ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない

登録日:2012/09/27 Thu 19:41:58
更新日:2024/02/13 Tue 15:54:42
所要時間:約 8 分で読めます




一九九九年もはや3か月がすぎた

ぼくの名まえは――
(ま―…おぼえてもらう必要はないですけど)
広瀬康一15さい…

ぼくの場合は…
受験の合格とこれから通う
新しい学校への期待と不安で
頭がいっぱいの3ヶ月だった

……2人の奇妙な男に出会うまでは…


【概要】


荒木飛呂彦の連載しているロマンホラー漫画の金字塔「ジョジョの奇妙な冒険」の第4部。

第3部に引き続き『スタンド』が物語のメインとなる。

その第3部の終盤には、『世界』を筆頭に強力な能力を持つスタンドが多く登場したが、
続く第4部は「人間の弱さ」をテーマにし、強力な能力を持つスタンドを極力登場させず、
それに伴って、スタンド使い同士の戦いも、単なる力比べではなく頭脳戦をメインとすることで、
バトルを中心とした少年漫画が陥りがちな「パワーインフレ」を回避している。
主人公・仗助のスタンドが「最も強い」ではなく「最も優しい」能力であることからもそのテーマが窺い知れる。
しかし、連載当時は「3部に比べて敵が弱くなった」という読者からの批判も少なくなかったという。

物語の舞台も、世界の国々を旅する壮大なスケールの冒険譚が描かれた第3部から一転し、
主人公たちが住む架空の町である「杜王町」のみとなっている。(以後の部でも、国を跨いでの移動は行われなくなった)
そのため平凡な日常の描写やギャグシーンも多く、全シリーズを通して最も明るい雰囲気の作品。

しかしその一方で、平和な町・日常の影で犠牲者を手に掛ける猟奇的な殺人鬼が登場したり、
特定の場所に足を踏み入れた者に襲い掛かる怪奇現象など、
「日常に潜む恐怖」という荒木氏の得意とするホラー要素もしっかりと取り入れられている。
そのため明るめな雰囲気とは裏腹にグロテスクな描写も多い。


また、殆どの登場人物の性格に二面性があるのも特徴の一つ。


【アニメ版】

2015年10月24日にTVアニメ化が発表。
そして2016年4月から12月までの3クールの間、放送された。全39話。

過去のアニメシリーズのように、原作を補完するオリジナルシーンが挿入・変更されている。
例を挙げると、まず吉良の初登場エピソードである「吉良吉影は静かに暮らしたい」と「山岸由花子はシンデレラに憧れる」の放送順が逆になり、話の繋がりに無理がなくなっている。
その他にも「鉄塔に住もう」「エニグマの少年」「チープ・トリック」「ぼくのパパはパパじゃない」は「7月15日(木)」というタイトルで同時系列でするエピソードとなっている。
概ね好評だが、尺の都合かジャンケン小僧の運命の説明が省かれていたり、吉良が空気弾の射程を測るシーンが削られたりといった場面もある。


【あらすじ】

空条承太郎とその仲間たちによって邪悪の化身DIOが滅ぼされてから10年。

ジョセフに不倫相手との隠し子が居た事が明らかになり、隠し子に会うべく杜王町を訪れた承太郎は、
そこで普段は温厚だが自慢のリーゼントヘアを馬鹿にされると激しく怒るという、不思議な性格の少年に出会う。
彼こそがジョセフの隠し子・東方仗助であり、あらゆるものを直すという『この世のどんなことよりも優しい能力』を持つスタンド使いだった。

仗助は承太郎との出会いをきっかけに杜王町で起こる数々の奇妙な事件に巻き込まれ、やがては町が生んだ最凶の”怪物”と対峙する。


【用語】

◆杜王町
物語の舞台となる町。M県S市に存在する。
S市のベッドタウンとして80年代に急速に発展した。
別荘地があるなど観光業もそれなりに盛んらしく、サマーシーズンには観光客で賑わう。
町の花はフクジュソウで、特産品は「牛たんのみそづけ」。
近年奇妙な失踪事件が多発しており、行方不明者の割合は他の町の7~8倍にも上る。

ちなみに「鉄塔に住もう」などでは宅地開発のため送電線は埋設されているため電柱が無い旨が語られており、実際に街並みはかなりスッキリしている。
……が、それ以前の形兆戦ではよりによって重大なシーンで電柱が登場するので例によって以前描いた描写・設定を作者が忘れていた模様。
おとなはウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです……

弓と矢
射抜かれた者にスタンド能力を与える謎の道具。
スタンド能力に目覚めるのは素質のある者だけであり、素質が無ければそのまま死んでしまう。
杜王町に持ち込まれ、町中に多くのスタンド使いを生み出す。


【登場人物】


ジョースターの血統


東方仗助
-スタンド:クレイジー・ダイヤモンド
本作の主人公。
高校1年生で、口癖は「グレート」。
ジョセフの隠し子だが、本人はそれを知らなかった。
纏った改造制服とリーゼントヘアが示す通りの不良少年。
性格は温厚で、基本的に年上には(砕けた)敬語で話すなど、普段は律儀で優しい少年なのだが、
自慢のリーゼントをけなされるとキレてしまい、言動も暴力的になって手が付けられなくなる。
スタンドは自分以外のあらゆるものを直す『クレイジー・ダイヤモンド』。

空条承太郎
-スタンド:スタープラチナ
第3部の主人公。28歳になり、職業は海洋学者。
仗助を訪ねて杜王町へとやってくる。
10年前のワイルドな一面はほとんど見られなくなり、冷静な頼れる年長者として活躍する。
スタンドは強力なパワーに時間停止能力を備えた無敵の『スタープラチナ』。

ジョセフ・ジョースター
-スタンド:ハーミット・パープル
前作、前々作に引き続き登場。御年79歳。
60代で不倫して子供を作っていたという絶倫な行動が明らかになった。
『隠者の紫』の能力で弓と矢を奪ったスタンド使いの在所を探し当てるために来日する。
3部より更に老け込み、頭も少々ボケ気味になっているが、透明な赤ん坊の世話や杜王町の事件に関わっていくうちに少しずつかつての精気を取り戻していく。

杜王町の人々


広瀬康一
-スタンド:エコーズ
仗助と同じ高校に通う学生で、本作の語り部。
彼が承太郎と仗助に出会う場面から物語は始まる。
少々臆病なものの心優しいごく普通の少年だが、スタンド使いとの戦いを通して大きく成長していく。
覚悟を決めると非常に勇敢になり、承太郎も感心するほどの精神力を見せるが、一方で敵に対する言動がやや挑発的になる。
その親しみやすい性格ゆえか変人・悪人に好かれる事が多い。
スタンドは様々な特性を使いこなす成長型の能力『エコーズ』。
5部にもちょっとだけ登場。

虹村億泰
-スタンド:ザ・ハンド
仗助たちの同級生。強面の不良少年。
当初は兄の形兆と共に仗助と敵対していたが、仗助に命を救われたことで改心し、親友となる。
見かけによらず義理堅いお人好しだが、単細胞で難しいことを考えるのは苦手で、考え過ぎると頭痛を起こす。
右手で触れた物体を空間ごと削り取る強力なスタンド『ザ・ハンド』を持つが、その性格ゆえに生かし切れていない。

岸辺露伴
-スタンド:ヘブンズ・ドアー
杜王町に住む漫画家。
20歳という若年ながら少年ジャンプで連載を持つ売れっ子漫画家。
非常に我儘で自己中心的な性格をしているが、漫画に関しては真剣で、作品のリアリティの追求や新たなアイデアのためならば手段を選ばない。
また、「自身の描いた漫画を読者に読んでもらう」ことを至上としているため、富や名声にはさほど興味を示さず、取材で一文無しになったこともある他、
自分の漫画を楽しんでくれる読者(ファン)には好意的で、打ち合わせ中でもサインを求められると応じるなど、ファンサービスは旺盛だったりする。
スタンドは対象を『本』にして読む事の出来る『ヘブンズ・ドアー』。
なおモデルは荒木氏ではなく、氏の漫画家としての理想像。

片桐安十郎
-スタンド:アクア・ネックレス
杜王町生まれの凶悪な殺人鬼。名前をもじって「アンジェロ(天使)」という皮肉めいた異名を持つ。
承太郎が仗助に会いに杜王町を訪れたのは、ジョースター家の遺産分譲の連絡以外に彼への警戒を伝える目的もあった。
スタンドは水と同化して具現化する『アクア・ネックレス』。
しばしばンドゥールの『ゲブ神』と比較されるが、あちらが射程距離やパワーに優れるのに対し、こちらは擬態能力に優れる。
飲料水や雨など水が豊富にある日本の住宅街という環境を利用して、するりと対象に忍び寄る恐ろしさを持つ。

吉良吉影
-スタンド:キラークイーン
平時はいたって平凡なサラリーマンだが、その正体は過去40数名を殺害した連続殺人鬼。
被害者に個人的な怨恨があったり、歪んだ思想を持っているなどではなく、『見初めた女性を殺すことが趣味』というシリアルキラー。
『女性を殺さずにはいられない』『トラブルに巻き込まれず平穏に暮らしたい』という相反した思想を持つ。
女性の手首に異常な執着を示し、殺害した女性の手首を切断し「彼女」にしている。
スタンドは触れたものを爆弾に変える『キラークイーン』。


この他にも数多くの住人が登場する。
「昨日敵対し戦った相手と翌日町中で出会う」ということがよくあるのもこの作品の特徴。


【外伝】

岸辺露伴は動かない
岸辺露伴を主要人物とする作品。1997年に第1作が発表され、以後長らく動きはなかったが、2008年に第2作が発表されてからはシリーズ化されている。
デッドマンズQ
1999年発表。吉良吉影を主人公とする作品。
「The Book」
2007年発売。後日談を描いた小説。
クレイジー・Dの悪霊的失恋
2021年発表。第4部の前日譚で、第3部の後日談としての側面もある。

【余談・備考】


  • 杜王町のモデルは荒木氏の出身地である宮城県仙台市。登場する店なども実在の店舗がモデルになっている。
  • 作者の地元がモデルということで、身内受けがよかったと作者自身が語っている。
    ちなみに作中登場した「靴のムカデ屋」は実在する靴屋。ビジュアルはだいぶ違うが。頼めば吉良吉影名義でボタン修理の領収書を切ってくれる。
  • 前作のスタンドはタロットカードやエジプトの神々が元ネタだったが、今作以降は荒木氏の趣味である洋楽が名前や能力の由来となることが多くなってくる。




このアニヲタが馴れ合いやちやほやされるために追記・修正していると思っていたのかァーッ!!

ぼくは『読んでもらうため』に追記・修正をしている!
『読んでもらうため』ただそれだけのためだ

単純なただひとつの理由だがそれ以外はどうでもいいのだ!


To be Continued
→Part5

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最終更新:2024年02月13日 15:54