涼村暁(超光戦士シャンゼリオン)

登録日:2012/09/21 Fri 19:20:40
更新日:2024/04/10 Wed 09:53:43
所要時間:約 5 分で読めます







俺ってやっぱり、決まりすぎだぜ!




涼村(すずむら)(あきら)とは、特撮テレビドラマ『超光戦士シャンゼリオン』の主人公。

演:萩野崇


◆概要

自称「何代も続く名門探偵事務所」の所長を務める探偵の青年。
しかしその実態はぐうたら・女好き・遊び好きと三拍子揃ったダメ男。
さらに生活能力皆無、おまけに浪費家。1000万とんで2円の借金を抱えている。好物はバナナパフェ、愛車は緑のシトロエン2CV(ただし、ガタつきかけているが)。


◆人物像

いい加減で情けない性格だが人当たりは良いのか、なんだかんだで他の登場人物は彼を受け入れている。
探偵として無能というわけでもなく、普段はペット探しばかりだが劇中では数々の依頼が舞い込んでいる。「話の都合」とか言わない。

ガールフレンドも多く、一緒に遊ぶ仲の女性が数十人はいる。助手が辞めた後のオープニング映像では女性に恵まれずと戯れていたが。
一方で社会をシビアに見ている節があり、人生を楽しむ事を求めているが、決して邪心まみれというわけではない。

しかしヒーローとしての使命感を持っていないため、他人を平気な顔で騙してみせる。
速水克彦達S.A.I.D.O.C(サイドック)のメンバーはもちろん、敵であるダークザイドさえも騙くらかし、逆にヒーローのあるべき姿を教えられた事もある。

以下、悪行(?)の数々
  • 命乞いする怪人を容赦なく撃破
  • 知人を騙してクレジットカードを巻き上げ豪遊
  • 動けない敵を襲う
  • 自分の名を騙って複数の敵を呼び出し、同士討ちを狙う
  • 敵に対抗して都知事選に出馬。マニフェストは「消費税0%、都民全員におこづかい支給」
  • 対抗馬のスキャンダルを掴むために知人を利用
  • 取り立てにきた借金取りを丸め込んでさらに借金
  • 自分の助手候補三人を立て続けに人質に取った箸袋オタク怪人に対し、怪人の標的だった箸袋コレクターから借りたトランク一杯の箸袋を空にばら撒き*1、怪人とコレクター本人が回収している間に人質奪還。
  • 謎の奇病にかかって衰弱している速水を「死ね!すぐ死ね!早く死ね!」と窓から突き落とそうとする
……などなど。
一応ヒーロー番組の主人公なのだが、この手の所業は枚挙に暇がない。主な被害者はお人好しすぎる速水である……

もっとも、彼なりの良心と正義感は持っており、特に女性を傷つける者に対しては激しい怒りを見せる事もある。
とことん不真面目ながらも、やる時はやる行動力と底力は一部のダークザイドから一目を置かれるほど。


シャンゼリオン


───燦然。それは涼村暁がクリスタルパワーを発現させ、超光戦士シャンゼリオンとなる現象である───


スーツアクター:岡元次郎



S.A.I.D.O.Cの輸送車両との事故に巻き込まれた暁が、クリスタルパワーを得て変身できるようになった姿。
「燦然!」のかけ声で変身アイテムのシャンバイザーが出現し、それをセットする事で変身する。

胸部ディスクに手をかざす事で出現するガンレイザー、シャイニングクロー、シャイニングブレードなどの武器を使って戦う。
必殺技はシャンゼリオンの姿を模したエネルギーを発生させ、敵に突撃させる「シャイニングアタック」
敵を倒した際には、一回転して人差し指を突き出すという決めポーズを取る。

グダグダになりながらも毎回敵を倒しているが、訓練などは一切受けていないため、苦戦を強いられる場面も多い。
それでも暁が怒りで本気になった際のポテンシャルは凄まじく、1対4の状況で互角に戦った際には暗黒戦士ガウザーも「今のお前と戦って勝てる自信がない」と評したほど。

偶然手に入れたシャンゼリオンの力だが、暁本人はというと「超ラッキー!」と大喜びして受け入れている。
多くのヒーローもののように自分の正体を隠す気は無く、むしろ自慢しようとする事すらあり、さらには自分を信用しない依頼人に業を煮やして道端で変身した事も。


◆名(迷)セリフ

ヒーロー番組らしからぬ破天荒な性格の暁。彼の発したセリフの中には、とても子供向け番組の主人公とは思えない発言も……


「文句があるなら消えろよ。女はお前だけじゃないんだぜ」

「女の敵は俺の敵だ」


「俺も相当好きモンだけど、アンタにゃ負けるぜ」(花嫁ばっかりさらう怪人に向けて)

「見りゃわかんだろ! ズボンを脱ぐんだ」(高所でズボンに掴まっている知人を蹴落としつつ)

「愛に金があれば鬼に金棒だ」(令嬢との駆け落ちを妄想して)

「今の俺には大金だ」(子供に1000円で雇われながら)

「俺の依頼料は高いんだ。大人になってから、正規の料金をいただくぜ」(もらった1000円を返しながら)

「俺にその手が通じるかっての!」(命乞いする敵に斬りつけながら)

「よおし!次は水着審査だ」

「負けると分かってて戦うのは嫌だな」

「俺の…俺の怒った顔を見られたくないんだ」

「乙女の真心を踏み躙りやがって……絶対に許さねぇ!お前達に俺のライバルである資格はねぇ、かかって来い雑魚どもが!」


◆余談

  • 演じた萩野崇氏は後に『仮面ライダー龍騎』で浅倉威/仮面ライダー王蛇を演じたが、暁とは似ても似つかない(型破りなのは一緒)凶悪無比なキャラクターでファンを驚かせる事もしばしば(もちろん、『龍騎』から『シャンゼリオン』という逆パターンで知ったファンもまた然り)。
    また、王蛇のスーツアクターもシャンゼリオンのアクターを務めた岡元氏である。
    ハイパーバトルビデオ『仮面ライダー龍騎ハイパーバトルビデオ 龍騎vs仮面ライダーアギト』におけるミラクルワールドでは、王蛇が暁を彷彿とさせるノリのいいキャラになったのみならず、シャンゼリオンの「俺ってやっぱり決まり過ぎだぜ!」の後に行う一回転をするオマージュまで見せてくれた。

  • シャンゼリオンのキャラクターデザイナーは東映特撮でおなじみの篠原保氏で、天使の衣を纏ったのイメージが取り入れられている。

  • スーツの造形は過去にも特撮ヒーロー作品に関わってきたレインボー造型企画が担当したが、書籍『超光戦士シャンゼリオン バイブル』によると、「内部が透けるクリスタル状のボディ」というこれまでのヒーローにはない要素を盛り込んで造形するにあたって様々な諸問題があった事が明かされている(具体的には透明度と強度の両立、着脱用の分割ラインの位置etc…)。
    そうした苦労の末に完成したスーツはアップ用が100kg弱、アクション用でも40kg超という代物と化し、ジャパンアクションクラブ(現・ジャパンアクションエンタープライズ)のスタッフに「これを着て演技ができるのは岡元次郎だけ。他の者では首の骨が折れる」とまで言わしめた。
    なお、萩野氏もこのスーツを着用しようとしていたのだが、スタッフから「(重さに耐えられずに)転んで壊されでもしたら困る」という理由で断られたとか……
    • 当然、岡元氏はこのとてつもない重さのスーツを着用して撮影に当たっていたのだが、エンドクレジット用の映像として「夕暮れを見つめるシャンゼリオン」のシーンを撮影する際に100kg弱ものアップ用スーツを着た状態で数時間立ちっぱなしのままでいたという逸話も残されている。
      岡元氏曰く「マスクに通信機を搭載できない関係でいつ撮影が終わるのか、いつ動いていいのか、まだ撮っているのかどうかも分からないまま日が暮れ、潮も満ちていった」「一人取り残されて死ぬかと思った」「動くのも大変だが、動かないのも大変」とのこと。


以下、ネタバレ













































最終話で描かれた「もうひとつの世界」ではS.A.I.D.O.Cの一員として登場。
こちらでは冷静かつ生真面目な性格となっており、普段のおちゃらけた姿とは打って変わっている。

脳天気なもうひとりの自分の夢、厳しい戦いを経て、一人また一人と仲間を失っていく暁。
ダークザイドの総攻撃を受ける中で燦然のポーズを決めたところで爆発が起き、『シャンゼリオン』の物語は幕を閉じたのだった……

この結末について公式本でメインライターの井上敏樹氏が語ったところによると、「夢は美しいから夢なんだよ」とのこと。



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最終更新:2024年04月10日 09:53

*1 アニヲタ的に言えばレアトレカやフィギュアをぞんざいに扱っているようなものである。