田亀源五郎

登録日:2011/01/19 (水) 21:48:14
更新日:2024/03/29 Fri 22:40:22
所要時間:約 4 分で読めます




田亀(たがめ)源五郎(げんごろう)は日本を代表するゲイ漫画家である。
優れた画力で表現される男性の肉体描写、SMシーンの芸術性は国内外で高く評価されておりフランス語版の単行本が出ているほど。
漫画のみにとどまらない幅広い活動から「ゲイ・エロティック・アーティスト」を名乗っている。

ネットでは「○○しよう、な!」の熊先生コピペの元ネタとしておなじみ。

ネットで有名なゲイ漫画といえばまず山川純一作品が挙げられるが、
ヤマジュンをノンケでも安心して読めるイージーモードとするなら田亀作品は難易度インフェルノ級。

髭・筋肉・中年など強烈に男臭い属性のキャラたちが織りなす濃厚な絡み……。
それを多摩美大卒の精緻な画力でこれでもかと描かれるのである。


ふう……。


ちなみにゲイ漫画の中では珍しく女性もよく登場する。しかも普通に美しい(大抵は役柄上悪女だったりするが)。


また、絵の破壊力ばかりに目がいきがちだが本当の売りはストーリーである。

テーマとしては隠された本当の自分(同性愛、被虐性など)の解放。
そしてなにより愛。


ちなみに田亀氏自身本物のゲイで、同棲中の彼氏がいる。

ローマの剣闘士を主人公とする『雄心〜ウィルトゥース〜』、
戦国時代が舞台の『天守に棲む鬼』のように歴史ものもしばしば手がけ、名作が多い。

しかし近年、紙媒体雑誌業界全体の斜陽傾向の煽りを受けてゲイ雑誌が次々と休刊になり、彼のゲイ向け18禁作品は発表の場を事実上失った状態にある。
今後は商業誌では一般作、ゲイ向け作品は同人誌で発表する意向を表明している。

【主な作品】
『俺の先生』
上記「チラシにでも書いてろ、なっ!」のコピペで田亀源五郎の名を知らしめた、知らしめてしまった作品。
893に衝突してしまった男子学生の代わりに熊先生が輪姦され、その後二人で慰めックスをするという田亀作品としては大人しめな内容。
ではあるがこの作品が知られた頃のネトホモたちは精々ヤマジュンで笑ってたくらいなので、田亀作画というだけで相当キツく、中には(AAで)嘔吐するなどスゴイ・シツレイな反応をする者も。
当時はレスリングもネットミームとしての淫夢もなかった*1ので、ヤマジュンやコント番組におけるホモネタのようなライト級との間を刻む存在が無かったのも大きいか。
だがその高い画力と濃密なホモセックス描写と熊先生の包容力から「これがノンケ向け女教師モノなら普通に抜けてた」という妙ではあるが田亀先生のエロ漫画家として純粋に評価する声もあった。


『男女郎苦界草子 銀の華』
ファンからは田亀先生の最高傑作と推す声の多い長編。
舞台は明治、吉原の遊び人として鳴らした若旦那の銀次郎だったが株で失敗して破産。
銀次郎に恨みを持つ遊廓の主人・西郷の罠にはまり男に体を売る「男女郎」にされてしまう……。

レイプは当然として拷問・刺青・スカトロ・獣姦などお腹いっぱい……もとい強烈な難易度を誇る(やってないのはそれこそ四肢切断くらい)が、
やはりこの作品のテーマも愛。

はじめ銀次郎を犯すが次第に情を移すようになる廓の用心棒「常」、
常に思いを寄せるゆえに銀次郎を憎む弟分の「政」、
銀次郎が自ら苦界に身を沈めたことで本当の心の繋がりに至るかつての愛人であった傾城「玉菊」との愛。
そして自覚しないまま銀次郎へ復讐心を越えた感情を抱いていく西郷……。

美しくも悲劇的なラストは言葉にできないほど。


『PRIDE』
現代もの
主人公の大学生・大橋はハッテン場で支配者のように振る舞う攻め専門のゲイだったが心理学者の柴崎教授に内に秘めたマゾ性を暴かれ調教される。

こちらも内容はハードだが、ラブラブハッピー奴隷ENDなので安心。
見所は実際に使いたくなる教授の名言の数々。

  • 無意味なプライドは捨てたまえ 君に必要なのは本当の自分を知ることだ。
  • いいかこのおっ勃ったチンポがお前が変態の淫乱だという何よりの証拠だ。
  • 成長したな!それでこそ私の奴隷だ!




【初心者向けおすすめ短編】
『大江山綺譚』(単行本『天守に棲む鬼/軍次』所収)

鬼退治の逸話で知られる平安武士・源頼光。
彼が大江山で出会ったのは鬼ではなく海を越えて流れ着いたヴァイキング戦士だった……。


【ノンケ向けおすすめ作品】
『弟の夫』(月刊アクション)

田亀作品初のノンケ向けかつ非18禁漫画。
親子で二人暮らしする父・弥一と娘・夏奈のもとに、ある日カナダ人のマイクという男性が訪ねてきた。
マイクはなんと、自身が弥一の双子の弟の結婚相手であること、その弟が最近亡くなったため、お兄さんの所に居候させて貰おうと来日したことを二人に明かす。
弟が同性婚していて、しかも知らぬ間に亡くなっていた……いきなり怒涛のごとく様々な事実を知らされ、弥一は流石に戸惑いを隠せない。
一方、夏奈はパパに双子の弟がいたこと、なによりその弟と男同士で結婚したマイクに興味津々。
やがて、価値観の異なる3人の奇妙な共同生活が始まることに…

2018年にNHKでドラマ化され、そして翻訳作品が同じく2018年にアメリカの権威ある賞アイズナー賞を受賞した。




田亀先生の作品はゲイ専門ショップのほか、一般の書店や古本屋、通販などでも手に入れることができる。
ヤマジュンや真夏の夜の淫夢に飽きたらなくなった諸氏はぜひ手を出してみてはいかがだろうか。


現在、最新単行本「筋肉」(発行:オークス)発売中!
あの衝撃作クレタの牝牛もあるぞ……!


押し隠していた何かが目覚めても保証はしません。


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最終更新:2024年03月29日 22:40

*1 多田野数人のスキャンダルが話題になってた程度で、他はパッケージ裏の「しゃぶれだぁ、お前がしゃぶれよ!」が極一部で語録として出回ってたくらいだった