ハイパー放射ミサイル

登録日:2011/04/29 (金) 16:22:52
更新日:2024/04/20 Sat 15:47:42
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ハイパー放射ミサイルとは『宇宙戦艦ヤマト 完結編』に登場する作中屈指のトラウマ兵器。
コスモタイガーの迎撃を受けても白煙の中から直進し、爆発直前に鳴り響く不気味な音は非常にインパクトが強い。


▽目次

【概要】

旧ヤマトシリーズ最後の敵、ディンギル帝国が保有する戦術兵器。

特殊な弾頭を有するミサイルで、命中直後は爆発せずに高熱を発し、対象の装甲板を融解しながら突き破った上で爆発するその性質は徹甲榴弾*1に近い。
また爆発時には先端部分から、宇宙服を着ていても仮死状態に陥るほど毒性が強い未知の放射性物質を大量に噴出するため、着ていない状態ならばほぼ確実に死亡する*2

ミサイルの名がついてながら誘導性はほとんど無く、本編を見る限りその弾道は「ほぼ直進」しかしていない。ヤマトを行動不能に追いやったトドメの弾頭は、僅かながらに弧を描いてヤマトに向かっているので、全くの無誘導というわけでもないらしいが、回避行動自体は難しくない。
それ故、ディンギル帝国はその欠点を補うかのごとく「目標の迎撃能力を超えた多数による飽和攻撃」「レーダー観測外からの不意打ち」「多数の小型水雷艇による四方からの遊撃」といった作戦で着実に戦果を積み上げていった。

装甲を貫く目的があるためか弾頭の強度も非常に高く、コスモタイガーのパルスレーザー程度では撃墜不能。
ヤマトへの最初の直撃弾に至っては、最も分厚いであろう艦底部装甲を貫通せしめている。
ヤマトとの対比を見るに、ミサイル自体の全長もかなり長い。

人的被害が非常に大きい放射性物質に目が行きやすいが、何より危険なのはたったの2発で不沈艦のヤマトを事実上の撃沈に追い込む爆発力の凄まじさ。
当然他の地球防衛軍の艦には耐えられるはずもなく、作中で同ミサイルの直撃を受けると戦艦クラスでも一発で爆沈している。
ヤマトでさえ、自動操縦で地球には帰還したものの、艦内は死々累々で生存者も全員昏倒(アナライザーもバラバラ)、船体も甚大なダメージを受けており、修復が完了しないうちに次の作戦に向けての航行を余儀なくされている。

ダメージコントロールも無意味に近い一撃必殺の衝撃的な威力から、ファンからはチートミサイルとして恐れられた。



【作中の活躍】

作中冒頭、ディンギル帝国軍の移動要塞母艦より、ワープアウト後のヤマトに対し発射される場面で初登場。
指揮官のルガール・ド・ザール(小説版では「ルガールⅡ世」)に至っては、部下からの「国籍不明の戦艦(ヤマト)」の発見の報を受けながらも、「我らの前に現れる者は全て敵」と断じ即座に攻撃を下令している。宣戦すらない全くの不意討ちにより、ガミラス星視察からの帰路のヤマトを撃沈せしめた。

小説版では、太陽系の各外惑星基地への一斉攻撃の際にも用いられている。
本隊で冥王星・天王星基地を叩く間に、第十一番惑星基地と海王星基地には別動の水雷母艦を1隻ずつ送り込み当ミサイルで壊滅させた。

そしてヤマト不在の冥王星艦隊(小説版では各地から火星に集結させた艦隊)との決戦の際には、本隊はワープにより地球艦隊の波動砲戦法を回避。別動の水雷艇が真横からミサイルを叩き込んだ。

再度出撃したヤマトと駆逐艦隊計7艦との激突時にはヤマトと冬月を除く5艦を撃沈(小説版では10隻中、ヤマトと矢矧・冬月を除く7隻を撃沈)。
小説版では、あまりの猛攻に迎撃も回避もすり抜けてきた直撃コースのミサイルに対し、僚艦が1隻また1隻とヤマトを庇って散っていく様が描かれている。

最後は惑星アクエリアスにてヤマトに対し使用。
しかし、真田さんが開発した「対ハイパー放射ミサイル艦首ビーム砲」にて迎撃され、敗れた。

なお、アクエリアスへの最後の航海に望むヤマトへの追撃、及びデスラー総統率いるガルマン・ガミラス帝国との最終決戦では使用されなかった。
拠点である都市衛星ウルクも既に自壊しており、同ミサイルを搭載した艦艇が残っていなかったのは不幸中の幸いか。
とはいえ、設定上ガミラス艦隊は高機動戦闘を旨とし、ガミラス人は放射能耐性を持つとされるため、仮に使用されていたとしても有効に機能したかは定かではない。


【余談】

  • 小説版では「ハイパー熱核ミサイル」と呼ばれている。核の名前がつくのが映像媒体では問題があったのだろう。




追記・修正は、せめて艦内でも宇宙服を着用してからお願いします。

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最終更新:2024年04月20日 15:47

*1 遅延信管が内蔵され装甲貫通後に爆発する砲弾の一種

*2 艦内での宇宙服着用は、動きを妨げられる事から敬遠されがちだったのも、初期には被害を広げる一因となっていた