マジンカイザーSKL(OVA)

登録日:2011/01/28(金) 20:22:00
更新日:2024/03/20 Wed 20:22:32
所要時間:約 100 分で読めます





俺達が
俺達が





画像出典:「マジンカイザーSKL」(2011年1月28日から2011年4月7日までリリース/全3巻)第1話「Death caprice」より
© 2010 永井豪/ダイナミック企画・マジンカイザー製作委員会

!!



『マジンカイザーSKL(スカル)』は2011年より展開されている新たな『マジンカイザー』シリーズ。OVA全3話。
監督は川越淳、脚本は早川正と『鋼鉄神ジーグ』のコンビが手掛けている。

2001年に販売されたOVA『マジンカイザー』シリーズの最新作であるが、メカ、キャラクターともに本作オリジナルの設定が多く取り入れられ、主役ロボ『マジンカイザー』も今作ではデザイン、武器共に一新されている。

作中では尺の都合により、世界観やキャラ・機体等の設定についてはあまり多くは語られないため、これらの理解を深めるためには、主要スタッフ自らが解説している以下4点を抑えておく必要がある。*1
 -BD/DVD収録のオーディオコメンタリー+ブックレット
 -公式ムック「魔神大戦21」
 -先行上映イベント限定販売のパンフレット
 -ustream配信動画「マジンカイザーSKL バトル2 前前前夜祭!」

このほか、構成・脚本担当の早川氏本人が後に手がけた『猟界のゼーレン』『スーパーロボットINFINITISM』においても『SKL』関係の設定が新たに判明することがあり、その点では現在も時折展開のあるコンテンツである。

OVAだけでは気付きにくいが、これらの関連作品や各所でのスタッフコメント等を見ていくと、ダイナミックプロ作品のネタが大量に取り込まれている他、過去のマジンガーシリーズとも全くの無関係ではないことがわかる。





【あらすじ】


「先の大戦」終結後、重力カーテンによって閉ざされてしまった『奇械島』。そこでは『キバ軍』、『ガラン軍』、『八稜郭』の三つ巴の戦いが繰り広げられていた。
各勢力が所有するプラントへエネルギーを供給する重力炉の限界が近いことを察知したWSOは、『奇械島重力炉停止作戦』をスカルフォースに命じる。
グレンファルコン隊の一員として奇械島にやって来た由木翼が見たものは、キバ軍、ガラン軍にたった一機で立ち向かう『魔神』だった…。



【登場組織・人物】


〈WSO〉


世界広域監視機構。前身である国際連合や国連軍を手本としつつ、よりグローバルな視点による地球規模の行政と安全保持を目的に組織された。
本部は極東二区(かつての日本)にあり、失われた技術の解析・運用に力を注いでいる。
また、戦闘用ロボットや最新兵器を保有する防衛軍事部門を持ち、無法地帯に現れる支配者を潰し、そのエリアを監視下に置いて治安を回復させることも人類復興のための大義としている。



神に会うては神を斬り
悪魔に会うては、その悪魔をも撃つ


戦いたいから戦い


潰したいから潰す


!!


CV.浅沼晋太郎
傭兵上がりのマジンカイザーのパイロット。
常にナイフを携帯しており、カイザーの操縦においても巨大な牙斬刀を巧みに用いた近接戦を得意とする。
理屈や建前を嫌い、どんな相手に対しても何も考えず真正面から斬り込んでゆく砲弾のような男。

スカルフォース・デスカプリース隊所属。階級は特務中尉。コードネームはアモン6

『PROJECT KAISER 誕生編』:
関東地獄砂漠をマント、コンバットナイフを伴って歩き、無法者と戦うという『バイオレンスジャック』を髣髴させる出で立ちで登場。*2
敵のロボットを奪って格闘だけで百体近いロボット軍団を全滅させたことがあるとのことで、カイザー以前にもロボット操縦の経験はあったようだ。

『猟界のゼーレン』:
小説版にはハイティーンの頃の海動らしきキャラが登場。
一流の潰し屋であり機甲闘士(グラップル・トルーパー)の元チャンプでもある鋼光一(モチーフは『アイアンマッスル』の同名キャラ)と行動を共にし、生きぬく術を学んでいた。
作中で出会った超能力者の美剣千草(モチーフは『凄ノ王』の同名キャラ)から「強烈な吸引力を持つ野良犬の匂いがする」と評された。

『スーパーロボットINFINITISM』:
今回も美剣千草共々登場し、SKL型のカイザーに乗って甲児と共闘したり、生身で変異体ビーストと戦ったりして暴れている。
ちなみに千草の記憶によると、こちらでも海動は「野良犬の匂い」がするらしい。
なお、最終決戦では機甲闘士(グラップル・トルーパー)の素質を持つがゆえに、脳に深刻なダメージを及ぼすという逆転移症候群(インバージョン・シンドローム)すらも戦闘に利用している。
これは『猟界のゼーレン』で海動が師事していた鋼光一の出典である『アイアンマッスル』において、光一の父親も発症していたものである。


CV.日野聡
傭兵時代から海動とコンビを組んできた、もう一人のマジンカイザーのパイロット。
冷静沈着に見えて、海動に劣らぬ残虐性を秘めている。
斬り合い、殴り合いを好む海動とは対照的に、二挺拳銃ブレストリガーによる早業で、触れたことさえ気付かせずに敵をなぎ倒す。また、近接戦もこなす。
実は「エルプスユンデ」という人造人間であり、その素性を忌み嫌っている。

スカルフォース・デスカプリース隊所属。海動と同じく特務中尉。コードネームはルシファー4
5秒も待てない早漏。

『PROJECT KAISER 誕生編』:
WSOの正規軍が介入できないような案件を担当していた有名な潰し屋で、海動と並んでもう一人の「死神」と呼ばれる。*3
必要に応じて巨大ロボットも扱うことがあるとのことで、海動と同様、カイザー以前にもロボット操縦の経験はあったようだ。
エルプズュンデ*4(人造人間)に関する技術を有するという精密医療機器メーカー「ミドロ・コーポレーション」からの出向組であるドクター砂沢は、真上に会った際に足を止めて驚くシーンがある。
これに関して由木から理由を問われた砂沢は、なかなかの二枚目だからと評して誤魔化し、それ以上は語られなかったが……

『猟界のゼーレン』:
真上本人は登場しないが、上記の「ミドロ・コーポレーション」とそのCEOである美登呂遼(みどろ・はるか)、及び部下であるドクター砂沢(何故かダイナミックプロ所属の風忍氏に激似)が登場。
真上のモチーフの一つである『ガクエン退屈男』の身堂竜馬は、美登呂遼の曾祖父である美登呂虎乃助のモチーフ(『ガクエン退屈男』の三泥虎の助)と深い関係性があり、どちらも人造人間に関連するキャラクターであること、また、小説版では美登呂遼は42歳ではあるが美しい青年に見える上、64年前の出来事をまるで見てきたかのように語るシーンがあること、さらに、読みこそ違うものの、名前に真上と同じ「遼」が使われていたりすること、等を踏まえると、真上遼も美登呂遼も虎乃助をベースとしたエルプズュンデなのかもしれない。

『スーパーロボットINFINITISM』:
美登呂虎之介が早乙女研究所のオブザーバーとして、美登呂遼がマリア&甲児の技術協力先として登場する。
また、美登呂遼が用意し、SKL型のカイザーに搭載された遠隔ナビゲートシステム「TRANOS」は、虎之介をイメージさせる名前でありながら性格や口調は真上そのもの。
本体は「ミドロ・コーポレーション」の実験室にあり、そこには百体分の培養カプセルのポッドが並び、パラレルコードで繋がっているという描写がある。
十中八九エルプズュンデ関連の技術であり、この世界における真上遼のようなものと言えよう。
ちなみに最終決戦において、「TRANOS」が己の創った精神世界の中で力を使い果たした海動の生存を願うという展開は、『バイオレンスジャック』に出演した身堂竜馬が並外れた精神エネルギーにより故人の相棒・早乙女門土を複製創造していた、というエピソードを思い起こさせるものである。

なお、OVAのオーディオコメンタリーでは、真上はエルプズュンデ(エルプスユンデ)を最初に研究していた家系と関わりがあることや、「先の大戦」時にエルプズュンデを作っていたのが奇械島であり、キバやガラン、八稜郭の面々も作られた存在であること、等が明かされている。
上述の関連作品を見ていくと、この家系というのが、美登呂のことを指しているのは想像に難くない。
ちなみに『スーパーロボット大戦UX』では、そもそも発売が「魔神大戦21」と同時期なのもあり、上記の研究者に当たる存在がUXオリジナルキャラのノーヴル・ディランだったことになっている。


  • 由木翼
CV.早見沙織
スカルフォース・グレンファルコン隊所属の技官。
奇械島に突入の際の事故からただ一人脱出に成功し、八稜郭の女達に助けられる。
海動や真上とは同僚であり、重力炉を停止させるという重大任務の完遂のため、二人に協力を要請する。

最終的に2人に感化されたようで、優等生が相棒になった感じになり、3人のチームが完成したという。
スカーレット大尉のスカーフを巻き、階級も中尉から大尉になった。
正式にデスカプリース隊の一員として、2人と一緒に色んな任務に派遣されるようになっているらしい。

モチーフは『デビルマン』の牧村美樹とのことだが、海動・真上のモチーフが『ガクエン退屈男』の早乙女門土・身堂竜馬+『デビルマン』の不動明・飛鳥了であるため、由木にも『ガクエン退屈男』の錦織つばさの成分が含まれているのかもしれない(名前が同じであるだけではなく、最終的に3人が協力体制になるところも共通している。
ちなみに、門土・竜馬・つばさの3人組の活躍はゲスト出演した『凄ノ王伝説』等でも描かれている)。*5

『PROJECT KAISER 誕生編』:
アカデミー時代からの期待の星であり、在学中に上級分析官のライセンスを取得し、主席で卒業した秀才。
前任者達が成し遂げられなかった任務(カイザーのブラックボックスを回避するリレープログラムを完成させたり、ウイングルを復元したり)を次々と達成し、研究施設が傭兵部隊に占拠された際には誰よりも早く気付き、瞬時に対象の人員把握とシャッターの遠隔操作による戦力分断を行ったりとスカーレットも絶賛する活躍を見せた。
一方で面と向かってかわいいと言われ、対処に困っているような意外なシーンもあった。

『猟界のゼーレン』:
本人は登場しないが、小説版には『PROJECT KAISER 誕生編』で由木が室長を務めていた組織(LLI;遺物科学運用開発室)が登場する。


  • スカーレット・ヒビキ
CV.浅野真澄
スカルフォース・グレンファルコン隊の指揮官を務める女性大尉。
姉御肌で弱音を吐くヤツには「チンカス野郎!!」と激をとばす勇猛な性格。
また、優秀なパイロットでもあり、先行したカイザーと合流して作戦を成功に導くはずだった……
ちなみにOPには毎回出る。
グレンファルコン隊の部下の面々は、よく見ると『凄ノ王』の不死団及び『バイオレンスジャック』の朱紗一族がモチーフとなっている。
朱紗一族にはスカーフを巻いた長髪の女傑もいるため、このキャラがスカーレットのデザインモチーフなのかもしれない。

『PROJECT KAISER 誕生編』:
海兵隊の教官を務めながら、軍属に顔が利くためカイザーのリブートプロジェクトの責任者である由木の補佐としてWSO内部の調整等に奔走。
カイザーの操縦適応者探しに苦戦するも、情報特務二課のウィルヘルム・オーディン少佐(モチーフは『アイアンマッスル』の同名キャラ)から海動と真上を紹介され、二人を手懐けてカイザーと引き合わせる(ちなみにオーディンは『猟界のゼーレン』においてもWSOの作戦に必要な傭兵役として海動を紹介している)。
漫画版同様、形状記憶合金で出来た「メタルスナッパー」と呼ばれるムチにも槍にもレイピアにも変化する武器を使ったり、ウイングルに乗ってOVA版同様のブレイクダンスのような動きでツインアームブレードを扱ったりして戦闘面でも大活躍した。
ちなみに本人曰く、これでも昔は人形遊びが好きな普通の女の子だったらしい。

『猟界のゼーレン』:
WSOのスクランダー部隊の追加隊員として少尉時代のスカーレットが登場。
相変わらずイチモツ、ふにゃチンといった言葉を口にしながら他者を叱咤激励するシーンがある。
ちなみに同じく追加隊員として登場したニコラス・ヘイデン兵曹長は、『PROJECT KAISER 誕生編』ではグレンファルコン隊の中でスカーレット以外で唯一生き残ったキャラ。


  • 荒神谷
CV.長克己
WSO参謀長にしてスカルフォース長官であり、さらに地球政府最高議長を兼任している。
モデルは『バイオレンスジャック』最終回でメガロポリスカントウ行政長官となった「逞馬竜」。
二十代でジャックに関する情報収集を開始し、関東復興の歴史書に記録し続ける生き様は、失われた技術の解析・復興を掲げるWSOの理念にも通じるものがある。
なお、ジャックを「荒ぶる神」と表現していたが、その文言は『SKL』においては自身の名前に使われることになる。

『PROJECT KAISER 誕生編』/『猟界のゼーレン』:
どちらの作品にも同じ役職で登場し、70歳を超えているが体格は良く、高い統率力を持っている点も共通している。
ちなみにそれらの作品では、唐古よりもWSO防衛軍の事務次官である垂柳というキャラと相談するシーンが多い。
これらWSOの幹部3人や上記のドクター砂沢は、弥生時代の遺跡にちなんだネーミングと思われる。
WSOが人類史の遺産を扱っていることを意識したものなのかもしれない。


  • 唐古
CV.松山鷹志
WSO防衛軍の参謀で、荒神谷に次ぐナンバー2の立ち位置。何故か『マジンガーZ』のボスに似た姿をしている。
幾つかのサイトや書籍では「唐吉(とうきち)」と記されているが、設定資料や関連作品を見る限りは「唐古(からこ)」が正しいようだ。

『PROJECT KAISER 誕生編』:
WSOの巨大戦闘ロボの開発を手掛けるロボットメーカー「アダム・ロボテック」に、カイザーの再解析への協力を打診する役目を担った。
ちなみに「アダム・ロボテック」のCOOは『獣神ライガー』に登場するリュウ・ドルクで、『猟界のゼーレン』の小説版にも同じ役職で登場している。
リュウ・ドルクの父でありカイザーの調査プロジェクトの責任者であったアダム・ドルクは過去の調査時の事故が原因で死亡していたため、唐古は多少の小言を言われる羽目になった。

『猟界のゼーレン』:
ボス似のキャラではないが、同じ苗字を持つ初老のWSOメンバーが登場している。
2隻しかない新鋭艦の艦長を務めていたり、荒神谷からも信頼されていたりするところをみると、外見が変更されただけで同一人物なのかもしれない。



〈八稜郭〉


奇械島の勢力のひとつで、女の園。他の勢力同様、ロボットを生産するプラントを持つ。
他の勢力とは違い、他の勢力を制圧しようとはしていない。
これらの設定は、『バイオレンスジャック』の地獄街が3エリアに分かれており、その内の1地区のリーダーが争いを好まない女性であるアイラ武藤(アイラ・ムー)であったことのオマージュであるといえる。
なお、美人揃いだったり超能力を持っていたりするのは、エルプズュンデとして意図的に調整されたものだという。


  • アイラ
CV.田中敦子
八稜郭を治める美女。カイザー、キバ軍、ガラン軍の戦いを見守る。
モチーフは漫画版『ゴッドマジンガー』及び『バイオレンスジャック』のアイラ・ムー。


  • ハリケーン
  • ファンシー
  • フラッシュ
  • ミスティ
CV.清水愛
八稜郭を守る女性達のリーダー。サイコギアを駆って、他勢力と戦う。
モチーフは『キューティーハニー』のハニーの七変化の各形態及びそれらを基にした『バイオレンスジャック』の如月ハニーの協力者達。



〈キバ軍〉


海沿いの『キバの砦』にたむろう某世紀末のヒャッ八ーみたいな連中の集まり。


  • キバ
CV.檜山修之
ゴロツキ共の頭領。ロボット軍団を率いて奇械島の支配を目論む。
専用ロボ『爆劉鬼』に搭乗し、仇敵マジンカイザーを執拗に付け狙う。
「キバってくぞー!」
モチーフは『ズバ蛮』及び『バイオレンスジャック』のズバ蛮。

脚本担当の早川氏によるとキバは元々ガランの手下であったが、最大勢力であるガラン軍から独立してキバ軍を立ち上げた過去があるとのこと。
これは、ガラン(の機体)のモチーフがスラムキングであることを踏まえると、元ネタ作品における対立関係のオマージュであるといえる。


  • ゴウダ
CV.飛田展男
キバの副官。ぺっちゃんこ。『放送コードに引っかかりますよね』
『凄ノ王』や『マジン・サーガ』『デビルマン・サーガ』及び『バイオレンスジャック』に登場する合田と同じ名前だが、見た目や性格は全く似ていない。
ちなみに『PROJECT KAISER 誕生編』にはサルバドール・合田という傭兵が登場する。



〈ガラン軍〉


山岳地帯の城を拠点とする軍団。キバの輩とは異なり、きわめて統制された兵士から成る。


  • ガラン
CV.銀河万丈
カイザーとキバ軍を戦わせ、漁夫の利を狙うガラン軍の首領。
武将のような姿をしている。


  • ヒミコ
CV.井上喜久子
ガランに忠誠を尽くす、妖艶さを漂わせる側近の女性。
モチーフは『骨法伝説夢必殺拳』及び『バイオレンスジャック』の火神子(スラムクイーン)。
実はアイラの姉であり、元々は八稜郭に属していたらしく、元ネタ作品のように何か訳ありでガランに付き従っていたのかもしれない。


この他にも、『デビルマン』の不動明や牧村美樹、『マジンガーZ』のローリーやボスなどがカメオ出演している。
探してみよう!



【登場ロボット】


我らが魔神皇帝。本作ではデザインが一新されている。作中では基本的に「カイザー」とだけ呼ばれる。
海動と真上にしか使いこなすことができない二人乗りの最凶ロボ。
スカルパイルダーとドッキングして起動する。
詳細は項目参照。

武器も一新されており、身の丈を超える大剣『牙斬刀』や、胸のいわゆるブレストファイヤー部分から分離される二挺拳銃『ブレストリガー』を駆使して戦う。
この巨体で繰り出すガン=カタはかなりかっこいい。
また、マジンガー伝統のロケットパンチ『トルネードクラッシャーパンチ』を装備している。

『PROJECT KAISER 誕生編』:
作中の20年前、富士山麓にある研究施設跡の地下に鎖で繋がれていたところをWSOの地質調査隊により発見された。*6
発掘当初は特殊な組成でできた未知の合金が特定の環境下に長時間曝されたことにより大量の放射線を発しており、カイザーの傍に近寄った人々が次々と倒れていく事故が発生し、後に由木がリーダーとなって再解析を始めるまでは凍結されていた。
半減期が終了し、機体の解析が再開された際には以下のような特徴が明らかになった。

◆エモーションセンサー
髑髏型のコクピットに組み込まれている、搭乗者の精神状態と連動するセンサー。その範囲に応じて各部位のリミッターが解除される。
つまるところパイロットの気迫がロボットそのものの基本性能に影響を与える強力なシステムであるが、集中力や闘争本能等を何百倍にも増幅させる代わりに脳の活性化が連鎖し、並みのパイロットはパニック状態に陥る。
作中では「環境や訓練により精神をコントロールする能力に著しく長けた人間」または「システムとリンクさせるために、意図的に創り上げられた人間」でもなければ操縦は不可能だとされている。

◆グラビティ型光子縮退炉
詳細不明の動力源。仮に上記のリミッターを最大限に開放した場合、この時代の一般的なロボットの出力より百万桁は違う、殆ど無限と言ってもいいパワーを引き出せるとのこと。

◆専用武装
「強力なレーザー」「金属腐食ガス発生装置」「超熱線放射装置」などが内蔵されているが、リミッター弁が解放されていない状態では使用できない。
通常時には由木が用意した外部装着兵器(ブレストリガー、牙斬刀)以外では「前腕部を高速回転させながら発射する不可思議な装備」ぐらいしか使えないが、この武装は絶大な硬度を誇る合金の拳を5基の高出力ブースターで押し出すことで核爆弾の三分の一弱の破壊力を生むとのこと。

なお、本作においてはカイザーはいつ、どこで、誰に作られたのかは不明のままだが、これは別頁のスタッフ鼎談にもある通り、当時は「意図的に秘密にしていた」ためであろう。
逆に言えば、OVAの中核スタッフは知っていた、ということでもある。

『スーパーロボットINFINITISM』:
マジンカイザー編でその存在が示唆された後、マジンガーZERO編で一部未完成の状態で登場。
どこかの時空で兜甲児が設計したカイザー型のマジンガーの一種。

マジンガーZEROに対抗するための「異なる時空の友軍」として、関連人物共々、マリア・グレイスが選び出した隠し玉。
選出の理由は、「共鳴型認識システム」と「時空を超えて重力炉を制御するシステム」を持っていたため。
非物質世界に傾倒しているミケーネの技術に近い共鳴型認識システムと超重力とを組み合わせれば、マジンガーZEROに憑依した闇の帝王を分離させることができる、という寸法である。

◆共鳴型認識システム
マジンカイザー編の時点でSKL型のカイザーの特徴点として挙げられており、使いこなすには「常識を超えた精神力を持つパイロット」が必要とされていたが、とある時空の海動剣が乗ることになった。
エモーションセンサーが海動の強い精神力に呼応することでSKL型のパワーにブーストがかかり、パワーゲージが天井知らずに上がる。
この時、SKL型の体からは青いオーラが舞い上がるとのことだが、この演出はOVA版のOPにおいても少しだけ描かれている。

◆時空を超えて重力炉を制御するシステム(TRANOS;Trance Navigate Operating System)
とある時空の美登呂遼が持っていた技術で、マリア・甲児が技術協力依頼をしたことでSKL型に搭載された。
人には見せられないような禁域の技術を用いているらしく、「美登呂が持つ信頼のおけるアナログ・インターフェースに制御させる」「美登呂の研究所を起点として、制御用AI込みでシステムを組み込む」(要するに核の部分は他人には見せない)という条件が付いたが、これは『猟界のゼーレン』小説版に出てきたインターフェース(生きている人間をネットワークの核とすることで、精密な遠隔制御を行うシステム)の延長にあるものだろう。
SKL型のコクピットに搭載された「すかした男の声」のナビが「10分後には貴様は必ず死ぬ」といった予告をしたり、海動と口喧嘩したりしながら、別時空の美登呂の研究所から精密な遠隔操作によりSKL型の重力炉を制御している。
ちなみにSKL型は「二基の光子力エンジン(どこかの時空のZとグレートのもの)を繋いだグラビティ型光子力縮退炉を備え、超重力を制御できる」とあるため、『PROJECT KAISER 誕生編』でも触れられていた謎の動力源は重力炉の一種だったということなのだろう。

◆その他、武器・オプション等
この時点でのSKL型の見た目は甲児のカイザー(MTP型)と殆ど変わらないが、マテリアルが足りなかったため背中や胸回りには何も付いていない。
これらは『PROJECT KAISER 誕生編』でもWSOが開発したディメンション・ロータリー方式の複座(OVA版でお馴染みの二人乗りシート)や、胸のブレストリガーは後から取り付けられたものであった(=元々は一人乗りで、銃も持っていなかった)ことを踏襲した形となる。
また、牙斬刀を持っていない代わりに超合金Zで鍛えられた「髑髏丸」という魔刃を持っているが、マジンガーZERO戦後に手放す結果となった。
スクランダーも付いていないが、本作にはウイングルが登場しないため、ウイングクロスは最後まで実現しないままだった。

なお、マジンガーZEROとの戦いを終えた後は「Zとグレートが消えた時空の光子力研究所の廃墟の地下」へと転送され、傷だらけの状態で闇の帝王の呪いの空間に晒された姿のまま、目覚めの時を待っているとされる。
→同じく光子力研究所の地下に封印されていた『PROJECT KAISER 誕生編』にそのまま繋がるという考え方もできる。*7
この場合、『PROJECT KAISER 誕生編』にて地獄組がお互いに何処かで以前にも出会ったような気がすると感じていたり、SKL自身が「待ち望んだ二つの欠片」として地獄組を呼ぶ悪魔の囁きのような気配を出していたりしていたことにも納得感がある。
ちなみに闇の帝王(及びDr.ヘル)の呪いの空間の影響が残っているとすれば、『PROJECT KAISER 誕生編』でSKLが「地獄」「悪鬼」「おぞましい姿」「底知れない闇の力」とやたらと怪しげなイメージで表現されていたことへの理由付けにもなり、一部のファンが妄想していた「SKLはミケーネまたはDr.ヘルにより造られたのではないか」という説をある程度汲んだ形にもなる。


  • スカルパイルダー
マジンカイザーの頭部にドッキングして操縦席となる、縦列複座の小型機。
ラフを提供した永井豪は、二人乗りと聞いていたために骸骨のデザインにした(両目の部分にパイロットが見えるようにした)が、最終的にはロータリー方式で縦に並んで座る形式が採用された。


  • ウイングル
頭部に『レディファルコン』がドッキングし起動する女性型ロボット。
また、カイザーのサポートロボットでもある。

モチーフは『マジンガーZ』に登場したミネルバXと『デビルマン』に登場したシレーヌを併せたもの。
さらに翼がない状態だとデビルマンレディーになる、というコンセプトらしい。
デザイナーの野中氏は、『マジンガーエンジェル』においてもこれに酷似した機体をデザインしている(ミネルバXに飛行ユニットを装備した形態「ミネルバX シレーヌモード」)。

『PROJECT KAISER 誕生編』:
カイザーが発見された研究施設跡には他にも数体の巨大ロボットの設計データが残っており、その中から、由木の解析によりカイザーとのコネクト機能を持つことが判明したウイングルが復元の対象となった。


  • 爆劉鬼
青竜刀などを武器とする、キバの専用機。
巨大な履帯とキャノン砲を備えた起動ユニットを持ち、自在に分離・合体が可能。


  • DBM-2
二本首が特徴のキバ軍量産機。
大型ガトリング砲を備える。

モチーフは『マジンガーZ』に登場する機械獣『ダブラスM2』。


  • GDK-7
同じくキバ軍の量産機。
頭部の大鎌を取り外して武器とする他、アサルトライフルも扱う。

モチーフは『マジンガーZ』に登場する機械獣『ガラダK7』。


  • サイコギア
八稜郭が所有する女性型ロボット。
ビームソード、ビームガンを駆使して戦う。
リーダー機は縦ロール、ツインテールなど頭部の形状が異なる。
操縦者の超能力を増幅して操縦する仕組みとなっており、不可視のシールドやサイコ平手打ちといった芸当も可能。


  • カーゴ
WSOの大型輸送機。
機首に内蔵されたグラビトンコイルで、奇械島の重力カーテンを突破する為に使用された。

『PROJECT KAISER 誕生編』/『猟界のゼーレン』/『スーパーロボットINFINITISM』:
これらの作品のWSOでは中型の兵員輸送用VTOL「グレン・キャリー」や、大型の長距離輸送用航空機「フライト・トレーラー」が使用されることが多いため、本機が登場することはなかった。


  • エクスバトラー
ガラン軍の量産機。
兜の装飾が機体毎に異なる他、親衛隊専用機はボディが赤い。

モチーフは『マジンガーZ』に登場する機械獣『キングダンX10』。


  • ガイストテレス
ガランの専用機。
世を収める指導者のような姿をしている。
というかぶっちゃけスラムキング。
マジンカイザーに一度勝った機体。


  • アイアンカイザー
奇械島のガラン城に封印されていたロボット。
モチーフは『手天童子』及び『バイオレンスジャック』に登場したアイアンカイザー。

左胸にグラビトンリアクターと呼ばれる重力炉を内蔵し、重力制御による飛行・標的の拘束が可能。
作中ではこの機体の覚醒により奇械島の重力炉が暴走した。
→重力炉は奇械島の3つのロボットプラントを動かしているエネルギー源であり、WSOで研究・運用されている(『猟界のゼーレン』でもフライト・トレーラー等に搭載されている)。
 アイアンカイザーはその重力炉やカイザーSKLの研究から生まれた機体で、本来は奇械島の暴走を抑制する役割を担っていた。

Live配信動画等におけるスタッフコメントによれば、作中の世界におけるカイザーの名前を持つロボットは、世界各地の重力炉と対になる守護者として配備されているらしく、アイアンカイザーもその内の一体である。
また、カイザーSKLは悪用されたカイザーを破壊するための特別なカイザーであり、対応する重力炉は立ち入り禁止区域となった富士山麓の研究所の地下にあるらしい。
なお、『スーパーロボット大戦BX』には富士山麓の重力炉が登場するが、上記の設定を拾ったものなのか、『真マジンガー 衝撃! Z編』とのクロスオーバーの流れでたまたまそうなっただけなのかは不明。

ちなみにスタッフ鼎談によればOVA版の後の展開として、カイザーSKLが他のカイザーシリーズと戦うという構想もあり、最後の相手は「マジンカイザー」であるとのこと。



【主題歌】


  • OP
『The ETERNAL SOLDIERS』-LOUDNESS
英語歌詞のヘヴィメタルだが、サビでは「マジン!カイザー!!」と連呼するため疑いようもなくマジンカイザーの主題歌である。
日本屈指のメタルバンドによる異例のタイアップだが、LOUDNESSは元々影山ヒロノブが所属していたレイジーの元メンバーで結成されたバンドであることを踏まえるとある意味納得ではある。

  • ED
『Juggernaut』-sadie
ハイテンポなヘヴィメタルの曲。厨二っぽい歌詞もアツイ。

  • 挿入歌
『THE DANGER ZONE』-LOUDNESS

『LEGEND of KAISER』-Rey
他と異なりReyはアニソン中心のロックバンドであり、スーパーロボット色の強い歌詞になっており、まさに王道の曲調に。スパロボでもOPと共に採用されている。



【関連商品】


〈スーパーロボット超合金〉


2010年8月にスーパーロボット超合金で立体化。
魂ウェブ商店等のサイトにて、「マジンカイザーSKL スターターパック」としてDVD1巻とセットで受注販売された。
出来が良く非常に格好いいのだが、限定品なので入手困難。
全高は約140mm。牙斬刀(全長約150mm)やブレストリガーが付属。
時期的にウイングクロス用のティアラエールとアーシュガードは付属しない。
およそ6000円の内、DVDは4000円なので実質的に2000円とかなりお買い得。

2015年3月には単体製品として再リリースが決定。価格はおよそ10000円。
各部がブラッシュアップされ全高は約170mmに上がった。
それに伴い牙斬刀も更に大型化し、さらにボロボロのマントが付属するなど劇中のイメージに沿った改良が加えられている。

その後、2016年2月に「ファイナル・カウントVer.」としてリニューアル版がリリース。価格は少し上がりおよそ11000円。
アニメの雰囲気に近づけたダークな彩色が施され、頭部は右眼が破損した状態に変更されている。
マントの代わりにティアラエールとアーシュガードが付属しておりウイングクロスを再現できる。

この他、2010年11月に「マジンガーZ マジンカイザーSKLカラーVer.」が受注販売された。
その名の通りカラーリングSKLをイメージしたものになり、牙斬刀が付属する。
価格はおよそ4000円。『ヴァーサス』の単行本1巻の帯に付いている応募券を使うことで購入できる。



〈MODEROID〉


2019年11月には「MODEROID マジンカイザーSKL」が商品化された。SKLのデザインを手がけた野中剛氏により各種アレンジがされており、新規の武器や翼はやや生々しく骨を意識したディテールとなっていたり、翼の変形や武器の合体といった新しい要素も盛り込まれている。

また、胸に付いた二丁拳銃「ブレストリガー」が、ミケーネの戦闘獣もかくやというリアルな顔になっているのもポイント。
これにより、SKLの誕生にDr.ヘルが関わっているとする説の信憑性が増している。*8

ちなみにMODEROIDではダイナミックプロ作品のキャラやロボをデザインモチーフとしたオリジナルのマジンカイザーシリーズを展開しており、スラムキング、獣神ライガー、ゴーバリアン等をイメージしたマジンカイザーも商品化されている。
世界中に「カイザー」の名を冠する機体が存在するという『SKL』の世界観と相性が良いと言えるかもしれない。



〈超合金魂〉


2022年5月にマジンカイザー20周年を祝して商品化される「超合金魂マジンカイザー20th Anniversary Ver.」と共に、牙斬刀を背負った禍々しい姿の「もう一体のマジンカイザー」の写真が模型誌等で突如公開された。
→後に「GX-102 マジンカイザーSKL」として正式に発表。発売は2022年10月。
巨大な斧型武器「ブレストマホーク」も含めた立体化は初めてとなる。

初報では妙にボディ全体が青く、その後も情報が出るたびにカラーリングが変わり安定していなかったが、最終的にはやや青みがかったグレーに落ち着いた。

ちなみに今回も商品開発用デザインは野中剛氏が担当し、取扱説明書にはラフスケッチも収録されているが、ミケーネを思わせるようなアレンジはあくまでMODEROIDだけのものであるらしく、今回は採用されていない。


上記3シリーズの他、METALBOXの「メタルボーイ」、アルカディアの「AA合金」など、SD等身のアイテムも発売されている。



【メディアミックス】


〈マジンカイザーSKL 魔神戦風〉


「電撃ホビーマガジン」における公式ジオラマ小説。ストーリー担当は谷崎あきら氏。
2010年6月号に告知され、12月号まで連載された。
ジオラマに出てくるマジンガー達の作例はスパ金をもとにしている。
これらの作例は事前に野中氏によりイラストが起こされており、マジンブラザーと名付けられている。

ストーリー的にはOVAの遥か昔を描くプロローグ的な、というより神話的なものであり、意思を持つマジンガー軍団を従える2体のロボットが対決する。
なお、どのロボットにもパイロットは存在しない。

トーチカの中で記憶のない状態で目覚め、分けもわからぬまま別の勢力と戦わされるロボットの軍団、そしてそれらの各戦士達の役割は将棋の駒をイメージしたもの、という設定は『真夜中の戦士』がモチーフであると思われる。
味方の勢力はカイザーと呼ばれる存在をリーダーとしたロボット軍団であり、作中の描写からするとマジンガーZやグレートの他、ビューナスやダイアナン、アフロダイといった女性型のロボットも含まれている模様。*9
テレポーテーションを使う機体もあるらしく、これは『ゴッドマジンガー』または『マジン・サーガ』のZ辺りだろう。
一方、敵の勢力はそれぞれ戦斧、ドリル、ミサイルを装備した3種数組からなる戦闘部隊で、分離合体を駆使して攻撃をかわしたり、指揮官がエンペラーと呼ばれる存在であったり、と明らかにゲッター軍団を意識した文面であったが、正体を現したエンペラーの姿は何故か上記のカイザーと瓜二つの魔神という肩透かしのオチだった(フィギュアの作例を用いたストーリーということで、仕方なかったのかもしれないが)。

本作において「SKL」という名前の由来は、骸骨の意匠の他に「Separated Killing Lord (分かたれた殺戮の王)」という意味があることになっている。
己と渡り合う者との戦いを求め、自身を2人に分け、それぞれ顔と記憶を失ったという。
後述の「魔神大戦21」の鼎談によると、「Slum King Legend」というデザイナーによる名称案が、当時の資料を整理した際に出てきたとのこと。
このことから、『スーパーロボットINFINITISM』で明かされたものも含めると、SKLの由来は3つ存在していることになる。



〈マジンカイザーSKL ヴァーサス〉


マジンカイザーSKLの漫画版。作者は星和弥氏。
バンダイビジュアルの携帯コミック配信サイト「週2コミック! ゲッキン」で2010年8月~2011年9月に連載。
単行本は全3巻でレーベルはエモーションコミックス。
イタリアなどの海外でも単行本の翻訳版が刊行されている。

1〜2巻は前日談で、本編に至るまでの経緯がわかり、最後は直接OVAに繋がる。
3巻は後日談となっており、翼が本編での戦いをWSOの荒神谷参謀に報告し、OVAの内容がダイジェストで描かれる場面から始まる。
八稜郭の面々が乗る新型ウィングル「アイアンメイデンシリーズ」の他、新たな敵や「魔王」が登場する。
デビルマン』のデーモン等をモチーフとするロボットも複数登場する。

話は熱く、評価も良いものの、
「もう少しページ数が欲しかった」
「それぞれの話の繋がりがやや解りづらい」
という意見もある。

とはいえ面白いのでオススメ。
女性キャラも可愛いぞ!

星氏は2014年からダイナミック企画の公式サイトで『ダイノゲッター』も描いており、共演を望む声もある。
ちなみに先生はTwitter上に千値練の「METAMOR-FORCE ダイノゲッター1」とスパ金のリニューアル版SKLを並べた写真を投稿している。



〈PROJECT KAIZER 誕生編〉


2013年発行の「魔神大戦21」に収録された、構成・脚本担当の早川正氏によるプレストーリー。
『ヴァーサス』と別物である理由については「マジンガーZにジャンプ版とテレマガ版があるような感じ」とのこと。
元々はOVAスタッフや関係者への設定紹介用として書き上げたものとのことで、現状、『SKL』の設定資料としては最も情報量の多い作品である。

WSOや「先の大戦」を中心とする世界観の説明から始まり、海動・真上・由木・スカーレットの出会いや過去、そしてカイザーの搭乗者が決定するまでが描かれる。
早川氏によると、この誕生編の後、スカルフォース設立→カイザーのデータ収集・調整する由木と地獄組の物語→カイザーの実戦投入に伴いスカルフォースの拠点が漫画版でもお馴染みのコーラル・ステーションに移され、デス・カプリース隊結成→いつも地獄組二人だけが生き残るという伝説が生まれる→OVA(奇械島での任務)へ続く、とのこと。

ちなみに監督達は新作を作りたいと鼎談にて語っている。
案としては、別の島での同様の任務を描いた物語、由木と知り合う前のスカーレット大尉と主役2人の話、アステカに行ってアステカイザーと戦う、マジンカイザー対マジンカイザーSKLといったものが出てきた。



【関連作品】


〈猟界のゼーレン〉


2013年9月に発表された『猟界のゼーレン』は、ダイナミック企画と電撃ホビーウェブの共同プロジェクトで、シナリオ・構成は『SKL』の脚本を手がけた早川正氏が担当している。
そのためかWSOや海動をはじめ共通する組織や人物等が多数出てきているが、設定がほぼそのままのものもあれば、差異が見られるものもある。
→両作品はよく似た別の世界であり、ものによっては同じ設定を持つ要素もある……ぐらいに見ておくと良いかもしれない。


一方で『SKL』以前のダイナミックプロ作品由来のネタも見受けられ、前日談小説も含めるとかなり多くの要素が含まれている。







〈スーパーロボットINFINITISM(INFINITISM NOVELS)〉


2019年より展開されているBANDAI SPIRITSホビー事業部発のINFINITISMプロジェクトは、ダイナミックプロのスーパーロボット達を、新しい世界観と解釈によりリデザイン及びプラモ化していく企画。
第1弾はグレンダイザー、第2弾はマジンカイザー、第3弾はゲッタードラゴン、第4弾は鋼鉄ジーグ、第5弾はマジンガーZEROが選出されている。

これに合わせ「月刊ホビージャパン」では2019年4月号より、模型特撮と小説により描かれる「スーパーロボットINFINITISM」*14が展開されており、メカニックデザインを『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』の柳瀬氏、ストーリーを『SKL』『猟界のゼーレン』の早川氏が担当している。
このためか、小説には『SKL』『猟界のゼーレン』の設定が大量に流用されており、それらのリブート作品としての側面も見受けられる。
よって、非常によく勘違いされるが、本作は『INFINITY』の世界線におけるグレンダイザーやマジンカイザー等を扱ったものではなく、作者の過去作の設定を使ってそれらのロボットや関連キャラを共演させた、独自設定のクロスオーバー作品である。

以下各編解説:





+ 余談;他媒体での設定について
INFINITISMシリーズのプラモでは、ボックスやインストにストーリー概要や武器・オプション等の設定が記載されているが、上記のホビージャパン(以下、「HJ」と表記)連載の小説と連動している部分とそうでない部分とが混在してしまっている(連動していない部分については、既存の色んなダイナミック関連作品から適当にかいつまんでコピペしている模様)。
参考までにインスト記載の情報の出所と思われるものを整理すると、以下のようになる。

ストーリー概要 武器・オプション設定
HG グレンダイザー HJ連載小説 TVアニメ※1
HG マジンカイザー HJ連載小説 HJ連載小説、ゲーム、OVA※2
HG ゲッタードラゴン TVアニメ TVアニメ※3
HG 鋼鉄ジーグ TVアニメ TVアニメ
HG マジンガーZERO 原作漫画、HJ連載小説※4 原作漫画

※1 ダブルスペイザーの説明のみ、HJ連載小説の設定が取り入れられている。
※2 HJ連載小説由来の設定が多いが、『スパロボα』やOVA版『マジンカイザー』からも節操なく取り入れられている。小説の方では使えることが判明したカイザーノヴァについては触れられていない。
※3 何故か飛行速度の数値のみ、HJ連載小説の設定が取り入れられている。
※4 前半部分が原作漫画、後半部分がHJ連載小説から引用されており、意味不明なストーリーになっている。ボックスの方にもストーリー概要があり、こちらはHJ連載小説のものになってはいるが、かなり複雑で壮大なマジンガーZERO編の中からプロローグの一部だけを取り出しているため、恐らくこれだけ読んだ人には理解できないと思われる。

ちなみにマジンカイザーINFINITISMが参戦している『スーパーロボット大戦30』では、本来INFINITISMとは別世界である『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』と同時参戦している上にグレンダイザー等がいないためかHJ連載小説のようなストーリーは再現されていないが、カイザーの図鑑説明はほぼ全文が小説のマジンカイザー編第3話からそのまま持ってきたものとなっている。
このため、ゲーム中においても「MTP型」の特徴である「時空超越者(バースブレイカー)」の能力を持っていたり、未来の甲児が開発したものである等、設定が共通している部分もないわけではない。



〈鋼鉄神ジーグ〉


「魔神大戦21」によると、2007年放映のアニメ『鋼鉄神ジーグ』は、『SKL』とはキャラクターデザイン以外の殆どのスタッフが同じ、とのこと。
ダイナミックプロ作品のネタが大量に散りばめられている点も共通しており、『デビルマン』や『Xボンバー』のようなカメオ出演の他、メインキャラのモチーフとして使用されている『電送人バルバー』、実は主役3人組(門土・竜馬・つばさ)全てが登場している『ガクエン退屈男』、古事記を扱うという共通点があり、終盤に幾つかの要素が取り入れられている『凄ノ王』、の3作品については特に扱いが大きい。

本作から数年後、「無双の出来るマジンカイザー」というオファーを受けたスタッフ陣は、『ガクエン退屈男』の門土・竜馬をそのまま主人公としたバイオレンスな作品を提案。
紆余曲折あり、『デビルマン』の明・了の要素までをも取り込んだ結果、かの永井豪先生から「ワルいなこいつら」「やりすぎだよ」と言われるほどの二人組が誕生した。
お察しの通り、『SKL』の地獄組である。

余談だが、早川氏は本作の円盤ブックレットにおいて、以下のようなやり残しや裏設定について語っている。
  • 妃魅禍は鏡たちの種族が星を征服する際の生体兵器である
  • ミッチーは珠城神社を継ぐために姓が変わっただけで、つばきは本当の孫ではない
  • 天孫降臨の舞台である高千穂の天の坂鉾が1話の背景に映っており、これは妃魅禍の封印に使われた。それに付随する高天原伝説を持ってくるにあたり、永井豪の『凄ノ王』ネタが使われていった
  • 多卦流と美夜受の古代の闘い、それに関わる剣児の祖先、剣児の母が美夜受と同じ顔である理由、等を説明する話を書いたが13話に入りきらなかった

見ての通り、殆ど全てが先述の『スーパーロボットINFINITISM』の鋼鉄ジーグ編において回収されており、それらは決して安易な後付けではなかったことがわかる。


〈サイボーグ009VSデビルマン〉


2015年のOVA作品『サイボーグ009VSデビルマン』は、『SKL』と同じく監督を川越淳氏、脚本を早川正氏、キャラクターデザイン・総作画監督を伊藤岳史氏、アニメーション制作をアクタスが務めている。
さらにデビルマン側の主要キャラクター3人は、『SKL』の主役2人とヒロインを演じたキャスト陣3人が声を当てている。

浅沼氏は川越監督の新作で出演者も同じということで最初は『SKL』の続編やカメオ出演だと思い、更に『デビルマン』と聞いて同作に『SKL』が出ると思ったという。
その後、伏せられていた正式なタイトルや演じる役も明かされどんどん混乱していった様子。
監督曰く、もともと『SKL』の3人の役が『デビルマン』の不動明と飛鳥了と牧村美樹のメタファーとして作られたキャラクターだったので、どうせならこの3人に再登板してもらおうと最初から決めていたとのこと。
早川氏による小説版では、不動明だけではなく飛鳥了自身も猟銃や特殊警棒、グレネードランチャーで積極的に戦っており、二人纏めて009側のキャラから危険視される等、地獄組を彷彿とさせる描写もあったりする。
また、本作にはサイボーグ化したデーモン族「サイバネティックデーモン」が登場するが、同時期の『猟界のゼーレン』にはサイボーグ化した恐竜「サイバネティックビースト」が登場するという類似点もある。

余談だが、『マジン・サーガ』では不動明が悪のマジンガー「デビルマンX」となって登場する。
永井豪の構想によれば、これはDr.ヘルが「マジンガーZ」の研究データを基に作り出したものであり、マジンガーとは戦う運命にあるとのこと。
一方で、ファンの間ではカイザーSKLの製作者はDr.ヘルなのではないかとする説もあり、もしそうなら上記の構想に似た展開になりそうなのが興味深い点である(スタッフによれば、カイザーSKLが誰に造られたのかは意図的に秘密にしていたそうだが、最終的に戦う相手がカイザーであることは明かされている)。



〈ゲッターロボ アーク〉


2021年7月放送開始のTVアニメ『ゲッターロボ アーク』は、主要スタッフ陣が『鋼鉄神ジーグ』『SKL』等と同様の顔ぶれで、完全にいつものメンバーである。
このため、以下のように『SKL』を含む上述の関連作品群と類似するアニメオリジナル要素が含まれている。
  • 円盤のブックレットによると、ランドウ軍との戦いの影響により人間社会が荒廃していることになっており、『SKL』と同様、一部地域を除いて殆ど『バイオレンスジャック』のような世界であるとのこと。なおこの設定は、女王蟲戦で住宅街のシーンがカットされた一因にもなったのだとか。
  • 作中でアークチームが「地獄へのお使い」と呼ばれるシーンがあるが、これは『SKL』において海動と真上が「地獄からの使いさん」と呼ばれることへの綺麗な対比となっている。両者には先代パイロット不在の中、世界に残された(物騒な見た目の)マシンに乗って戦うという共通点もあったりする。
  • 「先の大戦」「マテリアル」「蟲軍」「龍神」「美しい夜」「聖なる竜」*36「テラ星(地球)」「昆虫型ヒューマノイド」といった『SKL』『猟界のゼーレン』『スーパーロボットINFINITISM』でも使われた表現が多々見受けられる。またそれらの作品で多用されていた、所謂「三文字頭字語」も新規に設定していたりする(BUG;Biogeocenosis Unlimited Genocidemachine等)。
  • 『猟界のゼーレン』のように、遠隔操作による無人のステルバーが登場する。
  • 回想ではあるが、『スーパーロボットINFINITISM』と同様に隼人の婚約者である山咲の出番が増えている。
  • ウザーラの機体解説にある通り、『スーパーロボットINFINITISM』と同様、アトランティス人が太古の地球に渡来した異星人の末裔だったという設定になっている。
  • アンドロメダ流国のメカが過去の様々な時代に送り込まれた結果、地球にオーパーツとして存在することになった(このため、ハン&シュヴァイツァ博士が海底でメカを発見するシーンがある)。これは『スーパーロボットINFINITISM』においても百鬼帝国の円盤を造った者が過去の地球に到来していた、という形で表現されている。それどころか、そちらは他にもジャマルやベガ、アトランティスなど、異星人の勢力が山ほど押し寄せているヤバい世界なのだが。

なお、「永井豪70'sアニメ大解剖」の川越監督へのインタビューによると、本作の前には多数の企画書が没になっていたらしく、その中には『マジンカイザーSKL対ゲッターロボ』というタイトルからして物騒極まりない作品もあったのだとか。
その後、アニメ版アーク最終話に向けて監督が提示した蔵出しイラストは(何故かアニメの内容とは無関係の)「マジンカイザーSKLがゲッタードラゴンと組み合っている」という謎のシチュエーションであった。
脚本の早川氏もオフィシャルワークスにおいて「今後は原作準拠ではなく原作の設定を使った新しい形の『ゲッター』をお見せできれば」と語っており、これらは今後世に出したいものを各所へアピールしている状態なのかもしれない。*37



【外部出演】


〈超大戦!ロボットバトル〉


2011年から2014年までMobageで提供されていたソーシャルゲーム。ゲーム内容的には『ガンダムロワイヤル』のダイナミック版といったところ。
ダイナミックオンリーということもあってかなりマニアックな作品まで抑えており、スパロボシリーズに一度も出ていない『Xボンバー』『ゲッターロボアーク(漫画版)』『MAZINGER U.S.A. Version』『Zマジンガー』『サイコアーマーゴーバリアン』『ダイノゲッター』他多数が参戦。
当時までの今川・川越監督の映像作品もすべて網羅しており、その中には当然『SKL』も含まれていた。



〈スーパーロボット大戦UX〉


ニンテンドー3DS用ソフト『スーパーロボット大戦UX』でシリーズ初参戦。
ところが『SKL』単独参戦だったため、「マジンガーZ兜甲児が登場しない」という版権スパロボ初の事態が発生した。
それどころか、『UX』参戦作品の中では(『サヨナラノツバサ』を除き)最後なので、当時は『マジンガーシリーズ』はスパロボ最古と最新の参戦作品を有する事になった。
おまけにキャラが合いそうなゲッターロボ(特にOVAゲッターシリーズ)や鋼鉄ジーグおよび鋼鉄神ジーグもいないので、ダイナミック枠が1つだけだったりもする。

ラインバレルが原作漫画版なので、話の繋がり的に『ヴァーサス』の内容も取り入れると予想されていた。
実際、『ヴァーサス』の要素もいくつか組み込まれている。

シナリオではオリジナル勢や初音ミク(フェイ)とよく絡む。奇械島の設定が便利に使われ、第2次Zのバードス島以上にとんでもないことになっている。
デモンベイン等の参戦によりやたら神様やそれに近い存在を相手にするが、最初から最後までぶれずに地獄っぷりを貫く。

参戦が決定した時は同時参戦作品に劇場版ガンダム00劇場版マクロスF前編後編がいたため、対 話 終 了と言われたりもしたが、蓋を開ければ空気を読みまくって全くと言っていいほど口出ししなかった。むしろ対話を「戦いを終わらせるための戦い」と認めている節すらある。
ただし、あくまで邪魔はしないというだけで、サコミズ王の説得をやらせたりすると当たり前のように対話終了してしまう。

あとさりげなくミストさん語録を使用した。
海動「理由なんざ、どうだっていい!あの野郎をブチのめすチャンスだ!」



〈スーパーロボット大戦Card Chronicle〉


ソーシャルゲーム『スーパーロボット大戦Card Chronicle』にもアップデートで参戦。
別の世界である真マジンガーOVAマジンカイザーのマジンガーチーム、世界最後の日版ゲッターチームネオゲッターチーム鋼鉄神ジーグ勢との共闘を果たした。
ハロウィンイベントのコスプレでは、大変珍しいミニスカ衣装の由木を見ることができた。

あとまたもミストさん語録を使用した。
真上「確かにな…だが、重要なのはそこではない」



〈スーパーロボット大戦BX〉


『UX』に続き2作目となる3DS用ソフト『スーパーロボット大戦BX』では真マジンガーと同時参戦。パッケージイラストにも両者が描かれている。
原作終了後の参戦。『UX』に比べ、新たなカットインや『ヴァーサス』で使用された技が追加された。又、マジンガーZとの合体技により甲児君が地獄の仲間入りをした。

近年のスパロボではマンネリ防止の為か、ダイナミックプロ作品に関しては毎回何らかのサプライズ要素が用意されている(マジンエンペラーG真ゲッタードラゴン等)。
本作におけるそれは、OVA版の最後に登場したサポートメカ「SKL-RR」と『ヴァーサス』の最後に使用された武器「インフェルノギガブラスター」の採用、『真マジンガー 衝撃! Z編』の暗黒大将軍との本格的な戦闘、マジンガーZとカイザーSKLの合体攻撃、の3点であり、いずれも版権元から快諾を得た上でノリノリで戦闘アニメを描き起こしたことが攻略本のスタッフインタビューで語られている。

なお、本作での『SKL』のキャラは『聖戦士ダンバイン』のキャラとやたらと密接に絡み、「海動&真上がバイストン・ウェルに聖戦士候補として召喚され、シーラ・ラパーナから「地獄の使い」として雇われているという驚きの展開がプロローグで起こっている。
バイストン・ウェルでもドレイク軍のオーラバトラー相手に彼らが暴れ回って千切っては投げたりして、まさに「地獄」と言うべき原作以上の戦乱が巻き起こっていたんだろうと想像出来るが、良いのか、シーラ姫。
ちなみに、富野監督は「デビルマン」に対抗して「ダンバイン」を製作した(監督曰く、ハイパー化はデビルマンに行き着く過程であり、終盤の物量戦で敵と味方にデビルマンが出せたら「良き理想」「悪しき理想」という形の華のある物語にできたが、人の変身を描きたくないためデビルマンにはできなかった)とのことであるため、不動明と飛鳥了の影響を色濃く受けている地獄組がダンバイン勢とよく馴染むのは自然なことだったのかもしれない。
小説版である「オーラバトラー戦記」では主人公が初めてガロウ・ランの所業を見た際に「デビルマンの世界じゃないか!」と叫ぶシーンがあるが、スパロボにおいては『UX』『BX』と2作連続で地獄組がガロウ・ラン呼ばわりされているという対比も面白い。

ちなみに、『PROJECT KAISER 誕生編』『スーパーロボットINFINITISM』で判明したSKLのエモーションセンサーの仕組みも、オーラコンバーターと類似している。



〈スーパーロボット大戦X-Ω〉


ソーシャルゲーム『スーパーロボット大戦X-Ω』にはイベント「新天地! その名は・・・地獄」で参戦。その後もダイナミックプロ作品関係のイベントによく顔を出す。


その他、2020年12月1日スタートの強敵イベントでは『マジンカイザーSKL(WC)』の新技インフェルノギガブラスターが実装。
『BX』同様、ゲームに出すにあたって設定確認を含めて関係各位に様々な協力をしてもらった、とのこと。
運営チーム側でずっと出そうと言っていたらしく、SKL-RRも登場したりと演出には気合が入っている。





真上「アニヲタwikiに篭ることでしか生きている実感を掴めない者同士…」

海動「仲良く追記・修正しあうのも悪くねぇ!!」

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最終更新:2024年03月20日 20:22

*1 ただし、下2つについては現在では閲覧する手段がほぼ存在せず、ハードルは高いと言わざるを得ない。

*2 海動のモデルとジャックの正体が共通であることを踏まえたネタであると思われる。

*3 こちらは白いロングコートに猟銃という飛鳥了を思わせる出で立ちであり、OVA版のラフスケッチでは銅磨高虎(=スラムキングの本名)という仮名が付けられていたこと、スラムキングの正体が了と深い関係があることを考慮すると、海動同様にバイオレンスジャックネタもカバーしている。

*4 本作ではこの表記になっている。スパロボでは、本作より後に出た『BX』でも「エルプスユンデ」のまま。

*5 つばさは『真マジンガー 衝撃! Z編』にも登場するが、こちらは原作の『ガクエン退屈男』ではなく、『バイオレンスジャック』版のデザイン(アシスタントが描いていたと言われるほど画風が浮いており、原形をとどめていないほぼ別人)の方をベースとしている。

*6 OVAのOPにもこれを描写したと思われるカットがある(富士山や光子力研究所の特徴的なフォルムが見える)。

*7 とはいえ、そちらでは頭部に髑髏(=スカルパイルダー)があったり、全身が鎖で縛られて「封印」されていたりといった差異もあるため、仮に繋がっていたとしても両作品の間にはまだ何らかの語られていないエピソードがあるのだろう。

*8 ただし、OVA版の設定資料を纏める目的で執筆された『PROJECT KAIZER 誕生編』によれば、ブレストリガーはWSOがSKL発掘後に間に合わせで取り付けた外装であるとされており、ミケーネ関与の余地はない。また、OVA版の設定画によると、そもそも胸の部分のモチーフはミケーネではなくデビルマンであると明記されている。

*9 ちなみに本作の後、『激マン! マジンガーZ編』にて同じようにカイザーをリーダーとする謎のマジンガー軍団が永井豪により描かれている。こちらのカイザーはマジンカイザーというよりもいわばマジンガー版のゲッターエンペラーといえる存在であるが、詳細は語られていない。また、『激マン! マジンガーZ編』は後に『マジンガーZ2022』として永井豪自身によりリブートされたが、その際にもこのカイザーに関する新しい情報は特になかった、どころかエピソード丸ごと削除されてしまった。

*10 何となくTVアニメをイメージさせるような雰囲気のコメントだが、作中には漫画やOVA作品のネタも多数含まれており、別に東映版の延長の世界というわけではない。

*11 ちなみに、シローは『ダイナミックヒーローズ』においてもアメリカの研究施設に留学しており、兄同様、祖父のような研究者を目指していた模様。

*12 『デビルマン対ゲッターロボ』では、実際に恐竜帝国と覇権を争っていた先住人類である。

*13 『テレビマガジン』連載当時の設定資料によると、実は「テラノス」という正式名称があるらしい。ちなみに仲間の2体(「トリプス」と「プテラス」)は残念ながらゼーレンには登場しない。

*14 プラモのインストやパッケージには「INFINITISM NOVELS」と記載されているが、誌上ではこの名称は一度も使われておらず、第2弾までは単に「グレンダイザーINFINITISM」「マジンカイザーINFINITISM」と呼称されていた。第3弾からは「スーパーロボットINFINITISM」という親タイトルが付けられたため、本項でもこちらの表現に合わせている。なお、第5弾からはようやくプラモ側の表記も雑誌側に合わせて修正された。

*15 Zとグレートの光子力エンジン搭載によりカイザーの出力を強化するという展開は、漫画『マジンカイザーVS真ゲッターロボ』でも描かれている。そちらではゲッター線を融合させた光子力エネルギーの無尽蔵なパワーを制御するため、という別の理由が付けられている。

*16 ちなみに東映版同様、隼人には姉がいるらしく、そちらは直系のため苗字は「神」のままらしい。

*17 早川氏が脚本を担当したアニメ版『ゲッターロボアーク』においても、アニメオリジナル設定としてウザーラのボディがオリハルコン製だということになっている。

*18 『鋼鉄神ジーグ』は東映版とは繋がらないためか漫画版の続編であると言われることもあるが、実際には複数あるどの漫画版とも設定が異なる。内容的にはむしろ、この鋼鉄ジーグ編の続編が『鋼鉄神ジーグ』であると言える。

*19 ちなみに1975年は、東映版が放送開始された年でもある。

*20 NISAR自体は勿論『ゲッターロボ號』が元ネタだが、実在する種子島宇宙センター(宇宙航空研究開発機構)も併せたネタであると思われる。

*21 ちなみに後者は元ネタ(仏法)の通り、八部衆という上位個体の内の一つという設定になっている。他の7体が出てくる前に作品が終了してしまうという点でも、永井豪の『ガルラ』の怪鳥神・迦楼羅とは共通点がある。

*22 荒之皇は凄ノ王に加えて、『魔王ダンテ』のダンテもモチーフの一つとしている。

*23 ノスフェラトゥも原作漫画の作中で「闇」と表現されているという繋がりがある。

*24 ゼーレンのメインキャラクター達が乗る戦艦やその乗組員のコードネームには、北欧神話の神々や戦乙女の名前が使われている。これは作中の世界がヴァルハラ(北欧神話において戦士の魂が訪れる死後の世界。それらの魂は戦乙女により導かれ、恒久的に戦い続ける)に喩えられているためであろう。要するに永劫に戦いを繰り返す人類の世界を神話の死後の世界に重ねることで「魂の檻」と表現しているのであり、それはINFINITISMの世界でも変わらないということなのだろう。無論、表向きにはゾーンに閉ざされた九州や封印された妃魅禍を揶揄している表現でもあると思われるが。

*25 「ジャマル」は『鋼鉄神ジーグ』で妃魅禍が呪文を唱える際に使っていたフレーズでもある。

*26 北欧神話の女神イドゥンが持つ黄金の林檎が元ネタと思われる。

*27 「組織には必ず『闇』も生まれる」という理屈によるものだが、『猟界のゼーレン』小説版でも同じテーマでWSOという組織の『闇』が描かれていた。

*28 日本の歴史や地理などは、外八州である世界の歴史や地理を縮密して内八州である日本に移写したものであり、世界のものと日本のものを精細に照合すれば、世界史の真実が浮かび上がるという理論。

*29 『猟界のゼーレン』の項でも触れたように、闇の帝王が太古の異星人であり、ミケーネ等の技術を齎したのは東映版マジンガーの完結作向けにダイナミック側が用意していた設定。当時は採用されなかった。

*30 このネーミングはフィンランドの首都ヘルシンキに実在した数学者ラース・ヴァレリアン・アールフォルスが元ネタと思われる。

*31 光一やウィルヘルムとの関わりは特にないため、デビッドを阿修羅男爵の仮の姿として設定した理由はわからないが、デビッドが飛鳥了の要素を持つパロディ的なキャラであり、その了が両性具有だったことが関係しているのかもしれない。

*32 小説で先出ししていくことはプラモ側にも明記されている。実際、グレンダイザー編には甲児達が、マジンカイザー編には隼人&山咲が、ゲッタードラゴン編には草薙教授が、鋼鉄ジーグ編には瓜生麗(通称ゼロ)とDr.ヘルが登場していた。マジンガーZERO編にも「助っ人」として新しいキャラやロボットが出てきているが……?

*33 企画書の記載による。本連載時には変更されている可能性もあるが、実際の漫画版作中でもアダム・シュタインベック社が21世紀初頭(=2001年~)から倫理的に問題とされる研究者達を囲い込んできたとされており、さらに小説版ではシュタインベックがそういったダークな世界に足を踏み入れた研究者達を援助する団体(非公式科学者協会)を立ち上げたのは「先の大戦」(=作中の64年前)より後だとされているので、どちらにせよ④の2043年という設定には合いそうもない。

*34 バードス島の祭壇はミケーネの技術で作られたポータル(転移装置)の出口となっており、ここでDr.ヘルやシュトロハイム博士の意識も闇の帝王に浸食された模様。

*35 マリアは1年と6か月後の弓教授から受け取ってきたとのことだが、これは東映版71話から登場したことを踏まえたネタだろう。

*36 GYAO!等の一部配信サイトでは、放送前の最終話のタイトルが「聖なる竜」とクレジットされていた。これは勿論漫画版のゲッター聖ドラゴンを意識したものであろうが、実際にアニメ版最終話で目覚めたドラゴンの名義については、オフィシャルワークスでは「真ドラゴン」、円盤のブックレットでは「真ゲッタードラゴン」と記載されており、少々ややこしいことになっている。どちらのドラゴンも『チェンゲ』の真ドラゴンの没デザインを再利用した経緯があるためであろう。余談だが、その没デザインの別案の内、最終形態として描かれたものが後にゲーム『ゲッターロボ大決戦!』の真ゲッタードラゴンとして再利用されている。

*37 ちなみに『SKL』の時は監督が『PROJECT KAIZER 誕生編』の存在を各所で宣伝した結果、ムックへの掲載が実現したのだとか。