シノン/朝田詩乃

登録日:2012/10/11 Thu 15:36:27
更新日:2024/04/18 Thu 13:47:21
所要時間:約 3 分で読めます






この剣を抜くたびに、心の中で、私のこと思い出してね



ライトノベル『ソードアート・オンライン』の登場人物。
CV:沢城みゆき


◆概要

登場は第3部≪ファントム・バレット≫編。この章のメインヒロインでもある。初登場時点では寡黙で冷静沈着な面が目立つ。

幼少期に母親と強盗事件に巻き込まれており、夫を亡くした事故で精神退行を起こしつつあった母親を強盗から助ける為に、犯人から拳銃《黒星・五十四式》を奪って威嚇、しかしそれでも止まろうとしなかった犯人に掴みかかられ、その際に射殺してしまっている。
正当防衛ではあるが「人を殺してしまった」事に耐えられず、まだ幼かった彼女がただ一人縋った母親は、しかし自分の事をまるで怪物でも見るかのような目で見ており、名前は公表されなかったにも拘わらず尾ひれがついて噂が広まり住む場所を追われた事でPTSDを発症(ラノベ版では強盗を射殺したことによるものと変更されている)、銃器やその写真等を目にすると激しい動悸や悪寒、酷い時は嘔吐するようになってしまったが、友人の勧めで始めた実在の銃器も数多く登場するVRMMO《ガンゲイル・オンライン(GGO)》で《シノン》でいる間はそういう症状が全く現れなかった為、「この世界で強くなれば、現実の自分も強くなれるのでは」と考え、トラウマ克服の為に高校生の彼女には高い通信費を払ってまでプレイし続けている。

引っ越した先で通っていた高校の不良グループのクラスメートに事件の事を知られ、挙げ句の果てにそれを暴露されてから周りに避けられるようになってしまった。
しかしながらほぼ唯一の友人、新川恭二の前では素の詩乃を出せている。恭二はGGOの戦友でもあり、当初は彼に恋愛感情は抱いていなかったが、彼に告白されてからは返事を保留しながらも意識し始めたような素振りをみせている。

GGOでのシノンは《PGM・ウルティマラティオ・ヘカートⅡ》と言う超レアな対物狙撃銃*1をメインウェポンにするスナイパー・シノン。強敵との戦いを渇望しておりスコードロン(ギルド)にも所属したが、対人メインと言いつつ格下の相手しか狙わないリーダーの姑息な方針に参加したことを軽く後悔している。

反面、GGO内で道に迷った初心者の女の子の道案内を引き受けるという場面もあるので、本来の彼女は面倒見の良い普通の女の子と言えるだろう。

GGO事件後は精神的に逞しくなり、キリト経由で同じ年頃の友人も増え、アスナリズベットの誘いに応じてALOを始めた。
その直後に当たる第八巻収録『キャリバー』ではキリトのパーティに参加し大活躍。シノンさんまじかっけぇーーーーーーーーー!
アスナとは短期間で仲がとても良くなったらしく「シノのん」と呼ばれるようになっている。
また、自分と同じトラウマを持ち、それと向き合うきっかけをくれたキリトに好意を寄せるようになり、彼の胸に張り付いていた電極をネックレスに加工している(これはキリト本人も知らないこと)。ただし、「そーどあーと・おふらいん」でのプレイバックによると当初キリトが学校にバイクで迎えに来た事だけは彼氏だと誤解されて苦労したらしい。

OSではトラウマをほぼ克服し、AR戦闘に参戦。現実世界での立ち振舞も《シノン》のそれとほとんど変わらなくなっている。
主要人物の中でほぼ唯一の後衛キャラなため他の仲間達との共闘は終盤まで実現しなかったが、キリトパーティの中では(大人の都合によりまともに参戦できないリーファを除いて)唯一無二の特性があるため中盤に活躍する。この時、キリトのバイクに乗せて貰うなどさりげなくアプローチをかけてシリカ達を出し抜いている。

アリシゼーション編では序盤は出番はほぼなし(ラノベ版ではキリトとアスナと共に本章の根幹となるフラクトライトの説明、及び入院したはずのキリトの行方を探す会話に参加する)。リーファと共にMOREDEBAN村に入村決定
しかし終盤になってリーファとともにスーパーアカウント《太陽神ソルス》を使用してアンダーワールドにダイブ。
アスナに頼まれてアリスを追いかけ、そこに現れたGGO史上最強プレイヤー《サトライザー》と交戦する。
この時、サトライザーの心意に呑まれて魂を奪われそうになるのだが、アンダーワールドに持ち込まれていたネックレスがサトライザーの心意からシノンを守っており、そのネックレスにキスをする等、キリトへの恋愛感情を明確に描写されている。

心意によってソルスの弓を愛銃のヘカートⅡに変化させ、サトライザーとの銃撃戦を行う。一時は弾切れと武器の差で両足を吹き飛ばされる重傷を負い、諦めかけるがとどめの一撃を再びネックレスが防いだことで戦意を取り戻す。そして、ソルスの弓の能力をヘカートの状態で使用して渾身の一撃を放った。

結果、サトライザーの右腕を吹き飛ばして顔の右半分に重傷を負わせるが、これ以上の時間浪費を避けたいサトライザーはアリスの追撃を優先してシノンとの戦闘を終了する。既に力を使い切ったシノンには追撃するだけの力は残っておらず、弓も元に戻ってしまう。以後、ログアウトするまでネックレスを手にキリトを信じ続けた。

尚、頬にではあるがアスナ以外で明確にキリトにキスをしたのはシノンだけである。しかも、後ろにアスナがいるという状況でするあたり、ネックレスのことも合わせると彼女のキリトへの愛は相当深い事をうかがわせる。


ユナイタル・リングでは一人だけGGOからの参戦なためしばらく単独行動を強いられており、途中で合流するまではALO組とは別口での攻略を目指すことに。


ちなみに現実世界では眼鏡をかけているが、防弾ガラスでできたものを外出時にお守り代わりにしているだけで度は入っていない。
5巻の裏表紙で眼鏡キャラのお約束として裸眼で眼鏡を探していた? 忘れろ


◆戦闘能力

GGOを始めて日は浅いが詩乃にゲームを薦めた先達者・恭二を追い抜き(装備・ビルド構成の差もあるが)、既にベテランプレイヤーとしての域に達している。
《着弾予測円》と呼ばれる狙撃アシストシステムのせいで命中させるのが困難と言われるGGOにおいて、初弾命中率がほぼ100%。ヘカートⅡの性能も合わさって、彼女の狙撃は正に一撃必殺である。
主武器はヘカートだが、それ以外の装備も一通り扱える様子であり、大会にあえて狙撃銃を持ち込まずに出場したことも。
サイドアームは、原作ではH&K MP7サブマシンガン。
アニメ化にあたり「MP7、思ったよりデカイ。シノンの体格に合わない。何よりこの大きさではシノンのお尻が隠れてしまう。よろしくない。」と問題視され、銃器考証担当の時雨沢恵一氏の提案で、グロック18マシンピストルのロングマガジンカスタムに変更。どちらもそれなりのレア武器である。
OSでは近未来っぽい狙撃銃を使用している。VRと異なり現実とかなりリンクしているが自身がトラウマを克服したため特に問題はない様子。

ALO参加後はこれまた気難しいと言われる弓矢を武器に選択し、セオリーを無視した《9種族中最高の視力を備えているケットシー+弓》という変則的ビルドで従来の射程を遥かに超えた高精度射撃を実現。
GGOとALOは共通のエンジンを用いている為、GGOでの狙撃の感覚がそのまま生かせるシノンにはマッチしており、彼女にしか使いこなせい構成と言える。
リズ曰く「この世界の弓ってのはせいぜい槍以上、魔法以下の距離で使う武器」らしいが、魔法どころか100mを優に超える射撃も成功させた。GGOでの狙撃距離の半分にも満たない距離なので彼女的には朝飯前というところなのだろうか…。

しかし、本人はこの射程距離に納得しておらず、その倍の射程の弓が欲しいとのたまい、ALOプレイ開始2週間で既に伝説武器を欲しがっている。*2
キリト曰く、「そんな射程の弓をシノンに渡したら、エリア縛りなしのデュエルだと近付く前に蜂の巣にされる」そうな。
ちなみに現在使っている弓はリズ製なので、この発言にリズから苦笑いされている(一応シノンも「リズが作ってくれた弓も素敵」と言っている)。
ALOでは状況に応じて近接戦闘をすることもあるが無難にこなす辺り近接戦闘においてもある程度の実力を有している様子。*3


アンダーワールドではスーパーアカウント《ソルス》の能力により無制限飛行能力と範囲攻撃能力を持つ弓を使用。
筆者の別作品のこの人が言ってたように遠距離攻撃と飛行の両立という必殺の組み合わせを手に入れているが、流石にこいつには通用しなかった。
しかし、彼女の闘志とキリトへの愛から来る心意も非常に強力で、虚無の心意に立ち向かうほどの魂を持っている。尤も、そうした理由で目をつけられていたのは皮肉としか言いようがない。

ユナイタル・リングではヘカートとサイドアームを引き継いだが、予備弾薬は持ち合わせていない上に重量が厳しすぎて殆ど使用していない*4
代わりにうっかり事故死したGGO組の装備を借り受けた光学銃と、ユナイタル・リングのNPCから貰ったマスケット銃を使用している。大物をソロ撃破して周りより高レベルな上に数少ない遠距離攻撃要員なのでパーティー内ではキリトに次ぐ戦力だったりする。


◆余談

GGOへのコンバートの際、どう見ても女性型にしか見えない男性型アバターになってしまった挙げ句に性別を黙っていた(同性の方が案内してもらいやすそう、という理由はあったが)キリトの前で着替えを始めてしまった。
原作ではアスナ、直葉に次いで下着姿を披露しているが、この辺りがMORE_DEBAN組との差なのかもしれな…

YATTA!さん「脱いだくらいでMORE DEBANから逃れられると思った?」
シノン「えっ」
DEBANさん「MORE DEBAN村は役目を終えたヒロインを大歓迎します」
シノン「えっ」
DA!さん「…この業界はメインの作品が終わったら『人気があるけど出番が少ない』扱いなんです…」
シノン「えっ」

15巻でMORE DEBAN村に正式加入だよ、やったねシノンちゃん!
…世間ではアニメ二期でメインヒロインやってるのにどうしてこうなった。

いや、まあ16巻で普通に出番がある上に、17巻ではリーファ共々ばっちり長尺の戦闘シーンがある訳ですし、ゲームにもよく出張してくる訳なんですが。


◆『電撃文庫 FIGHTINGフェア』のキャラクターカード内での評価(5段階評価)

見た目:4 社交性:2
射撃 :5 素早さ:3
判断力:4 独占欲:6


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最終更新:2024年04月18日 13:47

*1 キリトのエリュシデータと同じで、ボスドロップの一品もの。詳細な戦闘も描かれており、この時彼女は弾丸を一発も外さず弱点にヒットさせている。

*2 ついでに言えばコンバートではなく新規アカウントである。ステがあまり伸びないALOだからこそとも言えるが…

*3 体力系スキルを切り捨て狙撃と移動系に特化したビルドながらもバトルロイヤルであるBoBで上位に入っているのでGGO時代から鍛えていたものと推測できる。

*4 複数人で支えることで砲台としてならなんとか使用可能。