メルエム

登録日:2011/12/16 Fri 17:32:00
更新日:2024/04/06 Sat 14:46:58
所要時間:約 13 分で読めます





余が壊してやる。そして与えよう

平等とは言えぬまでも、理不尽な差のない世界を



HUNTER×HUNTERの登場人物。
CV:内山昂輝

キメラアントの女王から生まれたキメラアントを統べる蟻の王。
体躯は小柄で、外見は緑色の肌や尻から先端部が注射器のような太い尾を生やした異形の姿をしている。
名の意味は「全てを照らす光」。

【人物】

自身を王と称し一人称は「余」。
性格は冷酷非道にして唯我独尊。
しかし同時に自らが「種の全てを託された王である」という自覚と自負を、生まれながらにして持っている。
人間を家畜扱いし、同族のキメラアントすら勝手な行動や命令を聞かなければ殺し、腹が減れば喰らう、まさしく帝王や覇王、暴君と呼ぶべき人格。
傍若無人な一方で自身の発言・命令は常に絶対であり、偽りや誤魔化しは断じて許さない非常に誇り高い人物でもある。
コレには自分自身も含まれており、恥ずべき行為をした自身に憤り、腕を引きちぎったこともある。
口癖は「二度言わすな」で、無礼を働こうものなら容赦なく殴り飛ばす。

だが、コムギと言う“人間の少女”との出会いが彼の価値観に大きな影響を与える事になる。


◆強さ

……まぁ すぐに詰んでやろう

雑魚さえも人間を上回るキメラアントの王だけに異常な強さを誇る。
  • 頑強な肉体*1
  • 一挙一足すら残像も残さぬスピード
  • 卓越した頭脳
  • 護衛軍すら驚愕する圧倒的なオーラ量
の持ち主。
実際50年ほど前は人間最強とも呼ばれていたネテロすらも打ち破った。
ぶっちゃけヒソカクロロとかでも、とても勝てそうにない作中最強最有力キャラ。
対抗馬はネフェルピトーを圧倒し「王にも届き得る」と評されたゴンさんくらいだが、ピトーは王が実際に戦うところは見ていないし、さらにピトーの知らないところで復活してパワーアップしたためなんとも言えない。

復活後は更にその強さに磨きがかかり、閃光のごとき「円」や山の一部を吹き飛ばす念弾など色々やらかしている。
ナックル曰く「俺たちがどうか出来る相手じゃない」

◆能力

  • 喰らう程強くなる能力(正式名称不明)
食べた相手の「オーラ量」「能力」を丸ごと奪い取る能力。
ただ奪い取るのではなく、その能力を昇華させる事で更に強化できるチート能力。
分かりやすく言うと、能力者を食うだけで食った能力者が持つ能力の上位互換をノーリスクで手に入れる。
念能力のメモリー?何ソレ?

生まれた直後で既に莫大なオーラを宿していたが、「レアモノ」…つまりは念能力を習得している人間を選んで餌にしてきたため、常日頃からオーラを増大させ続けていた。

さらにはネテロとの一騎打ちの後、プフとユピーの肉体を食して復活した際、莫大なパワーアップをするとともに二人の能力を獲得している。
  • プフの『麟粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)』は、自身の「円」と融合昇華し、「円」によって広げるオーラに「光子」としての性質を持たせ、一瞬でも「円」に触れた相手全てに付着し、その対象の感情を読み取るばかりでなく、「円」を解除した後も付着した光子が残り効果を発揮し続ける。
  • ユピーの肉体変化やオーラを溜めて撃ち出す能力も習得し、ユピーが比較にならないほどの速度で空中を飛翔し、山を一つ消し飛ばすほどの念弾を放っている。

他人の能力を奪う念能力者は皆特質系能力者であるが、冨樫義博展の設定資料集によると、メルエムが得意とする念の系統は放出系。
喰らう程強くなる能力はキメラアントの王としての固有能力である可能性もある*2


【物語での活動】

誕生後、直ぐに王直属護衛軍と共に巣から旅立つ。
民家の家族を皆殺しにして喰らうも、もの足らず、より味の濃い念能力者を喰らう為動き始める。
その後、ゴルトー共和国に進出、マサドルディーゴ総帥を殺害(この総帥は偽物)国ごと乗っ取ると、全国民500万人の人間に「選別」を行い、念能力者を選別し、自身の手足になる軍隊を得ようと目論む。

「選別」が終わるまでの娯楽として、将棋や囲碁の名人と対局していく。
卓越した頭脳から未経験の状態でありながら直ぐにコツを掴み、数局で次々と打ち負かしていくが、軍儀と言う競技の王者コムギと言う少女に出会う。

コムギに対しても当初の相手のように、その内勝てるだろうと見下していたが、コムギにだけは幾らやっても勝てなかった。
「負けたら腕一本」と言いつけ、心理的プレッシャーを与えてミスを誘おうという自身に似合わない小細工をしてまで勝とうと躍起になるも、
そのような事を言われるまでもなく、もとより「負けたら死ぬ」と言う覚悟を持って全ての軍儀に臨んでいた彼女を知ると、
覚悟が足りなかったのは自分の方だった自身を恥じ、その場で自分の左腕を引きちぎった。
そしてこの件を切っ掛けに彼女を認めていくようになる*3

それによる自身の価値観に変化が生じ始め戸惑いを抱く。
コムギとの対局の最中に覚醒した(念能力かは不明)彼女に興味を持ち名前を尋ねるも、そこで自身の名がない事に気付き、
自身の名と王として生まれた自身の存在意味を考えていくようになる。

また軍儀では自らをも凌ぐコムギを見て、人間に対しても自身とは全く違う強さを持つ者がいる事を認めるも、
その時は「「暴力」こそこの世で強い能力」とし、他の強さなど塵に等しいモノと評して選別が近付いた事でコムギを殺そうとするも、カラスに襲われる彼女を見て殺す所か助けてしまい優しい言葉さえ掛けてしまう自身に困惑する。

そして王として生まれた自身を空っぽの王と評し、洗脳された人々を見下ろしながら、
「コレが王として自身に与えられた意味ならば退屈と評すのに些かの迷いもない」と、自身が生まれた意味が判らず苛ついていく。
その後、蟻討伐にやってきたネテロと対峙。
討伐隊の初撃の巻き添えを受けてしまったコムギをピトーに託し、ネテロとの一騎打ちに赴く。
当初はネテロをコムギと同じ生きる価値のある人間と評し、闘う気を見せず不戦の意志を見せるも、
負けを認めさせたら名前を教えるという条件を突き付けられ闘う気になる。

またこの時、自身の力を弱者救済の為に使うべきモノと結論。
「人間を含む全てのモノに理不尽のない世界を作る」と発言している*4
接近戦を挑もうとするもネテロの百式観音の超高速攻撃によって、悉く吹き飛ばされ徐々にダメージを蓄積するも、
コムギとの対局の中で培った洞察力で数ある百式観音の中でも“ネテロが不得手とする一手”を遂に見切り、彼の片足を千切り深手を負わせる事に成功する*5

更に片腕を千切り飛ばすも、ネテロの切り札・零式で反撃されてしまう。
が、それすら持ち前の強靭な肉体で耐え、彼に敗北を認めさせ自らの名を聞き出した。

しかし直後、ネテロが体内に仕込んでいた「人間の底すら無い悪意(進化)」の体現、貧者の薔薇によって道連れにされる。
爆心地で受けたダメージはその耐久力をも上回り、胴体のみとなり真っ黒に焼け焦げた無惨な姿で、プフとユピーが駆けつけた時点で辛うじて息はあったもののピトーの下に連れて行く時間すら無いほどだった。

だが、プフとユピーが自らを喰わせるという咄嗟の判断により復活。
しかしダメージで記憶が曖昧になっており、コムギのことに至っては何かが引っかかるだけで明確なことは何も思い出せなくなっていた。
上記の弱者救済の考えなども失われ、蟻による統一という元々の考えに立ち返るが、天の声によれば「どちらも王」とのこと。

そして忘れた記憶を取り戻す為に宮殿に向かう。
2人の一部を喰ったおかげでパワーアップし、さらにユピーの羽を生やす能力やプフの「スピリチュアルメッセージ」の一部を体得。2人と精神から深く繋がった状態となった。
この時からネテロから教わった本来の名前「メルエム」を名乗る。

好機と見てコムギの存在を根こそぎ抹消しようとするプフに妨害を受け、宮殿に辿り着いて選別のための洗脳された人々を見るも、「自分が求めるものはこれではない」と苦悩。
そんな中、目の前に現れたウェルフィンが極限状態の末に咄嗟にその名前を口にしたことで、ついにコムギの記憶を取り戻す。
一度は喰おうとしたウェルフィンには礼を言い、敵意を剥き出しにされてもなお「逢えるといいな その者と」「可能なら人間として生きるが良い」と温かい言葉をかけた。

そしてメルエムは宮殿内にいるであろうコムギを探すのだった。





以下蟻編の結末の為、注意。
























貧者の薔薇に遅効性の猛毒があり、じきに王でも死ぬ事が判明。


パームと接触する事で自身の敗北を悟り、コムギとの再会だけを望む。
彼女に会えるなら土下座すら厭わないメルエムの想いにパームも折れ、コムギを引き渡す。


再会後は再び二人で軍儀を打ち、コムギに自身は毒に犯されもう直ぐ死ぬ、
この毒は移るからこのままではコムギも死ぬだろうと告げるも、それでも一緒にいたいと二人の想いは一緒だった。
そして、答えを得た事で自身の生まれた理由を悟り、最期の時まで軍儀を打ち続けた。


そうか 余はこの瞬間の為に生まれてきたのだ…


最期の瞬間には目も見えなくなった状態ながらも打ち続け、遂にコムギには一度も勝てなかったなと言い、最期に名を呼んでくれと告げ、息を引き取った*6
最期のシーンはお互いに血まみれで恐らくコムギも直ぐに亡くなったと思われる。



コムギ…いるか…?


はいな、もちろん。メルエム様の番ですよ。


少しだけ…疲れた。ほんの少し…眠る…から、このまま手を…握っていてくれるか?


…コムギ…?コムギ…?いるか?


聞いてますとも、わかりますた。こうですね?


すぐ…起きる…から、それまで…そばにいて…くれる…か?


はなれたことありませんよ。ずっと…、いっしょです。


コムギ…


はいはい、何ですか?


ありがとう


こちらこそ


最後に…


はい…?


名前を…呼んでくれないか…?


おやすみなさい…メルエム…


ワダすもすぐ いきますから…



追記・修正は軍儀で王に勝ってからお願いします

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最終更新:2024年04月06日 14:46
添付ファイル

*1 尻尾の一撃で同族のキメラアントの首が飛ぶレベル、逆にそれでも吐血程度で済んだピトーに「中々強いな」と感心していた

*2 なお、過去に発売された総集編シリーズのコラムでは特質系と紹介されていた。設定の変更か、作者とのすり合わせができていなかったのか…

*3 対局中にコムギと比較的親し気に会話するシーンもあり、少なくとも護衛軍と会話するときと比べて明らかに棘がなくなっている

*4 ただし人間と言っても彼が選んだ人間の話であり、人間からすれば自分勝手な理屈に過ぎない。

*5 コムギとの対局がなかったら、百式観音を見切れず敗北する可能性もあったかもしれない

*6 このとき「二度言わすな」が口癖のメルエムが何度もコムギの名前を呼び、傍にいることを確認している