ヴィクトリーガンダム

登録日:2012/03/16 (金) 00:25:37
更新日:2024/01/18 Thu 18:12:01
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もしかして:νガンダム



戦争で世界が変えられると思うのはおかしいよ!



ヴィクトリーガンダムとは、『機動戦士Vガンダム』に登場するモビルスーツ(MS)の事。
「Vガンダム」とよく表記される。
劇中では単に「ガンダム」の他、「ヴィクトリー」「V1(後継機が出てからの呼称)」「白い奴」などとも呼ばれる。


▽目次

■Vガンダム

型式番号:LM312V04
頭頂高:15.2m
本体重量:7.6t
全備重量:17.7t
出力:4,780kW
推力:79,700kg
装甲材質:ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材

武装:
バルカン砲×2
ビームライフル
ビームサーベル×4
ビームシールド×2
ハードポイント×8

パイロット:
ウッソ・エヴィン
マーベット・フィンガーハット
オリファー・イノエ
ジュンコ・ジェンコ
コニー・フランシス
ユカ・マイラス
フランチェスカ・オハラ
ミリエラ・カタン
クロノクル・アシャー
リア・シュラク隊
ローズマリー・ラズベリー

概要

「V(ヴィクトリー)計画」において、レジスタンス組織「リガ・ミリティア」が組織のシンボルとして開発した機体。
基本性能は当時のザンスカール帝国の主力機体だったゾロアットトムリアットを上回っており、作中でマーベットが言及するシーンがある。
ザンスカール戦争の起きたUC0150年代において、調達可能な量産型小型MSとしてはジャベリンジェムズガンがあったものの、
それらは既に四半世紀を超えて運用されているロートル機となっており、
かつてのジオン公国軍よろしく独自にMSの開発・運用を行っているザンスカール帝国軍に対する戦力としては性能不足が明らかだった。
そのためまず何はともあれ新規の高性能MSの存在が不可欠、と言う事で計画がスタートした。


ガンダムの名と姿を持つMSは伝説的強さを備えたカリスマ的存在である、といういわゆる「ガンダム神話」は、
初代RX-78登場から70年以上経過したUC150年代となっても健在であり*1
ガンダムタイプ自体に抵抗運動の象徴としての意味合いもあった事、過去の戦乱においてガンダムの存在する軍は常に勝利を重ねてきたという事にあやかって、
「ヴィクトリータイプ」として開発されていた本機は「ヴィクトリーガンダム」と命名された。

かつてのガンダム達であるRXシリーズやFシリーズ直系の機体と言えるのかは定かではないが*2
その特徴の一つであったコアブロックシステム(特にF90Y改)の発展型を搭載し、
一機当千を目指したものではないとは言え、過去のガンダムがそうだった様にこの時代の最新技術の粋を集めて開発されている。

リガ・ミリティアがレジスタンス組織であることから、後述するが生産性やメンテナンス性・操縦のしやすさなどを特に重視して設計されており、
実際に、作中では複数のVガンダムが生産され戦線に投入されている
今でこそ「量産されたガンダムタイプ」は珍しくはないが*3、ガンダムタイプの機体としてはTVシリーズでは初登場となる量産型ガンダムである。
設定上同型機が複数存在するガンダム」「敵役として複数の同一ガンダムが出てくる」「異なる機種の複数のガンダムでチームを組む構図」は本作以前から存在はしているのだが、
複数機の同型ガンダムが主人公の陣営で戦闘を行うという構図が描かれたのは本作が初である。*4
かつて「ガンダムが量産されれば戦争はすぐにでも終わるし、若者が死なずに済む」とガンダムを発明した男は言ったが、
本機体は大量生産され、女性や子供ばかりが搭乗したという痛烈な皮肉の利いた機体となっている。
だが少なくともこの機体が量産された事で戦争は終結に導かれ、一人の若者が死なずに済んだというのは紛れもない事実である。

ちなみにロボットアニメでは「主人公から脇役まで皆が皆同じロボットに乗ってバトルしていると、どれが主人公のロボなのか視聴者から見て非常に分かりにくい」という問題があり、
本作でも主人公のウッソがVガンダムに乗っている間は、他のメンバーは可能な限り仕様違いのVガンダム・ヘキサ(後述)に搭乗することで分かりやすくはしている。
もっとも「ヘキサ」はウッソが乗るVガンダムと同型機の設定なので、ガンダム史上初の構図であることに変わりはない。

ちなみに抵抗されている側であるザンスカールも「ガンダム」とは絶対に呼ばない(主に「白いMS」や「ガンダムもどき」)。
敵にガンダムがいるという恐怖は士気に大きく関わるためで、クロノクル「ガンダムと呼ぶな!」と命令までしている
小説版では少なからぬザンスカールの将校が「”強大な連邦”に反抗している我々こそガンダムを持つのに相応しいのに!」と反発しているし、
ファラ・グリフォン中佐に至ってはピピニーデンがこの手の発言をしたとき「カガチは木星帰りで認識がズレてる」とぼやいていた。
これまでの宇宙世紀の戦いの歴史を踏まえると、とりわけスペースノイドであるザンスカール帝国軍人にとって、
敵対勢力がガンダムを有しているというのはある意味自軍の正当性に泥を塗られた様なショックだったのかも知れない。

構造

頭部と胸部になるコアファイターを中心に、腕と胴体の「トップリム(ハンガー)」、下半身の「ボトムリム(ブーツ)」で構成されていて、
これらが変形・合体してMS形態になる。

また、コアファイターにハンガーかブーツのみを装着して戦闘機として使うことも可能。
その状態でも一応のMS形態を採る事ができ、劇中では様々に使用されている。

この構造はリガ・ミリティアがレジスタンスという立場上、数少ないパイロット達を生還させ、
機体も戦闘で破損しても即座に復帰させる必要があったことから採用された。
また、MS製造も秘密裏にする必要性があった為、それぞれのパーツを別々の工場で製造することで小規模な工場でも生産ラインを確保出来る、
1つが潰されても他の工場でパーツを製造出来るといったメリットがあった。
部品規格もこの時代のアナハイムが地球圏各地の工場に自社のMSをライセンス生産させていたのを利用して作っているので、パーツ調達もしやすく生産性は高い。
複雑になりがちな合体変形機構を持ちながら、十数人程度の人員で完璧な整備が可能。最新鋭機をゲリラ組織が運用できたのはこの優れた整備性のお陰と言える。*5

これによってパイロットの生残性は上がり、機体も破損したパーツを交換するだけで再出撃できるようになった。
このためハンガーとブーツは予備が多数用意されている。中枢部品がコアファイターに集中しているため、コストパフォーマンスに非常に優れる。
劇中ではウッソがそれを逆手に取り、破損したパーツを分離、突撃させて質量弾代わりにするという荒技を披露していた(後に他のパイロット達も真似している)。
その昔、MSの脚部を指して「あんなのただの飾りです」と息巻いた技術士官がいたが、そんなことはなかったのだ。

一方で、コアファイターにはミノフスキーフライト(後述)が積まれているせいで結構コストがかかる。

操縦は小学生レベルの児童でも可能なほど簡単で、クロノクルが一度だけ乗った際は「こんなに簡単に動かせるMSを相手にして勝てるわけがない」と驚愕していた。
ちなみにコクピットは一年戦争時のMSのそれに似たレイアウトとなっており、全天周モニターやリニアシートは搭載されていない。

なおハンガーとブーツは分離状態でも敵MSに対してオートで防御などを行う場面も見られた。
外部からの遠隔操作も可能であるらしく、ファラ・グリフォンのゲンガオゾ戦では、
ウッソのV2がヴィクトリー(マーベット機)のハンガーを介してサーベルによる格闘戦を行っている。
強敵ゴッドワルドとの戦いではブーツを分離させた後、「戦闘宙域を一周して遠隔操作可能範囲まで戻り、ブーツに敵機を踏み台にさせて奇襲する」という
疑似オールレンジ攻撃とも言える戦法を披露しており、これには歴戦の猛者ゴッドワルドも予想外であった。

尚、構造上腰が回らないはずだが、劇中では普通に回っていた(合体変形可能なプラモでは回らないが非変形トイなどでは回る様になっている)。

どうみても「ムーバブルフレーム」構造ではない。『機動戦士Vガンダム』の文字設定にある「MCA構造の隆盛によってMSはムーバブルフレームからモノコック構造に回帰した」
という内容は本来はこの「Vガンダムがどう見てもムーバブルフレームではないモノコック構造をしている」事へのエクスキューズ設定の可能性が高い。

ミノフスキーフライト

本機に搭載されている擬似的な飛行システム。
これは機体の周辺にミノフスキー粒子を撒き抗力を発生させて飛行能力を得る機体制御システムで、
これによって本機はサブフライトシステムを使用せずに、MS形態のまま重力下を自由に飛行する事ができる。
また、宇宙でも普通に運用できる。



○主な武装

  • バルカン砲
ガンダムの伝統的装備。頭部に2門内蔵。口径は25mmとかなり小さい。
リボルバーカノン方式を採用しており、砲身が1本しかないため連続発射時間、ならびに砲身交換サイクルは短くなっている。
遂にバルカンどころかガトリングガンですらなくなってしまった
コアファイター時の唯一の武装だが、頭を引き出せば横や後ろにも撃てるなど汎用性が高い。
但し空力特性を完全に考慮していない形状であるため、大気圏内で有効に運用するのは難度が高い。

  • ビームライフル
メインウェポン。
威力そのものは特筆する程のものではないが、「手に持つ以外にハードポイントに装着しても撃てる」「グリップ部周辺を外せば近距離用ビームピストルとして使用できる」などの柔軟性が売り。
二挺同時運用も可能。
ジェネレーター直結供給とEパック供給のハイブリッドという珍しい構造を採用しており、本体からのエネルギー供給がなくとも十数秒間の連射ができる。
Vガンダム自体の高い運用性もあり、ライフルを持ったまま後ろ手に回し振り向きざまに相手に向けて発砲、なんて真似も可能。
ウッソのセンスも相まって、その柔軟性を活かした運用で多数の敵機を撃破した。

ビームシールド一基内に2本、計4本格納されている。
使用時は前腕部の装甲が開き、内部から手元に射出されるという珍しいタイプで、抜き放つモーションが従来に比べてかなり小さい。
オーソドックスな格闘兵装だが、ウッソは投げて突き刺したりといった一風変わった使い方をした事もある。
コの字型の発振器を採用しており、ビーム刃は扇の様な形にもできる。

  • ビームシールド
両肘に装備。ビームを板状に展開し、敵のビームや実弾を防ぐ。
当初は展開にビームサーベルの発振器を利用しているためビームサーベル使用時には展開できないという設定だったが、混乱を招くという理由で
没になりその他の機体同様ビームシールド独力で展開している事になった。

展開範囲をある程度自由に変える事が可能で、絞る事で集束式ビームサーベルにもなる。
(簡単に言うとクロスボーン・ガンダムのブランドマーカーの様に使える)
また変形機構のおかげなのか、シールド基部そのものが可動し、防御範囲に死角が少ないといった特徴がある。
後方に対する防御等にも問題なく使え、ウッソは後ろからサーベルで切りかかる敵機の手首から先だけを焼き切ったりしている。
短時間のみだが最大で200mにも及ぶ範囲に展開可能。

  • ハードポイント
機体各所に搭載された、武装接続用の基部。
単なる武装ラックではなく、これ自体にエネルギー供給等の様々な機能があり、基部もタレットの様に回転する。
そのため武装によってはここに装着したままでも使用可能という優れモノ。
サナリィ製ガンダム「Fシリーズ」に採用されたものの発展型と思われる。

マニピュレータを介することなく使用が可能というのが最大の特徴。
劇中ではハンガーを装着していない状態などで、脚部のハードポイントに装備したライフルを使用するシーンがあった。
右手にライフル、左手にサーベル、左脚にもライフルといった武装も可能で、Vガンダムの柔軟性を支える特徴といっても過言ではないだろう重要部位である。



○オプション

  • ビーム・スマートガン
開放式バレルの大型砲。発電衛星ハイランドにてウッソが発見し使用した。
設計そのものは旧式だが高威力で、その後に有用性が認められたのか、リガ・ミリティアで量産された。
ビームシールドを標準装備したベスパのMSを圧倒出来るほど高火力。
但し、設計された時代の技術レベルのせいなのか、ちょくちょく故障する場面がみられた。
大抵はVダッシュの装備として使われる。

  • ビームガトリングガン
みんな大好きガトリング。敵に使われたのが特徴。

  • ビームカノン
主に腰に装備するが手持ちでの使用も可能。かなり長尺な武器だったF91のものからかなり小型化している。
劇中ではユカ・マイラスがこれを用いてゾロアットを撃破した。
当初はV2アサルトのそれと似通っていた事から同じ「V.S.B.R」とされた事も有ったが2010年代の設定では「ビームカノン」とされている。

  • ミサイルポッド
四連装。主に脚部に装備する。

  • ディスポーザブル・バズ
意味は使い捨てバズーカ。主に脚部に(ry

  • 八つ手ビームサーベル
三方に刃を形成する。柄を伸ばせばビームジャベリンになる。これもビームスマートガン同様ハイランドの格納庫にあったもの。
ウッソはこれとスマートガンを使って敵小型艦の進路上にビームの幕を張り、多数を撃破している。



■劇中の活躍

ウッソやマーベットらが搭乗。彼女は本機のテストパイロットも務めていた。

地上の戦闘で投入され、クロノクルのゾロを初め、ザンスカール軍のMSを次々と撃退していった。
宇宙に上がってもそのまま使われている。

最終的にウッソ機はV2ガンダムに乗り換えた後、コアファイターが戦闘で使われて大破。
マーベット機は終戦後、カサレリアにV2共々放棄されていた。

余談だが、第1話からいきなり合体を邪魔されてブーツをブッ壊されたりしていた。
まあ、Vガンの1話は本来4話目だけど。


他作品において

リア・シュラク隊の黒いヴィクトリー3機が登場。パイロットたち共々新生クロスボーン・バンガードの預かりとなる。
隊長機だけヘキサ仕様になっており、終盤ではオーバーハングパックも装備した。

南米の戦いではヘキサにローズマリーが搭乗し、バイラリナと扇で打ち合う互角の格闘戦を繰り広げたりもしたが、
ミダス戦にて、同機の「ミダス・タッチ・フラッシュ」によって3機全てが行動不能となってしまい、
その仕組みを見抜いたフォントの指示を受けたデスフィズによってコア部分以外を破壊され、強制的にコア・ファイターになることで脱出こそ出来たものの、
リガ・ミリティアと違って破壊されたトップ、ブーツの補充が出来ないため、最終決戦には参戦しなかった。
ただし、その最終決戦では「ミダス・タッチ・フラッシュ」への対抗策のために、カメラアイがデスフィズへと移植された他、
いずれか1機の頭部がまるごとディビニダドの第二カメラとして転用され、間接的に勝利に貢献した。



■派生機

Vガンダムヘキサ

型式番号:LM312V06

Vガンダムの後期量産型で指揮官型。「ヘキサ」とはギリシャ語で「6」の意味で、型式番号の「06」から名付けられた。
頭部の機構が変わっており、額にはV字型アンテナではなく六角形の高性能複合センサーを備え(機体名の由来の1つにもなっている)、
更にブレードアンテナを側頭部排気ダクト脇に設置している。
頭部センサー系統以外のスペック・装備は通常機と一緒。
増設されたセンサーが通常機とどう違いを生んだのかは定かではない。

オリファーやマーベットが搭乗し、ザンスカール軍と戦った。後に量産され、シュラク隊に配備される。
ちなみに月の工場で造られた機体は足の甲が青く塗られている。
マーベット機はオリファーの死後、ヘルメットを換装してVガンダムとして運用された。
通常のVガンダムがヘキサを複数連れて小隊を組んでいる映像があるが、前述の様にヘキサ自体はVガンダムの後期量産型を指しており
指揮官機は指揮能力向上型頭部に変更されているためV字頭部ヘキサの可能性が高い。

前述の通りヘキサは作画の都合上主人公(ウッソ)のVガンダムとの区別を付けるためという目的が強いものと思われ、
ウッソがV2ガンダムに乗り換えてからはその枷が無くなったというところなのだろう。
ただしヘキサタイプのまま運用された機体も多く、全部が全部V字アンテナになった訳ではない。

Vダッシュガンダム/Vダッシュガンダムヘキサ

型式番号:LM312V04+SD-VB03A(Vダッシュ)
     LM312V06+SD-VB03A(ヘキサ)

Vガンダム(ヘキサ)に下記の「オーバーハングパック」を装着した姿。
ザンスカール軍の宇宙用MSに対して性能が見劣りしてきたため用意された宇宙用装備。

ウッソやシュラク隊などが使用していた。

  • オーバーハングパック
大型スラスターと「オーバーハングキャノン」と呼ばれるビームキャノンで構成されたバックパック。
火力と機動性を強化する。
また手で保持しても使用できる他、劇中未使用だがキャノン部分だけを取り外して携帯火器としても使える。
コアファイターに装着すれば「コア・ブースター」としても運用可能。



ビクトリーイージー

型式番号:不明

Vガンダムの手足等をガンイージのパーツで補った改修機。
機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』にてトレス・マレスが搭乗。

技術衰退が著しいDUSTの年代のミキシングビルド機にしては珍しく、性能低下がほとんどない。元々同時に開発されたガンイージとは相互性が高い為である。
TV本編では出てこないが、理論上は当時から実現できた組み合わせと考えられる。

一応分離機構も備えてはいるが、再合体は現場では出来ず整備施設で行う必要がある。



セカンドV

型式番号:不明

V2に代わり小説版に登場する機体。
月面都市セント・ジョセフ近郊の秘密工場「テクネチウム」にて試作された。

Vガンダムの改装型で、背中にミノフスキードライブを増設している。
機体自体も新型ジェネレーターと厚くなった装甲、追加された武装と強化され、
以前よりも機動性や出力、防御力、火力が高まっているが、逆に運動性は落ちている。
更に、ミノフスキードライブの推力を上げすぎると機体がバラバラになってしまう危険性も持つ。危なすぎだろ
現在ではこの欠点を解決すべく新たに新フレームでV2が制作され、VとV2の過渡期の機体として設定されている。

ウッソが搭乗し、ファラのザンネックやカテジナゴトラタンを撃破しているが本機も破損。
最後はカサレリアに墜落した。
御大がV2のデザインが嫌いだったので代わりに登場したと言われており、一応小説版でもV2は存在していると思わしき描写はある。

長らく小説版にしか登場せず設定集でも稀にしか掲載されない幻の機体になっていたが、『Gジェネ OVERWORLD』にてまさかの登場を果たした。
更には『ガンダムビルドダイバーズ』にも出演、これを皮切りにガンプラや食玩での立体化も果たしている。
「ベース機が合体分離する」「光の翼を持つもののフレームに問題を抱え、結局新フレームで作り直した」点などからデスティニーインパルスとは共通点が多い。

また『SDガンダムワールド ヒーローズ』ではエドワードセカンドVとしてまだ本家セカンドVのBB戦士が出てないのに登場を果たした。
ちなみに同作ではV2もベンジャミンV2ガンダムとして登場しており、並行世界の兄弟機が揃って海賊として大暴れしている。


騎士Vガンダム

伝説の漫画版に登場。ロメロのじーさんが勝手にフルアーマー風に改造した。
何気にサンドロックやクロスボーンガンダムに先駆けたリアル頭身マント装備ガンダム。鞘の製作に一番苦労したらしい。じーさん曰く「聖剣エクスキャリバー」。
ただの装飾ではなく、れっきとした増加装甲である。

「ロープレは燃えるぅ〜!」

だが、我らがウッソ君はそんなロマンを全然理解していなかった。
しかもゴッドワルド駆るアビゴルのザンテツ・ブレードによってあっという間に外装を斬られ、元のVガンダムに戻されてしまった。
一応、これがなかったら本体を真っ二つにされてウッソも戦死していたかも知れないので、意味はあったのだろう。

間違っても嵐虎剣の使い手ではない。あっちは「騎士ヴィクトリー」。


Vガンダム キャノンタイプ

玩具『マイクロガンダム』に登場。
背中にビームキャノン装備型バックパックを背負い、両肩と腰に増加装甲を装着した武装強化型。
……なのだが、上記の追加装備は何故かジム・キャノンⅡからデザインが流用されている
一応設定的にもジム・キャノンⅡを参考に開発されたらしいが、何も見た目まで同じにしなくても……。
結局オーバーハングパックの実用化に目処がついたため、設計段階で没になった。


ガンプラ

1/144と1/100、MGにHGUCで発売。基本的に

  • V単体
  • Vダッシュとヘキサのコンパチ

となっている(MGはどちらもヘキサにできる)。
1/144と1/100には非変形のコアファイターが1機付いてくる。
MGはコアブースター単体とVダッシュが同時発売された。

  • 1/144、1/100
1/144は非変形。
簡単組み立てを謳っており、当時のBB戦士などに採用されていたランナーロック(ランナー同士を重ねてはめ込むことで組み立てができる)方式が採用されている他、
部分的に内部フレーム(Vフレーム)が存在するという後のガンプラを想起させるような要素がいくつか取り入れられている。
クリア成形のビームサーベル二種とビームシールドまで付いてくる結構お得なキットであった。

1/100は差し替え変形で、トップリム以外の形態は大体再現可能だが、あまり動かない。
システムインジェクションによる色分けが採用されている他、こちらのサーベルは直線型と扇型の二種になっている。

  • MG
MGは完全変形で、出来は良い。
コアファイター、ハンガー、ブーツに分離可能で、それぞれが完全変形。コアファイターとの合体状態も再現できる。
更にヘキサタイプヘッドも付属するが、何を考えたか、まさかのコアファイターごと付属するというもので、2機のコアファイターが存在する事になる。
そのため、それぞれハンガーとブーツに合体させることで疑似的に2機のVガンダムにする事が可能。
なお唯一の欠点としては、変形機構の都合で腰が可動しない点がある。

MGコアブースターには上述のオプション群が付属するので、武器セットとも言える。

  • HGUC
HGUCは変形こそしないが、可動範囲・色分け・作りやすさ共に良好。コアファイターも付属している。
ダッシュの方は各種装備だけでなく背部の格納状態パーツがないだけで普通のVガンダムとして組むことも出来る。ヘキサ用の頭部も付いてくるため、その点でも差別化できる。

プレミアムバンダイでHGUC セカンドVが受注販売されたが、一見Vガンダムと大差ないように見えて多くの部分が作り直されておりほぼ新規造形になっている。
設定がないに近い機体だったためプレバン限定HGUC初の設定解説付きの説明書が同封されている。
プレバン販売が終わった後は、全国のガンダムベースでクリアカラーVer.などで発売しているため、この手の販売商品にしては手に入りやすい部類ではある。
人気が高く、プレバン人気投票で1位を獲得して再版されたことも。

  • BB戦士
BB戦士ではVダッシュガンダムが発売され、Gジェネレーションシリーズでランナーを追加してVガンダム(フル装備型)として再販されている。
各分離形態に組み替えることができ、ヘキサ用の頭も付いてくる。

  • その他
変わったところでは放映当時、ビームライフルのおもちゃが発売されている。後に特撮番組『特捜ロボ ジャンパーソン』にてプロップガンとして流用されている。


■ゲームでの活躍

初参戦は『第2次スーパーロボット大戦G』だが、スタッフが本編を見てなかったのか全く飛べない
量産機ということで複数機入手可能な場合もあり、『第2次G』以外はVダッシュに改造される。
α外伝』『30』では最初からいきなりVダッシュの状態で登場する。


初代から登場。
作品によっては分離・合体機能を持つ他、ハンガーやボトムの射出を武装として組み込まれている場合もある。
ガンダムタイプとしては控えめな性能だが、空中適性やビームシールド持ちという時代背景から生まれるアドバンテージは魅力。
上述の通り、OVERWORLDからはセカンドVも登場。V2と比べて平均的な性能をしているが一歩劣るという絶妙なバランスを持っている。
GENESISでは宇宙世紀限定ながら、U.C.100年までという制限でF91共々に除外されている。


  • ガンダムvsガンダム
コスト1000で登場。
モビルアシストはシュラク隊のお姉さんたちで、前方にビームバリアを張ってガードしてくれる。
耐久値はそこそこなうえ、横幅が広いからか本体が避けられる攻撃も掠めて受け止めてしまうので原作同様の無駄死にをしやすい。
地味ながら変形が可能で、更にハンガー及びボトムの射出も可能。特に有用だったのはハンガー射出後のボトムのみで、メイン射撃が連射可能になり格闘も伸びが良くなるメリットがあった。
コア・ファイター形態も勿論再現。設定どおりバルカン砲は頭部を引き出して射撃するので射角に優れるが、ただそれだけであり他射撃や格闘など持っていないため棺桶のような存在でしかない。

続編のNEXTではアシストの弾数減少などがあったが、元々あるメイン射撃の射撃ガード属性などは未だ堅牢なため使用率は高め。


稼働当初から参戦。コストは1000。
OPでは移動要塞メサイアとゼダンの門が衝突するのをバックにゴトラタンと交戦。ボトムをメガビームキャノンにぶつける戦果を得ていた。
NEXT由来の分離合体機能や防御性能をある程度継承しているが、アシスト機体はゾロアットに変更。スタン属性のビームを一発撃つだけなので、やや頼りない形ではある。
覚醒でVダッシュに換装。メイン射撃はビームスマートガンに変更、射撃CSがオーバーハングキャノン照射になるなど一気に火力が上昇する。
覚醒技はパーツアタック。本体はコア・ファイターとなり、次々とボトムやハンガーパーツを召喚・射出する。
その間ずっと滞空するので足掻きに使えるが、覚醒技の拘束時間が長いのでVダッシュが使える時間を優先する人にはあまり歓迎されなかった。

DLCではヘキサが登場。コストは同等の1000。
アシストがガンイージのビーム二連射になった程度の差別化しか無いが、覚醒中の補正値ではこちらが上回るというDLC機体にしては珍しい優遇を受けた。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOSTではコストが1500へ変更。
それに伴う性能上昇は若干受けたが、最も嬉しいのが覚醒中にガンイージが防壁を張ってくれるようになった事。但しプレイアブル機同様の耐久値なので、それほどアテにできない。
Sドライブとメイン射撃の相性がかなり良く、連射中であれば前面の射撃ガードが継続し無類の防御性を誇る。

ヘキサはアシストのガンイージがビーム3連射になった。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ONではコストが2000へ変更。
Vダッシュへの換装が特殊射撃コマンドへ移設され、サブ射撃にハンガー/ボトム射出が統合している。
Vダッシュの回転率はかなり良く、オーバーハングパック自体も射出できるので使わなくなったら即換装してリロードに移るなどで対応できる。
覚醒技もオーバーハング・キャノン照射が追加され、自動換装による出し得武装も兼ねている。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2ではVダッシュ換装が格闘CSへ、特殊射撃にガンイージ呼出、特殊格闘にハンガー&ボトム射出となった。
ナンバリング更新のアップデートとしてはかなり貧弱な部類で、後の中間アップデートでの修正はそれを補うかのような量ではあった。
しかしサブ射撃使用後の形態前提なものが大半を占めていた事や、環境全体からしてみても性能不足感があった。

ヘキサはエクストラ機体全削除の余波を受け消えた。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOSTでは新規武装を遂に得て登場。
ボトム・ファイター時の射撃CSにディスポーサブル・バズが追加。
単発射撃ながらに強制ダウンも取れるため、通常時であればハンガーを射出したあとの有用性が増えた。
トップ・ファイター時の下格闘にビームサーベル投擲が追加。後のアップデートでブースト消費量が微増した。何故?
後覚醒技は発動時間が半減。代わりにVダッシュ換装ゲージが即回復するようになったので、
出し得感とVダッシュ換装の時間短縮というメリットの代わりに、空中での足掻きや攻撃チャンスを喪失した形。
全体環境的にも以前よりマシになったので立場も回復しつつある。


■余談

発電衛星ハイランドで、自軍で開発されたものを受け取るのではなく、
新たな武装を「発見し、入手する」事でパワーアップするという展開はそれまでのシリーズにはなかったパターンだが、
これは放送当時所謂RPGの人気が本格的に高まり始めていた頃であり、このようなRPG的な要素を意図的に挿入したとの事。
漫画の騎士Vガンダムもそのノリで出てきたやつだと思われる。ロメロのじーざん魔法使いみたいなコスプレしてたし。

「地球を脅威に晒している敵に対抗するための力と象徴として伝説の白いMSガンダムを模して造られた機体」という点は後のガンダムAGE-1に通じるものがある。
なおAGE-1は終戦後に平和のシンボルとしてそのまま残されている、主人公の母の形見とも言える機体であるなど偶然にも後継機のV2ガンダムに近い要素も持っている。



追記・修正はトップリムとボトムリムを敵にぶつけてからお願いします。

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最終更新:2024年01月18日 18:12

*1 「シャアの反乱」からF91の時代に至るまでにその雷名も若干忘れ去られたような描写があったが、これは(F91製作時点では)大きな戦乱もなく活躍が語られるような新たなガンダムも生まれなかったためで、後にコスモバビロニア戦争や木星戦役といった戦いで再び戦局を左右するようなガンダムが立て続けに現れた事で神話が蘇ったとも解釈できる

*2 連邦傘下のMS開発企業が試作していた次世代型候補が下敷きになったと言われており、何らかの繋がりがあってもおかしくはない

*3 「00」におけるGN-X、「水星の魔女」におけるガンヴォルヴァ、ガンドノード、ルブリス量産試作モデルなど

*4 そもそも量産型として開発されたガンダム自体が(漫画作品なども含む)シリーズ全体を見渡しても稀な存在である上、量産型とされる陸戦型ガンダムも生産数は20機程度だったりと実際のところは少数生産の範疇に留まっていて、「ワンオフではない」という意味合いで「量産型」と称している場合が多い。

*5 もっとも、連邦軍の補助を受けるまでは整備の悪さが目立っていたが