バタフリー

登録日:2010/08/07(土) 19:27:00
更新日:2024/01/21 Sun 17:02:59
所要時間:約 5 分で読めます





ハネの猛毒のりん粉には水を弾く性質があるので雨の日でも飛びまわれる。



出典:劇場版ポケットモンスター キミにきめた!、製作:OLM Team Kato、ピカチュウプロジェクト、配給元:東宝、公開:2017年7月15日
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku、
©Pokemon ©1998-2020 ピカチュウプロジェクト、©2020 Pokemon. ©1995-2020 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.

ポケットモンスターシリーズに初代から登場するポケモン

■データ


全国図鑑No.012
分類:ちょうちょポケモン
英語名:Butterfree
高さ:1.1m
重さ:32.0kg
タマゴグループ:虫
性別比率:♂50♀50

タイプ:むし/ひこう

特性:ふくがん(一撃必殺技を除く自分の技の命中率が1.3倍になる。フィールド上で先頭にしておくと、道具を持ったポケモンと遭遇しやすくなる)
隠れ特性:いろめがね(「こうかはいまひとつ」の時、技のダメージが2倍になる)

HP:60
攻撃:45
防御:50
特攻:80→90(XYから)
特防:80
素早さ:70
合計:395

努力値:特攻+2、特防+1

キャタピー→トランセル(LV7)→バタフリー(Lv10)


キョダイマックス



10トントラックをも 吹きとばす 竜巻に 巻きこみつつ 猛毒の りんぷんで とどめを 刺す。

  • キョダイマックスわざ: キョダイコワク
むしわざが変化。
相手のポケモン全員をどくまひねむりのいずれかの状態異常にする。


■概要


白い羽に赤い複眼、紺色の体をしたモンシロチョウ型のポケモン(羽の模様はスジグロシロチョウに近い)。
足の産毛で花粉を集めて飛び回る。わずかな花粉からでも花を探すことができ、住処から10km離れたところからも蜜を集める。
羽は撥水性の鱗粉に覆われており、雨天時でも飛行能力は失われないようになっている。
また、鱗粉には猛毒も含まれているようで、細かく羽ばたくとそれが風に乗って襲ってくる。

■ゲームでのバタフリー


初代から登場。
トキワの森周辺で入手できるキャタピーまたはトランセルから進化。「」よりも「」の方が見つけやすい傾向にある。
Lv.7でキャタピーからトランセルに、Lv.10でトランセルからバタフリーに進化する。
レベルアップのみでの進化なら、他の序盤虫(スピアーアゲハントドクケイル)と同じく全ポケ中最速。
Lv.10で進化できる手軽さに加え、進化と同時に「ねんりき」(初代はLv.12)を習得するので、特にピカチュウバージョンのタケシ戦でお世話になった人は多いはず*1

野生のトランセルは「かたくなる」しか覚えていないのでキャタピーから育てた方が良い。
ちなみに赤・緑・青ではキャタピー、ビードル共に進化で蛹になった個体は「かたくなる」を覚えられなかった。
ピカチュウ版では進化レベルであるレベル7で習得可能となっている。
(なお、相方のコクーンはピカ版に野生出現しなかったためレベル技の見直しが行われず、進化時の「かたくなる」習得は金銀発売を待つことになる…)

XY・SMUSMでは序盤ポケモンに復帰。
「がくしゅうそうち」の性能が超強化された第六世代以降では手持ちに入れておくだけでレベルが上がっていくため、低い種族値で前線に出しにくいバタフリーも連れて行きやすくなった。
直接戦闘を離れると「ふくがん」が道具発見率アップ、粉技の命中率上昇等に貢献するため、高レベルになると「どろぼう」によるレアアイテムの収集役、捕獲役として一気に化けるポテンシャルを秘めている。
特にアローラ地方ではこの「ふくがん」持ちはバタフリーただ1匹でより有用性が高まっており、またレベル技の改訂により20までに「サイケこうせん」「ぎんいろのかぜ」、31で「むしのさざめき」と非常に習得が早くなっている為、アーカラ島あたりまでは十分主力として使っていける。


一方対戦では、その序盤向け性能故に種族値の貧弱さが目立つ。
特に防御面は壊滅的に低く、比較的マシな特攻も全体から見れば低め。
さらに金銀までは「めざめるパワー」以外の一致技がなく、「サイコキネシス」や「ギガドレイン」に頼らざるを得なかった。
RSEでも「シグナルビーム」を与えられず*2、代わりに得た「ぎんいろのかぜ」「エアカッター」は一致補正込みで威力90以下という残念さ。そもそも当時はどちらのタイプも物理技なのでバタフリーの種族値では生かすことができない。
一方でFRLGで手に入れた特性「ふくがん」により、命中率97.5%の「ねむりごな」が使用可能になったことはバタフリーにとって大きな追い風となった。
これによって相手を眠らせてのゆめくいやサイコキネシスは、「種族値が残酷なほど対戦を決める」という時代にあってバタフリーという虚弱ポケモンに一芸を持たせてくれたため、この「とくせい」という新システムが弱いポケモンを大きく救済してくれる良システムだと多くのプレイヤーに気づかせるきっかけを作った。
またダブルバトルでも「スキルスワップ」でふくがんを他のポケモンに押し付けるという戦法が試されたこともある。当時のプレイヤーは「トドゼルガやラプラスにふくがんを渡して一撃必殺の確率を高める」というコンボを試して、それがまったく意味がないことを知って愕然としたものである。

DPtでは「むしのさざめき」を習得したためそこそこの特攻も活かせるようになった。
そしてダブルバトルにおいては、相手2匹が対象になる「いとをはく」が地味に良性能だった(「こごえるかぜ」の劣化気味ではあるが)。

バタフリーはじまったな!

ただし、序盤虫は序盤虫。
特攻は平均以下、「ふくがん」もほぼ変化技撒きにしか活かせず、「むしのさざめき」も半減されやすい上に一致で威力135止まりと火力不足感は否めない。
使うとなるとどうにも「きあいのタスキ」や「ねむりごな」に依存しがちな為、メジャーな「ステルスロック」や「ラムのみ」、先制技に弱い。
ついでに弱点も多い。
特に、ドラゴンはがね対策に投入されがちなこおりほのおが超メジャーなのがキツい。
第四世代では初期に催眠戦術が蛇蝎のごとく嫌われるようになったことで非常に肩身が狭くなり、しかもプラチナ以降はねむりが弱体化した。

しかしBWにて「ちょうのまい」を他の蝶ポケモンや蛾ポケモンの例に漏れず習得。
決定力と特殊防御と素早さを一気に上げる術を身につけた。
やっぱりバタフリーはじまった!

が…、XYに入ってからバタフリーと同じ芸当が出来、「ふくがん」+「ぼうふう」を撃てるビビヨンが登場しほぼ劣化に成り下がってしまった。
特攻が80から90に変更される、「むしのさざめき」に「みがわり」無視の効果が追加される、といった具合いに単体で見れば強化された点も存在する。
弱体化された点も多いし、そもそもそれらを踏まえた上でビビヨンの劣化と呼ばれているのだが。
待望のORASではビビヨンとの差別化になっていた「ギガドレイン」や「がむしゃら」といった技が教え技化。
それらをビビヨンが習得したことでビビヨンの劣化がさらに進行した。
一応ビビヨンが覚えない「シャドーボール」がメタグロスギルガルドに有効だが、微妙…。
ダブルでは「スキルスワップ」で味方に「ふくがん」を渡せるが、より素早いヤンヤンマでも可能。

また、長年対となっていたスピアーがメガシンカを果たし一躍一線級の能力になった一方、バタフリーにはメガシンカは与えられずに第7世代を迎えてしまった。

さらに同タイプのアメモースの種族値に大幅なテコ入れがなされ、数値の上では完全にバタフリーを上回るように。
こちらは「サイコキネシス」や「ねむりごな」を覚え、「ふくがん」で「エアスラッシュ」も命中率100以上になるのでビビヨンよりは差別化しやすいのが救いか。

ただ、同世代ではやっとまともなひこう特殊技である「エアスラッシュ」を習得可能になった。
「ちょうのまい」との相性は良いが、これでビビヨンとの差が縮まったかと言うと……


「めざめるパワー」は4倍狙いのほのお・こおりか相性補完として優秀なじめんが使いやすい。



…とまあ、細々と個性を育んでそれを完膚なきまでに粉砕されたバタフリーだったが、時は第8世代。

何とキョダイマックスの対象に選ばれたのだ!
専用ダイマックス技は「キョダイコワク」。ダメージに加えて相手全員をどく・まひ・ねむりのいずれかの状態異常にすると言う強烈な技。
キョダイマックス個体を手に入れるのはなかなか大変だが、それに見合うだけの活躍が期待できそうだ。

更に悲願だったひこうタイプの特殊大技「ぼうふう」を遂に習得。
こっそり「ドレインキッス」「バトンタッチ」も習得。
ビビヨン不在である為個性も活かしやすくなった。

バタフリー始まったな!

そして剣盾環境で一番多い型は無限ビビヨンならぬ 無限バタフリー
対策が無ければ一方的に嵌め殺されてしまう。
こうしてものの見事にキノガッサ三号に

実際、Pokémon HOME解禁前のダブルバトルではシーズン2に使用率ベスト30に入っている。苦節24年で遂に環境入りしたと言える。ただ、非力で紙耐久、足もそれほど速くないバタフリーにダイマックスを切るのはもったいなく、実際は当時唯一の「いかりのこな」使いであることの方が重要であった。

ポケモンのラインナップが増えると対戦環境からは退いていった。まぁ全く使われないで消えるよりはマシか。

第9世代では、発売時点で残念ながら入国禁止措置を食らってしまう。代わってビビヨンが入国しているので、住み分けの側面もあるのだろうか。


■アニメでのバタフリー


サトシの記念すべきゲット第一号。
CV:愛河里花子

無印編第3話でキャタピーとしてゲットされ同回のうちにトランセルに進化、第4話で最終進化という驚きのスピード進化(序盤虫なので進化が早いというのは当然なのだが)。
直後にいきなり「ねむりごな」でスピアーの群れを退けた。すごいぞ!バタフリー!
「ポケモンに愛情を持って接する」という、サトシの不器用だが熱血な姿勢がこのトキワのもり編に詰まっている。その後も様々なバトルでそれなりに活躍した。

サントアンヌ号ではジェントルマンのラッタと交換されて一度はサトシの手持ちをはずれるものの、
サトシが交換し直してもらい再び手持ちに戻ってくるという出戻り君。

そしてピンクのエロかわバタフリーに欲情したバタフリーは猛烈アタック!
そしてサトシに初めての別れを経験させてくれた。

無印編第21話『バイバイバタフリー』はもはや語るまでもない神回である。
この回のおかげで涙腺崩壊した人は数知れない。
サトシ役の松本梨香もこの回は収録中に涙したとのこと。

当時は原作のポケモンといえば、ポケモン151匹に対してボックスに入る数は240。性格や分岐進化もワザのバリエーションもないので「複数の型があるポケモン」自体が非常に稀。
アニメの影響もあって「にがす」というコマンドはよほどのポケモン廃人でない限り使うことのないものだった。
そんな中でポケモンとの「離別」を感じさせるこの回はある意味原作とアニメの最大の差とも言え、少年少女たちに非常なショックを与えた。放送翌日に元気がなかった女子生徒もいたねぇ……
その後もアニメでは1~2年に1回ほど、この手のお別れ回(モドキ)が放送されるようになっている。


その後BW編第130話の回想で再登場した。

新無印 第6話から登場。ゴウがゲットした。
ちなみにサトシのバタフリーは「ファイナルⅣ 相棒」でピカチュウの前で幻影として登場。初代無印の面々と共に一番最初に登場し、ピカチュウを奮起させた。
…だけではなかった。「サトシとゴウ!あらたなる旅立ち!!」で何と幻影でも回想でもなくモノホンが1シーンで登場。奥さんと一緒にサトシと再会を果たした。
ここで登場してしまったせいでめざポケでの出番がなかった…とは言わないで上げよう

因みにゲームでの色違い金銀時代は鮮やかなピンクだが、
世代が進んでグラフィックに多くの色を使えるようになると羽のピンクが薄くなったり体の色が紫になったりとコレジャナイ感を増していった…
また、サトシのバタフリーとめでたく結ばれたピンクのバタフリーはアニメオリジナルの配色で、ゲームでは体がピンクにはならないし、目も鮮やかな緑色である。
何故アニメと一緒にしなかったし!

ちなみに進化前はハナチャンみたいな金芋虫柿の種みたいな橙蛹で強烈に目立つので、余計に最終進化の地味さが際立つ。


ポケットモンスターSPECIALでのバタフリー


第2章の主人公、イエロー手持ちとして登場。
キャタピーから脅威の二段進化した。
ただし戦闘要員ではなく《そらをとぶ》要員としての方があっている。


………いや、ホントに《そらをとぶ》要員なんです。ゲームじゃ覚えない?

…イエロー抱えて飛んでるんです。しかもイエローのおじさんもこいつで飛んじゃうんです。


■ポケモンカードゲームでのバタフリー族


特にネットで情報を拾う層に人気が高いデッキに
キャタピー1キル(キャタピーOTK)」
というものがある(OTKはOne Turn Killの頭文字)。

理念は非常に簡単であり、キャタピー(遺跡をこえて…)のワザ「ころころタックル」が無色エネルギー1つで20ダメージ(+反動で10ダメージ)を与えられることに着目したもの。
これはたねポケモンの性能がデフレを起こしていた当時としては破格の性能であり、このキャタピーに
  • プラスパワー(与ダメージ+10)
  • 悪エネルギー(のちの特殊悪エネルギー。当時はすべてのポケモンが「与ダメージ+10」の補正を受けるが、悪タイプ以外のポケモンはポケモンチェックのたびに10ダメージを受けた)
といったカードをつけて悪質タックルで相手のポケモンをきぜつさせるという動きをすることから「キャタピー1キル」と名付けられた。キャタピーが命を削りながら相手にタックルを仕掛けていくのである。
当時は最もHPが高かったハピナスですらHP120という時代であり、メタ内で見かけるたねポケモンのHPは高くてせいぜい90くらいが関の山。進化を前提にしたデッキだとたやすく轢き殺せるというわけだ。

……と、このように説明されるのだがこのデッキが成立した背景は少し複雑である。
このカードの理念は「種速攻(Haymaker)」となんも変わらないのだが、当時の大会のルールでは使用できるカードやデッキの構築に大きな制限があった上、それらのキーパーツには殿堂ポイント*3が振られている。
ドローソースも充実しているとは言えず、この手の速攻デッキに非常に高いハードルが課されていた。ゆえにほとんどのプレイヤーは「速攻デッキなんて組む奴がいるわけないし、いたとしてもろくに回らないのでカモ同然」と考えるようになっていた。
さらに当時は「ポケモンぎゃくしめい」などで育っていないベンチのポケモンを引きずり出して殴る戦略が存在していたことなどが関係し、ポケモンは「無駄に展開せずに少数精鋭で戦う」という戦略が流行していた。
そして当時はまだインターネットが発達しているとはいいがたく、ポケモンカードのプレイヤーコミュニティ自体も閉鎖的だったこともあって情報の共有が積極的になされなかったというのもある*4
つまり様々な理由があったせいで、速攻デッキの可能性についてまともに検証するプレイヤーなんていなかったのだ。
こういったメタの間隙を突いて、キャタピーは「ころころタックル」という気の抜けるような名前のワザに、ありったけの殺意をこめてワニノコやチコリータやホウオウを轢き殺していった。

原作において最弱候補の一角であるキャタピーがカードゲームにおける最強の領域である1ターンキルをしかけてくるという字面のミスマッチさがそもそも面白く、
かわいいイモムシが血眼になってカミカゼを仕掛けてくるというイメージが分かりやすいことから話題性は十分。
さらにこんなデッキが2002年のバトルロード★スプリング中部大会で優勝を飾ってしまった。決勝戦では実際にキャタピーが1キルを決めてしまい、「30秒程度で試合が終わった」とのこと。

しかし実際には当時を知るプレイヤー曰く、この「キャタピーがカミカゼを仕掛けてくるデッキ」という説明はかなり偏っており、実際には「あくまでそれが狙えるだけで実際に怖いところはそこではない。キャタピーより正気を疑うパーツがあった」とのこと。
  • 環境を散々荒らしまわったせいで殿堂ポイントが4振られてしまい、実用的ではないと言われたニューラ(金、銀、新世界へ…)*5
  • 博打要素が非常に強くまともに扱えるデッキがなく、そもそも元ネタがギャグテイストなのに、このデッキではニューラとギミックが共有でき長期戦になった時に大ダメージが狙える「ロケット団のニャース」
  • 同じく博打要素がある程度あるものの、当たってさえしまえば2枚ドローが可能な「カードめくりゲーム」
など当時のプレイヤーなら正気を疑うようなカードが山積みにされていたという。そしてこういった性質から実際には強いニューラに頼って相手を殴り殺すというプレイングも多かったのだという。
この殿堂ポイントをニューラに全振りする(=他の強いカードを使うことを完全に諦める)という一点特化的なプレイング自体がそもそも正気を疑うもので、そこにわけのわからないカードが山積みになって、他のデッキでは見られないような動きをしながらキャタピーやR団ニャースがカミカゼアタックを仕掛けてくるというデッキだったようである。
そしてよしんば1キルが無理だったとしても、そういったポケモンが動き出す前に倒してしまえばいい。

こういった実情を考えると、1キルという名称はどうやらこの決勝戦でのキャタピーの華々しい活躍が独り歩きした結果のようである。
ただし当時の情報をまとめたサイトやwikiがすでに閉鎖やサービス終了などですっかり消えてしまっており、このデッキに関する情報もかなり断片的になってしまっている。
現在の旧裏界隈のプレイヤーに当時の変わったデッキについて尋ねてみると「それは当時の大会ルールが特殊だったから生まれたものだよ」と解説されるなど非常に混沌としている。
都市伝説ではないことは確かなのだがこの「キャタピー1キル」という名称から「ガチガチな1キルを狙うデッキ」という固定観念を前提にした解説が非常に多く、実情から離れてきているようである。そりゃ20年前だもんねぇ、当時生まれた子もお酒が飲める歳になっているし……*6
もし知識と余力がある方がいるのなら、ぜひ追記修正をお願いしたい。

このキャタピー1キル、現在の旧裏界隈では「特殊なルールの間隙を打った地雷」「情報共有が発達していなかった頃の象徴」のように扱われており、パーツに厳しい制約がついていることもあってまったく活躍していないようである。

さて、肝心のバタフリーの話だが、ポケモンカードGBにも収録されたバタフリー(ポケモンジャングル)なのだが、実は旧裏時代通して割と強力なカードだった。
しかし旧裏の草ポケモンはメガニウム(金、銀、新世界へ…)*7との相性によって採用理由が決まってしまうため、あまり活躍はできなかったようだ。
草タイプには2進化ポケモンが多く、非常に重いデッキになってしまうため入る余地がないようである。

トランセルはある時期を境に、羽化をイメージしたワザによって素早くバタフリーに進化することができるようになった。これ自体はコクーン、カラサリス、マユルドなどの他のサナギポケモンも同じである。
ポケモンカードはシステム的にたねポケモンや一進化ポケモンが強くなりがちであり、これを締め付けるために二進化ポケモンの進化前というのは非常に弱く単体で運用できないことが多い。
この売り方が確立して20年以上経った現在では、バタフリーが活躍することはあってもキャタピーが突然襲い掛かってくることはないだろう。


■余談


なお、このバタフリー、実はゲーム製作上のミスか意図的かモルフォンと入れ替わったのではないかという噂(都市伝説)がある。
根拠としてバタフリーとコンパンの顔、モルフォンとトランセルの顔が似通っていること、
モルフォンの後翅にアゲハチョウ科の特徴である尾状突起が見られること等が挙げられる。
ただし、ツイッターでこのことについての問い合わせを受けた関係者は、さて、どうでしょう?皆さんで考えてみてくださいといった発言をしている。
グラフィックの入れ替わりは肯定も否定もされておらず、真偽は依然として不明である。

ただしポケモンの「進化」に関するグラフィックは当時はあまり重要視されていなかったようであり、2021年にもウパーのデザイナーの知り合いを称する人が裏話として
「元々御三家として作られる予定であり、ヌオーに進化するという話はなかった」
という話をしたり、例のプロトタイプROMの流出により現在とはまったく違ったポケモンの没案が明らかになったりなど、ポケモンの裏側の事情が見えてきている。
それらのことを念頭に置いてから改めてこの話を見てみると、今のところはあくまでも都市伝説の域を出ていない。
ただもしそうだったら……ちょっと夢が広がる話だ。

バタフリー「ふりぃぃぃぃぃ~!!」


これまでのこうもくをも ふきとばす しゅうせいに まきこみつつ よだんの ついきで とどめを さす。


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最終更新:2024年01月21日 17:02

*1 ピカチュウ版でのタケシ戦はピカチュウの技がまともに通用しないので一工夫必要になる。この一工夫に何を使うかというのを話してみると意外と人によって意見が異なるので面白かったり。バタフリー派は割と力押しを好むようだ。

*2 これは当時のむしタイプのポケモンとしては当然でだった。タイプ一致メガホーンはヘラクロスの独占状態、ストライクやハッサムのタイプ一致技は「ぎんいろのかぜ」しかなく、スピアーやカイロスにはそれすらなかったような時代である。そもそもこの時代のシグナルビームは物理技なのでバタフリーがもらっても仕方ない。

*3 規制。カード1枚につきポイントが1~4まで振られ、このポイントの合計が4以内になるようにデッキを組まなければならない。3以上は事実上制限カードで、組み合わせられるカードも限られてしまう。

*4 これ自体はポケモンカードに限らずすべてのカードゲームがそんな感じだった。そもそも個人サイトの時代というのはサイトAとサイトBが違った結論を出すことも多く、その結論によって属するコミュニティを決めるようなところがあった。つまり現在のwiki形式のように、検索エンジンに即座に引っかかる支配的なサイトがなかったということである。

*5 プクリンの「ともだちのわ」と同じテキストを持つワザ「ふくろだたき」を悪エネルギー2つで打てるたねポケモン。プクリンですらヤバかったのに、上述した悪エネルギーの効果まで合わさるので「2エネで80ダメージ」という異次元の効率をたたき出す。ハピナスですらHP120だった時代に弱い理由がなく、「わるいラフレシア」ともども殿堂ポイント4を記録した伝説のカード。

*6 そもそも2000年代前半期はポケモンカードに限らず、カードゲーム全般が非常に混沌としていた時期なので耳目を集める話ばかりが残りやすいという性質がある。Wikipediaもまだ台頭する前であり、特筆性や正確性よりも話題性が重要視されていた。この時期のサブカルはその後の世相の移り変わりもあって非常に断片的にしか残っていないのである。

*7 草エネルギー1枚を草2つ分として換算するという破格のエネルギー加速能力を持つ。