デスティニーインパルス

登録日:2012/01/13 Fri 19:47:13
更新日:2024/04/04 Thu 10:23:00
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『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSV』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSV戦記』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』などに登場するモビルスーツ(MS)。


目次





デスティニーインパルス
DESTINY IMPULSE

基礎データ


型式番号:ZGMF-X56S/θ
所属:ザフト
分類:試作機
動力:デュートリオンエンジン
装甲:ヴァリアブルフェイズシフト(VPS)装甲

武装:
MMI-GAU25A 20mmCIWS×2
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ×2
MA-BAR72 高エネルギービームライフル
RQM60 フラッシュエッジ ビームブーメラン×2
ビームシールド発生装置×2
MMI-710 エクスカリバー レーザー対艦刀×2
テレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔×2

特殊装備:
シルエットシステム
デュートリオンビーム送電システム
ミラージュコロイド
光圧推進システム(光の翼)

パイロット:
マーレ・ストロード(1号機)
コートニー・ヒエロニムス(3号機)


機体解説


SEED DESTINY』本編にも登場するインパルスガンダムのバリエーション機の一つであり、「デスティニーシルエット」を装備した状態。
インパルスの装備バリエーションという意味ではカオスインパルス等に近いが、それらがペーパープランに留まっていたのに対しこのデスティニーインパルスは実機の開発・製造までが行われた。
試作製造されたのは四機、その内三機がロールアウトしザフト軍に配備された。

因みに開発はプロヴィデンスザクと同時期だが、アーモリーワンでのセカンドシリーズの試験段階で既に装備案は出ていたらしく、試験の取材にあたったジェスがこの装備名を口にしている。


ベースとなったインパルスが『装備換装によりあらゆる戦況に対応する万能機』をコンセプトにしているのに対し、
本機は『単機単一の装備であらゆる戦況に対応する万能機』というある意味真逆の目標を以て開発された。
これにはパーツ交換による運用コストの浪費や母艦との連携が不可欠という難点を解消する狙いもあったと思われる。

その為インパルスが持つ3つのシルエットの機能を発展・集約した新型の「デスティニーシルエット」を開発。
後にシルエット単体ではその機能を生かしきれないと判明したため、途中チェストフライヤーにも改修が加えられた。
結果、インパルス元来の装備換装による状況適応機能は半ば形骸化してしまったものの、各シルエットの持つ高機動・近・遠距離戦闘能力を凌駕する万能機が完成した。

しかし、発揮されうるスペックこそ高かったものの、元々分離・合体のための精密な構造を持つインパルスの機体にはその過剰ともいえる装備の塊は大きな負担となっており、耐久性の面に不安を残していた。
加えて、ビーム兵器主体の強力な装備群のためにエネルギーの消耗が激しく、一回の戦闘中にデュートリオンビームによるエネルギー補給が2~3回必要という燃費の悪さも問題となった。
結果、デスティニーインパルスの開発は試作四機の製造に留まった。

なお、これらの問題点と運用データをふまえ、耐久性の向上を含めてのボディの新規開発、武装の効率化とNジャマーキャンセラーの装備も視野に入れた新型動力機関の採用等によって完成したのがデスティニーガンダムである。



武装


  • MMI-GAU25A 20mmCIWS
  • M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ
  • MA-BAR72 高エネルギービームライフル
これらはインパルスの装備をそのまま使用している。

  • RQM60 フラッシュエッジ ビームブーメラン
両肘に追加装備されたビーム発振のブーメラン。
型式番号的にはソードインパルスのビームブーメランと同一の筈だが外見はデスティニーの物と似ている。
一方で未だに「ソードインパルスのものともデスティニーのものとも異なる独自のもの」と書かれている場合もあるため、一体どれが正しい設定なのかは不明。

  • ビームシールド発生装置
両腕に追加装備されたビームシールド。
光波防御帯の流れを汲むと思われる。
一時期はストライクフリーダムが装備している「MX2200 ビームシールド発生装置」とされていたが、近年のゲーム等ではデスティニーとレジェンドが装備している「ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置」に変更されている。
……のだが、この時に型式番号の設定がなくなってしまった。別にデスティニーとレジェンドのそれに型式番号の設定がないという訳ではなく、ちゃんと「MX2351」と型式番号が付与されているため、一体何故このようなことになったのかは不明。

劇中ではレッドフレームMJの日本刀を防いだりしている。


□デスティニーシルエット

フォース・ソード・ブラスト計3つのシルエットが持つ特性を同時に発揮できるように造られた新型シルエット。
言うなればザフト版I.W.S.P.である。
一応シルエットシステムの規格に準じているため、シルエット用のコネクタを持つ機体ならデスティニーインパルス以外でも装着することは可能。
しかし多数の機能を詰め込んだ複合装備故のシステムの複雑さから、装備を前提としたプログラムや機体調整を施していなければその機能を十全に発揮させられないため実質専用装備。
ロールアウトした各機体の装甲色が違うのは装備したこのシルエットによって違いが生じた為とされている。
型番のθは8番目のシルエットということを表している。
因みにフォースがα,ソードがβ,ブラストがγである。ガイアアビスカオスを足しても1つ足りない。
セイバー「俺は?」

  • 大型ウィング
シルエットの両サイドに取り付けられた大型の翼。高機動スラスターユニット。
形状はデスティニーの物に近いがこちらの方が若干大きい。
フォースシルエット以上の高機動力を持つ。
デスティニー同様ヴォワチュール・リュミエールを応用した「光の翼」による高速移動が可能らしいが、消費エネルギーが多過ぎてデュートリオンエンジンではまともに使えない。
例え使っても本気で動き回ると機体が耐えきれず分離してしまうとの事。……ヅダ
ダメじゃん…。

  • MMI-710 エクスカリバー レーザー対艦刀
ソードシルエットに装備されている物と同じ対艦刀。
背面のウェポンラックに二本装備されており連結機構も健在。

  • テレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔
ブラストシルエットからの発展型。ミサイルランチャーやレールガン、ビームジャベリンはオミットされ使用時に砲身が伸縮するシンプルな構造になっている。
『ケルベロス』とは異なり手で保持しなくても使用可能。
F91のヴェスバーの様に両腰脇から展開するパターンと、DXのツインサテライトキャノンの様に両肩に載せて展開するパターンの2種類の射撃体勢を取ることが可能。模型作例では前者のパターンが多かったが、最近のゲームなどでは後者のパターンで撃っていることが多い。



機体ナンバリング


◆1号機

紫(ワインレッド)の装甲色が特徴。
実験を兼ねてマーシャンの捕縛任務に使用され、レッドフレームMJと戦闘になるがデスティニーシルエットをプロトセイバーのウィルスで外され、アウトフレームDに奪われた。

パイロット:マーレ・ストロード
元ザフト軍海洋部隊所属。アビスガンダムの正式パイロット。
「白鯨」にやられたのがきっかけで極度のナチュラル嫌いな上に底意地が悪い。
本当はインパルスに乗りたかったためシンを嫌っている。
アーモリーワンの強奪事件で侵入者に撃たれ負傷したが奇跡の復活を遂げ念願叶ってデスティニーインパルスのパイロットに選ばれた。
しかしそのデータがシンの新たな機体に使われる事を彼は知らなかった…。


◆2号機

ザフトレッドを彷彿とさせる赤い装甲色が特徴。
ロールアウト後の詳細は不明。


◆3号機

青い装甲色が特徴。
メサイア攻略戦で活躍した。

パイロット:コートニー・ヒエロニムス
正規軍人ではなく民間の技術者。ドレッドノートガンダムやザク、カオスガンダム等のテストパイロットを務めザフトの兵器開発に長く携わってきた。
コートニーは元のインパルスの装備換装システムに感心を示しており、その特性が薄れているデスティニーインパルスを「これは、インパルスではない」と評している。
余談ではあるが、コートニーはメサイア攻防戦後消息を絶っている……。


◆4号機

4号機が存在していることは判明しているが、それ以外の詳細は不明。



その後、デスティニーガンダムの開発に伴って開発が中断したデスティニーシルエット計画は民間企業に引き継がれ、後述のデスティニーインパルスRへと生まれ変わった。



派生機


◆デスティニーインパルスR(リジェネス)/DIアダガ

型式番号:ZGMF-X56S/ι

民間企業が開発を引き継ぎ、デスティニーシルエットを更に発展させた「デスティニーRシルエット」を装備した機体。

機体はノーマルインパルスに近いがストライカーとシルエット双方に対応し、機体の強度不足を軽減するためコアスプレンダーを廃し一体型MSとして運用する。
最大の懸念点であったエネルギー問題には抜本的な対策は成されてはいないが、作中の活動を見る限りいくらか改善はされている様子。

DIアダガは頭部がモノアイになっているのが特徴。

デスティニーRシルエットにコクピットブロックを有し、こちらが本体となる。
原型機同様のウイングを展開できるだけでなく、独立運用できる戦闘機としても機能し、同様のプラグを持つ敵機に装備することでかつてのリジェネレイトの様にそのコントロールを乗っ取ることも可能。
ストライクやダガーシリーズを配備する連合から見れば、自軍の換装システムを逆手に取られ、実際被害に遭っている(素のストライクガンダムをジャックされ、自爆を余儀なくされた。と言ってもこのケースの場合は、損失はストライク一体だけであり、戦力的な事情より金銭的な被害が主だが)。
武装はウルフスベイン長射程ビーム砲塔が2本に変更。
このビーム砲塔は武装マウントから取り外してロングライフルになり、更には砲身からビームサーベルを発振させて斬撃する事もできる多機能武装となっている。

補足として、デスティニーインパルスR及びDIアダガは無人である
正確に言えばシルエット側に搭載されているAIでMSを操縦しているという事。
テスト出撃した際には、戦闘を吹っ掛けてはMS部分を破棄してシルエットだけが帰還する事が多い。
最終的にはR一機で無数のDIアダガを統率しパイロット一人で集団戦闘を行うことを目的としている。

試験量産されたためにオリジナルのデスティニーインパルスより数が多いうえに、大半がジャンク屋との戦闘によって市場に流れてしまっており、一部を除いてザフトが買い上げて回収しているという設定が付いている。


余談だが、その後デスティニーRシルエットはアストレイノワールに流用され、アストレイノワール本体に機動性を高める調整を行ってアストレイノワールDとなっている(「D」は「デスティニー」の略)。
デスティニーRシルエットの出自は不明だが、のちに量産されていることが判明し、入手・調整はSEED世界屈指の化物組織「一族」であるため、どこかから1機くらいちょろまかす事などさほど難しくなかったのかもしれない。

あるいは後述のインパルスガンダムブランシュとパイロットが同一人物のため、一部では「インパルスガンダムブランシュのデスティニーRシルエットが流用されたのでは?」と言われているが、アストレイノワールDは一族が調整等をしていることが判明しているためその説は薄く、むしろ「アストレイノワールDで使用されたデスティニーRシルエットをインパルスガンダムブランシュが流用した」と考えるほうが納得しやすいだろう(ただし実際のところアストレイノワールDで使われたデスティニーRシルエットの処遇はどうなったか不明である。余談だが、ダンテ生存が判明してしばらくしてから、元のアストレイノワールに戻している)



◆インパルスガンダムブランシュ

『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 天空の皇女』に登場。
白を基調としたデスティニーインパルスR。パイロットはエルザ・ヴァイス。
元々はカイト・マディガンが持っていたデスティニーインパルスRで、機体色が白いのもカイトが「白が似合う」として変更していたもの。それをエルザの上司であるダンテ・ゴルディジャーニからの「借り」で精算して購入した模様。

機体名は「デスティニーインパルスRブランシュ」が提案されたが、エルザが「運命という不確実なもの」を兵器の名に冠することを嫌ったこと、「インパルス」と「ブランシュ」は残すことを望んだことから、カイトが「このタイプに流行っている名前」の「ガンダム」を加えて「インパルスガンダムブランシュ」となった。
デスティニーガンダムとデスティニーインパルスは泣いていい。



立体化


ガンプラ

当初はホビージャパン企画の作例として登場したが、企画を担当した編集者が大河原氏にデザイン画を発注する際に「ベース色は青紫で」と頼んだところ、編集者・大河原氏・プラモデルの作例を担当したモデラーの間で色の解釈の違いが発生し、
  • 編集者が想定していた色→青に近い青紫(後に1/100スケールの作例で再現)
  • 大河原氏のデザイン画の彩色→紫
  • 1/144スケール作例の塗装→赤に近い赤紫(デザイン画の紫を「空気遠近法で青みがかっている」と解釈したため)
と全く違う色になるという事態が発生したため、それを劇中設定に反映させることで上記の1~4号機での装甲色が違うという設定が生まれた。
その後正式な商品化は無かったが、プレバンにおいてMGデスティニーインパルスRが販売された。

RGではプレバンで2022年11月に2023年4月発売が決定。
色は赤に近い赤紫が採用されてはいるが、何号機かは特に示されていない。

ROBOT魂

2016年に魂ウェブで商品化。
1号機ということで色はワインレッド。
ボーナスパーツとしてシルエットとストライカーそれぞれを互換可能にするアタッチメント(アウトフレームのマルチパックみたいなもん)が付属しており、
取り外したデスティニーシルエットを同シリーズのストライカー装備の機体に付けたりその逆も可能であるなど、プレイバリューが高い。
現在でも一般店舗に在庫があったりするので興味がある人買ってみよう。



■ゲーム


◇機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY

1号機と3号機が参戦。
デストロイすら凌駕する本作のゲロビ最強枠で、特に3号機はフルチューン時の威力が全機体中最強の1410×2連装となり、ビームライフル程度の威力なら無効化してしまうという、強力なビーム耐性を持つアカツキのHPをノーチャージで2割持っていくという超性能。その上3号機のSPAは超射撃となっているため、SPA発動時には戦艦もネームドも一瞬で消し飛ばす。その様子はまさに鬼。
1号機は機動性寄りの性能となっているためゲロビの性能は3号機ほど高くないものの、それでも十分な威力を持っている。SPAではエクスカリバーを連結状態のままぶん投げる。ビームブーメランはどうした。
射撃以外の性能も全体的に高めのため、非常に使い勝手のいい万能機としてC.E.73ザフトルートでは重宝されている。特に3号機はSランク、SSランクを取るための強力な味方となる。ただし3号機は先にデスティニーを入手しないと入手できない。

ちなみに3号機が入手できるミッションではシンが「デスティニーシルエットを!」と叫んでくれたりする。


Gジェネ

「OVER WORLD」に3号機が参戦。
インパルスとデスティニーの間に入る形で開発出来る。
性能的には安定しており使い勝手は悪くないが設定通りエネルギーがガリガリ無くなるので突撃は控えたい。
また、武装がビーム兵器ばかりのためビーム耐性持ちは苦手。
逆にビーム・ジェネレーターによる火力の底上げや、ビーム耐性を貫通できるアビリティを持つパイロットを用意してやると強さがガラリと変わる。
シンをパイロットにすると特殊演出が発生する。詳しくはPVにて。

「クロスレイズ」では1号機とリジェネスが参戦。
1号機はエクスカリバーの演出がフリーダム撃墜時のものに似ており、敵機を撃破するとVPS装甲がダウンする演出も追加。
リジェネスはウルフスベイン長射程ビーム砲塔をビームサーベルのように使う演出があるが、武装として使える訳ではないため、接近戦ではフォールディングレイザー対装甲ナイフを使う。
ウルフスベインは特殊属性であるため防御アビリティの類に阻まれることがないというメリットがあり、基本性能もリジェネスの方が上だが、
ビーム偏重の1号機はパイロット側の光学知識・技術アビリティによって強化し易いというメリットがあり、相対する敵機によっては1号機の武装汎用性を重視する可能性も大いにある。
前述のとおりビーム耐性持ちが苦手なのだが、今作には対ビーム装甲を標準装備している鉄血勢が居るためやはりリジェネスに分があると言ったところ




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最終更新:2024年04月04日 10:23