神曲奏界ポリフォニカ

登録日:2009/10/18(日) 14:38:05
更新日:2023/12/06 Wed 09:46:21
所要時間:約 5 分で読めます




元々は「まじしゃんず・あかでみぃ」シリーズの榊一郎と「魔王と踊れ」の神無月昇氏が、ビジュアルアーツ内のOcelotから出したキネティックノベル(ムービーノベル)。
好評だったため、PC、PS2PSPにも移植された。
こちらは「学生編クリムゾン」

小説版はソフトバンク クリエイティブGA文庫より「〇〇・クリムゾン」として出ており、本筋に当たる社会人編・学生編の小説化『クリムゾンS』・学生編の後日談『アフタースクール』からなる。

クリムゾンシリーズからの派生に、
  • ブラック、レオン(大迫純一)
  • ホワイト(高殿円)
  • ぶるぅ(築地和彦)
  • ダン・サリエルシリーズ(あざの耕平)
  • TRPGリプレイ(三田誠)
  • エイフォニック・ソングバード(榊一郎)
がある。後シリーズの番外編『まぁぶる』と単発アンソロジー『ぱれっと』(ダン・サリエルシリーズの初出)もあったり。


◆概要

基本的に
クリムゾンはツンデレ精霊に振り回される気弱な楽士と、先々で起こる大バトル、炉キャラが魅力。

ブラックとレオンは、事件と、それを捜査する過程を細かく描いている。
警察の側と民間の側が描かれ、とても細かい。
推理好きなら一見の価値あり。

ホワイトは、絵から何から少女漫画系。他作品の過去世界を描いている。
腹黒、メイドに興味があれば面白いかも。

ぶるぅは、一応ラブコメ担当。
主人公は自称なんでも屋で神曲楽士なのに神曲や精霊契約が大嫌いな三味線使いのクズニートと、過去に契約を無理強いされそうになったせいで「虐殺精霊」の異名を持つ惨劇の当事者と化した過去を持つドジっ子眼鏡精霊。
ラブコメとは書いてあるものの、今のところラブは殆どない。他のシリーズのがよっぽどあり、裏には「人間と精霊の付き合い方への問題提起」が含まれている。
神曲と契約にいい思い出が無い一人と一柱が、結果的に契約も神曲も使わずやり方や成り行きはアレだが互いのつらい過去を知らないまま仲良く?なるちょっといい話でもあり、ドタバタコメディ好きには読む価値有り?…だけど結局シリーズ作品中唯一未完となっている。

ダン・サリエル作品は、題となっている俺様系天才音楽家と押しかけ超あがり症弟子少女を中心に、
ダンに仕えるドジメイド精霊に弟子の音を好む虎精霊等彼らを取り巻く人々を通して「人に見せる音楽とは何か」を描くライト(?)な作品。

TRPGリプレイは珍しい神曲楽士兼武術家を主人公にしており、作中で描かれた「舞による神曲補助」はエイフォニック・ソングバードでの「鍵」の一つとなっている。

エイフォニック・ソングバードはクリムゾンの後日談で、学園もの。
先天的聴覚障碍者の少女を主軸に、通常の手段で音楽を奏でられない人間でも神曲を振るいうるのかという難しいテーマを扱っている。




◆登場人物
赤は別項

●ブラック・シリーズ/大迫純一著

  • マナガリアスティノークル・ラグ・エデュライケリアス
通称マナガ。
ルシャゼリウス市警精霊課警部補。
身長2m50近い、熊みたいな大男、上級精霊で、黒の始祖精霊「レティアコール」の守護聖獣。
血とか内臓とか解剖とか、グロい物が大っ嫌い。警官としてはだいじょぶなのか?
しかし戦闘は凄腕、荒事も平気。

  • マチヤ・マティア
ルシャゼリウス市警精霊課警部、マナガの契約楽士で、楽器はブルースハープ一つ。単身楽団は使わない。

ルシャゼリウス市警で知らぬ者はいないと言われる名コンビ。

  • サジ・シェリカ
初出はキネティックのブラック。
マナガ達が手掛けたある事件の被害者…というか容疑者の娘。
二人に憧れて楽士を目指し、二人の住むアパートに引っ越して来た。


●レオン・シリーズ/大迫純一著

  • レオンガーラ・ジェス・ボルウォーダン
初出は小説ブラック3巻「トライアングル・ブラック」。
精霊探偵。
若い女性の楽士と短期で契約しては解除し、また契約を繰り返す変なヤツ。
契約した楽士の数は3ケタを軽く上回る。
マティアにも初見で契約を申し込み、マナガに却下される。
過去に契約した楽士の事は全て覚えている上、写真等何らかの形見を持っている。

シェリカは、コイツと契約する…予定。

  • ロレッタ
多分ヒロイン。
探偵事務所の隣りに住む娼婦で、ロリ。
レオンに命を救われた事がある。


●ホワイトシリーズ/高殿円著

  • スノウドロップ
メインヒロイン、通称スノウ。
異世界からポリフォニカ大陸に召喚された人物で、記憶喪失。お嬢様ラブな眼鏡少女。
ひょんなことから白のコントラバス「エターナル・ホワイト」の担い手に選ばれ、世界の秘密に触れ少しだが記憶も取り戻していく。
元の世界にいた時の本名は「シラユキ・トオノ」で、東洋のレディモーツァルトと呼ばれた天才だったが、記憶喪失とメイド暮らしで長い間音楽から離れていたため最初は演奏に苦労していた。
普段はメイドをしているが、剣術家を師匠にしたため武器として刀を使いこなす。
最終巻で、実は死んだ白の始祖精霊「エターナリア」の転生体と判明。後半では完全に精霊化し、お嬢様を看取った後、赤の時代でもブランカと共に過ごしている。

  • プリムローズ・グラナード
スノウドロップの雇主でお嬢様。
普段は清楚だが、スノウが絡むととっても腹黒。スノウ側の愛情が健全な主従百合なら、プリムのそれは半ばヤンデレじみている。
また桃饅頭が好きすぎるあまり、下級精霊「ボウライ」を桃まん型になるよう調教。暇さえあれば傍に浮かせるというスノウも微妙に引くようなことをしている。
スノウとは互いに「孤独」を抱えていたゆえに最後まで相思相愛だったが、終盤ではある事情で敵対してしまうことに…。
楽器はヴァイオリン「炎のデキャンタージュ」

  • エリファス・ブランカ・アルビオーナ
通称ブランカ。
白の守護聖獣で本来は白の狼。
エターナル・ホワイトの精…みたいなもん。
スノウを自身の楽士にするためこの世界に連れて来た張本人なのだが、何となくグラナード家付近に放置するだけにしたせいで楽士ではなくメイドになり、お嬢様に学園でも仕えたかった彼女を強引に推薦入学させた。
なんやかんやありつつも事情を知ったスノウから「かつての契約楽士はもう戻らない」と諭され、彼女と対等なパートナーとして付き合うようになる。

  • リオネイル・フラメル・エリュトロン

赤の始祖精霊の守護聖獣で本来は赤いドラゴンだが、物語開始時には既に絶縁され、柱名である「フラメル」を剥奪されている。
何らかの理由でプリムローズにつきまとい、彼女を「炎帝の娘」と呼ぶ。

ブランカとは深い因縁がある。

白のクライマックスで倒されるも、赤の時代にショタっ子精霊「フラメル」として転生。かつての契約者「炎帝」を失った際の無念やメイドへの恐れを心の奥に秘めつつも記憶を無くし無垢な子供になった。
対となる始祖精霊コーティカルテに拾われ、彼女の楽士にして最愛の男性フォロンを「父」と紹介され、「おとさん」と慕っている。


  • リシュリーティング・ロザ・アメティスタス

通称リシュリー。
紫の始祖精霊…なんだけど、外見も思考もおこちゃま、内気、若干ヤンデレ
契約したい「ジョッシュ」につきまとう「ストーカー精霊」として有名。
迂闊に彼に近付くと雷が降る。最近ジョッシュに許嫁が出来たので余計に酷くなっている。

ただし戦闘になると性格が変り、情けも容赦も無く敵を粉砕する。

ついでに守護聖獣はオカマ…だいじょぶかこのコンビ。

  • セイクリッド・メリディア・ポイニークーン

リシュリーの守護聖獣、本来はユニコーン。
お洒落でどう見ても女、だが中身は男。
良い夢を見せる「夢の精霊」として子どもには大人気。
だがどうあれオカマ。
どうあれオカマ。

  • ミノティアス・オロ・バーリスタン
牛型の精霊、ベルスト。
赤にも黒にも出て来るが、白ラストで「ダンスを踊りたい」という夢を叶えるため形態を変化されておりリカントラ化している。

初出がホワイトなのにフルネームが明かされたのは赤。

通称牛、またはミノティ。



◆用語解説

●神曲
作中でキーとなる、精霊に力を与える楽曲。
神曲楽士が奏でることで発動し、精霊の強化や回復、命令が可能になる。
但し契約等で繋がりを強化していると楽士が他界・または演奏不能になった場合契約精霊が神曲禁断症状で衰弱・暴走してしまう危険をはらむ。
また特に命令系の神曲の場合、「単なる奴隷・使役関係として精霊を束縛するだけでは?」という疑問の声も「ぶるぅ」主人公等があげており、
始原の楽士ダンテが使ったとされる奏始曲「天国変」「地獄変」はまさに危険ドラッグ並みの依存性と強化率を誇るやばい代物だった。
ちなみに命令タイプでも相手の精霊の反応や自分の感情の乗せ方が聞こえないと個人対応した神曲に出来ないため、聴覚障害者は神曲を弾けないとされる。
+ 具体的には
ブラックシリーズでは「かつて生身で神曲を唄えるように改造を受けた女性」がゲスト登場したが、かつて負った大怪我とその時から抱える聴覚障害のせいで本能的に奇声じみた神曲まがいの叫びで原初の精霊的存在のみを呼び集め身体を補う天然の精霊奇兵じみた状態と化し、その「力」で復讐のため凶行に及んでいた。

「エイフォニック・ソングバード」ではヒロインの少女「ウリル・コガムラ」が聴覚障碍者ながら神曲楽士を目指したが、精霊の様子を見るのは視覚で補えたものの演奏がどうやってもうまくいかず、最終的に史上初の「楽士の楽団を率いて踊りで指揮を行う主導者」という変則的認定者となった。
また精霊が神曲を紡ごうとしても、肉体が生の力場の塊のため使えば使うほど寿命を縮めるだけになってしまう。そのため後述する精霊奇兵も神曲行使はかなり難しい。

●精霊
意思を持った力場の塊。
力の総量と羽の数でランク分けが出来る。
下級(2枚)
中級(4枚)
上級(6枚)
の3つ。中級から人間レベルの知性と人格を保有するようになる。
動物型をベルスト、
半人半獣をリカントラ、
完全な人型をフマヌビックとよぶ。
基本人間とは「良き隣人」扱いだが、作中では偏見やその強すぎる力への恐怖に依存への反発、精霊の兵器使用案等様々な事情から反精霊派に回る人間が後を絶たず、精霊側でも僅かだが精霊至上主義者とも言える面々がいる等、結構ギリギリのバランスで世界の安定は保たれている

●始祖精霊
ポリフォニカの世界を形造ったと言われる8本の手を持つ神、もしくは8柱の精霊と聖獣の事。

史実は後者で、8柱各々が色を司り、
、黒、
の8色。

始祖精霊は女性、聖獣は男性である。
計16柱しかいないのに、ストーリーではシリーズを飛び越えてあちこちにぽんぽん出て来る。
というか、旅館で仲居さんのバイトをしてたり刑事やってたりはたまた放浪してたり、もはや神と呼ばれた名残が(ry

●精霊奇兵
精霊と人間を融合させ、強化人間を生み出そうとする禁忌の研究。
殆どのケースでは2つの人格や異なる性質の存在への拒絶反応に被験者が耐え切れず失敗したが、『アフタースクール』にて数少ない成功例が登場。
精霊の性質から神曲こそ使えないものの、その強化された肉体と精霊の一部特質を行使している。但し人格面の安定性を図るためかその人格はどこか機械じみたものと化していた。
また作中では精霊が自らその身を投げ出し人間の命を補うため融合した例があり、こっちのケースでは人格こそ人間側だが同時に精霊の断片的記憶をも有している。
実は始祖精霊クラスなら半分くらいの力を契約者に与えることで自らの人格と存在を維持しつつ人をも生かすことが出来、作中では2組(特異な例も含めると3組)成功例が存在する。

●単身楽団(ワンマンオーケストラ)
一人でオーケストラと同じ音を出せるようにした楽器。昔は小屋くらいあったが今は背負える。
自分の主幹楽器と封音板(レコード)等が収納されており、展開して音楽を弾くと連動して封音板が再生される。

ランドセル型が普通だが、試作型としてバイク型、バギー型等も確認されている。
メイン楽器は問わない。
極論、歌でもおっけー。
ホワイトシリーズの頃は楽器一つで神曲を奏でられたが、クリムゾン・ブラック等では、普通は単身楽団無しでは弾けない。

弾ける人間はほんの一握りの天才のみ。


●異界
ポリフォニカ世界とは異なる異世界。いわゆる現実の地球の事。
ホワイトの時代やその前には稀有な例だが来訪者の到来等が少しだけあり、赤等の現代においても「二ホン由来」の三味線や和風温泉街等、異界から来た文化が残っている。
…そして異界からの最大の産物として、異界では普通のものだったのになぜかこの世界では精霊にのみ悪影響をもたらす「精霊文字」が存在。
ポリフォニカ世界の人類でも「超越者」なる僅かな適格者しか直接記述が出来ない劇物だが、文字を刻んだ道具は普通の人類でも使えるため精霊相手の抑止力として多用されている。

編集追加よろ
というか用語分かんなかったらコメント欄に書いてくれ
頼んだ

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最終更新:2023年12月06日 09:46