大きいお友達/大きなお友達

登録日:2012/03/08(木) 01:54:45
更新日:2023/12/01 Fri 19:23:01
所要時間:約 5 分で読めます




司会のお姉さん「今日は大きいお友達もたくさん来ていますね」


「大きいお友達/大きなお友達」(以下「大きいお友達」と表記)とは、児童・少年・少女向けのアニメ・漫画・特撮ヒーロー番組などのファンである高年齢層*1を指す。

当事者自らがこの言葉を使う場合は、自嘲・自虐的なニュアンスを含むことが多い。
ちなみに、本来の客層である児童・少年・少女のことは逆に「小さいお友達/小さなお友達」(以下「小さいお友達」と表記)と呼ぶ。
通称「大友」。

マリオシリーズやディズニー作品、スタジオジブリ作品のように子供のファンも多いが広く高年齢層にも普及したコンテンツについては「大きなお友達」と呼ばれないことが多い。


一口に大きなお友達といっても、主に2パターンに分かれている。

①子供の頃は興味がなかったが、大人になってからファンになった例
例えば女児向け作品の男性ファン及び男児向け作品の女性ファン*2、子供や親戚の影響でハマってしまったなど*3

②子供の頃から好きだったコンテンツやよく似たジャンルのコンテンツに対し継続して、あるいは一時的に失っていた興味を取り戻した例
例えば特撮、ホビーアニメなど。


①は後述する原義に近いといえる。
また、例えばニチアサと呼ばれる時間帯で女児向けアニメのプリキュアシリーズと男児向け特撮のスーパーヒーロータイムを続けて見るファンなど、両方を兼ね備えた人も少なくないだろう。




「大きいお友達」は遊園地などでの特撮ショーやアニメショー(着ぐるみショー)、アニメ映画の初回の舞台挨拶、テレビアニメなどの声優さんが参加するファン感謝イベント、子供向けアニメ原作のミュージカルなど、子供向けのイベント、催しなどに「小さいお友達」に混じって参加する。

「大きいお友達」はこういった場面では後ろの席で大人しくしていることが多いとされているが、人が多いと異様な雰囲気を出すし、中には子供たちを押し退けて前に行く大人気ない人や、強引な行動を取り「小さいお友達」を泣かせる人もいる。
そのため、子供の親やその他一般の人達からの印象はあまり良くない。
また、女児向け作品に対する男性ファンの場合ロリコン・小児性愛者扱いされる事も多く、少なからず蔑視・偏見の対象とされている。


そういったこともあってか、近年は予め「大きいお友達」対策がとられることがある。

例えばオシャレ魔女ラブandベリーではリカちゃん人形風味の写実的なデザインを取り入れたキャラデザで、大きいお友達のストライクゾーンから外れるようなバランスに仕上げている。
なおラブ&ベリーは少女漫画的なデザインであるので女性には受けは悪くなかった。

また大友人気が高かったしゅごキャラ!ではイベント参加は小学生とその保護者のみと限定した
ホビーアニメないしそのホビーのイベントなども小学生以下を対象としたイベントは多い。



トランスフォーマーはこれらとはまた違った、技術的側面からの「大きいお友達」対策が必要となった事例である。

このシリーズの主力玩具は変形ロボットであり、技術の進歩によって変形前後のプロポーションや可動が充実していったのであるが、それと引き換えに玩具の構造が複雑化の一途をたどり、遊びやすさや耐久性の面から「小さいお友達」の手に余るようになってしまった。
この問題は、名作玩具の宝庫と名高い「トランスフォーマー カーロボット」の時期に深刻化のピークに達していた。

タカラ(当時)はこの問題に対する抜本的対策として、「小さいお友達向けシリーズと大きいお友達向けシリーズへの二極化」を実行、「超ロボット生命体 トランスフォーマー マイクロン伝説」以降のテレビシリーズの玩具を、変形させやすさや丈夫さを重視した「小さいお友達」向けシリーズにした一方で、複雑化を突き詰めた「大きいお友達」向けとして「トランスフォーマー バイナルテック」等の玩具シリーズを並行して進めるといった形で、両者の棲み分けを図った。

変形!ヘンケイ!トランスフォーマー」のように子供向けのニュアンスがありながら大人ファンの人気が出たシリーズがある一方、対象年齢15歳以上の高年齢向け商品である「ジェネレーションズ」のアイテムが児童向け雑誌で宣伝される、なんてこともあるが。



元々「大きいお友達」は、美少女戦士セーラームーンのイベントに来ていたマナーの悪いオタクを声優の久川綾が皮肉ったのが始まりと言われており、同作品のヒットにより一気に増えた。

が、2000年代から所謂「萌えアニメ」が登場し、増大した現在では「大きいお友達」と言われる人は減っているようである。
と思いきや逆にSNSなどの普及でコミュニティができ、オタクであること、大きいお友達であることに抵抗を持たない層が増加している。
後述するが企業なども金づる大きいお友達を歓迎することが増えてきている。
大きなお友達の明日はどっちだ!?



最近では、製作側が少子化で子供向け商品の需要が縮小してキャラクター商品の展開に困り、お金があり、時として「大人買い」を行うことのできる「大きいお友達」も取り込もうとする流れが大きくなりつつある。
あるいは、子供を媒体としてその親世代をも取り込むというマーケティング戦略もある。

例えばプリキュアシリーズは、少なくとも初代においては、女児の他に20~30代男性もDVDの購買ターゲットとして定められていたようだ*4
バリバリの肉弾アニメだからという見方もできるが*5
ただし劇場版のミラクルライトは子供は無料なのに大きいお友達は購入しなければならない。差別だ!
などと思っていると、深夜限定でプリキュアオールスターズ全上映のイベントがあったりした。
こういう需要があることを見越してか、映画公開初日から「レイトショー」を実施する映画館もある。

中には『ジュエルペット サンシャイン』や『プリパラ』のようにやり過ぎて、ネタがおっさんホイホイの域に達してしまうこともあるが。


なお現在は、パターン②の大きいお友達(子供時代に作品を見ていた成人ファン)に向けた商業展開を行っている作品も多い。

特撮界隈では、従来の児童向けと並行して、サイズや再現度を高めた分相応に値が張る大人向け玩具を、リアルタイム世代が成人した過去作のみならず放映中の作品からも発売する等、最早低年齢層に並ぶ明確なターゲットとされている。

プリキュアシリーズも、15周年や20周年を迎えて以降は、小規模ではあるが同様に大人向け玩具の展開も行うようになった。
プリキュアやセーラームーン、魔法少女モノなど女性がメインターゲットの作品の場合、大人向けグッズとしては玩具が発売されることもあるが、変身アイテムを模した化粧品などが商品展開されるケースも多い。


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最終更新:2023年12月01日 19:23

*1 大体高校生以上。

*2 もちろん子供の時から女児向け作品が好きだった男性やその逆もいるため、あくまでも一例。

*3 保護者層にも児童向けコンテンツのファンになってしまうケースは多い

*4 「プリキュアのメインターゲットは4~9歳の女児と20~30代の男性」とする画像がインターネット上で広く出回っているが、有志の検証により、その画像は「DVDの販売促進用ポスター」のものであるらしきことが判明している。「プリキュアシリーズのメインターゲット=20~30代男性」と明記している文献は見つかっていないため注意。

*5 シリーズ開始当初から「少年時代にドラゴンボールに夢中だった父親が娘と一緒に見る」という想定がなされていたとする文献も存在する