相模線

登録日:2010/01/18(月) 19:39:44
更新日:2023/10/16 Mon 21:09:41
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相模線(さがみせん)とは茅ケ崎駅と橋本駅を結ぶJR東日本の鉄道路線である。
ラインカラーは水色

厚木市、海老名市などの地元沿線地域での愛称はガミ線。ただしそれ以外ではあまり浸透しておらず、普通に相模線と呼ばれる。相撲線ではない

★概要

名前から想像がつくかもしれないが、元々は相模鉄道の路線であった。

電化は1991年で、神奈川県で一番遅く電化した路線である。
この相模線の電化により県内の鉄道旅客路線全線が電化され、初めて気動車列車が乗り入れない県となった。これは東京都よりも5年早く達成している*1

東京近郊ののんびりとしたローカル線という趣だがこれでも歴とした幹線であり、地方交通線の八高線等と比べると運賃は安い。ただし東京の電車特定区間外なので、それらの路線と比較すると高い。

★運行形態

全列車が各駅停車で、茅ケ崎~橋本間の線内運転が20分に1本、ラッシュ時は15分に1本の間隔で運行される。
全線通し運転の他、茅ケ崎~海老名間の区間列車がある。以前はラッシュ時間帯に横浜線への直通列車があり八王子まで運転されていたが2022年3月改正で廃止になった。
直通列車は4両しかなかったことから横浜線ユーザーから迷惑がられていたとか?
全線単線であり、沿線自治体は複線化あるいは交換設備の増強を求めているが進展は特にない。
2022年3月改正でワンマン運転を開始している。


★使用車両

電車は横浜支社国府津車両センター(横コツ)所属。

現在の車両

●E131系500番台
2021年11月から導入。帯は205系に合わせているが、色調が濃いものとなり窓上にも追加された。前面には湘南の海とダイナミックな水飛沫をイメージした水玉模様を配している。
使わないのに貫通扉が付いているのは内緒だ。
2022年3月までに205系をすべて置き換え、定期列車は本系列に統一された。
横浜線にも乗り入れをしていたが、前述の通り2022年3月で廃止されたためわずか4か月しかなかった。

過去の車両

●205系500番台
導入当初は八王子支社豊田電車区(八トタ)所属だった。帯は水色の二色。
電化に合わせて製造した。前面が他の205系と異なり貫通扉が付いたような独特のデザインとなっているが、実際には貫通扉は付いていない。2022年2月末に引退。

*2

●キハ35系
非電化時代最後まで使用されていた気動車で、1986年からはクリーム1号と青20号の実は瀬戸内色と全く同じ配色の「相模線色」への変更が開始された。
当時電車での導入が開始されていた地域カラーだが、気動車で採用したのは当路線が最初である。
余談だが国鉄型気動車の標準色である朱色5号(タラコ色)は、当路線から塗り替えを開始した経緯から「首都圏色」とも呼ばれる。


★駅一覧

●茅ケ崎…東海道線乗り換え。
言わずと知れたサザンオールスターズ桑田佳祐の出身地である茅ヶ崎市の代表駅。

●北茅ケ崎…駅のすぐ隣に工場(東邦チタニウム etc.)があり、それらへの通勤利用が多い。
近くにはスーパー銭湯もある。

●香川…香川県にはない全国唯一の香川駅。周辺は普通の住宅街だが、さらに東に行くとゴルフ場がある。

●寒川…寒川町の代表駅で相模線は当初この駅を目的地としていた。
鉄道忌諱論があった為、この駅までの建設をするためにかなりの時間がかかった。
寒川神社へは宮山駅の方が近い。

●宮山…相模國一之宮こと寒川神社最寄り駅で、初詣の時期は大変賑わう。

●倉見…JX金属倉見工場が北側にある他、駅のすぐ南側に東海道新幹線の高架橋がある。
新幹線の新駅設置や、相鉄いずみ野線の当駅までの延伸構想があるが具体的な動きはない。

●門沢橋…富士フイルムビジネスイノベーション海老名事業所最寄り駅。

●社家…の江戸訛りシャケに聞こえる為、ネタにされる事も……。

●厚木…小田急小田原線乗り換え。相鉄の貨物線(厚木線)も接続している。
厚木市ではなく海老名市に存在している。さらに小田急線に本厚木があるためか、鉄ヲタからは“偽厚木”と揶揄されている。
駅舎・改札共に小田急のものであり、以前はホームが構内踏切で結ばれていた為、小田急の駅員が手動で踏切を閉めていた(現在は解消)。

●海老名…小田急小田原線・相鉄本線乗り換え。
海老名市の中心地。
小田急線への乗り換えは厚木駅と比べると駅同士の距離が少しあるが、急行が停まるこちらがオススメ。
開業日は1987年3月21日と、国鉄最末期に開業した新駅の一つである。
ビナウォークの反対側・小田急の電車区側にあり、他線の車窓から見ると唯一単線の姿はどこか寂しげ。
駅前も永らく非常に寂れていたが、2015年10月より相模線側の駅前に「ららぽーと海老名」が開業し、近年賑わいを増してきている。
ちなみに小田急が千代田線を介して常磐緩行線と、相鉄が埼京線と直通運転しているため、JR・小田急・相鉄全てのホームにJRの車両が来るという非常に珍しい駅だったりする。

●入谷…座間市唯一のJR駅。駅周辺は田圃であり、相模線の中でも群を抜いて田舎感の強い駅。といってもマンション等も十分見えるし、県立座間高校が近くにあるので利用は意外と多い。
券売機が設置されていない線内唯一の駅で、かつては相模線唯一の完全無人駅でもあった。
小田急小田原線座間駅へは1kmほどと十分歩ける距離にある。

●相武台下…相武台とは陸軍士官学校の事。戦争で狙われないようにと改名された(小田急小田原線にも相武台前駅があり、3kmほど離れている)。
現在は米軍キャンプ座間の相模線側の最寄り駅となっている。

●下溝…県内で最も素晴らしい駅? 近くに絶景スポットがあるらしい。

●原当麻…通称大麻…仕方ない。「原当麻さんに3000点」が通じるのは漏れなくおじさまおばさま。
周辺に高校や大学が複数あるため、利用が多い。

●番田…県立上溝南高校の通学利用が多い駅。

●上溝…相模原市の旧市街地にあり、線内唯一の高架駅でなかなか賑やかな駅となっている。しかし単線。
ケンコー全裸系水泳部ウミショーでは「神溝駅」と書かれていた。
小田急多摩線を当駅まで延伸する構想がある。

●南橋本…周辺には多数の工場があり、それらへの通勤利用も多い。

●橋本…横浜線京王相模原線乗り換え。

★廃線区間

※いずれも寒川駅から分岐していた。
●川寒川…砂利輸送用の貨物駅。砂利輸送廃止に伴い1931年に廃止。

●西寒川…こちらも元々は砂利輸送用の駅だったが、旅客駅に昇格。
工場への通勤路線として使用されていたが、1984年に廃止。
廃止後は一之宮公園として整備され、レールも残されている。


★その他

相模線内各駅の発車メロディは、他線区にはない通称「近郊地域20番」のみ(総武本線佐倉駅で使用されていた曲と同一、またはその音色違いの2種類に分けられる)となっている。
なお茅ケ崎駅のみ発車ベルで、かつて上溝駅では「せせらぎ」のフェードアウト版を使用していた。


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最終更新:2023年10月16日 21:09
添付ファイル

*1 全線電化を達成している県であれば奈良県大阪府の方が早いが、両府県には気動車の乗り入れ列車が残存していた(奈良県は2006年3月に廃止)。

*2 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/205sagami.jpg 日時:2016/01/18