グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突(映画)

登録日:2011/07/25(月) 19:35:14
更新日:2022/07/19 Tue 22:31:39
所要時間:約 7 分で読めます





1975年7月26日に「東映まんがまつり」の一枠として公開されたアニメ映画。
『グレートマジンガー』の劇場用オリジナル作品第2弾であり、「劇場版マジンガーシリーズ」の第4作目でもある。

前作『グレートマジンガー対ゲッターロボ』に引き続くマジンガーシリーズとゲッターロボシリーズのクロスオーバー作品であると同時に、『Z対デビルマン』がジェットスクランダーの登場を先取りしていたように、本作も『グレートマジンガー』本編に先駆けて新兵器グレートブースターが披露され、さらにはテレビ版と異なる形でのゲッターロボの世代交代も盛り込まれた、短いながらも盛りだくさんの内容になっている。

また、両作品の悪役であるミケーネ帝国・百鬼帝国の代わりに劇場版オリジナルキャラが敵として登場する点やタイトルに「対」の字が入っているのにグレートとゲッターGの対決が無い点も前作から引き継がれている。

コミカライズはかの石川賢によるものが存在。
大筋は映画本編に沿いながらも、映像作品とは異なる武蔵の壮絶な最期など、氏ならではのアレンジが光る漫画作品に仕上がっている。



【あらすじ】
突如、宇宙から飛来した謎の円盤に奇襲される早乙女研究所。迎撃のために出撃したゲッターチームだが、円盤から発進した空魔獣グランゲンとの戦いで武蔵とベアー号を失い、研究所も破壊されてしまう。

科学要塞研究所は事件を察知していながらも、グレートマジンガーの新装備グレートブースターの開発のために迅速な対応をとれず、鉄也は悔しさを噛み締めるのだった。

ゲッターロボの撃破を確認した円盤は、今度は羽田空港に結合獣ボングを送り込み、迎撃に出動したビューナスAをも軽く叩きのめしてしまう。

ジュンの危機を前にグレートマジンガーの発進を急ぐ鉄也、グレートブースターの完成に尽力する兜剣造博士、早乙女博士に「新ゲッターロボ」と新メンバー「車弁慶」の下へ導かれるリョウとハヤト。

宇宙人の切り札「光波獣ピクドロン」の出現を経て、地球の命運を賭けた一大決戦が始まろうとしていた…



【登場人物】
◎科学要塞研究所

◇剣鉄也
『グレートマジンガー』側の主人公。
前作で描かかれたゲッターチームとの対立は克服し、本作ではゲッターチームの苦戦を聞きながらも戦えないことに苛立つ様子や武蔵の死を悼む姿なども描かれた。
また、怪物どもの司令塔である宇宙人の円盤を優先して倒すようにリョウに指示し、無敵と思われたピクドロンの弱点を探り当てるなど、「戦闘のプロ」に相応しい頭の冴えを見せていた。

◇炎ジュン
早乙女研究所の危機を知り焦る鉄也をなだめ、ボングの出撃にも真っ先に立ち向かった。
ビューナスAで早乙女研究所を援護しに行けばよかったのでは、というのは禁句。あの状況だと、ビューナス無しでは科学要塞研究所の戦力はボロットとジュニアだけになるし。

◇兜剣造
グレートブースターを急ピッチで完成させた。

◇兜シロー
グレートとゲッターGを見守るが、完全に空気。

◇ボス、ヌケ、ムチャ
『決戦!大海獣』まで出ません。



ゲッターチーム
『ゲッターロボ』側の主人公トリオ。
冒頭の宇宙人の奇襲で武蔵・ゲッターロボ・研究所を一度に失ってしまう。
その後、新メンバーのベンケイを加えた新しいチームで新ロボット「ゲッターロボG」に乗り込み、ピクドロンに苦戦する鉄也の下へ駆け付ける。

早乙女博士
武蔵の死にショックを受けていたリョウとハヤトを叱咤し、予備メンバーとしてスカウトしていたベンケイと「新ゲッターロボ」ことゲッターロボGに引き合わせる。
しかし、いつの間にか新型機どころか新研究所まで用意していた手際の良さは驚きに値する。これもゲッター線の導きだろうか?

◇早乙女ミチル
前作に続いて、早乙女博士の付き添い人としての印象が強い。
当然ながら彼女も武蔵の死にショックを受けていた。

◇早乙女元気
影も形もありません。


◎悪役

◆謎の宇宙人
グランゲン・ボング・ピクドロンを使ってグレートとゲッターを倒し、地球を征服しようとしていた。
劇中のセリフによると彼の本星には大規模な侵略部隊が待機していたらしい。
円盤の内部が写るシーンで土偶のような目元が特徴的な素顔を晒している。

劇中で彼らの正体は語られなかったが、「ギルギルガンを送り込んだ侵略者と同種族」「『UFOロボ グレンダイザー』の設定にのみ存在する『ダムドム星人』」などの解釈が存在する。
漫画『ダイナミックヒーローズ』ではダムドム星人説が採用され、更に前作『グレートマジンガー対ゲッターロボ』でギルギルガンを操った謎の宇宙人とは同一の存在という解釈になっていた。



【登場メカ】

グレートマジンガー
新兵器グレートブースターに対応するための改造のためにゲッターやビューナスに出遅れ、ピクドロンには苦戦の末に片腕と片足を破壊されるが、グレートブースターで宇宙人の円盤とピクドロンにトドメを刺し、主役メカの面目を保った。

◇ビューナスA
ボングに立ち向かうが、あっという間にスクランダーの翼・片腕・片足を破壊されてしまう。

初代ゲッターロボ
グランゲンとの戦いで直接受けたダメージは少ないものの、武蔵とベアー号を失い合体不可能に陥る。
ゲッターG登場後にイーグル号とジャガー号がどうなったかは不明。

ゲッターロボG
本作で唯一無傷で戦い抜いたロボット。
円盤やピクドロンとの戦いではグレートのサポートを中心に立ち回った。
本作で登場した形態はゲッタードラゴンのみ。
早乙女博士はこの機体を初めて紹介するときに「新ゲッターロボ」と呼んでいたが、無論アレとは無関係である、というか関係したらイロんな意味でヤバい。



【宇宙人の戦力】

◆宇宙人の円盤
ブーメランのような形状をしている。
それほど大きいようには見えないが、内部にはグランゲン・ボング・ピクドロンを収容できるだけのスペースがある。
ゲッタードラゴンのゲッタービームにも耐える防御力を持つが、グレートブースターで破壊された。

◆空魔獣グランゲン
宇宙人が早乙女研究所襲撃の際に出撃させた怪獣。両手両足から生えた触手でゲッター1を拘束し、地面にぶつけようとしたほか、投擲武器としても使える肩アーマーや目からの怪光線で戦った。

オープンゲットの勢いで左腕と右足をもぎ取られながらもゲットマシン相手に戦い、ベアー号を怪光線で撃ち落とした。
だが、制御不能に陥ったベアー号を避けきれず、不本意ながらも武蔵と心中することになった。
石川賢の漫画版では瀕死に陥った武蔵が決死で行った特攻の道連れという形になっている。

◆結合獣ボング
羽田空港を本星からの宇宙船団を迎え入れる発着基地にするために出撃したが、本当の役目はグレートマジンガーをおびき寄せるための囮だった。
全身が戦車や戦闘機のパーツで構成されたロボットで、体中の砲塔からミサイルや砲弾を打ち出すほか、目からの熱線やクレーン型の左手で戦う。
全身のパーツを自由に分割でき、アトミックパンチも無効化したが、サンダーブレークには耐え切れずに爆散した。

◆光波獣ピクドロン
宇宙人の切り札。全身を光の膜で覆っており、この光の膜は物理的な攻撃は弾いてしまううえ、光線技のエネルギーを吸収してパワーアップするというトンデモ防御力を持つ。

攻撃手段としては掴んだ相手への電撃と口から吐き出す「光の矢」を持つ。「光の矢」は標的に命中すると標的の内部に潜り込み内部から爆発させる性質を持ち、超合金ニューZであっても問答無用で粉砕する恐るべき攻撃力を備えている。さらにパワーアップ後は胸元からも「光の矢」を発射できるようになってしまった。

これらの脅威の力で、グレートやゲッターGを苦戦させるが、指令を出していた宇宙人を倒され、自身も光の膜をグレートタイフーンで剥がされて実はロボットであったことを知られてしまう。
それ以降は「光の矢」やトンデモ防御も同時に失ったことで一気に不利になり、グレートブーメランで角、ダブルトマホークで首を切り落とされ、最後はグレートブースターで胴体を突き破られて撃破された。

しかし、ビームのエネルギーを吸収して巨大化した際、本体のロボット部分がどんな様子になっていたのかは謎のままである。






追記・修正は、不慮の事故で戦死した武蔵・何故か行方不明のボスの両名に想いを馳せながらお願いします

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最終更新:2022年07月19日 22:31