デーボ(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2012/09/09 Sun 02:18:29
更新日:2023/11/08 Wed 00:52:03
所要時間:約 11 分で読めます





チクショオオオオオウウウ バババヒヒヒヒファハハハーッ



デーボとはジョジョの奇妙な冒険第3部『スターダストクルセイダース』の登場人物。
名前の由来はアメリカのニューウェーブバンド『DEVO』から。ジョジョで知って、変な形の赤い帽子をかぶった黄色いツナギの男達を見て驚くのはあるある。
CV:岸祐二(アーケード版格闘ゲーム)、石塚運昇ASB)、宮下栄治(ASB:エボニーデビル)、樫井笙人(TVアニメ版)。


【概要】

DIOに雇われたスタンド使いの刺客。フルネームは不詳だが、『呪いのデーボ』の通り名で知られている。
DIOの配下となる以前から『アメリカインディアンの呪術師』という触れ込みでスタンドを使った暗殺を行うプロの殺し屋であり、
スタンド能力による殺人は一般人の目からは呪いで死んだようにしか見えないため、
マフィア・政治家・軍人など世界中にいる数多くの顧客から重宝されている。

袖の無いロングコートを素肌にひっかけ、長い髪を後ろで束ねた血走った目の巨漢。
最大の特徴は全身に刻み込まれた無数の傷跡で、これは後述の能力発現の仕込みとして
わざと相手を挑発して付けさせたものばかりである。
奇人変人がデフォの『ジョジョ』においても外見・雰囲気両面でダントツに怪しげな男。

一見あまり知性は感じない人物だが、
スタンドの正体を人に見せる殺し屋はいない・皆に知られているスタンドは弱点までも知れ渡る、と、
以後の部でも度々触れられるスタンドバトルにおける能力秘匿の重要性について言及するなど、意外としたたかな面も見られる。

初見で殺されてしまっては元も子も無い能力のためか、
手負いの状態でも安全な場所まで離脱できるだけの強靭な肉体と高い身体能力を有しており、
ホテルの小型冷蔵庫に全身を畳んで収める柔軟性や9Fの窓から飛び降りて無事に脱出に成功するほどの高度な体術など随所にその片鱗が見られる。

なお、OVA版では未登場。



スタンド


よくも よくもやりやがったなァ
これで!
おもいっきりてめーを恨めるというものだァァァァ
ヒヒヒヒハハハハハーッ

スタンド名:悪魔(エボニーデビル)
破壊力:D
スピード:D
射程距離:A
持続力:B
精密動作性:D
成長性:B

「精神状態の悪化」「不吉なる墜落の道」を暗示する、大アルカナ15番目『悪魔』のカードを持つスタンド。
劇中では単に『悪魔』と訳されているが、エボニーは黒檀およびその深い黒色を指す言葉で
日本語的に訳すと『漆黒の悪魔』といった意味合いを持つ。
色+タロットのスタンド名はこれと次の『黄の節制』で最後である。

アフリカの未開の部族が呪術に用いる木彫り人形を思わせる不気味な像をしており、手には短剣を持っている。
それ自体を操作して戦うことも可能だが、その本質は他の物質と融合して真の効果を発現する同化型スタンドである。

劇中ではデーボが殺しの道具としてカスタムした人形を依代に発現し、子供程度のサイズながら驚異的にエネルギッシュな挙動でポルナレフを翻弄した。
人形にはデーボの人格が反映されており、ハイテンションな奇声を上げ、口汚く相手を罵りながら襲いかかる。
鋭い牙での噛み付きや事前に準備していたと思われるの他、剃刀などホテルの備品を使って攻撃を行った。

能力は「本体の恨みの思念を物理的なパワーに変換する」こと。
相手を恨めば恨むほどスタンドパワーも強力になっていき、遠隔操作型のスタンドでありながら近距離パワー型に匹敵する破壊力とスピードを持たせられる。
この能力を生かし本体は安全な所に隠れ、スタンドだけで攻撃を仕掛けられる。
また、通常ならスタンドを傷つけられない剃刀や割れたなどの凶器でもこの『恨みのパワー』を伝導させることでスタンドへの殺傷効果を付加できる。
これらは『銀の戦車』の防御甲冑すら貫く威力を見せた。

ただぶっちゃけスタンドとしての実力は相当低いほう。
攻撃力は高いものの、人形を使うためにリーチが短い上に飛び道具も無く防御力も皆無、動きも特別素早いほうではない。
人形を攻撃されてしまうと、本体にダメージがフィードバックされてしまうのも短所。
チャリオッツに対しても真正面からではまったく相手にならなかった為、戦闘では部屋にある物を使い短所をカバーしていた。というかそうせざるを得なかった。
能力の特性上一回は相手に接近しないといけないのも弱点で、その一回で致命傷を受けてしまうとどうにもならない。
せめてジョセフあたりを狙っていればまた話は違ったのだろうが…

また、「暗殺」という目的においてもあまり使い勝手のいい能力とは思えない。
何故なら「恨みのパワーでパワーアップ」という過程を踏む以上、ターゲットの目の前に姿を見せていちいち攻撃してもらう過程を挟む必要があるためである。
そこでトドメを刺されればそこまでだし、逆に完全無視されてもダメと加減が難しい。ターゲットがボディガードを雇っていたりすると「攻撃してもらう」こと自体が困難になりそうである。
ただ、一応「恨みのパワーなしでも破壊力D相当の殺傷力はあるのでは?」という考察もあるので、非スタンド使い相手なら無理に攻撃してもらう必要はないのかもしれない。
その場合、今度は全身の無数の古傷の理由が謎になるが……*1
恨みのパワーを他人への八つ当たりに変換出来るのかも不明。

その能力から、「第三部最弱のスタンドは?」という考察ではしばしば名前が挙がる(ジョジョ全体で見れば流石に「サバイバー」や「ヘイ・ヤー」よりはマシな戦闘力を持つ)。

能力の元ネタは、ホラー映画『チャイルド・プレイ』に登場する殺人人形チャッキー
2013年発売の『JOJOVELER』にて、同作を参考にしたと荒木飛呂彦氏がコメントしている。



【劇中での去就】

「おれの名は呪いのデーボ……スタンドは「悪魔のカード」の暗示…
呪いにふりまわされ精神状態の悪化! 不吉なる墜落の道! を意味する なぜおれが冷蔵庫の中にいることがわかった?」
「てめー 頭脳がまぬけか? 冷蔵庫の中身を全部外に出して… かたづけてねーぜ!」

シンガポールのホテル・シャングリラで個室に宿泊するポルナレフを狙い、部屋に先回りして冷蔵庫の中から這い出してくる
というエキセントリックな方法で登場。正面切って襲いかかり、速攻で返り討ちにされて手負いながらも姿を消すが…

痛えよおお~~~~グフヘヘ よくも やりやがったなァ
これで!おもいっきりてめーを恨めるというものだァァァァヒヒヒヒハハハハハーッ

これは容易く待ち伏せを見破られたことも含めて恨みのパワーを溜める為の予備工作にすぎず、
予め部屋に備品に見せかけて紛れ込ませた人形にスタンド能力を発現。本格的な逆襲を開始する。

「ヘイ! ポルナレフッ! 今からてめーのタマキンかみ切ってやるぜーッ! メーーーーン!!」
『本体と視覚を共有できない』というチャリオッツの弱点を衝き、
ポルナレフをベッドの下敷きにして手足を電気ケーブルで拘束することで自由を奪い、死角からの奇襲でチャリオッツを痛めつける。
最後は床にぶちまけたドリンク類に漏電したドライヤーを投げ込んでポルナレフを感電死させようと目論むが、
めったやたらに攻撃を繰り出すフリをしてを割り、そこに映った像から相手の位置を把握したポルナレフの反撃で逆転されてしまう。


「どうした? てめーおれの○○○○をかみ切るとかいってたなあ やってみろ このド低ゾク野郎が~~~~おれはてめーの そこ以外をきり刻む!」
他の刺客の情報を聞き出そうとするポルナレフに対し、なおも反抗的な態度で卑猥に罵ったが、
それが癇に障ったポルナレフに○○○○を除いた全身をチャリオッツの剣針でズタズタに切り刻まれ、
スタンドからのダメージのフィードバックを受けて絶命(再起不能とも)した。


【ゲーム版】
悪名高きコブラチーム製作のRPGではデーボ撃破後、
何故かラバーソールデーボに化けて襲ってくるという謎のシチュエーションがある。
また、デーボのタロットの暗示が『ふきつなる だらくのみち』と間違って写されている。
墜落→堕落・・・幽波紋幽波絞レベルの間違いな気が…

PS/DCの格闘ゲームではスタンドモードを発動すると本体とは別にスタンドが憑依した人形を遠隔操作して戦うという、
トリッキー&テクニカルなキャラクターとして設定されているが、同時に前述の高い身体能力を再現してか、
本体の性能は威力や判定の強いパワータイプ。
CPU戦で登場した場合、最初はスタンドや必殺技を全く使用せず適当に通常技で牽制する程度のやる気のない動きだが、
こちらに1ラウンド取られると一転、スタンドモードメインでガン攻めしてくるという原作再現な行動パターン。素晴らしい作り込みである。

アーケードモードの本人を主役にしたオリジナル展開では、ジョースター一行を全員始末した後、なんとDIOに反逆
粛清に差し向けられたヴァニラ・アイスを返り討ちにし、ついにはDIOを追い詰め、切り刻んで呪い殺してしまう。
DIOを倒したことで殺し屋の世界にその名が知れ渡ることになり、それ以降も暗殺稼業を続ける内、
いつしか世界一の殺し屋となったデーボは裏世界の大ボスとなる。
名だたるスタンド使いたちの遺影のごとき断末魔のカットインを背景に暗黒街を練り歩く姿はまさに悪魔。


【余談】
☆何故かアヴドゥルは以前デーボの顔を見たことがあったらしい。
やたらとデーボの情報に詳しいことも含め、占い師と呪術師で何かしら接触する機会があったのだろうか?

☆3部格闘ゲームの攻略本に記載された荒木先生へのインタビュー記事によると、
先生が第3部で気に入っているキャラは承太郎・DIO・・・そして呪いのデーボらしい。
なぜデーボ・・・

☆小説『OVER HEAVEN』あとがきにて、作者の西尾維新氏がジョジョで特に印象に残ったシーンとして
ポルナレフの部屋にルームサービスに来たホテルのボーイがデーボの操る人形の剃刀で顔面を輪切りにされる場面を挙げている。

☆何気に3部の中で貴重な「成長性B」と高評価。
他がDIOの世界(ザ・ワールド)とデス13のみ。
その二つも、ラスボスと成長性大のある赤ん坊なため、もしかしたら補正抜きなら一番成長性が高いスタンドなのかもしれない。
あるいは能力自体が恨みによってパワーアップ(=成長)するという性質のため、その辺りが加味されてのB評価という可能性もあるか。




追記・修正であの世へゆきな。うらみはらさでおくべきかアニヲタwikiィィィーーーーーッ!!

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最終更新:2023年11月08日 00:52

*1 ひょっとして今まで何人ものスタンド使いを屠って来たのだろうか?