宿那鬼(ウルトラ怪獣)

登録日:2011/02/11 Fri 21:55:41
更新日:2023/04/13 Thu 23:26:12
所要時間:約 5 分で読めます




景竜かぁ…


ウルトラマンティガ』第16話「よみがえる鬼神」に登場する怪獣。
読み方は「すくなおに」。

◆概要

別名:二面鬼
身長:58メートル
体重:4万8千トン
デザイナー:丸山浩
CV:遠藤守哉

頭部の表と裏に顔がある巨大な
単眼と鋭い牙が並んだ口がある凶悪な顔で側頭部からは折れ曲がった二本の角が生えている。
更に普段頭髪で覆われている後頭部にはもう一つの顔を持つ。

その昔、宿那山一帯に住み着き暴れていたが、剣豪・錦田小十郎景竜によって退治され、体をバラバラにされて宿那山に封じられていた。
景竜はこんな50メートル超の化け物をどうやって倒したのだろうか…

兎も角、バラバラにされたパーツは宿那山の各所に埋められ、心臓がある胴体部分の場所には祠が築かれ、ここに景竜自身の刀を奉納することで封印の楔とされていた。
しかし現代になり噂を聞き付けた骨董品泥棒の一味が刀を盗み出したために封印が綻び各パーツが地中で息を吹き返し、やがて地中で終結し復活。
復讐心によって増したその力を使い、この世を焼き尽くそうと動き始める。

現場に居合わせたGUTSと交戦。周囲を飛び回るガッツウイングにやや戸惑うが、裏側の顔から突風を吹き付けた。
それでも墜落しないあたり、流石はトップガンである。もし墜落コンビだったら(ry

ティガとの戦闘では序盤こそやや押されていたものの、途中で山に隠してあった剣(神社の鳥居をバッサリするほど鋭い)を取り出して攻勢にでる。
なお、剣を取り出す際に試し切りのつもりか剣をブンブン振り回し近くの山に大の字を描いていたり若干お茶目。
しかしティガのほうが一枚上手で、ティガスライサーで刀と首を刎ねられ、ウルトラ白刃取りで刀を止められ、胴体はその際の悲鳴で消滅した。一件落着。

…と思いきや、バラバラにされていたからであろうか、首だけでも生きておりティガの首に噛みつき、窮地に追い込む
しかしここで景竜の放った刀が頭を直撃し、再び封印された。さすがに首だけで悪さはできないだろう。


何気にオニバンバオニオン等の「鬼っぽい怪獣」とは異なる、純然たる「鬼」に相当する存在であり、
以降の平成ウルトラシリーズにも度々登場する「正真正銘の妖怪」の先駆けとも言える怪獣である。

着ぐるみは2010年代以降も現存しているようで、ちょくちょく節分絡みのイベントで動員されている。


錦田小十郎景竜(にしきだこじゅうろうかげたつ)


つわものは常に孤独だ。つわものは勝ち続けなければならない。その為に孤独になる。

……耐えられるかな?

演:川崎博司

「もののけを見極める力」を持ち、全国を放浪して妖怪を退治してきたという大昔の剣豪。
「一生もののけ退治と人助けに明け暮れた」と語る正しくヒーローみたいな御仁で、そんな過酷な生涯であっても霊魂が負の感情に染まってなかったため非常に芯の強い人物であることが察せられる。
性格は豪快かつ気さくで、邪な物欲を「もののけ」と捉えて「人が悪事に走るのは物欲に憑かれているから」と考え、悪党であろうと助命を申し出るなど根はいい人。
峰討ちと称して普通に悪人をぶった斬ってる?知らんな
劇中では最後に憑依していた盗掘業者の一人である上村に伝言と言う形で、ダイゴに向けて「もののけがこの世に現るるのは事の道理なり。されど、そのもののけを打ち破らんとする心。それさえあれば百戦して危うからず」とエールを送ると同時に、上記の試すかのような忠告を送った。

この錦田小十郎景竜、ウルトラマン世界でも類を見ない強者だったりする。
過去にも江戸時代にネロンガを退治した村井強衛門という武士はいたが……。
来歴通り、ウルトラマンの擬態すらあっさり見抜く眼力と、退治した妖怪の数が尋常ではない。
何気に初対面時にティガをもののけと判別していた辺り、ティガが元来闇の巨人であることも一瞬で見抜いていた可能性がある。
こんな実力者であるが、作中では特に宇宙人や古代人が関与した設定はなく、分類的にはただ強いだけの一般人である。
本編では「ティガみたいなもん」とまで言われた。

余談であるが、景竜が泥棒の1人に憑り付くとき、「(喘ぎながら)そんな所から入るの!?」と言われるような所(後ろの穴?)から入ったり、武士のくせに景竜が自分勝手だったり、景竜が泥棒一味の一人を斬ったとき、本人は『峰打ちだ』とか言ったが泥棒一味のもう一人から『血が出てる』とツッコミを受けたり、その景竜のことをダイゴがやたら愚痴ったりとコミカルなシーンが多く、それとシリアスな本筋とのギャップから『ティガ』の話の中でも屈指のカオス回になっている。

ちなみに、景竜に憑かれた泥棒を演じたのは当時円谷作品に度々顔出しで出演していた声優の郷田ほづみ
ピンと来ない方には、『HUNTER×HUNTER』(旧)のレオリオと言えばお分かりだろうか。
或いは、『装甲騎兵ボトムズ』のキリコ・キュービィーとか『テイルズ オブ ハーツ』のクンツァイトとか映画版『ハリー・ポッターシリーズ』のルーピン先生とか…

景竜本人は『ティガ』で一度登場しただけであるが、その後も世界観が繋がっていない筈のウルトラシリーズにもたびたびその存在が示唆されている。


◆退治・封印した妖怪達


  • 宿那鬼
前述通り、宿那山で暴れていた双面の鬼をバラバラに斬り裂いて肉体を山のあちこちに埋め、刀で封印した。
一応生前封印した際はティガが戦ったほどの巨体では無かったよう様子だがそれでも凄い快挙である。
本編中で「巨大化するとどうしようもない」と言っていた事から、その前に倒したのだろうか?*1
いずれにせよ、まだ彼の戦いは始まったばかりである。
なおどうしようもないと語ってはいたが、死後霊体になっても頭だけであれば普通に刀を弾丸みたいに飛ばして普通に倒せている。

  • 白狐の森の主
『小説・ウルトラマンティガ 白狐の森』に登場。
宿那鬼を退治した後、訪れた白狐の森に現れた人喰鬼。
主とは名ばかりで、本来の主である白狐が弱ったのを良いことに森を乗っ取り、人を貪り食っていた。
白狐と出会った景竜は主退治を引き受け、半ば相討ちで深手を負いながらもこれを撃退する。
主は「必ず影竜に復讐する」と言い捨てて地中で眠りについた。
その言葉通り現代に蘇ったが、景竜もまた蘇り、白狐、ダイゴ=ティガ、レナらの協力のもと今度こそ滅ぼすことに成功した。
外伝小説での登場だが、これで二体目の妖怪退治である。
そして深手を負った景竜は白狐の手当を受けた後、次の戦いへと挑む……。

  • 魔頭(まとう)鬼十朗(きじゅうろう)幻州(げんしゅう)
ウルトラマンガイア』に登場した、恐るべき戦国の妖術師。
『白狐の森』によると元々は十歳程度の少年であったが、白狐の森で暮らしていた妖狐、主の娘を殺害して血を浴びたことで強大な力を得た。
各地を流浪して恐るべき魔力を振るい次々と大名や武将を呪殺してきたが、白狐の頼みを受けた景竜によって追い詰められ、最後には自害した。
ガイアの世界では根源的破滅招来体の襲来を予見して力を求め、
死後、自らの魂をガンQに転生させ、子孫の体を取り込むことで復活を目論むも、ウルトラマンガイアによって阻止される。
『ガイア』と世界観の繋がりの無い『ティガ』の小説に魔頭の名が出てきたのは、著者の川上英幸氏曰く「遊び心」とのこと。

ウルトラマンコスモス』で彼が退治したとされる妖怪。
生まれが敵国同士であったために結ばれず自害した姫と若殿が成仏できず怨霊になったもの。
この世全てを恨む邪悪な存在に成り果て両国を滅ぼしたため、二人山の「刀石」に封じられた。
その後ダム工事業者によって刀石が破壊されたため復活したが、ウルトラマンコスモスとシノブリーダーの活躍で成仏を果たす。
別宇宙の『ウルトラマンオーブ』では「怨霊鬼 紅蓮騎」と呼ばれる個体が出現しているが、こちらは高名な法師に封印されている。


怪獣級の敵を四体を独力で退治し、霊魂となっても蘇って立ち向かい、さらに複数の世界に跨り伝説が存在する。
錦田小十郎景竜とは、一体何者であったのだろうか……?


◆余談

恐らく元ネタは中部地方に伝わる妖怪『両面宿儺』。
ネ○ま呪術○戦で有名なアイツである。


追記修正はウルトラ白刃取りをマスターしてからお願いします。

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最終更新:2023年04月13日 23:26

*1 一応景竜の台詞から、封印されている最中に蓄積していた怨念で肥大化したことが示唆されてはいる