眼。


それらを羽ばたかせ、闇夜に舞うその姿は正に『月の女神』――否、もはや月そのものと呼ぶに相応しい。
大凡、が蛾と言う存在に望むもの全てを持って生まれたような美しさである。
幼虫時に醜いのは、この美しさへの代償と言えるだろう。
もうアイドルなんて俗語で括るのが失礼に思えて来る程である。




…の、だが。
ヤママユガ科だけあってやっぱり可愛い。

もこもこきゅーんな体毛。
立ち止まってぷるぷると震える仕草。
ちょこちょこと動き回る足。

しかも意外や人懐っこく、人の周りをヒラヒラと飛び回ったりもする。
さながら「遊んで?」とせがむ幼い子供のように。

…女神の美しさと、少女のあどけなさ――2つを併せ持つ昆虫界屈指の萌え要素。
もう少し大きくなってくれたらもふもふしたい昆虫No.1である。つーかなれ。


また、類似種・近縁種としてオナガミズアオがいる。
姿が非常に酷似している為、最近までは普通に混同されていた。
しかし、成虫の身体の造りに若干の違いがあり、幼虫の食用樹も異なる為、現在では似て否なる種類として区別されている。


ちなみに、ちびまる子ちゃんの愛すべき馬鹿である山田君が捕まえた幽霊の正体がこいつである。

◆ムシキングでの活躍

新ムシキングで2016ファーストに初登場。
肩書は「透き通る青」、お助け技名は学名にちなんで「アルミテスの煌き」。お助け効果はチョキで勝つと一回マイナス効果発動。
ステータスは体力20 攻撃0 テクニック20と配分に無駄が無い…のだが上記で女神という偉大な技名を持っているにもかかわらずレアリティはRである。(蛾の中で)誰よりも美しいのに…。

さらに同時に登場したゴライアストリバネアゲハとオオルリアゲハ(激闘第2弾登場)はレアリティSRでお助け効果がかぶっている。
ただしコスト制限バトルの存在やあちらは負けた後にお助け技発動なので一応差別化は出来ている。

激闘編では4弾と6弾に再登場。
体力20 攻撃20 テクニック0と同様バランスが良い。

超神化では現在の4弾に再々登場。
体力35 攻撃5 テクニック0と大幅に変化し、これによりRの中で最も高い体力を誇る。

イラストは羽を広げで飛行する美しい姿や葉に捕まって休憩している姿や後姿など凝っておりイラストだけを見ればSRかそれ以上の同格である。
全てをキラカードにしたあるいは持っている愛好家はいるでしょうか?


……お待ちしておりました
間に合って、下さったのですね…



はい…丁度最後の卵を産み終わりました
…もう、これで悔いは有りません



後は……貴方の追記修正を待つのみです



ただ……ひとつ…ひとつだけ……
我儘を言うのが赦されるなら…



…………御傍に、置いて下さい
私の命が尽きる…その時まで……



貴方の……御傍に…






―― THE END ――


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最終更新:2024年01月27日 15:48