Magic the Gathering

登録日:2009/07/20 Mon 07:04:06
更新日:2024/04/16 Tue 23:47:40NEW!
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『Magic the Gathering』とは、1993年8月からWizards of the Coast社*1により発売されているトレーディングカードゲーム
正式表記は原語となる英語では「Magic: the Gathering」、日本語では「マジック:ザ・ギャザリング」。

略記・略称は「 MtG 」「 MTG 」「マジック」「ギャザ」等複数ある。
当記事では正式表記や同ブランドの他のゲーム*2を考慮し、ブランドや世界観は「マジック」、カードゲームは「MtG」と略記する。



【概要】

ウノ麻雀の様なテーブルゲームに、トレーディングカード要素*3を世界で初めて掛け合わせたカードゲームである。
その事から 「トレーディングカードゲームの元祖」「世界初のトレーディングカードゲーム」 とも言われる。

1993年にMtG…そしてTCGの最初のセットである「アルファ(LEA)」、その改訂版である「ベータ(LEB)」を発売。
それぞれ一千万枚ずつを半年かけて売る予定だったところ、初のセットでありながらわずか六週間で完売した。
初発売から30年近く経った2022年時点でも新商品が発売され、手厚いサポートが続いているところからも、人気の凄まじさが窺える。

その魅力は未だ後発TCGの追随を許さないと評される程高度かつ多様な戦略性と、背景設定となる小説や美しいイラストが主。

現在日本国内においては、
  • ライバルとなるTCGの増加
  • 一時期あったブームの終焉
  • 新規参入による多局化
  • 多くのイラストが非日本人向け
  • 「ローテーション*4」の概念が採用タイトルの少なさもあって理解されづらい
  • 一部の超高額カードの存在
などの点で「ハードルが高そう*5」「マニアックなTCG」という先入観を持たれがちである。

しかし実際には、他TCGと比べてもルールの総量こそ膨大だが個々の項で見れば覚えやすい。
比較的見かけてかつ複雑なのは接死+トランプルやスタック、立ち消えの処理など程度。
あとは似たような単語でも「カードを引く」と「手札に加える」、「対象とする」と「選ぶ」は違う処理*6、という辺りまで覚えておけば良し。
ルールが複雑な部分をその都度経験者に聞くだけで十分に適切なプレイができる。

これは
  • ルールが徹底した整備の果てに高い規則性を有している*7
  • 要求予算的問題*8の手前プレイヤー層に大人が多く、相手か隣の人、最悪主催者*9に聞けば回答してくれる
というのが大きい。
また各セット正式発売前*10に、触ったことの無いカードセットでシールド*11を行う プレリリース大会 が開催されている。
つまり「みんな初めて触れるのでメカニズムやシナジーについてなどでgdgdになりながら対戦する」こともある。
実は予算をクリアして妥当なフォーマットを選べば容易に参入可能なTCGであるのだ。

とはいえその予算の壁だけは「遊べる株券」などと揶揄される程にトレーディング成分(≒コレクター需要)が強い手前、中々下がりそうもないのはご愛嬌。
上記のプレリリースは通常2500円、同じくデッキを持っていなくてもプレイできるドラフト系のショップイベントは参加費1000円が基本。
それでもパック購入料金込みと考えれば安いのだが。

後述するビデオゲーム化作品である『Magic: the Gathering Arena(MtGA)』では同一のカードゲームを無課金から手軽に楽しめる。
現在ではそちらから始めてみるのもいいかもしれない。「ワイルドカード*12」のおかげでカードが等価だから高価なカードも簡単に手に入るし。



【カードセットとローテーション】

MtGでは1995年6月発売の「アイスエイジ(ICE)」以降、連続する3つのエキスパンションの組み合わせを「ブロック」と呼称している。
そしてブロックが変わるごとに、物語の舞台となる次元を変えていた。

他のTCGがアニメや漫画などで展開する部分である「物語のストーリー」も、このブロックごとに主役や敵役を変えて展開。
英語版のみだが小説としても順次発売されていた。
一部のストーリーは公式サイトや、公式訳を行なっている人のサイト、カードショップのコラム等で断片的にだが私訳されている。
英語が分からずとも興味があれば読んでみるのも一興。

このセットの区切りである「ブロック」制だが、現在では様々な経緯を辿って変化している。

2015年発売の「戦乱のゼンディカー(BFZ)」以降のエキスパンションは2セット1ブロックで、は大型セット1つに小型セット1つが続く形態へと変化。
10月と1月、4月と7月の組みで発売されるようになり、そして10月頃のセット発売に合わせて後述のローテーションが行われていた。
一時期は4月にもローテーションを行っていたが、環境が早すぎる回転により過度に不安定化。批判が続出したため、そちらは間もなく廃止された。
また古参勢にとってはお馴染みだった基本セットも2015年の「マジック・オリジン(ORI)」を最後に廃止。
これには今まで基本セットが担当していた初心者向け部分を、基本無料ゲームの『マジック・デュエルズ』で代替できていたというのもあった。

が、ストーリーへの絡みが少ないゆえにスタンダード環境への調整役を担えていた基本セットが無くなった事は小さくない問題を起こす。
端的に言うと「スタンダードに必要なカードがエキスパンションの背景世界に合わず再録できない」といった問題が発生。
更に
  • 背景ストーリーでの「ゲートウォッチ*13」の出しすぎ
  • 2セットで一つの舞台を使うことによる物語の高速化
  • これらから来るカード枚数やパワーの差によるスタンダード環境のバランスの歪みすぎ
といった状態に批判が相次いだため、更なる制度変革を敢行。

結果2018年発売の「基本セット2019(M19)」で基本セットが復活。
また「イクサラン・ブロック」後に発売された「ドミナリア(DOM)」からブロック制を廃止。
以後のエキスパンションは大型セットとしてのみ発売するようになった。
1セットに収まらない大作ストーリーや所謂メガサイクルは従来のように2セット以上にまたいで展開・収録するのはそのままである。

さらに2021年以降「夏発売のセットはスタンダードで使える期間が少ない」という問題を解決するため更に着手。
「秋に短期間で2つのセットを発売し、それ以外のセットの発売も速める」という手法を取るようになった。
そのため「イニストラード:真夜中の狩り(MID)」の発売から「イニストラード:真紅の契り(VOW)」発売までは2か月という短期間となっている。
これらセット名でわかる通り舞台が同一でストーリーも地続きであり、事実上2セットブロックが復活したといえるかもしれない。
だたし、これらの後は同じ舞台が連続で続くとは限らない。

なお、2021年は基本セットの代わりに『D&D』とのコラボセット「フォーゴトン・レルム探訪(AFR)」が発売。
2022年も「ニューカペナの街角(SNC)」を代わりとして発売予定。
事実上基本セットは再度廃止されたと考えてもよいかもしれない。

また、これらとは別に不定期で特殊カードセットが発売されることがある。
代表的な特殊セットは以下の通り。

  • マスターズ・シリーズ
人気の高い過去カードを集めた再録セット。2013年発売の「Modern Masters(MMA)*14」が初出。1パック1000円~1500円。
神ジェイスヴェリアナ、《タルモゴイフ》《魂の洞窟》などのトップレアも収録されている。
が、リミテッドの調整なのか微妙なレアもちらほらあったりする。《解放の樹》なんかが出たりして目も当てられないなんてことも…。
2018年12月の「アルティメットマスターズ(UMA)」を以て一段落付いていたが、2020年8月の「ダブルマスターズ(2XM)」で復活。
2022年現在でも時折発売されている。

  • コンスピラシー(CNS)
ルネサンス期イタリアがモチーフの次元、フィオーラを舞台とする多人数戦かつリミテッド戦用セット。2014年発売。
大きな特徴はゲーム開始時から効果を発揮する「策略カード」の存在。
さらには多人数戦で大きな効果をもたらすカードも収録されており、裏切るか利用するかの駆け引きを楽しめる。
2016年には続編である「コンスピラシー:王位争奪(CN2)」が発売。
また、後に特殊なリミテッドのセットとして「バトルボンド(BBD)」「Jumpstart(JMP)」「統率者レジェンズ(CMR)」なども登場している。

  • モダンホライゾン
モダン(とエターナル)にスタンダード(とパイオニア)を経由せず新カードを供給する目的で開発されたセット。通称「モダホラ」。
セラにウルザ、スリヴァーなど古参ファンおなじみのキャラクターやクリーチャー達がカード化されている。
完全新規カードだけでなく《嘘か真か》などのエターナルからの再録カードも収録される。当然全てモダンリーガルとなる。
上記のマスターズ・シリーズ内の「モダンマスターズ」系が担っていた「モダン環境の調整」という役割も受け継いでいる。
その割りにはセット内からモダン禁止が出てしまっているが
「モダンホライゾン(MH1)」は2019年6月に、「モダンホライゾン2(MH2)」は2021年6月に発売された。

  • ミステリーブースター(Mystery Booster)
収録枚数 1815枚 のセット。2020年3月発売。会場限定版と一般流通版の2バージョンがある。
会場限定版ではパックの最後の枠にプレイテストカードが、一般流通版ではのフォイルカードがそれぞれ1枚封入されている。
どちらも全部で121種類。ちなみにプレイテストカードに関してはほぼ後述の銀枠みたいなものである。
元ネタはデュエルマスターズの「ブラックボックスパック」。

ちなみになぜこの収録枚数なかというと、MtGのカードの製造方法が関わっている。
MtGのカードは大きい紙(シート)に印刷した後にカードの形に切り抜いて使用しているのだが、このシートは通常のカード121枚分が印刷される*15
ミステリーブースターでは、この元となるシートを15種類用意。
そしてパックの1枚目には1枚目のシートのどれか、2枚目には2枚目のシートのどれか…といった形で割り当てている。
1パック15枚なので、121×15=1815種類という仕掛け。そのためカード1枚の出現確率は「レアリティに関わらず1/121」で固定。
また、これによってパックの中身は
各色のコモンorアンコモン×2枚
マルチカラーのコモンorアンコモン
アーティファクトor土地のコモンorアンコモン
「基本セット2015(M15)」以前のカード
「基本セット2015(M15)」以降のレアor神話レア
プレイテストorフォイル
で固定されている。
そのため「2手目で回ってきた14枚のカードを見たら『赤のコモンかアンコモンが1枚無い』ので、そのプレイヤーは初手で赤を引いた」が推定できる…
など、ドラフト中の戦略がほぼ筒抜けという超上級者向け仕様だったりする。

  • アン・セット(銀枠セット)
公式大会では使えないカードが収録されたセット。全セットに「Un」から始まる名前(「Unglued(UGL)」など)が付いてる。
収録カードは全て通常の黒枠とは異なる銀枠となっていた
何故公式大会では使えないかというと、ハチャメチャな能力・処理の所謂 ジョークカード を詰め込んだセットだからである。
例としては「 カードパックを買って中のカードを使う 」「 ピンク色のマナ 」「 カードをビリビリに破る 」「 指をトークンにする 」…
そのせいもあってか、厳密なルールに従うと無意味な能力を持つカードもある。クリーチャーの能力であるトランプル付きの火力スペルとか。
とはいえメカニズムの一部は(テキストの修正を経て)黒枠に導入されたりもしている。実は黒枠様の新規メカニズムの導入試験という側面もあるのだ。
上のトランプル付き火力スペルも、後にルールに沿ったテキストで黒枠に導入されている*16

2022年発売の「Unfinity(UNF)」では何とカードが黒枠で収録。これにより「銀枠セット」から「アン・セット」へと総称が変わった*17
もちろん公式大会で使えないジョークカードは収録されており、それらは「どんぐり銀枠*18」と呼称され、旧来の銀枠と合わせ「アン・カード」としている。
…逆に言うとどれだけ効果がハチャメチャに見えてもどんぐり銀枠で無ければエターナルなら使える

  • リマスター・セット
入手困難な過去のブロックからセレクションしたカードを1つのセットにまとめたもの。
過去のカードでリミテッドをするために、現代基準でセット内容を再精査してまとめ直すという側面もある。
MOやMtGAでは下環境に向けての再録の側面が強い。特にMtGAではパイオニア制定に向けての動きも兼ねている。
2015年にMO限定で発売された「Tempest Remastered(TPR)」が第1段。
その後MtGA限定で「アモンケットリマスター(AKR)」「カラデシュリマスター(KLR)」が発売。
そして「時のらせんリマスター(TSR)」ではテーブルトップ版(=紙版)も発売された。

【現在のスタンダード】

スタンダードとは、現年度とその前年度のエキスパンション及び基本セットに収録されたカードのみが使用できるフォーマット。
セット数で言えば最新5~8セットが使用可能
他TCGでは「レギュレーション」などとも呼ばれる区分けである。
MtGの基軸を成すフォーマットであり、大会も多く開催されている。

2022年現在ではセットの発売時期は2、4、9、11月頃の年4回。9月頃のセットの発売が年度初めとカウントされる。
そして年度初めと共に前々年度発売の4セットが使用不能*19となり、スタンダードのカードプールは最新5セットに狭まる。
その後セットが発売されると使用可能セットも6、7、8と増え、秋に再度ローテーション。
これを繰り返している。

2023年9月の「エルドレインの森(WOE)」以降は使用可能セットが3年/12セット+αに伸びるとアナウンスされているため、2023年9月にはローテーションによるスタン落ちは発生しない。

  • 現行(2023年8月まで)のスタンダード
イニストラード:真夜中の狩り(2021年9月発売)
イニストラード:真紅の契り(2021年11月発売)
神河:輝ける世界(2022年2月発売)
ニューカペナの街角(2022年4月発売)
団結のドミナリア(2022年9月発売)
兄弟戦争(2022年11月発売)
ファイレクシア:完全なる統一(2023年2月発売)
機械兵団の進軍(2023年4月発売)
機械兵団の進軍:決戦の後に(2023年5月発売:スタンダード使用可能な特殊セット)
これがMtGにおけるローテーションである。
他の採用TCGはデジタルを含めても有名どころは『ポケカ』や『ハース』『シャドバ』程度という、あまり採用されていないシステムでもある*20

以下に実例として、2021年8月から2022年9月に起こったカードセット追加やローテーションの動きを示す。

  • ローテーション前(2021年7月~8月)のスタンダード
エルドレインの王権
テ―ロス還魂記
イコリア:巨獣の棲処
基本セット2021
ゼンディカーの夜明け
カルドハイム
ストリクスヘイヴン:魔法学院
フォーゴトン・レルム探訪
  • 2021年9月ローテーション
エルドレインの王権←ローテーションにより使用不可
テ―ロス還魂記←ローテーションにより使用不可
イコリア:巨獣の棲処←ローテーションにより使用不可
基本セット2021←ローテーションにより使用不可
ゼンディカーの夜明け
カルドハイム
ストリクスヘイヴン:魔法学院
フォーゴトン・レルム探訪
イニストラード:真夜中の狩り←NEW!!
  • 2022年4月~8月のスタンダード
ゼンディカーの夜明け
カルドハイム
ストリクスヘイヴン:魔法学院
フォーゴトン・レルム探訪
イニストラード:真夜中の狩り←2021/9追加
イニストラード:真紅の契り←2021/11追加
神河:輝ける世界 ←2022/2追加
ニューカペナの街角←2022/4追加
  • 2022年9月ローテーション
ゼンディカーの夜明け←ローテーションにより使用不可
カルドハイム←ローテーションにより使用不可
ストリクスヘイヴン:魔法学院←ローテーションにより使用不可
フォーゴトン・レルム探訪←ローテーションにより使用不可
イニストラード:真夜中の狩り
イニストラード:真紅の契り
神河:輝ける世界
ニューカペナの街角
団結のドミナリア←NEW!!


このローテーションによりスタン内セットに再録されなかったカードがスタンダードの公式大会で使用できなくなることを、俗に「スタン落ち」と呼ぶ。
より汎用的には「ローテ落ち」もしくは単に「落ちる」とも言う。

ローテーションの無いTCGと比較され批判される事もある。
が、それらのTCGでも公式大会の場ではメタゲームの変遷に従い、3年も4年もキーカードが同じデッキを使い続けることはまず無い。
そのため、実際の内情の大差は無いに等しい。
また、これがスタンダード環境のインフレのある程度の抑制やカード資産格差の解消、つまり環境のパワーの安定へ貢献している面もある。
そしてウィザーズにとっては新しいカードを買わざるを得ない状況を作り出せるため、懐が温まる
とはいえ、これが初心者の参入障壁を高く感じる一因になっている事も否めないが…。

ローテーションにより適宜購入する必要はあるが、スタンダードのデッキの構築費用は他TCGと比べて著しく高額とも言い切れない。
勿論、その時の環境に左右される面はある。

ちなみに使用可能カードに関しては「どのセットに収録された物であれ、名前が一致しているのなら、そのフォーマットが禁止しない限り使用可能」
ローテーションに合わせて全カードを最新セットのものに更新する必要はない。
例えば《進化する未開地》というカードがある。
これは2023年10月頃のローテーションまでスタンダードで使用可能なセット「イニストラード:真夜中の狩り(MID)」に収録されている。
だが、このカードはそれ以前のセットにも何度も収録されているのだ。
初出の「エルドラージ覚醒(ROE)」収録のものでも、「イクサラン(XLN)」収録のものでも、特殊なレイアウトの枠を持つ「フォーゴトン・レルム探訪(AFR)」のものでも、もちろん「イニストラード:真夜中の狩り(MID)」収録のものでも、とにかく《進化する未開地》という名のカードであれば使用可能。

そのため「昔から持っているから」と旧枠版カードを使用したり、逆にとにかく最新版のカードで揃える等といった自己表現の手段にもなる。
もちろん好きなイラストで選んでもよい。

特に基本土地は各セット毎に3種類以上入っている事からイラストの種類も非常に多い。
そのどれかに統一したりだとか、次元ごとに統一したりとか、一部で限定販売されたレア基本土地*21を使う人も多い。

もちろんスタンダード以外のフォーマットでもこのルールは遵守されている。
「全て旧枠のモダンデッキ」「全て新枠orM15枠のレガシーデッキ」なんてのもその気になれば組める。

カードの言語もこの「どのセットに~」の範疇であり、日本語版と英語版を混ぜて使っても問題ない。
極論59枚日本語の中に1枚だけフランス語版や簡体字中国語版を挿しても良いのだ。日本語名あるのに英語名でばかり覚えられてるカードもあるし
ただ流石に日英以外の言語のカードを日本で使うと、読めないため相手に嫌がられる可能性が高い。
基本日英の二言語以外は使わない方がプレイ面では安全である。海外客も来るグランプリ以上の公式大会に出ようと思っている人は英語版統一が理想。
「どーしても日本語版と英語版だけじゃ揃わない!」という場合、日本語版のオラクル*22を書いた紙を用意するといい。
そのうえで「これはこういうカードです」と、出したカードに重ねて使うのが望ましい。

先述したようにMtGの基軸に据えられているフォーマットだけあって、公式のプッシュもアツい。
カードプールの狭さと新しさに由来する必要予算の低さと、覚えるべきカードの少なさから初心者にも勧めやすい。
メタゲームが回転しやすい分、地味に予算が掛かることもあるけど。
ただし大会が多いぶん、賞金が掛かる「公式大会」は海外からの出稼ぎ客まで集う魔境である。
その点を嫌うプレイヤーにはあまりオススメされない。
もちろんショップレベルの「公認大会」であれば魔境とまでは行かない。
が、公式大会直前の大手ショップのイベントでは魔境レベルのプレイヤーが集まることもあるので要注意。
金曜夜に多くのショップで開催される「フライデーナイトマジック(FNM)」は割とカジュアル目な公認大会なので、この辺りを足がかりにしてみよう。
ただ2020年10月頃までの1年間は禁止カードが頻出して色々と大荒れだった
以降もMtGA参入による環境解析の高速化やメタの固定化、アグロ志向でカードプールが大味気味だったり…など近年は風当たりが強め
まぁTCGではよくあることだと思って慣れよう


【スタンダードの先】

先述のローテーションにより、お気に入りカードがスタン落ちしてスタンダードでは使えなくなった…というのは良くあることである。
そういったカードを使い続けたい人向けに、スタンダードと別にローテーションの無いフォーマットが存在する。
通称「下環境」。

以下に代表的なものを挙げる。

公式サポート中フォーマット

  • パイオニア
「ラヴニカへの回帰(RTR)」(2012年10月発売)以降のエキスパンションと基本セットに収録されたカードが使用可能。
「スタンとエターナルの中間であったモダンが、セット増加に伴ってエターナルに寄りすぎ、その役割を担いきれなくなってきた(要約)」
という状況を受け、モダンとスタンダードの中間として公式に制定されたフォーマットである。
禁止カードについては制定された2019年の間は調整の意味も兼ねて毎週更新されていた。
その後2020年から本格始動。同年2月のプレイヤーズツアー(旧プロツアー)やグランプリからは公式大会でも採用されている。

  • モダン
「第8版(8ED)」(2003年7月発売)以降の基本セットとエキスパンション、そして「モダンホライゾン」系に収録されたカードが使用可能。
カード枠(フレーム)のレイアウトが所謂旧枠*23から新枠へ変わった部分が区切り。
2011年5月からの試験運用の後、同年8月に制定されたフォーマットである。
禁止カードの選定基準は「安定して3ターンキル」が出来るか否か。
再販が少なくかつ4積みされやすいカードともなれば1枚1万を余裕で超えるが、エターナルと比べればそれでも遥かに安上がり。
上述のパイオニアの歴史が浅い事もあってか、フォーマット別で見たプレイヤー人数は多い方。

  • レガシー
一部の禁止カードと使用不可カード以外、MtGのカードとして印刷された全てのカードが使用可能。
他タイトルで言えば『遊戯王OCG』の大会ルールや『デュエマ』の「アドバンス」に近い。
2004年9月20日に後述のタイプ1.5と置き換わって制定されたフォーマットである。
禁止カードの選定基準は「安定して2ターンキル」が出来るか否か。
ここまでくると再録禁止カード*24の多用からデッキが札束化、盗まれようものならほぼ社会問題になる。
とはいえ、莫大な予算を要求されるのはTier1デッキを組もうとする時くらい。
仲間内で遊びたいとか公認大会に出たいぐらいのデッキであればそれなりに安価で組めたりもする。
調べたら安価なデッキレシピ等も紹介されているので参考にすると良い。
日本では割と人気のあるフォーマットなため、平日大会の開催頻度も高め。だが実は海外では不人気なフォーマットだったりする。

  • ヴィンテージ(2004年9月19日まではタイプ1)
MtGであることを放棄しているようなヘンテコカードと使用不可カード以外の全てが使用可能。
1デッキに1枚しか入れれないの制限指定のカードはあっても、カードパワーを理由に禁止されたカードは現在存在しない*25
真の魔境なフォーマットである。使用可能カードの種類数も公式フォーマットで一番多い。
デッキが 同じ厚さの1万円札より高い のも珍しくない。
安物のデッキですら「60枚中必須級の9枚(所謂パワー9)だけで1枚数百万+残り51枚も1枚3万程度の取引」=デッキ一つで車が買えるレベルは当たり前。
全て美品で揃えようものならば豪邸が買えてもおかしくない。
もしカードの盗難等があれば大問題必至なため、大会には当然の如く警備員が配置される。
ただプレイヤーによっては自分が見ている所であれば沼へのご招待とばかりに気軽にデッキを貸してくれたりする人も多い。
こんな状態なので「新規参入があまりにも少なすぎる」という理由もある。

おかげでデッキ一つで時価数千万円・顔見知りによるデッキ強盗殺人が発生…などの事例もある。
ここまで来るとやるプレイヤーの方も壊れており、
「一度組めれば制限カード改定の回数がレガシーより少ない(=1つのデッキをそのままでより長く使える)分逆に安い」
「仮にP9買っても売ればそれ以上の値段で帰ってくるから資産に計上できる」

とか言い出す始末。
もはや億万長者が資産目当てで購入する芸術品、「遊べる株券」と揶揄されるのもむべなるかな。
その性質上、Tier1デッキの複数所持は相当難しく、名前だけで使ってるデッキを特定されるのもほぼ当たり前になる。
「Aさんは【エルドラージ】、Bさんは【オース】、Cさんは【サルベイジャー】」とか試合前に分るのもザラ。

なおレガシーとヴィンテージはこれまで時折言われていた「エターナル」に分類され、収録セットによる使用禁止指定が無い*26
この分類方法は2011年以前は強さの指標となる「レーティング」が別部門集計だった名残である。
全フォーマット合計『オーバーオール』の他、「スタンダード&エクステンデッド(廃止済み)&ブロック構築(廃止済み)」の『構築』、そして「レガシー&ヴィンテージ」である『エターナル』*27と分かれていたのだ。*28
そこから転じて収録セットによる使用禁止指定が無いフォーマットを「エターナル」、そのカードプールを「エターナルプール」と呼称する事もある。
現実での参戦が厳しいぶん、どちらもデジタルである『Magic Online(MO)』上では非常に人気の高いフォーマットになっている。

  • ヒストリック
MTGA限定フォーマット。
MTGAでリリースされている殆どのカードが使用可能だが、アルケミーで調整を受けたカードに関しては調整後が用いられる。2021年10月時点では概ね「カラデシュ」以降+α*29が使用できる。
現状はパイオニアとスタンダードの中間のようで少し違うカードプールが楽しめるフォーマットになっている。
が、このフォーマットはアリーナで実装されているカードが全て使える都合上、 過去へも未来へもカードプールが拡充される 特殊な形式になっている。
当面はまずパイオニア範囲を全て含むようにカードプールを拡充していく予定とのこと。

  • タイムレス
MTGA限定フォーマット。
「ヒストリックのパワー基準に合わず禁止されたカードも使用可能にする」というコンセプトで創設されたフォーマットで、文字通りMTGAでリリースされているすべてのカードが、もちろんオーコであっても使用可能。
この名目を守るため、問題のあるカードはヴィンテージと同じく制限カードという形で規制される。
ヒストリックと異なり、紙に存在するカードは調整版があっても紙のままの性能となる。

こうなった理由は、「タルキール覇王譚」をMTGAに実装するに伴いフェッチランドもそのまま実装することになったこと、リミテッド再現のためにそのまま実装されたボーナスシート枠がヒストリックで事前禁止される例が複数生じ、それらのカードを使える場所が極めて限られていたことが主。

禁止されていない、コモンで収録されたことのあるカード全てが使用可能。
カードプールの元こそエターナルだが、コモン限定なためかイベント規定上では構築にもエターナルにも含まれていない。
元はMOなどで非公式に扱われていたが、テーブルトップでプレイする人も多かったため2019年6月28日に公式化したフォーマット。
たかがコモンと侮るなかれ、MtGの長い歴史上コモンでもパワフルなカードはかなり存在する。
実際にそのゲーム速度はレガシーにも匹敵する。
安上りで熱い勝負ができるとあってMtG初心者でも参入しやすく、変わった勝負がしたい通な上級者にもおすすめ。
他では全然目立たないあんなカードやこんなカードが、意外な活躍をすることもしばしば。
で、ごく一部はコモンの癖に高騰した。
詳しくは当該項目参照。

  • アルケミー
MtGA限定フォーマット。
スタンダードのカードと、「再調整」が行われたカードとアルケミー専用のカードセットが使用可能。
「再調整」されたカードは《A-○○》と表記され、通常版は使用できなくなる。
テーブルトップでは不可能な挙動をするカードが多数追加されることや、スタンダードに準拠したローテーションが存在するのが特徴。
このフォーマットの追加によって
アリーナ独自:アルケミー、ヒストリック
テーブルトップ準拠:スタンダード、エクスプローラー(後述)
という形で大まかに定義されるようになった。

  • エクスプローラー
MtGA限定フォーマット。
パイオニアのカードプールが揃うまでの代替フォーマットであり、MtGAに実装されているパイオニア範囲のカードが使用可能。
ヒストリックとの違いはアルケミーで調整されたカードが成分無調整で使用可能なこと。
過去のカードの追加は
過去のブロックを1セットに纏めた「リマスター・セット」
よく使われるカードをセットにした「エクスプローラー・アンソロジー」シリーズ
の2つで行われる。

要するにMtG版バトルロイヤル。
公式とも非公式とも言い切れないが、一応「公式大会では扱わないが公認大会としては開催可能」と公認ではあるカジュアル変種フォーマットである。
多人数戦としては最もメジャーで、公式でもよくフィーチャーされる。
日本国外では欧米圏を中心に通常構築(≒スタンダード~ヴィンテージ)を差し置いて人気。
ルールは非常に独特なので、該当項目参照。禁止カードはレガシーに近い特有のリストを使っている。
更に変種フォーマットとして
最初から1VS1の「デュエルコマンダー」
土地以外の各マナ総量3マナ以下&メインデッキ50枚の「タイニー・リーダーズ」
上記と逆に5マナ以上の「ヒュージ・リーダーズ」
スタンダードプール&デッキ60枚の「ブロール」
プレインズウォーカーとインスタントorソーサリーのペアを統率者として指定する「オースブレイカー」
など多種多様に存在する。

  • 双頭巨人戦
2VS2のチーム戦。正確にはフォーマットというよりは対戦形式に近い。
手札やクリーチャーは共有しないがライフは共有(=頭は2つあるが体は1つ)。故に双頭巨人。
呪文や能力の対象に味方を取ってフォローするプレイも可能。
デッキも「同名のカードは片方のプレイヤーしか使えない」ため、いかに色を被らせる事なく役割を分担出来るかがキーポイント。

  • 3人チーム戦
こちらはAはA、BはB、CはCと1VS1を3人で分担し、2勝した方がチームとして勝ちという形式。
国別対抗戦のワールドマジックカップで毎年使われていた。
3人が同一フォーマットのパターンと、スタンダード+モダン+レガシーの2パターンが有る。
3人が同一フォーマットの場合、双頭巨人戦同様に同名のカードは1人しか使えないというルールが存在。
そのため、チームスタンダードやチームモダンではどのデッキにどれを入れるのかが非常に悩ましい。
スタンダードはデッキの選択肢自体が少なく、またその選択肢内で同じカードが使われている事が多いためである。
モダン以下では多色デッキが多いので、フェッチランドの配分が重要になる。

  • モミール・ベーシック
《Momir Vig, Simic Visionary Avatar》という特殊なカードを用いて行うMOのフォーマット。
Momirは1ターンに1度、任意のマナと手札1枚をコストに支払ったマナと同等のマナ総量*30を持つランダムなクリーチャーのトークンを生み出す。
デッキに入れられるのは基本土地のみで、Momirの能力を起動することで生み出されるクリーチャー達を使って相手を倒す…
…という一見するとかなり地味なフォーマットに思えるかもしれない。
しかしMomirによって生み出されるクリーチャーは古今東西、これまでのMtGで生まれたあらゆるクリーチャーからランダムに選ばれる
そのためヤバすぎるデメリットを持つクソクリーチャーを引き当てての悶絶や普通なら見向きもされないクソクリーチャーが大化けしたり…
と、このフォーマットにしかない中毒性を秘めている。

特に「7マナで起動して《触れられざる者フェイジ》を引き当て即死*31」というのはあるある過ぎるネタ。
あと「一生1/2から成長しない《タルモゴイフ》」なんてのも*32
ストレージからクリーチャーをかき集めてコスト毎に分別すればテーブルトップでも一応可能だが、完璧なプレイにはやはりMOでのプレイが望ましい。

リミテッド部門

両者共に公式フォーマットである。

  • シールド
基本は未開封のカードセット6パックをその場で剥き、それに基本土地を合わせてメイン40枚以上のデッキを作る形式。
基本土地に関しては氷雪土地と《荒地》こそパックから出てきた物に限るが他は何枚でも外部から入れられる。
またパックから出てきたなら、基本土地以外にも通常構築にある4枚制限が適用されない。
最も運要素が強く、通常6枚の(神話)レア枠から何枚「出たら勝ち」と言えてかつ使える色のカードを引くかの勝負と言っても過言ではない。
レア枠から《機知の戦い》*33とか《無限への突入》*34とか、Foil枠*35から基本土地が出たら泣くしか無い。全部喰らったことがある人もいる
全員同じカードプールで構築する「デュプリケイテッド・シールド」
12パック剥いて40枚以上で構築する「スーパー・シールド」
等、こちらも変種が豊富。

  • ブースター・ドラフト
剥いたパックから1枚取る→取らなかったカードを隣の人に渡し、逆の隣の人からカードを受け取る→渡されたカードの束から1枚取って隣に回す→…
を3パック分行って*36計45枚をピックし、それと基本土地で40枚以上のデッキを作る。
カードプールの作り方以外のルールはシールドと同様。
自分が取らなかったカード、人から回ってきたカード内容から他の人のカードカラーを予測できる。そのため戦う前から戦略が渦巻く。
プロ曰く「一番MtG力が問われる」との事。
シールドより多いパック数*37から自分が必要としやすいカードを選べるため、同じパック数でのシールドよりデッキのパワーが高くなりやすい。
基本的には卓内で協調して全員のデッキを強くしようとするのだが、どこで裏切って人にカードを使わせないかという点まで勝負内容。
ちなみに大会出禁世界王者である渡辺裕也は「45枚全カードのピック順とピック方針、何枚目で何と何の2択で迷ったか」をすべて記憶しているとか。
変形版に
本来やらない組み合わせ*38でブースター・ドラフトする「カオス・ドラフト」
一定のカードプールから15枚を引き抜き、それをパック代わりにする「キューブ・ドラフト」
が存在する。
前者はほとんどのグランプリのサブイベントとして定着。
後者も非公式な方式でありながら世界選手権で使われたことがある。
またMOでは パワー9と十手と神が飛び交う お祭りイベントである「ホリデー・キューブ」が年末に恒例行事として開催されている。

非公式フォーマット

+ ...
  • カジュアル
お互いの承諾の元でなら何でも使用可能。要するに話し合いで決めるフォーマット。
ローテーションに一切影響されないのと色々信用が揺らいでいる故、初心者はスタンダードよりもこちらの方が良いと主張する人も近年増えつつある。
当然の事ながら公式ではなく、また行き過ぎると0キル1キル上等となりかねずその線引きでもこれまた揉めやすい。

大体は4枚制限はあり、禁止カードはヴィンテージ準拠、ヴィンテージ制限カードを一部解禁というルールに落ち着くと思われるが、これすら取り払ったパターンは TYPE0 と呼ばれる*39
4枚制限を廃し「コンスピラシー(CNS)」の策略カードまで組み込んだTYPE0デッキともなれば、 先攻取った人の勝ち レベルのパワーを有しうる。

非公式フォーマットの中では(カジュアルを除けば)最もメジャー。
簡単に言えば「1基本セット+2ブロック」を任意に選択して構築する。
昔のスタンダードで輝いたカードを活躍させやすいという層を中心に人気。
地味に公式でも似たルールが採用された事がある。詳しくは該当項目参照。
ブロック制が廃止された以降は「任意1基本セット+2ブロック」ではなく「当時のスタンダードで組めたデッキ」を基準にしている模様。

  • フロンティア
MtG界隈の大手カードショップ「晴れる屋」と「BIG MAGIC」が共同提案し、パイオニアの制定までその立ち位置にあったフォーマット。
モダンに倣い、基準となるカード枠が再び変更された「基本セット2015(M15)」以降のエキスパンションと基本セットが使用可能。
2019年10月時点で禁止カード、制限カードが存在しない。
そのため金玉宝船の巡航》と《時を越えた探索》を大手を振って使える。
「イニストラードを覆う影(SOI)」の墓地落としが併用出来る事も含め、結構えげつないデッキが使用可能。
《血染めの月》が無い上に友好色フェッチランドが使える事もあり、3~4色デッキを遠慮なく事故も気にせず使えるのも魅力。
前述したようにパイオニアの制定を受け、2019年10月を以て大会開催は終了した。

  • オールドスクール
「リミテッド・エディション(1ED)」の「アルファ(LEA)」「ベータ(LEB)」
「アラビアンナイト(ARN)」「アンティキティー(ATQ)」「レジェンド(LEG)」「ザ・ダーク(DRK)」…
これらで 英語版として印刷されたカードのみ使用可能 という鬼畜縛りフォーマット。
使用可能セットに「アンリミテッド・エディション(2ED)」や「フォールン・エンパイア(FEM)」を加える場合もある。
また、他言語版や「コレクターズ・エディション」を容認する例も多い。というかそうでもしないと組めない人が多すぎる。
現在は「再販でも良いけど絵は最古のセットの絵でかつ旧枠のやつ(例外2枚あり)」なら使用可能というルール(CFBルール)が主流の模様。

禁止・制限カードは主催者にもよるが黎明期のヴィンテージのそれに近い。
そのためアンティ関連のカードや《Chaos Orb》などのMtGである事を放棄しているカードが使えてしまうことも。
原形ルールはプレイする以前にそのためのカードを揃えられないという完全な神々の遊び。
だが、CFBルールならデッキを選べば現実的な金額で参戦できる。
なおゲーム自体は意外にもスローペースで進む。カードプールの関係でコンボパーツがほとんどなく、クリーチャーの質もそこまで高くないことが主因。

  • ミドルスクール
上述の「フォールン・エンパイア(FEM)」より後に発売された「第4版(4ED)」から旧枠最後のエキスパンションとなった「スカージ(SCG)」までとポータル・スターター系列のカードが使用可能なフォーマット。カードプールとしてはモダンとオールドスクールの中間であり、廃止されたフォーマットである「エクステンデッド」の第二期のカードプールに近い。そのため、禁止カードも当時のエクステンデッドに近いものとなっている。なお、使用するカードそのものには制限はなく、イラスト違いだろうが新枠だろうが使用可能。
いわゆる「昔のマジック」という意味では日本においてはオールドスクールよりもこちらの環境が馴染み深いだろう。大半のカードが安上がりなのも長所。

  • 旧枠モダン
旧枠時代初出かつモダンリーガルのカードのみ使用可能 *40なフォーマット。
ぱっと見レガシーかヴィンテージなのに実はモダンという不思議な感覚が味わえる。
何気ないコモンが再録されてモダンリーガルになるだけで激震が走る など意外と奥深い(?)のかもしれない。
日本発祥であり、通常のモダンよりも安く参入できることもあってカルト的な人気を集めつつある。
「モダンホライゾン」系をモダン以上に注視しているだろうフォーマット。

  • α40(アルファ・フォーティ)
「リミテッド・エディション(1ED)」の「アルファ(LEA)」のカードのみ が使用できるというオールドスクールをも超えるイカれた世界のフォーマット。
デッキ構築や一部対戦ルールも異なり、「下限40枚」「同名カード4枚制限なし」「フェイク・アンティあり」「マリガンなし」「先攻ドローあり」辺りが新鮮なルールだろうか。
一応「ベータ(LEB)」と「アンリミテッド・エディション(2ED)」を使ってもよい(が、アルファで欠落している2枚は禁止)というルールもあるが、どっちみちオールドスクールよりも参入障壁の高い天上人の遊びなことに変わりはない。

  • Penny Dreadful
MO限定フォーマット。
MOにおいて0.02tix(=2セント≒2.8円)以下で手に入るカードのみが使える超安上がりフォーマット。
カードプールが目まぐるしく移り変わる*41ため、デッキを組むにはPD公式のカードプール一覧とにらめっこする必要がある。
各フォーマットを出禁となっている伝説の出禁カードである《宝船の巡航》と《ギタクシア派の調査》ですら2023/8月~9月シーズン*42の値段が0.02tix故に使用可能だったほど。
他フォーマットに比べると圧倒的に安い為、じわじわ人気を延ばしている模様。
もともとは0.01tix以下だったのだが「イコリア:巨獣の棲処(IKO)」が追加されたシーズンで、0.01tix以下のカードが5000枚を下回る事から2倍になった。
それでも高くて1枚3円程度で買えるため、この上なく揃えやすい。
あと「パワーカードがPDで使えるようになる→みんなが買おうとする→値段が高くなる→カードセット追加によるプール変更時に0.02tixを上回って使用不能になる」というメタによるローテーションが発生する面白い傾向がある。

  • タワーマジック
所謂カジュアルでしか出来ない、MtGの原則ガン無視フォーマットでは一番メジャーだろうフォーマット。
適当に作った数百枚(枚数は適当)、土地抜きのデッキを共有ライブラリーとして使用。
マナはデュエマのように「全カードをその色のマナが出る土地として使える」「多色カードを土地として使う場合はタップイン」というルール。
共有ライブラリー故にサーチカードは最初から抜いておいた方が無難。特に「土地を持ってくる」系のカードは何を持ってくるんだという話になる。
プール構築の感覚はキューブ・ドラフトに近く、ちゃんとバランスを考えてタワーを作ると意外に面白いとか。
シールド戦の後に、6パック分をタワーにするってのもあり。
もっとカオスにするなら「メンタルマジック」というルールもある。これは手札からプレイするカードをマナ・コストが全く同じ適当なカードとして使って良い(追加ルール「カードタイプはプレイするカードに準拠」を付け加える事も大半。)というもの。ただし、プレイヤー間で1ゲーム中に使用するカードが被ってはならない。
例えば(青)のインスタントである《送還》なら《Ancestral Recall》として唱えられるということ。
マジックの生みの親リチャード・ガーフィールドはこのメンタルマジックが好みとのこと。

  • 禁止解除モダン/レガシー/パウパー、制限解除ヴィンテージ。
読んで字のごとく禁止や制限を解除したフォーマット。
禁止解除レガシーと制限解除ヴィンテージは同じ物では?とツッコミが入ると思うが、前者は「パワー9だけは禁止枠のまま」なのが区別点。
デッキは当然1キル上等のパワーを持つのでピッチカウンターは満載で。
もしかしたら0キルも成立するかもしれない。

  • ブースターブリッツ
非公式のリミテッド・フォーマットで、最安・最速で遊べるフォーマット。
お互いブースターパック*43を1パック開封し、その中から3枚一組の束を4つ作る。
束がそのまま手札になり、マナは無限に使えてライフを5点削れば勝ち。これを4戦1マッチというシンプルかつスピーディーなルール。
参加費は1パック分400円ですぐに遊べる敷居の低さが魅力で、公式でも紹介されている今非常に熱いフォーマット。
ワンパン即死も頻繁に起こる超大味なフォーマットでもあるが、そこが面白いと何度も遊ぶファンも多いとか。

同じようなフォーマットとして各基本土地3枚+パック1つの15枚の合計30枚をデッキにして10ライフでプレイする「ミニマスター」もある。
パックを開けたら表を見ずに土にを混ぜて即シャッフルして試合開始となるため、アドリブ力がフルに問われる。
こちらは基本土地がダブつくため、基本土地は(3)or(4)でサイクリング可能という追加ルールを使うこともある。

廃止フォーマット

話題としてはちょくちょく出てくるので、簡単に明記。

  • タイプ1.5
現行のレガシーの位置にあったフォーマット。
違うところは「タイプ1(現ヴィンテージ)の制限&禁止カードがそのまま禁止カード」という雑な1点のみ。
タイプ1がヴィンテージとして名称変更されたタイミングで、レガシーと置き換わる形で廃止された。

  • エクステンデッド
4ブロック+3基本セットで行われる拡張版スタンダードなフォーマット。年1回スタンダードと同じタイミングでローテーションもある。
タイプ1.5の延長で「タイプ1.75」と呼ばれた事も。
途中でルール改正があり、それ以前は8ブロック+4基本セット、ローテーションは3年に1回と、ちょっと古いカードがメインのフォーマットであった。
プレイ人口の減少とモダンの制定で役割を終えたと判断されて廃止に。

  • ブロック構築
1ブロック(3エキスパンション)のみで構築するフォーマット。
MOではさらに1つの基本セットのみで構築する、基本セット構築がサポートされていた。
1ブロックが2エキスパンションとなってからは公式大会(グランプリやプロツアー)での採用が行われず、ブロック制の廃止と共に完全に役割を終えた。
一応公式大会の採用が無かった時期でも、個人やショップレベルのイベントであれば開催する事は可能だった。集まるかどうかは別として。
あと最新セットのブロックを使うとは指定されてなかったので、昔のブロック構築を開催する事も可能だった。集まるかどうかは別として。



【基本ルール】


  • 1.デッキ
メインデッキ60枚以上、サイドボード最大15枚を、基本土地以外は最大4枚まで入れて構築する。
最初期は4枚制限が無く、メインの下限も40枚であった。
テーブルトップにおいては上限が無いため、メイン240枚なんてタワーデッキで大型大会に出た人も。*44

  • 2.勝敗条件
初期ライフは20点でゲームが始まり、このライフが0以下になるとゲームに敗北する。
他にもライブラリー(山札)が0枚のところからカードを引こうしたり(=ライブラリーアウト)、毒カウンターを10個以上置かれても敗北。
また誰かがカードに「勝利する」と書いてある特殊勝利条件を満たすか「敗北する」と書いてある特殊敗北条件を満たしてもその通りになる。
多人数戦では特殊勝利以外だと残りプレイヤーが1人となったときにゲームが終わる。

  • 3.ゲームの始まり
初期手札は7枚。詳細は後述するが、土地ゲーなこともあってマリガン*45がある。
「基本セット2020(M20)」期のルール改正以降は
「何度目のマリガンでも最初に7枚引き、キープ決定後にマリガン回数と同じ枚数の手札をライブラリーの下に望む順番で置く」
というルールになっている。

なお、この通称「ロンドン・マリガン*46」までには
最初期:無し。
初期:手札がノーランドorフルランドの時のみ1度だけ可能。相手に手札を公開後7枚引き直し。*47
「パリ・マリガン」:任意にマリガン可能。マリガン時の手札公開がなくなり、するたびに最初に引ける枚数が1枚減る。
「バンクーバー・マリガン」:マリガン時の手順はパリ・マリガンと同様。
キープ宣言後、手札が初期枚数より少ない*48プレイヤーはライブラリートップを見てそれをトップかボトムに置く*49
という変遷を辿っている。

統率者戦では当初
「手札から不要なカードを追放した後、その枚数-1枚を引く。これをキープまで繰り返した後、追放したカードをライブラリーに戻してシャッフル」
という「部分的パリ・マリガン」が採用されていた。
しかし通常ルールでのロンドン・マリガン採用以降はそちらに
「1度目のマリガンをマリガンした回数に計上しない(=1度マリガンしてからキープしても手札7枚でスタートできる)」
という「フリー・マリガン」を付け足したものを採用。
「機械兵団の進軍:決戦の後に(MAT)」期現在も採用されている。これは他の多人数戦でも共通。

  • 4.ターンの進行
a.アンタップ・ステップ
b.アップキープ・ステップ
c.ドロー・ステップ(1ターン目の先攻のみ省略)
d.第1メイン・フェイズ
e.戦闘フェイズ
f.第2メイン・フェイズ
g.終了ステップ
h.クリンナップ・ステップ
といった流れで進行。
インスタントでないカードをプレイするのはメイン・フェイズ中かつスタックが空の時(=ソーサリー・タイミング)にしか行えない。
土地は1ターンに1枚のみ、手札から戦場に出せる。



<用語>(2024年現在)

ゲーム領域

  • ライブラリー
ゲーム中にメインデッキを置く場所。2勝(以上)先取のマッチ*50では各ゲーム間にメインデッキとサイドボードの間でカードの入れ替えを行える。
入れ替えと書いてあるが、サイドボードから入れるだけ入れてメインから抜かないというのも適正。
具体的には構築戦では「メインが60枚以上、サイドが15枚以下」リミテッドでは「メインが40枚以上」を満たしていればその中でどう入れ替えてもOK。
例えば
『相手がライブラリーアウト狙いなので、サイドボード全入れの75枚デッキで2ゲーム目を戦う』
『リミテッドでデッキを2つ使い分ける』
などもOK。
設定上では「書庫」などと呼ばれ、魔導書を収めた本棚として表現される。

  • 手札
上限は7枚で、それ以上は他プレイヤーのターンに持ちこせない*51
もちろんカードの能力で無制限になったり5枚までになったりする。
設定上では「魔導書」などと呼ばれ、プレインズウォーカーが書庫から取り出した魔導書や、持っている知識の量として表現される。
そのためフレーバーテキストやカード名が指す「知識」とは、基本的にゲーム中の手札のことと等しい。

  • 戦場
所謂フィールド。ルール上は全プレイヤーで1つを共有している。

  • 墓地
文字通り墓地。使用したソーサリーやインスタント、破壊されたパーマネントなどが置かれる。
しかし【ドレッジ】や【リアニメイト】といったここからクリーチャーを呼び戻すのが勝ち手段のデッキにとっては第二の手札まるでデジャヴュだな
ヴィンテージでの【ドレッジ】ともなればあっという間に「ライブラリーの枚数<墓地の枚数」となる。
他には自分のライブラリーをわざと一気に落とし、ライブラリーアウトor残りライブラリーごくわずかという状況に移行。
その後出したor出ているパーマネントの能力で特殊勝利するデッキもある。

  • 追放領域
ゲームから追放された*52カードはここに置く。他TCGにおける「除外」や「ロストゾーン」に相当する。
ここから使えたり、ここのカードをゲームに引き戻すカードは現在でもほぼ無い。第二の墓地にするのが厳しい再利用の最も困難な領域である。
続唱やブリンクのように「一時的に退避させて、すぐに特定の場所に戻す」というニュアンスでその退避先に一瞬だけ使う場合もある。
近年では赤を中心に後述する「衝動的ドロー」で使用することが増えてきている。

  • 統率領域
統率者戦で統率者を置くスペース。
墓地でも手札でも追放領域でもライブラリーでも無いので、専用のスペースが設けられている。
一部のカードにこの統率領域を参照する物がある。
統率者を用いないフォーマットでは9割9分9厘、プレインズウォーカーの奥義などで出る事のある「紋章」の置き場所にしか使用されない。

  • スタック
呪文を唱えたり能力を使う際、処理待ちになる部分。
呪文や能力はこのスタックに積まれていき、両者が呪文を唱えたり能力を起動しないと合意した時点で上(最後に唱えた呪文や能力)から処理(解決)される。
このスタックは1つ解決するごとに、新たに呪文や能力を乗せる事が可能。
打ち消せない《対抗呪文》である《最後の言葉》がカウンター合戦に弱いというのはこれが理由。
「《稲妻》→《対抗呪文》→《最後の言葉》」までスタックに積み上がったら《最後の言葉》のみ解決。
《対抗呪文》が打ち消されてスタック上が《稲妻》のみになった段階で、もう一度《対抗呪文》を唱えれば結局《最後の言葉》をカウンターしたも同然となるためである。
スタックは理解しててもたまにバグのような挙動が起こる。例えば《師範の占い独楽》。
これは「ライブラリーの上から3枚を見て並べ替える」「ライブラリーの一番上のカードを引いて自身を一番上に置く」という2つの能力を持っている。
こいつで先に前者の能力を起動。その解決を開始する前に後者の能力を起動すると「ライブラリーの一番上と独楽を入れ替える→ライブラリーの上3枚を並べ替える」となるため、まずライブラリーの一番上に《師範の占い独楽》が置かれる。
そこから前者の能力を解決し始める事により、ライブラリーの2枚目か3枚目に《師範の占い独楽》を仕込む事も可能である。
また前後前と3回能力を起動すると「ライブラリーの上3枚を並べ替える→ライブラリーの一番上と独楽を入れ替える→ライブラリーの上3枚を並べ替える」となり、
結果的には「ライブラリーの上3枚から任意の1枚を引いて、《師範の占い独楽》と残りの2枚を好きな順番でライブラリーの上に置く」となる。
両方ともに「独楽が手元に無いのにライブラリーを並べ替える」という謎の現象が起こる事に違和感を覚える人が非常に多いが、
「独楽のそれは解決時に独楽が手元に無いといけないとは言っていない」ので問題なく解決される。

【アイアンワークス】というデッキではこれ以上にバグ臭い挙動を起こす。
あまりにも難解かつ大会運営を阻害するレベルで遅いデッキだったためにモダンで禁止となった。

カード・タイプ

  • クリーチャー/Creature
プレイヤーが召喚し、手下とする被造物。
ごく一部を除いてエルフやゴブリン、吸血鬼といった種族を少なくとも1つ*53持っており、場合によっては職業を合わせ持つ。
それらはゲーム中においてクリーチャー・タイプと呼称される。
一部はストーリー上での重要人物をカード化した 「『伝説の』クリーチャー」 として存在する。
それらは「レジェンド・ルール」により 1種につき1体までしかコントロールできない 。代わりに基本的に強力。
某覇者とかヤーグルとかネタにしかならない伝説のクリーチャーもいるのはご愛嬌

  • 土地/Land
MtGのMtGたる所以の一つともされるカード群。事故の大体はこれの引きや偏りが極端。土地岡さんとかネタにされる人もいる。
基本的に1ターンに1枚しかプレイできない。「基本的に」だが。
プレイヤーはこれからマナを生み出し、そのマナで各種呪文を唱える。
かつては自力ではマナを出せない土地も出ていたが、現在はMtG全体の方針として「マナ能力を持たない土地は作らない」となっている。
そのため、最低でも無色マナは出せるようにデザインされている。
クリーチャーと同じように伝説の土地もある。

  • ソーサリー/Sorcery
使い切りの呪文その1。
自ターンのメインフェイズ中かつスタックが空の時にのみ使用可能。代わりにマナ効率が良く、派手な効果を持つものも多い。
伝説のソーサリーは長らく概念上の存在だったが、「ドミナリア(DOM)」でようやく登場した。
これは伝説のパーマネントをコントロールしていないと唱えられないというものであり、そこは他の伝説のカードと異なる。

  • インスタント/Instant
使いきりの呪文その2。瞬速を持つソーサリーになりそこなったもの
優先権さえ回ってきていれば相手ターンや戦闘フェイズ等、好きなタイミングでスタックの状態を問わず使用可能。
とにかく取り回しに優れる。
その分ソーサリーに比べて効果が控え目だったり、限定的な傾向が強い。
打ち消し等はルール上全てインスタントであり、その他はパンプなどの堅実な効果が中心。

  • アーティファクト/Artifact
特殊なアイテムや機械など。所謂置物その1。
後述のエンチャントに比べ、自身をタップしたり生け贄に捧げて起動する能力(=起動型能力)を持つ傾向が強い。
クリーチャーにつける「装備品」や操縦者が居ないと動かない「機体」など、サブタイプも様々。
ゴーレムのようなクリーチャーでもあるカードや、そしてやはり伝説のアーティファクトも存在する。

  • エンチャント/Enchantment
結界などの持続する呪文。所謂置物その2。
前述のアーティファクトに比べ、常に発動する能力(=常在型能力)を持つ傾向が強い。
他のカードに付ける「オーラ」であるサブタイプ持ちも、クリーチャーでもあるエンチャントも、くどいようだが伝説のエンチャントも存在する。

  • 部族/Tribal
クリーチャーではないカードにクリーチャー・タイプを持たせるためのカード・タイプ。
基本的に併せ持った他のカード・タイプと同じ挙動をする。
例えば「部族ソーサリー・ゴブリン」であればソーサリー・カードとしてもゴブリンとしても扱われる。
「墓地からソーサリー・カードを手札に戻す」はもちろん「墓地からゴブリンであるカードを手札に戻す」でも回収可能。
一時期使われたが、ウィザーズとしてはもう使いたくないとのこと。

元々はプレイヤーの事のみを指していた概念。
設定上では「探求者」や「冒険者」とも呼ばれる、「プレインズウォーカーの灯(Planeswalker's Spark。単に「灯(The Spark)」とも)」が灯った人。
平行世界の一つであるPlane(次元)を渡り歩く者(walker)という意味である。
プレインズウォーカー以外は基本的に次元が複数あるとは思っていない。

プレインズウォーカーの中にはセットの舞台となった次元のその時代に居合わせる者もいる。
そういう者は(ごく一部の例外を除いて)プレインズウォーカー・カードとしてゲーム内に収録される。
ただしプレインズウォーカーというカード・タイプは「ローウィン(LRW)」(2007年10月発売)まで無かった。
それ以前では代わりに様々な形の伝説のクリーチャーとして収録されている。
プレインズウォーカーは当初、レジェンド・ルール以上に厳しい制限*54があった。
「イクサラン(XLN)」期のルール改正で他の伝説のパーマネントと同様の扱いとなり、それ以前のプレインズウォーカーも伝説を持つように変更された。
要は神ジェイス神童ジェイスが同時に出ているどころか、それが敵味方それぞれから睨み合う形勢もありえるようになった。

上にもあるように、設定上は一応ゲームをプレイするプレイヤーもプレインズウォーカーの一人。
だが「プレインズウォーカーを破壊する」の効果でプレイヤーを敗北させることは出来ない。
ただし「プレイヤーを破壊する」は有効らしい。存在するの銀枠のみだけど。
なおこの破壊に対応して「プレイヤーを再生する」「プレイヤーに破壊不能を持たせる」も一応有効とのこと。両者とも該当するカードは無いが。

  • バトル/Battle
「機械兵団の進軍(MOM)」から登場したカード・タイプ。
戦場に出るときに「守る者」を定めて出てくるが、今のところ、対戦相手が守る者になり、倒すと変身させた状態で唱えることができるサブタイプ「包囲戦」のカードしかない。設定上は次元そのものを表しているとのこと。

  • パーマネントと呪文
ソーサリーとインスタント以外は戦場にある間、「パーマネント」と総称されて扱われる。
例えば「土地でないパーマネント」とは「戦場にあり土地でない、クリーチャーかエンチャントかアーティファクトかプレインズウォーカーかバトル」を指す。

そして土地以外のカードは全て「呪文」でもある。スタック上にあるなら尚更重要になる。
他のTCGを知る人はクリーチャーやアーティファクトなども「呪文」である事に違和感を覚えるかもしれない。
だが「呪文を唱えてそれらを生み出す」と解釈すれば合点がいくだろう。
つまりクリーチャー呪文は一言で表すと「召喚術」や「錬成術」にあたるという訳だ。
実際マジック公式サイト内には以下の文章がある。
「マジックの世界では、あなたは魔法使いになり壮大なファンタジー世界の主人公。呪文を駆使して相手と戦います。*55
最初期のクリーチャー・カードには「○○の召喚/Summon ○○」と表記されているのも、前述の「何かを生み出す呪文」という解釈にぴったり合致する。
なお『遊戯王』の《デーモンの召喚》はMtGの《奈落の王》とこのフレーバーを元ネタとしたカードである。

<MtGの大原則>


“カードはルールに勝つ”

他の大原則*56は割愛するが、これだけはMtGの面白さを語るにあたって外せない。理由はその他の項に少々。

実際、多くのカードはルールを超越・書き換える能力を有している。それはささいなものから、ゲームを破壊しかねない強大なものまで様々。
例えば
《白金の天使》
あなたはゲームに敗北することはなく、あなたの対戦相手はゲームに勝利することはない
……むちゃくちゃでしょ?
でもこいつ自体はクリーチャーでアーティファクトでもあるから壊されやすいし、タフネスも4だから死亡しやすい。
だが何らかの方法で破壊不能*57と被覆*58か呪禁*59を持たせるとほぼゲームセット*60
そんなドヤ顔コンボを決めるのもMtGの楽しさの一つ。

ちなみに逆も存在する
《深淵の迫害者》
あなたはゲームに勝利することはなく、あなたの対戦相手はゲームに敗北することはない

……こっちもむちゃくちゃ。だが本体が4マナ6/6飛行トランプルと中々パワフル*61
これで序盤から相手を攻撃し、相手のライフがマイナスになった所でこれを能動的に処分する、という戦法を取れば十分にエースカードとなる。
相手からしたらこれに殴られながらも、時間がたったら守らなければいけないという謎の展開になる。

他にも「ソーサリーをインスタントと同様のタイミングで唱えられる」や、それに対抗した「ソーサリーを唱えられる時にしか呪文を唱えられなくする」…
などなど、ルールを基本原則から覆すような能力はたくさんある。
あんまり歪めるようだと銀枠でしか出せなかったり公式で使用が禁止されるが。

魅力的な特殊勝利条件もいっぱい。
  • 「死闘により死屍累々。はい、勝利!」
  • 「とあるクリーチャーに触られると『お前はもう、死んでいる』」
  • 「5色土地と生物がそろえば何でもできる。だから戦は(中略」
  • 「俺たち四つ(同カードです)が全部出たら何でも(以下同文」
  • 「狂人が作った扉を、うすのろが開いてしまう。そしてうすのろはやがて考えるのをやめる」
  • 「世界なんて争いも罪もいっぱい!じゃあみんないなくなればいいじゃない!」
  • 「ライフ1?山札0?残念、俺の勝ちだ。このカードがあるからさ!」
  • 「ギルドも思想も関係ない!争いは辞めてみんな仲良く!~HAPPY END~」
  • 「信心の力で未来はすべて見通した。あなたの未来はもう来ない」

こっちもそそりそうな敗北条件の山。
  • 「ライフロスが嫌?じゃあ山札でいいよ。空になったら負けるけどね!」(※元祖です)
  • 「インチキはだめよ!ちゃんと手札から召喚してね!」
  • 「ライフ13になったら負けね!何故って?13って忌み名だからね!」
  • 「マナ後払いでいいよ!ただし支払わなかったら死ぬけどね!」
  • 「三つ願いを叶えてやろう。ただし四つ目でお前の命を頂く」
  • 「Time is money.追加ターンはそれだけ価値のあるものだ。そのターンで勝てよ?」

自分も相手もそんなカードを使えるなら、静かにゲームが進むわけも無く。
  • 《地ならし屋》+《明日の標》= 「ずっと俺のターン!」
  • 《通電式キー》+《Time Vault》= 「1ターン目からずっと俺のターンするけどいいかな?」
  • 【ベルチャー】= 「1ターン目だけど50ダメージだぞ、死ね」
  • 【ストーム】= 「1ターン目から2点ドレイン10発だ、死ね」
  • 【クロノステイシス】= 「ゆっくり死んで逝ってね!」(別名「ずっとお前のターン」)
  • 【玉虫アルター】【MoMa】= 「ソリディアで貴様の精神力を蒸発させたる」
  • 【感染】= 「一撃毒殺」
  • 【バベル】= 「デッキの残り枚数200枚あるから僕の勝ちです」
  • 【MUD】= 「MtGさせない」
  • 【双子】= 「とりあえずクリーチャー1億体でアタック」
  • 【Super Crazy Zoo】= 「対応して《稲妻》打ちます、『自分に』」
  • 【the spy】= 「自分のデッキ土地入ってないんで全部墓地に落としますね」
  • 【Doomsday】= 「5枚を詰将棋するのが楽しいんだよね」
  • 【続唱計略】=「 追加ターン!相手の場札を6枚吹き飛ばす!ちなみに今は『2ターン目』だ

以上が簡易的なゲーム説明と、特徴が強烈なデッキの解説である。



<各色の特徴>

MtGは土地からマナを生み出して戦う。土地の種類毎に生み出せるマナの色は決まっており、デッキの特徴のおおよそはその色から決まる。
以下にそんな色の色々な特徴と代表的なカードをそれぞれ紹介する。

白/White

白は正義や秩序、平和や平等などを司る色であり、対応する基本土地は《平地》。
5色の中で単体で最もバランスがとれている。
白ウィニー】のような超短期決戦デッキから《神の怒り》などの全体除去をも駆使する究極のコントロールデッキまで、白なら単色でも組める。
しかし逆に言えば器用貧乏になりがちで、また平等も重んずるため一方的かつ瞬間的に大きくアドバンテージを稼ぐのが苦手。
そのため一見するとマナレシオの良いカードも、選べる対象などの条件に阻まれがち。
とはいえトークン生成にライフ回復、エンチャントの破壊、(一時的)追放、そして全体除去はかなり得意。

クリーチャーも飛行や先制攻撃*62、二段攻撃*63に絆魂*64、警戒*65を持つものが多く、横並べしやすいなど質はまずまず。
クリーチャー・タイプは天使や騎士など神聖さを感じさせるものが多く、人間も大多数は白に存在する。

代表的な記事ありカードは《サバンナ・ライオン》《セラの天使》《剣を鍬に》など。
代表的なPWは正義を守る誇り高き戦士《ギデオン・ジュラ》…は惜しくも戦いでその身を犠牲にしてしまった。
現在のメインは《黄金のたてがみのアジャニ》や《エルズペス・ティレル》など。

理想:秩序統一
人間:騎士・兵士・執政者・クレリック
弱点:行き過ぎた全体主義・教条主義

青/Blue

青は精神や知識、水や大気などを司る色であり、対応する基本土地は《島》。
様々な呪文を使った駆け引きを得意とし、インスタント以外をインスタント同様のタイミングで唱えられる能力も自前・付与問わず多い*66
クリーチャー・タイプはマーフォーク(≒魚人)やフェアリー、スフィンクスなどの水や空と縁の深い存在が多い。
ほとんどは飛行*67や瞬速などと持つのと引き換えにマナ総量当たりのP/Tが控え目。

対してインスタントやソーサリーによるドローやバウンス、打ち消しはすこぶる豊富。
相手を妨害しつつ相手の妨害を躱す、コントロールに分類される陰気臭くて狡猾テクニカルでトリッキーな戦法に長ける。
特に打ち消しは他のTCGだと存在しないかできても非常に高コストな傾向にあり、MtGの華の一つとされる。
打ち消しを筆頭としたインスタントタイミングでの攻防が生み出す「対話」は濃厚そのものであり、これを求めてMtGを嗜むプレイヤーも少なくない。
そんなプレイヤー達曰く、「青は最もMtGらしい色なのです」との事。

代表的な記事ありカードは《対抗呪文》《選択金玉宝船の巡航》など。
代表的なPWは若く陰気な、精神操作魔法の天才《ジェイス・ベレレン》。

理想:全知全能
人間:技工士(工匠)・魔導士(ウィザード)
弱点:頭でっかち・スロースターター

黒/Black

黒は腐敗や死、悲しみや恐怖などを司る色であり、対応する基本土地は《沼》。
スーサイドブラック】のように勝利の為なら自分のライフ(命)をも「残り1点まではかすり傷」と言わんばかりにコストにする。
最終的に勝てば良いという思考であり、相手のクリーチャーや手札どころかプレインズウォーカーまで 直接 破壊できるのが最大の特徴。
ただしクリーチャーでないアーティファクトに触れるのだけはかなり苦手。

クリーチャー・タイプはゾンビや吸血鬼、デーモン、…他に形容のしようがないホラーなど、おぞましい化け物が多い。
持つ能力も接死*68や威迫*69など対クリーチャーや対プレイヤーに特化している。
そんなクリーチャー達はかつてこそパワー>タフネスな奴(「頭でっかち」とも)が多かった。
が、最近はそれでは赤と丸被りであるとして、パワー<タフネスな奴(「尻でっかち」とも)と半々気味になりつつある。要は両極端。

代表的な記事ありカードは《ファイレクシアの抹殺者》《ファイレクシアの抹消者》《四肢切断/Dismember(MtG)》など。
代表的なPWは偉大なる吸血鬼《ソリン・マルコフ》…は一時的な退場の後、地元のゴタゴタでストーリーの本筋から外れてしまった。
現在のメインは若BBAイケメンお姐さん《リリアナ・ヴェス》。

理想:唯我独尊
人間:無頼漢(ならず者)・暗殺者・傭兵・邪術士
弱点:歪んだ力による尻ぬぐいや代償・ボッチ

赤/Red

赤は炎や雷、混沌や激情などを司る色であり、対応する基本土地は《山》。
とにかく極めて攻撃的かつ刹那的。
特に「火力」と俗称されるクリーチャーやプレインズウォーカー、プレイヤーに直接ダメージを与える呪文や能力は黎明期から今も赤に最も多い。
性能も断トツで優秀。赤相手にタフネス3以下は速攻で焼かれて死ぬものである。
そんな具合なのでデッキ自体はアドバンテージ確保や持続力に乏しくなりがちで、攻め切れないと息切れしたところをそのまま逆転勝ちされやすい。
あとエンチャントに触れるのが凄く苦手。
またできる事がフレーバーの関係で少なめ。黒からの「一時的なマナ加速」の移動などはその開拓に苦心した結果の一つである。
近年では「衝動的ドロー*70」「捨ててから引くルーティング*71」の役割を獲得した。

クリーチャー・タイプはゴブリンやオーガ、ドラゴンが多く、やはりことごとく攻撃的。
速攻*72を持つクリーチャーも赤が一番多く、P/Tはほとんどがパワー>タフネスな「頭でっかち」が多い。

代表的な記事ありカードは《稲妻》《シヴ山のドラゴン》《火炎舌のカヴー》など。
代表的なPWは情熱と激情の紅蓮術士《チャンドラ・ナラー》。

理想:本願成就
人間:無政府主義者・傭兵・蛮族・戦闘狂
弱点:視野狭窄・刹那主義

緑/Green

緑は自然や純粋さ、成長や調和などを司る色であり、対応する基本土地は《森》。
土地とクリーチャーの展開を得意としており、序盤からさっさとマナ加速し、相手に先んじて高P/Tクリーチャーをどんどん叩きつけてくる。
その圧倒的な力で全てをねじ伏せるのはお手の物。
マナ加速をせずともクリーチャーのP/Tが他の色の同マナ・コスト帯のそれと比べどちらも1以上高い事が珍しくない。
クリーチャー・タイプはエルフやビースト、エレメンタルやワームといった自然に住む者達が多い。
能力にしてもトランプル*73や到達*74を中心に戦闘向き。

また自然の色とあって憎き人工物たるアーティファクトの破壊に長ける他、クリーチャーが絡めば大体の事をこなせる。
格闘、パワー依存の火力、最大パワー分のコスト軽減、ドロー、呪禁付与での立ち消えによる実質的な打ち消し、等々…
対飛行の効果を持つインスタントやソーサリーも多い。
しかしクリーチャーの絡まない事、特に相手のクリーチャーやプレインズウォーカーに直接触れる事は不得手で、飛行持ちも5色のうちで最少。
またデッキも一枚一枚に強く依存する所謂グッドスタッフになりがち。
どうにか高マナフィニッシャーを唱えたのに打ち消されたり、出せても攻撃前に除去を食らってそのまま敗北する事もよくある。

代表的な記事ありカードは《ラノワールのエルフ》《極楽鳥》《甲鱗のワーム》様など。
代表的なPWは自然を崇拝する筋肉ダルマ《野生語りのガラク》…はこれまた一時的闇堕ちの解消を経て代表格から一歩引いた立場にいる。
現在は《ニッサ・レヴェイン》と《ビビアン・リード》が代表格。

理想:現状維持
人間:修行僧・ドルイド・狩人
弱点:世間知らず・生命最優先(敵までも)

無色/Colorless

厳密には色ではない(=有色としては扱われない)が一応。
対応する基本土地は《荒地》だが、これは基本土地・タイプ*75を持たず、リミテッドでの無限支給の対象外。収録セットも大きく限定されている。
主な無色であるカードはアーティファクトの大部分、エルドラージの一族、一部のファイレクシアン、そして後述するウギン関連。
クリーチャー・タイプもそれに連動して構築物や飛行機械、エルドラージが多い。
あらゆる色のデッキで使えて、色事故の心配もない代わりにカードパワーは抑え気味。だってそうでないとぶっ壊れまっしぐらだし…

またアーティファクトの大部分といっても、そのアーティファクトの各色との関係はまちまち。
利用:黒(利用できるものは何でも)・青(技術の結晶)
破壊:緑(自然の大敵)
両方:白(時に秩序の敵時に味方)・赤(壊すのも作るのも大好き)

代表的な記事ありカードは《マスティコア》《引き裂かれし永劫、エムラクール頭蓋骨絞め》など。
代表的なPWは不可視の炎の息を吐くドラゴン《精霊龍、ウギン》。ただ彼も因縁の果てにストーリーからは離脱してしまった。
現在はウルザが作った《銀のゴーレム、カーン》が紆余曲折合った後プレイズウォーカーとなり、メインとしてストーリーに登場している。



各色はカラーパイ(古くはカラーホイールとも)において白青黒赤緑*76並んでいる。
通常のカードの裏面に描かれた5色の点も、このカラーパイに沿って描かれたものである。
そしてこの並びを基準として、相互に「友好色」か「対抗色」の関係にある。
カラーパイを五角形に並べた時、その中でとある色から見て隣り合う2色が「友好色」、向かい合う2色が「対抗色」である。

かつての傾向として、友好色同士は複数の色のマナを出せる土地や多色カード等のサポートが充実していた。
逆に対抗色ではその色同士で妨害しあったり、その色に対する土地渡りやプロテクション等の有利に戦える能力を持つクリーチャーが多かった。
しかし現在は基本的に、色数毎のその組み合わせに差を設けずデザインする方針が掲げられている*77
これにはデッキ構築の自由度を広げる意味合いもある。リミテッド、特にシールドで対抗色濃いと割り合い悲惨だったし…

とはいえその方針となって以降も、特定の色数または組み合わせを推奨するセットは存在している。
単色推しとしては「エルドレインの王権(ELD)」
友好色対抗色の概念が強い時代にあえて対抗色を強調した「アポカリプス(AOC)」
友好も対抗も対等に重視し、長く続く礎となった「ラヴニカ:ギルドの都(RAV)」
3色の組み合わせを推奨した「アラーラの断片(ALA)」や「タルキール覇王譚(KTK)」
その流れを汲む「イコリア:巨獣の棲処(IKO)」「ニューカペナの街角(NSC)」
などなど…

現在、2色の組み合わせについてはラヴニカ次元のギルドの名称
ある色とその色の友好色2色による3色の組み合わせ(=弧3色)についてはアラーラの各次元名
ある色とその色の対抗色2色による3色の組み合わせ(=楔3色)はタルキール次元の各氏族の名称
で呼ばれることが多い。以下はその内訳である。

  • 友好色→白青=アゾリウス、青黒=ディミーア、黒赤=ラグドス、赤緑=グルール、緑白=メロンセレズニア
  • 対抗色→白黒=オルゾフ、青赤=イゼット、黒緑=ゴルガリ、赤白=スケベボロス、緑青=シミック
  • 弧→白青黒=エスパー、青黒赤=グリクシス、黒赤緑=スイカジャンド、赤緑白=ナヤ、緑白青=バント
  • 楔→白青赤=トリコロールジェスカイ、青黒緑=スゥルタイ、黒赤白=マルドゥ、赤緑青=ティムール、緑白黒=ドランアブザン

これらはデッキ名として取り込まれることもある。
たとえば《秘密を掘り下げるもの》*78をメインとした青黒赤のデッキなら【グリクシスデルバー】、といった形。
4色デッキには特に名称は無い*79。【4cデルバー】など色数で呼ばれたり、オリジナルの名称がつけられることが多い。



フレーバーテキスト

一部のカードの一番下には、コメントのようなテキストが記載されている。それがフレーバーテキスト(FT)である。
ゲームには影響しないもののマジックの世界をより深く知る事ができる。内容はカードの能力に関係する事から、古典文学、歴史考察、皮肉など様々。

例えばアーティファクト1つか土地1つを破壊する呪文である《破砕》なら
「計画には数日。建設には数週。完成には数ヶ月。  破壊には数秒。」(「ミラディン(MRD)」再録時)
など。

FTにはストーリーの断片を示しているものや、キャリアーサイクルのように複数枚にまたがるものもある。
中には「君がいたあらゆる場所*80」などの非常にポエミーな物もある。
その中でも以下の《Now I Know My ABC's》の非公式日本語訳はマジックに関係ない書籍でも紹介された事がある。
「The quick onyx goblin jumps over the lazy dwarf」→「歴戦経る素早い黒小鬼、怠けドワアフ達をひらり。裃の鵺、棟誉めて夜露誘う」
両者ともにすべての文字(英語版はA-Z、日本語版はあ-ん)を使い切って書かれている。
なおプレインズウォーカーはストーリーに関わるが、原則としてプレインズウォーカー・カード自体にはFTが書かれない。
と言っても能力の関係でどうしてもカードテキストが圧迫されて書くスペースが無いという単純な理由である。
むしろ文章欄の余白を埋めるために生まれたのがフレーバーテキストなので当然と言えば当然だが。



【ビデオゲーム】

紙媒体のゲームとして誕生したMtGだが、これまでに何度かビデオゲーム化もしている。
その内2021年3月現在も継続的にアップデート、サポートが続けられているのは『Magic Online(MO)』と『Magic the Gathering Arena(MtGA)』の二つ。
MtGAの登場以降、それまで「アナログ」などと呼ばれていた紙媒体でのゲームは「テーブルトップ」が正式名称となった。


  • MO
2002年からサービスが開始され、MtGに存在するほぼすべてのカードを網羅している老舗オンラインDCG。
基本無料ではあるが無料で出来ることがほぼ無い。大会参加費も徴収されるし、パック買うのも有料。
実物を使わない事しかテーブルトップと違わない と言っても過言ではない環境。

しかし大会で上位に入賞するとパックを貰え、そのパックを大会参加費に当てる事も可能な。
そのため、理論上は初期投資以外の課金をせずにプレイし続ける事が出来る。

ただし2002年に誕生したという事もあってUI周りはかなり古臭く、また後発DCGのような派手な演出が無い質素そのものの仕上がり。
プレイヤーの間では「MOはMtGのビデオゲームではなくシミュレーター」と評されがち。
それでも現在でも公認大会が頻繁に開催されており、活気は衰えていない。
MOから始めて現実の大会で優勝するにまで至ったプレイヤーもいるなど、未だに人気のあるタイトルである。
またMtGAは対応フォーマットがまだ少なくカードプールも狭い事から、MtGAに無いそれを求めてMOを嗜むプレイヤーも少なくない。

ちなみに1セットに収録されているカードを基本土地含め全て揃えると、テーブルトップ版のカードに交換してくれるサービスもある。
あくまでも交換なので、これを頼むとMO側からカードが消滅する上、英語版のカードにしか交換出来ない。
全てをFoilで揃えていると、交換後のカードも全Foilで来るんだとか。
また交換には期限があるので、たとえば「ミラディンの傷跡(SOM)」(2010年10月発売)のカードを2021年に全部揃えた所で交換は不可。

  • MtGA
2018年からサービスが開始されたオンラインDCG。近年の後発DCGに合わせる形で基本無料として作られている。
収録されているカードの範囲は2021年10月時点でもパイオニアより狭いながら、ターンの進行をある程度自動化できたりなど機能面は充実。
神話レア+一部のレアの登場や能力にエフェクトがあったりと、シミュレーターと揶揄されるMOに比べて相当グラフィカルであり遊びやすくなっている。
更にMtGAを使った大規模な大会も行われており、MOと並行して展開されている。

しかし無課金プレイの容易なDCGの避けられぬ性か、はたまた手軽にできるゆえに短時間で遊びたいという需要からか…
これまでのMtGとは異なり、一般的なDCGで主流の1本勝負なメイン戦(BO1)がMtGAでも主流になっている。
そのためメイン戦で強いデッキが幅を利かせるという差異もあったりする。
もちろんBO3もフルサポートされているが、サイドボーディングの奥深さを味わえないBO1に押され気味なのはもったいないとの声も。
また連続長時間プレイでエラー終了しやすかったりという重さや、スタックの処理などに手間が掛かりすぎたりする機能面は明確な欠点。
挙動をもっさりとさせがちな演出をスキップ・早送りしたりオフにすることができなかったりと細かいところで気が効いてなかったりもする。
日本語で版では加えて翻訳の関係か、主にカード名やタイプの指定にバグを抱えていたりも。
MOとは別系統の不満・批判の芽が出ており、まだまだ課題は多い。

MOにもMtGAにも不満や批判の声が少なくないため、それを根拠にしばしば「ウィザーズはビデオゲーム作りが下手」と揶揄されている。
『デュエプレ』にまで伝播してません?
また柔軟性からくるカジュアル需要やカード市場の広大さ(特に再録禁止カードの存在)などと合わさり、未だにテーブルトップの需要も根強。

MtGの明日は、どっちだ。

と、MtG自体のビデオゲーム化こそあまり捗っていないものの、マジックの世界観が凝っていることもありビデオゲーム化の需要はそこそこある。
これまでにもTCGが原点なのにTCGでないゲームもいくつか存在している。
例を挙げると
戦略アクションゲームである『マジック:ザ・ギャザリング バトルグラウンド』
パズルゲームである『Magic: Puzzle Quest』
対戦型RTSの『マジック:マナストライク』
など。
一応マナを使って呪文を唱えるなど、本家MtGの要素も反映されてはいる。



【コラボレーションカード】

MtGは他のデジタルゲームやTCGに出張という形でコラボしている事は多かった。
が、MtG側では大抵他の作品の要素をモチーフにしたカードが出る*81という程度で、大掛かりなコラボするという事はまず無かった。
ところが2017年の「HASCON」イベントでのプロもカードで、ウィザーズの親会社であるハスブロ社のIP*82とコラボした銀枠カードが登場。
さらに2019年には『マイリトルポニー』とのコラボ銀枠カードセットが発売された。
これを機にコラボデッキ、コラオカードの実装の流れが加速していく。
そして2021年にはコラボのためのブランドである「 ユニバースビヨンド 」が発表。
独自の世界観を保ちつつ他社作品とのコラボを行うという方針が決定した。
MtGがアメリカン『ヴァイスシュヴァルツ』となった瞬間

+ 主なコラボ作品
  • 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』
1974年にTSR社から発売された世界最初のTRPG
1997年にTSR社がウィザーズ社に買収されて以降はそちらの制作で販売されている。
前述のプロモ以外でも何回かコラボカードが登場している。
「フォーゴトン・レルム探訪(AFR)」「統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い(CLB)」はセット単体を使った豪華なコラボである。

御存じハスブロ社の代表的作品で、世界中で大人気のロボット作品。
様々な物体をスキャンし、その姿に変形できるロボット生命体の戦いが描かれている。
2017年のプロモカードの登場以来、度々コラボカードが登場している。特に初期シリーズの『G1』をモチーフにしたカードが多い。
後に統率者デッキセットも販売される予定。

  • 『ナーフ』
ハスブロ社の誇る代表商品の一つ。
発泡ウレタンの先端に軟質樹脂の弾頭を付けたダーツと呼ばれる弾を「ブラスター」と呼ばれる銃にセットして発射する玩具である。
ちなみにネット上で弱体化したというネットスラングの方の「ナーフ」の元ネタだったりする。
前述のプロモで《Nerf War》というソーサリーがコラボカードとして登場している。

ハスブロ社の代表的作品の一つで、アメリカで大人気の女児向け玩具及びアニメ作品。代表作多すぎ
ポニーと呼ばれるキャラクターが繰り広げられる日常や冒険を描いた物語で、子供向け作品ながらも毎回教訓を織り交ぜた作風となっている。
ケモナー必修の作品でもある
「Ponies: The Galloping(PTG)」のカードセットでコラボカードが登場している。

2010年より放映されている、同名のグラフィックノベルを原作とするアメリカのドラマ。
文明が崩壊し、ゾンビが蔓延る世界におけるパニックホラーや人間ドラマが描かれたホストアポカリプス作品の名作として知られている。
「Secret Lair(SLD)」でコラボセットセットがリリースされている。
が、限定販売品初の完全新規の黒枠カードかつサポートカードの多いゾンビテーマだったことから情報公開時に色々と話題が沸騰。
発売当時はエターナルやEDHのプレイヤーを中心に大荒れになったりした。

現在では別の入手手段も存在している。

最早言うまでもない東宝の代表作にして怪獣映画の金字塔シリーズ。
水爆実験の影響で目覚めた古代生物ゴジラによる破壊と、それに立ち向かう人類の抵抗が描かれている。
シリーズによっては人類の味方にもなる事もあり、単なる人類の敵としては語れない魅力も持つ。デッキやセットの販売は行わず、怪獣をテーマにしたパック「イコリア:巨獣の棲処(IKO)」にコラボカードが封入されている。
BOX特典1枚、基本ゴジラシリーズ15枚、日本語版限定ゴジラシリーズ3枚の計19枚が存在し、それぞれ入手方法が微妙に違う。
なので一部のカードは普通に入手するのも困難だったりする。

ちなみにこのコラボから「既存カードの代替バージョンのカード*83」がコラボに活用されるようになってきた。
これにより「イラストだけ違って名前とミスマッチ」「それを防ぐには新規カードとして刷らなければならない」という事が軽減された。

  • 『ストレンジャー・シングス』
Netflixで配信されているSFドラマ。
捜査ドラマと超自然的な要素をホラー、SF、子供のような感性で描いたSFドラマとして制作された作品。
キャラクター性やシナリオ、演出などが評価され、Netflixの代表作として世界的に知られている。
『ウォーキング・デッド』と同じくエターナルのみで使用できる新規カードが「Secret Lair(SLD)」でコラボカードセットとしてリリースされている。
またこれらは正確には「ここで新規登場したマジックのカードの代替バージョンカード」であり、後に別の手段でマジック版を入手できる。
この方式も以後活用されるようになった。

  • 『リーグ・オブ・レジェンド』
RiotGamesが運営、開発している世界で一番遊ばれているMOBAのオンラインゲーム。
5対5のプレイヤーがチャンピオンと呼ばれるキャラクターを操作し、お互いの陣地に設置された「ネクサス」の破壊を目指すアクションゲーム。
その中でも原作ではなく、スピンオフ作品のアニメである『Arcane』を元にしたコラボとなっている。
「Secret Lair(SLD)」でコラボカードセットとして販売されている。
全てが新規カードではなく既存マジックカードの代替バージョンカードとなっている。

カプコンの誇る対戦格闘ゲームの金字塔にして人気のシリーズ。
世界中の格闘家の中から1キャラを選んで、1対1のアツい格闘バトルを繰り広げる。
人気の高い『スト2』のキャラが『ストレンジャー・シングス』と同じ形で「Secret Lair(SLD)」でコラボカードセットとしてリリースされている。

ゲームズワークショップ社のプラモデル兼ミニチュアゲーム兼SF作品。
西暦40000年を舞台にした過酷なる宇宙戦争が描かれている。
本作は代替でもない新規コラボカードによる構築済みデッキ「ウォーハンマー40,000統率者デッキ(40K)」がリリースされている。
帝国」「渾沌」「ティラニッド」「ネクロン」の4種族がそれぞれ中心の4種類となっている。



【メディア展開】

コロコロコミック』連載の漫画『デュエル・マスターズ』は当初、このMtGを題材とした漫画 だった 事は有名。
またほぼ同時期には『ホビージャパン』で『デュエルファイター刃』も連載されていた。
MtGの漫画と言われて上記2作を思い浮かべるプレイヤーは少なくないはず。
現在は
『少年エース』で1990年代後期の日本が舞台のMtGラブコメ漫画『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』
コロコロアニキ』で「もしデュエマの題材がMtGのままだったら」というifギャグ漫画『切札勝舞はマジック・ザ・ギャザリングを使いつづける
が連載されている。

また、MtGのカードや対戦ではなくマジックの世界観を扱う漫画やアメコミも存在している。
日本では『電撃!ピカチュウ』で知られる小野敏洋先生が手掛けた『MAGIC URZA & MISHRA』や萌えチャンで有名な『燃え尽きぬ炎』などが有名。

また、アニメシリーズがNetfilxで配信予定。製作総指揮は『アベンジャーズシリーズ』でおなじみのルッソ兄弟が手掛ける。
こちらもMtGではなくマジックの世界観を扱う予定。



【その他】

MtGはリチャード・ガーフィールドらがボードゲーム『コズミック・エンカウンター』から発想を得て誕生した。
「ルールを超越する特殊能力」「拡張セットによるルールや特殊能力の拡張」などにトレーディングカードを掛け合わせてデザインされている。

また、カード自体も元々は同じくウィザーズ発のTRPG『DECKMASTER』の、ゲーム中の処理のダイスに代わる解決手段となるサプライからである。
裏面の「DECKMASTER」はその名残。公式記事『やり直し』で「マロー」ことマーク・ローズウォーターに「裏面から取り除きたい」と評されていたが
その方向から見れば、MtGは簡易的なTRPGとも言えるだろう。
実際、既存TRPGのシステムをベースにマジックの世界が舞台のシナリオを手掛け、楽しむ者もおり、その相性は非常に良い。

先述したようにプレイヤーは比較的社会人が多い為、初心者の質問にも快く答えてくれる事が多い。
その年齢層の高さもかえって参入障壁を高くしていたりするのだが。

世界にはカリスマ・プレイヤーやプロギャザリングプレイヤーも存在する。
カリスマ過ぎて【スライ】や【シュナイダーポックス】【ヤソコン】の様にプレイヤーの名前を冠するデッキ(タイプ)もある。
更にポイント制の「プロツアー」制度もある。
ランクを上げていくと大会に出るだけでギャラがもらえるため、上り詰められれば専業で飯を食える世界である。
一時期色々あったが、現在でも形式を変えながら続いている。

プロの中には日本人ももちろんおり、
黒が好きすぎて(周囲から勝手に)「組長」と称された 藤田憲一
禁止カードならぬ「禁止プレイヤー」にされてしまったあずにゃん大好き 渡辺雄也
クリーチャー嫌いの悪魔のデッキビルダーで寿司ドラフトでも有名な「ヤソ」こと 八十岡翔太
カードショップ『晴れる屋』の名物社長にしてサイコパスとして知られる「トモハッピー」こと 齋藤友晴
漫画『デュエル・マスターズ』に実質本人役で登場した「NAC」こと 中村聡
など、個性豊かすぎるメンツが大勢いる。
以前は日本人詐欺*84、現在は引退詐欺でプロツアートップ8に入ってた殿堂入り詐欺師 中村修平 なんかも(主に日本国外で)有名。

また、スクウェア・エニックスのアーケードカードゲーム『LORD of VERMILIONⅡ』には10体のキャラクターが(イラストはそのままに)参戦している。
3D化した彼らがボイス入りで「対抗呪文」「踏み荒らし」「残酷な根本原理」等を使用するのはファン必見である。
なお、PWが元のカードは名前の「プレインズウォーカー」が省かれている。
例えば元イラストが《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》のものでも、こちらでの名前は単に「ニコル・ボーラス」となっている。

ウィザーズとタカラトミーが製作したTCG『デュエル・マスターズ』は、MtGを低年齢層(主に小学生)向けに簡略化して製作されたもの。
マナや召喚酔いなど、MtGの用語とギミックを一部取り入れている。あとNACがいる
ウィザーズが登録商標している「タップ」「アンタップ」などの語を用いているのも当のウィザーズが関与しているため。
その経緯からデュエマ側はMtGを 「兄貴分」 としており、ある闇鍋パックではプレインズウォーカーなど一部のMtGのカードが参戦した。
逆にデュエマ側のギミックがMtGに導入されることもある。
デュエマのぶっ飛び要素だったサイキック(=両面カード)やG・リンク(=合体カード)の採用決定 に度肝を抜いたプレイヤーも少なくないはず。
G・リンクは実際にはMtGのアン・セットの奴が最初の発端なんだけどね。



追記・修正はプレインズウォーカーの灯を持つ方がお願いします。

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最終更新:2024年04月16日 23:47

*1 ウィザーズ・オブ・ザ・コースト、通称「ウィザーズ」「WotC」。2021年2月末、親会社であるハズブロ社の一部門「Wizards & Digital」へ再編する予定である事が発表されている。

*2 同じ世壊観を用いた別のジャンルのゲーム群。詳細は後述の【ビデオゲーム】を参照。

*3 組み替え可能なデッキ、それを持ち寄っての対戦、そのためのカードの収集・交換、そのカードのレイアウトやFoilなどのバリエーション、等々。

*4 さっくりいうと「ある期間内で発売されたセットのカードのみを用いて戦うレギュレーションにおいて、使えるカードセットが変わる」概念。詳細は後述の【カードセットとローテーション】参照。

*5 実際後述の特にヴィンテージへの参入障壁は必要予算と、テーブルトップでは更に現物が手に入らない的な意味でぶっちぎりに高い。

*6 後者には10中9は何についての用語かからして異なるが、「オーラを直接戦場に出した場合、オーラを付けるクリーチャーを選ぶ。対象に取るわけではない」という点で似た用語だが違う処理が使われる。

*7 とはいえ現状のルールでも裁定のあやふやな件が3つほどあるが、そのうち現実的に起こりうる物は《魂剥ぎ》の1件。それもルールマネージャーから暫定的に指針が示されている。

*8 通常のブースターパック(MtGでは「エルドレインの王権(ELD)」以降、日本語版では「ゼンディカーの夜明け(ZNR)」以降ドラフト・ブースターと改称)1パックの本体価格が他タイトルなら5枚入り150円などのところ、15枚入りとはいえ350円から。それでも1パック500円だった頃よりは安いし、1枚当たりの値段だけ見れば1パック400円となる「ストリクスヘイヴン:魔法学院(STX)」以降でもMtGの方が安い。

*9 後述する認定大会の主催者は「認定ジャッジの資格」を持っていることが最低条件。

*10 大体1週間前から。

*11 ざっくり言うと「ドラフト・ブースター6パック(≒90枚分)を剥き、出たカードと基本土地だけでデッキを作って対戦する」遊び方。詳細は後述の【スタンダードの先】の「リミテッド部門」参照。

*12 特定のレアリティの好きなカード1枚と交換できるゲーム内資産。

*13 物凄く大雑把に説明すれば「プレインズウォーカー戦隊」。

*14 このセットのみシリーズ内で日本語版が存在しない。

*15 たまに大会の景品として「切り抜く前のシート」が出たりする。

*16 簡単に言えば「そのダメージがその対象のクリーチャーならタフネスを超過した分、プレインズウォーカーなら忠誠度より大きい分のダメージを別の任意の対象に与える」など。

*17 ゲーム的にも一部の「銀枠ゲーム」を参照するカードが「アン・ゲーム」を参照するようにエラッタされたりと影響があったりする。

*18 現在のレア以上のカード下部に付加されている偽造防止用のホログラムがどんぐりの形状になっている。この関係上、プロモやレアでないコモン・アンコモンにもどんぐり銀枠ならホログラムが付いている。

*19 所謂「スタン落ち」と呼ばれる現象。詳しくは後述

*20 弟分の『デュエマ』にも2ブロック構築という名で直近2年のエキスパンションを用いるフォーマットがあるが、そちらにおいての主流は最新収録セットでの禁止指定が無い「アドバンス(旧称:殿堂レギュレーション)」である。

*21 主に「Guru Program」で配られた基本土地、通称「グルランド」やアジア・太平洋地域(Asis-PACific)での販促用にプロモで配られた基本土地、通称「APACランド」、限定では無いが「ゼンディカー(ZEN)」などに収録されたフルアート基本土地など。これらは基本土地だが高価なカードである。

*22 平たく言えばカードの最新のルール文章。主に用語の変更やサブタイプの廃統合などで改訂されることがある。

*23 「スカージ(SCG)」(2003年4月発売)以前の標準レイアウト。

*24 昔のある時期に、ウィザーズがカードショップやコレクターへの配慮として半永久的に新規印刷を自主規制すると決めたカード。ものによってはそのリストからの除名だけで社が傾くと言われる。現在ではもう増えることは無いと決まっている。

*25 一時期《夢の巣のルールス》が禁止指定されていたが、現在では色々あって解除された。

*26 禁止・制限の理由は「そのフォーマットにおいてカードパワーが強すぎる」「アンティに関連している」「カード・タイプが『策略』である」「両面カードでも合体カードでもないが裏面が通常のカードと異なる」「銀枠、金枠である」等々。

*27 あとリミテッド、多人数、チーム構築、チームリミテッドもそれぞれ別集計。

*28 当時、モダンとパイオニアは未制定。後者に至っては参照先となるセットが1つも発売されていない時期。

*29 「ドミナリア(DOM)」以降のエキスパンションは禁止カード除くすべてが存在し、「カラデシュ・ブロック」および「アモンケット・ブロック」はその大部分と一部追加再録で構成される「リマスター・セット」で実装されている。それに加えて「ヒストリック・アンソロジー」シリーズ(ヒストリック向けに追加された数十枚の再録カード)、「Jumpstart(JMP)」のカード、BO1のみのArena限定カードが存在。

*30 参照するのはマナ総量のみで、支払ったマナの色やクリーチャーの持つマナ・シンボル、テキストで指定された追加コスト等は一切関係ない。

*31 「Momir」で呼び出した場合「手札から唱えていない」ため、敗北条件を満たしてしまう。

*32 土地とクリーチャー・トークンしか無く、クリーチャー・トークンは墓地に行く場合代わりに消滅するため、墓地に貯まるのは土地以外存在しない。

*33 このカードを出して次のターンが回ってきた時に、ライブラリーが200枚以上あれば勝ちというカード。だがシールドではパックから出てくるカードを全て使っても90枚なので、土地が110枚以上という歪なデッキになってしまう。

*34 ライブラリーを全部引いて1枚戻し、このターンは手札上限がなくなるというカード。ただし12マナかかる。いくら展開の遅いリミテッドでも12マナは出ない+次のターンに勝たないと2ターン後にライブラリーアウトで負けとなる。構築ならコンボのキーカードとして使えるが、リミテッドで次のターンに勝てる手段を用意するのはまず無理。

*35 パックFoilが出た場合、コモン枠が1枚上書きされる。

*36 1/3パック目は左隣に渡し、2パック目は右隣に渡すと、回転方向は2パック目だけ逆転する。

*37 基本8人なので合計24パック。

*38 例:「ラヴニカ・ギルドの都(RAV)」+「ラヴニカへの回帰(RTR)」+「ラヴニカのギルド(GRN)」のラヴニカ3部作の1番目のパック3種でドラフト

*39 後述するがかつてのフォーマットがヴィンテージはTYPE1、レガシーはTYPE1.5、スタンダードはTYPE2、という名称でカードプールが狭められるほど数字が上がっていったため、逆に無制限=数字が下がるということで1以下→0となった。

*40 旧枠か否かでは問わないため、「時のらせんリマスター(TSR)」の新規旧枠カードは対象外。

*41 新セット追加時の価格を元に変更。

*42 統率者マスターズ(CMM)発売~エルドレインの森(WOE)発売まで。

*43 基本的にはドラフト・ブースターだが、原理的にはセット・ブースターでも可能。

*44 『MtGA』においては250枚の枚数上限がある。そんなに使わない…と思いきや上述の職工フォーマットで250枚上限まで《しつこい請願者》(基本土地でないが4枚以上入れてもよいカード)と《島》だけを詰め込んだデッキが環境を席巻したことがあった。

*45 要は引きなおしルール。他の一部TCGにも様々な条件で採用されている。

*46 初めてこのルールになった大会の開催地名を取っているが、実は後述のパリ・マリガンの初採用はプロツアー“ロサンゼルス”だったというのは有名な話。

*47 故に「マナ能力を持たない土地1枚」が初期手札に来てしまうと、マリガンも出来ないし1ターン目の展開も出来ないしと悲惨な事に。

*48 通常は初期7枚なので6枚以下となるが、特殊ルールで最初の手札が7枚でない可能性があるため、例外処置を避けるべくこのような形式になっている。

*49 ルール文章風に述べるなら「マリガンをしているプレイヤーはキープを宣言した後、占術1を行う。」となる。

*50 MtGでは1戦全体を「マッチ」、その中の各対戦を「ゲーム」と呼ぶ。

*51 7枚以上持っている場合はクリンナップ・ステップに捨てる。

*52 かつてのオラクルでは「取り除かれた」と表記されていた。

*53 《Nameless Race》というクリーチャーのみ、名前の通りに種族無しという例外がある。

*54 同名カードどころか同一人物、つまりプレインズウォーカー・タイプ1種につき1枚しか戦場にいられず、2体目が現れようものならどちらも破壊を経ずにそのオーナーの墓地へ置かれた。後に一人につきプレインズウォーカー・タイプ1種当たり1枚をコントロールでき、2体目以降が出た場合1枚を残して他を墓地に送るようになった。

*55 原文ママ。日本公式ウェブサイト・遊び方より。

*56 これらは総合ルールによって『マジックの黄金律』と命名・総称されている。

*57 文字通り「○○を破壊する」やタフネス以上のダメージでは墓地に行かなくなる。

*58 すべての対象を取る呪文から対象にならなくなる。

*59 相手プレイヤーはこのカードを対象に取れなくなる。

*60 全体追放(対象を取らない)に巻き込んだり、コントロールしているプレイヤーの手で生贄に捧げさせるなどの手段でもこの状況から逆転は可能。アディオス!(《告別》)

*61 普通、4マナの飛行クリーチャーならアンコモン以上で「3/3+別のメリット能力」コモンだと「3/2飛行のみ」や「3/3で飛行するのに条件が必要」でも妥当なラインである。レアでもここまで大ぶりなサイズ持ちはやはりデメリット持ちしかいない。

*62 通常のクリーチャーより一手早く戦闘ダメージを与える。

*63 先制攻撃と普通の攻撃で2度ダメージを与えられる。

*64 与えたダメージ分ライフを回復する。

*65 攻撃に参加してもタップしない。

*66 キーワード能力「瞬速」として制定されている。実際のところほとんどが「瞬速を持つかのように唱えられる」というもので、直接付与する事は稀。

*67 飛行か後述する到達を持たないクリーチャーにブロックされない。

*68 これを持ったクリーチャーによってダメージを与えられたクリーチャーはそ、のダメージの点数にかかわらず死亡する。

*69 1体ではブロックされなくなる。

*70 呪文や能力で主に自分のライブラリーからカードを追放し、それをプレイしたり唱えたりできる。ほとんどはそうしたターン限り。

*71 逆の引いてから捨てるルーティングは青がメイン。

*72 戦場に出たターンから攻撃に参加したりタップ能力を起動できる。

*73 ブロックされた際、あいてのタフネスを超えた余剰ダメージをプレイヤーに与えられる。

*74 飛行を持つクリーチャーの攻撃を、飛行を持たなくてもをブロックできる。

*75 「平地・島・沼・山・森」の5つ。これが付いている土地は特に記載が無ければ対応した色が出せる。

*76 ラテン文字では「WUBRG(ウーバーグ)」。青がUなのは黒のB、土地のLとの重複を避けるため。

*77 2色地形が1セットに10通り全部投入されるなど。特殊な例では両面土地の「小道」メガサイクルがまず友好色3通りと対抗色3通り、その次のセットで残る4通り、と投入されている。

*78 英語版では《Delver of Secrets》。日本で「デルバー」と言えばこいつかこいつが軸のデッキを指す。

*79 「統率者2016(C16)」のメイン統率者サイクルや《創造の座、オムナス》等、4色カードが存在しないわけではない。が、そのカードが使われていないデッキで特定の名称が取られることはほぼない。

*80 他の土地のコピーになれる《ヴェズーヴァ》のFT。

*81 「イコリア:巨獣の棲処(IKO)」で収録されたどうみても『シャークネードシリーズ』オマージュな《サメ台風》や『キングコング』モチーフな《巨大猿、コグラ》など。

*82 ここでは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』『ナーフ』『トランスフォーマー』が各1枚ずつ。

*83 カード名欄が二段組になっており、ルール上では下欄に書かれたカード名のカードとして扱われる。テキスト中の自身のカード名を示す部分は元のカードの名前で書かれている

*84 公式コラムで「国籍が不明になりつつある」とまで書かれたほど。