広瀬康一

登録日:2011/08/30 Tue 23:07:12
更新日:2023/12/17 Sun 11:55:46
所要時間:約 9 分で読めます




ぼくの名まえは―(まー…おぼえてもらう必要はないですけど)

広瀬(ひろせ)康一(こういち)15さい…



ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない」の登場人物。
ジョジョ第四部における語り部敵存在でもある。

CV:夏樹リオ(黄金の旋風の没データ)、朴ロ美(オールスターバトル、アイズオブヘブン)/梶裕貴(TVアニメ版)
演:神木隆之介(実写映画版)


【概要】

M県S市杜王町の高校生で、主人公東方仗助達と同じ学校に通っている。

身長は157cmと小柄だが、物語が進むにつれてデフォルメされ、見た目が更に小さくなった。
尤も、4部では彼のようにデフォルメ化したキャラクターは他にもいるが。
しかし、背が低いことは気にしているようで、背の低さを馬鹿にされた時は一般人にスタンドを使った嫌がらせをした。
産まれた時は未熟児(2325g)で、7日間カプセルに入っていたらしい。

両親と姉がいる4人家族。父親は作中で出てこなかったが、母と姉・綾那*1は出てきており、どちらも結構美人。
やや臆病だが誠実で誰にでも(悪人にも)好かれる性格をしており、様々なキャラクタに『いいヤツ(人)』と評されている。
正義感も強く、虹村兄弟を前にした時には「弓と矢」を放置していては町の人が危ないという理由で、撤退しようという仗助に反論している。
それを受けて仗助は「意外と勇敢」と内心舌を巻いていたが、同時に怪我や身の危険を顧みないその勇気を「無謀」とも評していた。
またここぞの精神力と強く、普段はぱっとしないいじめられっ子だった彼も
家族の危機など自分が折れたら駄目になる状況では悪に対し怯まず毅然と立ち向かっている。
吉良に敗北し怒りに任せ殴る蹴るの暴行を受けた挙げ句ついに殺されるという絶体絶命まで追い詰められたとき、
それでも命ごいどころか逆に自分を殺してみろと堂々と啖呵を切ったシーンは必見。

元々一般人であるためか、歴戦の勇士である空条承太郎や、父親譲りの頭の回転の速さや冷静さを持つ仗助と比べると、
相手の罠にうっかり引っかかってしまう迂闊さや、敵の能力が未知の状況で冷静さを失ってピンチに陥るなどの未熟さが見られたが、
精神力に加え数々の修羅場を潜り抜けるうちに優れた咄嗟の判断力と機転も身に着け、承太郎に「頼りになるヤツ」と信頼されるまでになった。

ただし決して聖人君子というわけではなく、美人の山岸由花子に告白されて浮かれたり、部屋は汚かったり、コンビニでの立ち読み常習犯で店員からはウザがられていたりと、良くも悪くも等身大の普通の少年である。
また、怒りが頂点に達するとまさに「怒髪天を衝く」とばかりに髪が逆立ち、敵に対して辛辣な言葉をぶつけるようになり、荒っぽくなる。

ちなみに名称の由来は、名字が杜王町のモデルになっている宮城県仙台市にある地名そのままで、名前はバビル2世の主人公浩一から。

元々スタンド能力は無かったが、虹村形兆に「矢」で射られ、瀕死の状態から仗助に助けられた後に発現。
初めてスタンドを出したときは卵の状態で何の能力もなかったが、小林玉美に母と姉をロックされ、怒りで覚醒した際に卵が孵化した。


【スタンド能力】


エコーズ

虹村形兆が射ったスタンドの矢により発現したスタンド。

主に「音」に関する能力を持ち、闘いを重ねるごとにACT1から3まで成長し、姿かたちを変えていった。
発現したばかりのころは大きな卵の姿で、康一の意志でもスタンド自らの意志でも動くことはなかった。
なお、ACT3に進化して以降、ACT1~3は本体の任意で使い分けが可能である。

康一は射られた時点ではスタンドの適性がなく、そのまま瀕死の重傷を負い死ぬはずだったが、仗助がクレイジー・ダイヤモンドで回復させたことで生還し能力を得た。

名前の由来は、ピンク・フロイドの楽曲「ECHOS」。
スタンドが3段階あるのは康一の名前の由来であるバビル2世に登場する「3つのしもべ」から構想を得ているとのこと。
ACT3の目はポセイドンとそっくりだったりと見た目にも影響が出ている。

ACT1

パラメータ:【破壊力E スピードE 射程距離B 持続力B 精密動作性C 成長性A】

VS玉美で初登場。

非力でスピードもなく*2、殴り合いには向かないスタンドだが、『人や物に音を貼り付け、染み込ませる』能力を持つ。
例えばエコーズが人の体を殴ると、ダメージの代わりに殴った時の「ドカッ」「バキッ」「ドシュッ」等の音が体に張り付き、能力を解除するまで殴られた人の中で鳴り続ける。
騒音を貼り付ければ、貼り付けられた相手は延々鳴り響く騒音に苛まれることになる。
これは鼓膜から聴こえているわけではないので、耳を塞いでも、たとえ鼓膜を潰そうとも防ぐことはできない。
玉美の様子からすると、3か所も張りつけられれば騒々しくてかなわないようだ。割とえげつない。

また自分が言った言葉を相手に貼り付けて、その内容を相手の心に深く訴えかけることも出来る。
ただし、思い込みの激しい人、言っても無駄な人には効かない。
なお、この魂に介入する力は他の形態でも有効(Act3でシアーハートアタックを攻撃した際、ダメージすら伝わらないはずのそれを通じて本体に効果が及んでいる)。

他にも音を使った錯覚で敵を混乱させたりする。

パワーは無いが、その分射程距離は50mと長いので偵察に使われる。
また、貼り付ける音は複数及び違う種類でも大丈夫なので、使い分けが容易なのも利点。
何個音を張りつけられるかは詳細には描かれていないが、作中見る限りでは
少なくても4~5個ぐらいは同時に貼り付け、音を出せるようだ。

ちなみに当初はただの『エコーズ』だったが、ACT2発現以降は便宜上『ACT1』と呼称されるようになった。


ACT2

パラメータ:【破壊力C スピードC 射程距離B 持続力B 精密動作性C 成長性A】

山岸由花子との戦闘中にACT1が丸まって蛹化した後に成長した形態。
デザインはACT1に比べ人型に近くなっている。

能力はACT1同様言葉を張り付けるのだが、ACT2は尻尾の先の鏃のような部分が変化して擬音となり、それに触れた者は文字の内容に応じた「実感」を伴う。
つまりACT2が出した文字に触れると、「ドジュー」なら熱さを、「バギャ」なら殴られたような衝撃を現実に感じる。
ゲーム「アイズオブヘブン」では、掛け声すら有効圏内だったことが判明。

ただし、これはあくまで感覚なので、実際にものを破壊したりはできない。(意思のないものには効かないという意味であり、ボヨヨン岬のように人間は錯覚ではなく実際に現象として効果を受ける)
なのでこの状態では主にドアや手すりなどの物に張り付けて使う。

反面、尻尾を変化させているため、出せる音は一度に一つになってしまった。
また、違う音を出そうとすれば一度回収し文字をこね直す必要があるため、柔軟性や実用性は高いものの、利便性は少し下がっている。
文字に変化したとしても尻尾というスタンドの一部であることに変わりないため、破壊されると背中が裂けるなどのダメージが発生する。

間違われ易いが、射程距離はACT1と同じ50m。

あまりにも汎用性が高すぎる能力故か、ACT3登場後は使われなくなってしまった。
一応、外伝作品「The Book」には登場した。


ACT3

パラメータ:
【破壊力B スピードB 射程距離C 持続力B 精密動作性C 成長性A】(第4部、第5部TVアニメ版)
【破壊力A スピードC 射程距離D 持続力C 精密動作性C 成長性B】(第5部原作版)

射程距離の評価について:第5部『黄金の風』に登場するパープル・ヘイズが「同じ5mでも射程距離の評価が違う」というツッコミでもあったのか、
第3部・第4部のスタンドスペックも判明した資料集『JOJO-A-GOGO!』出版以降はPHに合わせてC評価になっている。
後者は第5部単行本のスペックで、資料集を出版する頃には荒木先生もおかしいと判断したのか、修正されている。
TVアニメ版第5部では、第4部でのスペックがそのまま掲載されている。

エコーズの最終形態。
吉良吉影のスタンド「キラークイーン」の第2の爆弾「シアーハートアタック」との戦闘中ACT2から成長し、完全な人型スタンドとなった。

近距離型(射程距離5メートル)になった分パワーが上がったのに加え、射程距離内に入った物を重くする技「3FREEZE」が使えるようになった。
本体との距離が近いほど目標にかかる重さが増す。
射程ギリギリで40~50kgほど、30cm内に近づけば近距離パワー型スタンドでさえ余程の相手以外なら行動不能になるほどの重力がかかる。
また、シアーハートアタックに使った結果、離れた場所にいた吉良の手も重くなったことを考えると、魂へ介入していると思われる。逆に言えば、Act2同様生命体にしか効かないことになる。
重くされたジョルノが成長する木に捕まって上に移動できた点から、物質的な質量そのものを増大させるわけではないと思われる。ただし、負荷によっては床が凹んだりする。
が、一度に一箇所しか重くできないのが欠点。
但し、成長性は未だ「A」と発展の余地があり、最終形態というのもあくまで劇中で描かれた限りなのかも……?

+ 考察
Act2までの能力は言葉にまつわる能力だったのに、なぜ急に重力操作になったのだろうか。
これについて、成長性がAであることや同じくActという形で成長するタスクを考慮するとある可能性が見えてくる。

元々それまでのエコーズは一次元的な情報である言葉を使い、言葉の伝達(一次元)や面に対する効果音の執行(二次元)など、取り扱いの次元を操作するような能力を持っていた。
その次元をさらに1つ上げた結果、齎される能力は言葉の現象化である。
3FREEZEは「FREEZE(動くな)」という言葉を、重くするという現象を以って強制するであり、能力そのものではないということ。
つまり、他の言葉を使えば全く別の効果を発現する可能性がある。

この能力が発現した時、シアーハートアタックというスタープラチナですら破壊不可能だった怪物が迫っている状況だった。
しっぽ文字も一時的とはいえ失われ、もはや近寄られれば死確定という状況で、「来るな」という言葉を反映した結果、3FREEZEが放たれたと思われる。

ならば何故以降の戦いで「FREEZE」しか使われなかったのか。
そもそもエコーズの能力は、何も考えずに使ってもあまり強力ではない。
様々な言葉からイメージにつなげる発想力こそが肝である。
が、強敵を退けた3FREEZEという技のあまりのインパクト故、そこから離れた発想ができなくなっているのだと思われる。
喋れるんだから教えてやれよと思うかもしれないが、以降の康一は3FREEZEを使うために呼び出しているので、それ以上のことができなくても仕方はない。

また、相手にそこそこのダメージを与えつつ行動を封じ、距離によって与える負荷を制御できるという3FREEZEは、心優しく人を殴るなんてできそうにない康一にとって使い勝手が極めていい効果であることも大きいと思われる。
加えて、「動くな」という意志を重量増加という現象に拡張するような能力であるなら、生命体相手にしか使えないと思われるこの能力の別パターンなど恐ろしくて試せないだろう。

また、以前の形態と打って変わってスタンドに自我がある
本体ともお喋りできるが、『Son of a BITCH!』等々、口は相当悪い。
口癖は「S・H・I・T(エス・エイチ・アイ・ティー)」。
「SHIT(シット)」ではない。間違えるな…二度と間違えるな!!


【その後】

ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』にも登場。
出番は序盤のみで、第4部から5部への橋渡し役として登場する。

空条承太郎からイタリアにいる『汐華初流乃』なる少年の皮膚を採取するアルバイト(報酬は旅費全額)を依頼され、イタリアに行った康一。
さっさと依頼をすませてパリのディズニーランドでも行こうと思ってた矢先、空港のタクシー乗り場で金髪の少年に荷物を強奪されそうになる。

からくもACT3の能力でタクシーを重くしてパンクさせ、荷物を取り戻せたかに見えたが、何故か荷物がカエルに変わり、無くしてしまう。
強奪しようとした少年を探すももう消えており、また、その少年こそが探していたジョルノ・ジョバァーナと名乗る初流乃であるという事実に驚愕した康一は、彼を追うことに。

その後、荷物を取り返すためジョルノの部屋を訪ねた康一は、彼と接触。
襲ってきたブラック・サバスに対し義憤を覚える彼と共闘する。

ジョルノの機転によりスタンドを撃退した後、『弓と矢』の『矢』を持っていたブラック・サバスのことを承太郎に知らせようとするも、ジョルノに止められて断念。

彼に遠隔自動操縦型のスタンドの特徴を伝えた後は物語からはフェードアウトした。恐らく町に戻り、承太郎に報告を済ませて何らかの追加報酬を受け取った*3ものだと思われる。
TVアニメ版第5部ではパッショーネの入団試験を終えて刑務所から出たジョルノを見届けた後、
承太郎にジョルノと再度接触した事、ジョルノが承太郎が考えている程危険な人物ではない事を伝えた。
なお、ジョルノがギャングに憧れている事や、その入団試験を受けた事についてはジョルノの意向を汲み、承太郎には知らせなかった(これについては「電話がパッショーネに筒抜けになっているかもしれない」という危険性をジョルノから知らされたのもある)。


【ゲーム】

スタンドを切り替えての戦いが可能。
コンビ技が実装されたアイズオブヘブンでは、重くした上でさらに体重を10倍にしたり、ドラララのサンドイッチにしたりと、結構えぐい技が多い。


【名言】

  • この光り輝くなめらかな回転のリム・スポーク!やっぱり新品は楽しいね…しばらくバス通学は出来ないでェ~す!
  • よし、それじゃあ明日までにキッチリ50万持って来い!
  • よく雑誌のクイズで同じ2枚のイラストが並んでて「Aの絵にはBの顔とちがう所が7か所あります―探してハガキに書いて送ってください」…
    あんまり見つからないと目玉を動かすのが疲れて…気持ち悪くなるけど…
    く、区別がつかないぞ!一か所ひたいにゴミでもついてんのか程度のネジのようなものがあるけど…
  • うっ…うれしい!
  • 「ふっ飛ばす文字」に…さわってるんだよ 君の言うクソったれの文字がひっついたぼくに…
  • 今回だけはねー なおさないからいいんじゃあないか…
  • なにィ~ッ ベ ベタだあーっ インクを手裏剣のように飛ばしてはみ出さずに正確に命中させているぞッ!
  • もし違う顔だったとしたら…それ…「エコーズ」っていうぼくのスタンドです
    え…えとあなたのスタンドで「エコーズ」の目を傷つけて…ぼくの目を見えないようにしてください
  • ますます「ムカッ腹」が立って来たぞ…
    なぜ殺人鬼のためにぼくがビクビク後悔して「お願い神様助けて」って感じに逃げ回らなくっちゃあならないんだ?
  • ぼくの目の前にいるこの男がッ!(こいつの方からあらわれやがった!)
  • おまえはバカ丸出しだッ!あの世でお前が来るのを楽しみに待っててやるぞッ!
  • それ全部落として割っちゃったらあなた…上の人に叱られちゃったりするわけですか?そうなったらOH・MY・「ガッ」ですね?






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「下痢腹かかえて公衆トイレ捜しているほうがズッと幸せ」
って願わなくっちゃあならないんだ…?


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最終更新:2023年12月17日 11:55

*1 露伴に「ヘブンズ・ドアー」で記憶を読まれた際、姉だけは名前が判明している。

*2 身体能力は一般人の玉美ですら殴られてもダメージはなく、拳も簡単にかわせるほど。

*3 ジョルノがスタンド使いであったことを受けて調査報告を打ち切った承太郎が、康一に何も渡さなかったとは考えにくい。イタリア観光はジョルノのせいで半分台無しになってしまったのだし。