モハメド・アヴドゥル

登録日:2012/07/07 Sat 01:55:16
更新日:2024/04/18 Thu 02:52:14
所要時間:約 12 分で読めます





占い師のわたしに予言で闘おうなどとは
10年は早いんじゃあないかな


声優:大塚明夫(ドラマCD)、江川央夫(ゲーム) 、小林清志(OVA)、江原正士(オールスターバトル)、三宅健太(TVアニメ)
出身地:エジプト・カイロ
星座:牡羊座
血液型:AB型
身長:188cm
職業:占い師
好きな色:オレンジ
好きな食べ物:すし
好きな映画:ロバート・デ・ニーロの「ミッドナイト・ラン」
趣味:古書集め
スタンド:『魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)』


【人物】

生まれついてのスタンド使い。
ジョセフ・ジョースターの友人でもあり、彼の頼みで来日し、
留置所に閉じ籠った承太郎を自らのスタンド『魔術師の赤』(マジシャンズ・レッド)を巧みに操って檻から出してみせた。
その後承太郎のスタンドにタロットカードによる占いで『星の白金(スタープラチナ)』と命名している。
(つまり承太郎のスタンド名は友の形見ということになる)
その後は承太郎たちと共に故郷でもあるエジプトへDIO打倒の旅に出発する。

いくつも束ねた髪の毛を逆立てた独特の髪型とガッシリとした強面フェイスが特徴。
初登場時は謎めいた雰囲気を強調するためか怪しい外国人風のビジュアルをしており、初対面の承太郎に「ブ男」呼ばわりされたが、
仲間入り以降は精悍な雰囲気でなかなかの男前である。
長らく年齢は明かされていなかったが 20代後半 であると荒木先生から語られた。*1ちなみに、名前の元ネタはアメリカの歌手、「ポーラ・アブドゥル」。


承太郎と出会う4ヶ月前にエジプトでDIOと遭遇しているが、ジョセフから事前に話を聞いていたこともあり逃走に成功し、
花京院ポルナレフとは違い肉の芽による洗脳を免れている。

生真面目で確固たる意思と行動力を持った人物。
しかしその意思の強さが行き過ぎ頑固かつ短気な一面を覗かせてしまうこともあり、
アヴドゥル自身も自らを「結構熱くなるタイプで、ギャンブルには向いていない」と評している。
年の離れた友人であり、彼とは正反対の柔軟な思考力を持ったジョセフはベスト・パートナーと言える。

ダービー兄とのギャンブルでは承太郎の勝利を信じて自らの魂を賭けたり、ポルナレフを2度に渡り文字通り命がけで助けたりするなど、
普段の落ち着いた態度に隠れがちだが仲間への信頼と思いやりは非常に強い。

また、占い師を生業にしているためか博識であり、謎の多い存在であるスタンドに関する知識も豊富。
ハエの絵を見て種類を言い当てたり潜水艦の操縦も出来たりと、かなり幅広い分野に精通している模様。

ちなみに、大好物はお寿司。
アニメ版では茶道も嗜んでおり、日本文化が大好きな様子。恐らく日本語も(趣味に近い形で)自分で勉強したのだろう。
また一行では唯一本編以前にインドに行った経験があり、乞食の殺到する光景を見て「これだからいいんですよこれが!」*2と笑顔で言い放ったりるなどインドも好きな模様。
日本に限らず、外国の文化全般に興味があるのかもしれない。

旅の途中、インドにてホル・ホースJ・ガイルとの戦いでポルナレフを庇いホル・ホースのスタンド『皇帝(エンペラー)』の弾丸を額に受け死亡。
遺体は承太郎とジョセフに埋葬された。



かに思われていたが…。











バカなッ!死んだはずの!
吊られた男J・ガイルに背中を刺され

死んだはずのッ!

『モハメド・アヴドゥル!!』


YES I AM!


チッ チッ♪

実は奇跡的に致命傷を免れていた*3ため生存しており、『審判(ジャッジメント)』との戦いで再び姿を現し、窮地に陥ったポルナレフを救う。
療養中は密かに特訓していたようで、接近戦ではかなり強い部類である『審判(ジャッジメント)』を圧倒的実力差で圧勝してみせた。
更に療養中はDIOの注意が逸れたのをいい事に、ジョースター不動産の名義で自分がいない間の旅の支援をしていた*4との事である。
頭に銃弾を喰らった影響か療養期間中に心に余裕が生じたのか以前に比べてノリの良い性格になっており、
地面に隠れていた『審判(ジャッジメント)』の本体であるカメオに向かってポルナレフと共に豪快に笑いながらの立ちションで、今までの堅物イメージを完全に吹き飛ばした。
なお、服装がそれまでの占い師らしいローブに近い衣装から、動きやすそうなズボンに変わっている。

その後再びジョースター一行に加わり、目を負傷した花京院と交代する形で旅を続けるが、
トイレでトラブルに巻き込まれ「トイレでの災難はポルナレフの役だ!」とメタ発言っぽく嘆いたり、
ジョセフとガチホモ漫才(まあ『バステト女神』による磁力のせいだが)を繰り広げるなど、やはりコミカルな描写が多くなっている。


ストーリー終盤、承太郎たちを追ってポルナレフとイギーと共にDIOの館へ乗り込み、幻覚のスタンド使い・ケニーGを倒すが、
その直後侵入者の迎撃に現れたDIOの部下ヴァニラ・アイスの亜空間からの攻撃にいち早く気付き、ポルナレフとイギーを庇う。
クリームの能力で両腕だけを残して粉みじんにされてしまい、今度こそ確実に死亡してしまった。

一度死の淵から蘇った男の、あまりにもあっけなさすぎる最期であった。

しかしアヴドゥルによって助けられたポルナレフが最終的にはジョースター一行を全滅させかねない強敵であった
ヴァニラ・アイスを討っており、彼の命懸けの行動がいかに尊いものであったかが分かるだろう。

そしてヴァニラとの死闘を制したポルナレフの前に、同じくポルナレフを守り死亡したイギーと共に幻影となって現れ、
彼を無言で激励しながら天に昇って行くのだった…


【スタンド】




我がスタンドは炎を操るッ!

スタンド名:『魔術師の赤』(マジシャンズ・レッド)
破壊力:B
スピード:B
射程距離:C
持続力:B
精密動作性:C
成長性:D

赤い鳥人の姿をしたアヴドゥルのスタンド。名前の由来はタロットカードの「魔術師」より。
既に30年以上の歴史を持つジョジョシリーズにおいて、初めて名称が判明したスタンド。

外見のモチーフはエジプト神話の太陽の神「ラー」。
更にバンドデシネ作家エンキ・ビラルの作品「ニコポル三部作」に登場するホルスというキャラクター。

タロットにおける「魔術師」は「1」の通し番号を持つ、言わば「始まりのカード」であり*5、暗示も物事の始まりを想起させる物が多い。
主人公の前に最初に姿を表すスタンドのモチーフとしてはまさに打って付けである。
また劇中では炎を操る能力も「この世の始まりは 炎につつまれていた」「始まりを暗示し 始まりである炎をつかさどる」とタロットの暗示に準えて説明されている。

能力

能力は炎を自由自在に発生させて操ること。
アヴドゥルの話によると、生み出す炎は鉄をも一瞬で溶かすほどの強力な火力を誇るらしい。
しかも通常の炎とは大きく異なり、『炎の温度、燃え方などもコントロール可能』で、精密動作性を駆使して特定の部分のみを焼き尽くしたり溶解させたりと小技も効き、炎を様々な形に変化させることも可能と応用力にも長ける。
作中ではマライアの策*6に陥った際、線路上の枕木を一瞬にして綺麗に焼き切っている。
もちろん燃焼の有無も簡単に操れ、敵の全身に広がった炎を一瞬で消し飛ばしたりもしている。
さらに炎を使わずともスタンド像による高い格闘能力も兼ね備えた死角の無いスタンド。
判定にA評価こそ無いものの、能力がB〜C評価で安定しているなど全体的にバランスに富んでいるのも売り。
スタンドにおける「シンプルな能力ほど強い」という法則の代表例と言える。*7

弱みとしては、「炎」は普通の水で消される*8し、スタンドの制御から完全に離れた場合では一般人にも見えてしまう*9点。
だがスタンドですぐに炎をコントロールすればいいだけなので、欠点というほどではない。
また炎を操る能力以外は他のスタンド並みなので、あまりに速い相手や炎が効かない相手、不意打ちを狙う相手には苦戦を強いられる。
劇中では療養期間中に鍛え直し、近距離の戦闘でも引けを取らぬ程にパワーアップした。


しかしその強力さは敵にも知れ渡っており、真っ先に狙われて戦闘不能に陥ることも多かった。

アヴドゥル「解せぬ」

近場だったとはいえDIOも直々にスカウトに向かった実力は本物で、地理に詳しかったとはいえ
すでにスタンドを発現していたあのDIO相手に、夜の闇の中で逃げ切ったのも普通にすごいことである。
なにせ相手は吸血鬼、超怪力・人間を超えたスピード・凄まじい持久力を全て兼ね備えているわけだから…。

  • C・F・H(クロスファイヤーハリケーン)
十字架(アンク)型の炎を飛ばす必殺技。
単純に敵を燃やすだけでなく非常に強く収束され物理的な破壊力も兼ね備えており、これで岩を掘り進んでトンネルを作る事が出来る。
十字架型の炎を分裂させ、無数の炎の十字架をばら撒き弾幕を張るC・F・H・S(クロスファイヤーハリケーンスペシャル)という派生技もある。

  • 赤い荒縄(レッド・バインド)
炎を縄状に変化させて相手を束縛する拘束技。

  • 炎の探知機
6つの炎の揺らぎによって一定範囲内の敵の生命エネルギーを探知し動きを探る炎のレーダー。
炎は生命エネルギーの象徴でもあるため発動できるらしい。
生物の呼吸や皮膚呼吸、動く気配を感じ取ることで前後上下左右にいる生物の存在を探知する。
半径15mまでが探知圏内。その範囲内であればどの方向にどんな大きさの物が隠れているか識別可能。


【名言】

  • イエッサー
  • ヤツが話しかけてくる言葉はなんと心が…安らぐんだ…危険な甘さがあるんだ だからこそ恐ろしい!!
  • 占い師のわたしに予言で闘おうなどとは10年は早いんじゃあないかな
  • ね いい国でしょう これだからいいんですよこれが!
  • 地獄を!きさまに!HELL 2 U!
  • 『魔術師の赤』はゆるさん…だめだね
  • あああーっ これはわたしのイメージじゃあない…トイレでの災難はポルナレフの役だ!
  • これですよこれ!これこそこのモハメド・アヴドゥルのイメージ!こういう役こそわたしのキャラクターです!ハハハハハハ

【未来への遺産】

波動昇龍型のバランスタイプ。
キャラ性能そのものも優秀だが、それに加え後述する「アンクアヴ」という無敵バグ技が存在し、ペットショップと並び今作の最強キャラと言われる。
炎と氷のツートップ、なんか妙に素敵な響きである。

彼のストーリーモードのEDは無事DIOを倒し故郷エジプトに帰る…というものだが2枚のタロットカードで運勢を占うミニゲームが挿入される。
『魔術師』のカードを引けば占い師を再開するグッドエンドとなるが、
『世界』のカードを引いてしまうとなぜか生きていたDIOが背後に立っているというバッドエンドになる。
なぜそんな後味の悪い演出を入れた…まぁ2キャラ居るのにどちらのEDでも絶対に死んでしまう花京院よりはマシだが。

アンクアヴ
「灼熱のアンク」というボタンを押すと地面にクロスファイアハリケーンを置き、離すと爆裂させる設置型飛び道具。
スタンドモードにこれを使うと技の出始めが2秒間無敵になる上に、隙が全体的に少ないので設置後にまた同様のコマンド押せば無敵が上書きされたまま移動できる。
ゲージ消費はハリケーン発動時に消費するのだが、無敵時間中に相手を投げるか地獄の業火を当てると設置していた事がリセットされてしまうバグが発見された。
このバグを利用して無敵状態のまま近づき投げを狙う戦法が横行して、結果的に大会ではこのバグ技の使用禁止どころかキャラ自体の禁止という憂き目にあった

ドリームキャスト版の後期版、Xbox 360とPS3のHD版は無敵時間そのものが無くなった。


【余談】

第7部では彼に似たウルムド・アブドゥルという人物が登場。
馬ではなくラクダに乗りレースに挑み、1stレースでラクダの巨体とパワーを生かしジャイロに襲いかかる。
…しかし返り討ちに遭い、群生サボテンに突っ込んであっけなくリタイアした。

なお、モハメド・アヴドゥルという名前は中東圏ではかなりありふれた名前で、日本で言うところの「山田太郎」「佐藤太郎」…どころではなく、エジプトの大通りで呼びかけたら半数は振り向くレベル。

ところでこの名前のモハメドだが、これは言うまでもなくイスラム教の創始者であり預言者でもあるムハンマドに由来し、出身地であるエジプトも考慮するとアヴドゥルはほぼ間違いなくムスリムであると思われる。
しかしながら作中でアヴドゥルがムスリムを思わせるような行動を見せたことは全くない*10
それどころかイスラム教で禁忌とされる占いを職業としていたりしてあまりムスリムっぽく見えないのだが、この点についてはアヴドゥルがムスリムであることを明言したことあるいは他人から言及されたことは作中で一切ないので、限りなくムスリムっぽい別の何かということで逃げられるのかもしれない。OVAのように回収騒ぎにならなくてよかった*11
あるいは親はムスリムだが本人は後に改宗した、なんて可能性もある。生まれつきスタンドのような異能を持っていた事で、信仰に疑問を感じる機会があったのかもしれない。



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最終更新:2024年04月18日 02:52

*1 ジョジョべラーのインタビューより、実は4部連載時に発売された3部ノベライズの登場人物紹介欄の項目には、「ジョセフ・ジョースターの″若き″友人」と記載されていたりする。

*2 しかもこれ、インドに偏見を持つ一行に対し事前に「素朴な国民のいい国」と言っておいての発言である。

*3 仰け反った体勢で銃弾を食らった為、皮膚と頭蓋骨を少しかすめただけで済んだ。ただし、あの時は完全に気絶してたとの事。

*4 馬車の手配やセスナ機並びに潜水艦の購入など

*5 タロットの通し番号は「愚者」を「0番」=始まりのカードとする解釈もあるが、版によっては「数字の無い(番号に縛られない)カード」として扱う場合もある。「愚者」の暗示も「始まり」ではなく「自由」である。

*6 磁石化能力によってアヴドゥルとジョセフを貨物列車の軌道上に固定し、轢死を回避するためには線路を脱線させて無関係の乗客を巻き添えにせざるを得ない究極の二択に持ち込ませた。

*7 なお劇中でその台詞(正確には「簡単(シンプル)なヤツほど強い……」)を発したのは初戦でこの『魔術師の赤』を相手取った経験のある承太郎。他にも要因は多々あるだろうが、その経験もこの台詞を吐かせた一因なのだろう。

*8 承太郎も蛇口・水道管をぶっ壊して「赤い荒縄」から脱出している。

*9 レストランでポルナレフと闘った際、炎を切り裂かれてテーブルに移された時は店員に「火事だ、火事―っ!」と叫ばれていることから、一般人にも見えていることが分かる。

*10 礼拝、食事など。彼の大好物のお寿司も、普通のものはムスリム的にはNG。ちなみに現在はムスリム用のお寿司が開発されており、ムスリム圏でも食べられる店が増えている。

*11 なおエジプトは中東のイスラム圏においてはトルコなどと並んで比較的世俗的なイスラム教徒が多く数は少ないが占い師も存在した歴史がある。また、コプト教など古くから住むキリスト教徒なども存在する