テスタメントガンダム

登録日:2012/01/22(日) 20:43:30
更新日:2024/04/06 Sat 10:12:55
所要時間:約 10 分で読めます





お前の“真実”は伝わらない



機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の外伝『DESTINY ASTRAY』に登場するモビルスーツ(MS)。


目次





テスタメント
TESTAMENT

基礎データ


型式番号:ZGMF-X12A、RGX-00(連合ナンバー)
所属:ザフト軍ジェネシスα防衛部隊→地球連合軍特務情報部(『一族』)→カイト・マディガンの個人所有機
全高:17.71m
重量:46.40t
動力:核エンジン
装甲:フェイズシフト(PS)装甲→ヴァリアブルフェイズシフト(VPS)装甲
武装:
MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲×2
75mm対空自動バルカン砲塔システム『イーゲルシュテルン』
ビームサーベル×2
攻盾システム『トリケロス改』
ハンドガン×2
マディガン専用複合銃
AQM/E-X05 ディバインストライカー

特殊装備:
ニュートロンジャマーキャンセラー(NJC)
ストライカーコネクタ
量子コンピュータウィルス送信システム



機体解説


C.E.71の大戦後期、地球連合から強奪した「GAT-Xシリーズ」の技術を解析したザフトがジェネシスαで製造した試作MS。
「テスタメント」とは『神と人との誓約』を意味する。


外観としては前方に大きく突き出した頭部のブレードアンテナが特徴。
また、他のザフト・ガンダム同様PS装甲を装備。ユニウス条約締結以前の機体であるため動力機関にはNJC搭載型核エンジンが採用されている。
核エンジンの搭載が可能になったことから重武装・高火力化が進んでいたそれまでのザフト・ガンダムとは異なり、
機体本体の武装は非常にオーソドックスな物のみとなっているが、これは本機の開発理由に関係する。

テスタメントは元々前大戦で猛威を振るった連合のストライク、その最大の特徴とも言える装備換装システムの有用性を研究する為に開発された機体である。
その為に本体の武装を極力削ったうえで、オーブからの移住者が提供した技術を元に背面にストライクとほぼ同型のプラグを装備しストライカーパックシステム」を再現
結果、「ザフト製の機体でありながら連合製のストライカーパックをそのまま使用できる」という変態機体が完成した。
つまり、その気になればエールやランチャーパックも装備できるという事であり、実際にザフトは戦場で放棄されたエールやソードパックを回収していた。
なお、ストライカーパックの中にはソードやランチャー等、肩部にも武装が装備されるものが存在し、本機もその肩部用装備が使用可能なように設計されているとも言われているが、
ストライクと本機の肩の形状は異なっているため、本当に使用できるのかは不明瞭である。

ちなみに系列機であり、同じくジェネシスαで製造されたゲテモノMSリジェネレイトガンダムとの合体(というかあちらからの強制接続)も想定されており、
この機体から得られたデータはザク等の後の装備換装機に利用されている。


連合に強奪された後も、量子コンピュータウィルス送信システムを付与、PS装甲は電圧変化により白から赤に二段変化し状況に応じて強度を上げるVPS装甲(正確にはその雛型)に改良するなど各部を改修。
更に専用のトリケロス改やディバインストライカー等多数の攻撃兵装を追加し、益々変態機体となった。
なお、型式番号の「RGX」とは連合の強奪機体に付けられるナンバーであり、同じくザフトより強奪されたカオスガンダム等にも同様のナンバーが付けられている。


カイト・マディガンの乗機となった際には彼がジャンク屋に頼み、VPS装甲を赤にすると機体に彼のパーソナルである白十字が現れるように調整された。
ちなみに、ジェス・リブルの乗機であるアストレイ アウトフレームは、ジェネシスαに残された本機の予備パーツを基にジャンク屋のロウ・ギュールの手で組まれたMS。
作業用MSとして設計された故に武装や装甲、動力は異なるものの、ストライカーパックが使用できるなどの仕様や見た目は似通っており、本機の分身とも言える機体である。



武装


  • ピクウス76mm近接防御機関砲
頭部に装備された機関砲。
フリーダムゲイツといった他のザフト機と同型のものだが、非使用時にはカバーがかけられており砲門は露出していない。

  • 75mm対空自動バルカン砲塔システム『イーゲルシュテルン』
ご存知「針鼠の構え」。
恐らく強奪後追加された物(ピクウスでは弾薬の補充に問題があったのかもしれない)。
左胸上部に一門だけ装備されている。

腰部に二本装備。ラケルタなどと違いグリップ部が板状になっている。
他の近接武器が充実しているためか、作中ではほとんど使用されていない。

  • 攻盾システム『トリケロス改』
強奪後に装備している攻防一体の特殊装備。
名前の通りブリッツの装備の発展型。
といってもブリッツのような固定式ではなく手持ち式の携行装備。
三枚のVPS装甲とビーム砲ユニットから構成される。装甲は右腕全体を覆うような形をしているが任意で展開し防御面積を広げることが可能。
ビーム砲には鉤爪型三本、三角型二本、計五本のクローと出し入れ可能な実体ブレードが装備され近接戦にも対応出来る。

  • ハンドガン
トリケロス改の裏側のウェポンラックに装備された二丁の拳銃。
小型で取り回しが良く、接近戦で重宝される。機能や形状はストライクEの「ビームライフルショーティー」に近いがこちらは実体弾。

  • マディガン専用複合銃
カイトが以前から愛用している装備であり上記のハンドガン一丁と交換してトリケロス改に取り付けられている。
ビームと実体弾の切り替えが可能で銃身には近接戦用ブレードが装備されている。

  • ディバインストライカー
強奪後に搭載されたテスタメントの専用ストライカーパック。
サイズは機体の全高に匹敵するほどと大型で、側面に折りたたまれているウィングパーツを展開すれば大気圏内での単独飛行を可能になる。
また、先端部にある四本の大型クローを展開、同時にコネクタ接続部分のアームを動かせば巨大かつ強力な「第三の腕」としても機能する。
トリケロス改と共に展開すると巨大な両腕を広げているようにも見える。
トリケロス改同様ストライカー自体もVPS装甲製であるため防御力が高く、本体装甲と共にフェイズシフトし色が変わる。
テスタメント以外でも装備可能だが、VPS装甲に電力を割くため扱い難い。

  • 量子コンピュータウィルス送信システム
強奪後に頭部アンテナに付与された機能。
かつてロウが戦ったゲルフィニートが使用した「バチルスウェポンシステム」の発展型であり、量子コンピュータの制御や情報の書き換えを行える。
直接接触していなくてもウィルスに感染させた整備システムなど介して多数の端末にウィルスを送り込み掌握することが出来る。
特にMS相手では映像等が処理される段階で情報を書き換えることによって対象のセンサーを誤魔化し一種のステルス機能として使われる。
つまり相手のセンサーから自機情報を消す事で敵機の目の前に居ても全く気付かれる事なく行動する、なんて事も可能になる。また、逆に自機を分身したように見せて撹乱することもできる。
ジェスはこの機能を「真実を歪める能力」と称した。
コロイドを媒介にするためミラージュコロイドを使えばある程度感染を防げる。また、バチルスウェポン同様量子コンピュータ以外には感染しない。
本編でジェネシスαを無理やり発射させた際にシステムが損傷し、以降は使えなくなった。


その他にもソードストライカーや宙間用エールストライカーを使用している。



劇中での活躍


◇C.E.71

詳細時期は不明だが機体完成後、運用試験を兼ねてジェネシスα防衛部隊に配備されたが、連合軍特務情報部隊の奇襲に遭い強奪され連合によって改修が行われた。
以後、『一族』の手駒としてスカウト0984こと洗脳されたアッシュ・グレイに与えられ運用される。


◇C.E.73(『DESTINY ASTRAY』)

アーモリーワン周辺では複数のNダガーNと共に暗躍。
カオス・アビスガイア強奪事件では周辺宙域にジャミングを仕掛け後方支援を担当。
その際、カメラ(モニター)には何も映っていないものの、抱いた違和感から宙域を肉眼で目視すべくアウトフレームのコクピットから出たジェスのカメラにその姿を撮られるが、
戦闘が目的ではなかった為か何もせず撤退している。

ジェネシスαによるユニウスセブン破砕作業時にはウィルスによってデータを改竄した上、トリガーを握るカイトに(本人からの通信を妨害した上で)ジェスの声で誘導して地球を撃たせようとするが、
自分への呼称がジェス本人のそれとは異なっている(ジェスは名前で呼ぶが、改竄音声は名字で呼びかけていた)ことに気付いたカイトに思惑を悟られて失敗。
この時の戦闘ではアウトフレームを中破させ、カイトが乗るゴールドフレーム天ミナをも追い詰めたが、火星から戻ったロウが現れた事で再び撤退。

その後『ジェネシスα宙域すべての殲滅』を命じられ、ロウの手で改修されたアウトフレームD(ソードストライカー装備)と対決。
ジェスにその“真実”を見破られ、エドを真似て『装甲と装甲の継ぎ目』を狙ったカイトの戦法に倒されるが、
記憶を取り戻したアッシュは自身を利用した黒幕に復讐するべく、テスタメントのウィルスでジェネシスαを操作して黒幕がいたと思しき場所を狙撃させる。
が、度重なる洗脳で発狂していたか、それとももう自分を利用させないためか、アッシュはウィルスを飛ばすと同時に、
外は宇宙空間にも関わらずヘルメットを外した状態でコクピットから飛び出し、黒幕の名前を口パクでジェスに伝えながら真空へと消えていった。

その後回収された本機はその希少性を気に入ったカイトが自身のコレクションに加え、アウトフレームDと共に世界中を駆け巡ることになる。



関連機体


ストライクガンダム

地球連合軍が初期に試作したGAT-Xシリーズの一機であり、装備換装機能「ストライカーパックシステム」を初めて実装した機体。
C.E.71の大戦中に際立った活躍を見せ、その性能評価は地球連合だけでなくテスタメントをはじめとした後年のザフトMSの方向性にも大きな影響を与えた。


ガンダムアストレイ アウトフレーム

ジェネシスαに残っていたテスタメントの予備パーツ(基礎フレームなど)をベースに組み上げられた機体。
根本はテスタメントの同型機でシルエットも似ているが動力部や外装部分は独自の物が取り付けられている。
後にアウトフレームDへと改装された際には手足の外装はテスタメントと同形状の材質違いの物に改められた。


リジェネレイトガンダム

同時期製造されジェネシスαに配備された試作MS。


ゲルフィニート

アクタイオン・インダストリー社製の試作MS。
テスタメントに搭載されたものと同系統の量子コンピュータウィルスを使用出来た。



立体化


出典が外伝、ゲームなどでの登場も皆無で知名度は微妙な感じだったこともありガンプラなどでも商品化は無く、立体玩具化は絶望視されていたが……

ROBOT魂

2013年に発売。
装甲色はスカウト0984搭乗時の赤(十字無し)だが、ハンドガンの他にマディガン専用銃が二丁も付属している。
設定画に比べるとやや細身で自立性は低いが、本体・トリケロス改・ディバインストライカーの可動は良好。
ストライカーは同シリーズのストライクと互換性があり、エールストライカーなども装着できる。


ガンプラ

2020年にプレミアムバンダイで遂にMG化。
ディバインストライカーとトリケロス改が付属し、カラーはVPS装甲強度上昇時のレッドカラー。
白十字は無くハンドガンは通常タイプの二丁であるため、スカウト0984搭乗時のバージョンとなっている。

フレームはデュエルやストライクのVer.RMと共通。
特徴的なアンテナや各部の曲線形状、ストライカーとトリケロス改は各部の展開を再現している。
特にディバインストライカーにはオリジナルギミックとして側面ウィングパーツ半ばに折り畳みギミックが追加され、クロー展開時の攻撃的な造形を際立たせている。
背面ストライカーコネクタは別売りのVer.RM用各ストライカーを装着可能。
ただし肩部分は形状違いで装着出来ないため、ストライクの肩パーツをそのまま移植するようになっている。
また、I.W.S.P.装着時には首周りに干渉するため、首部分を専用パーツと交換してやる必要がある。



ゲームでの扱い


SDガンダムGジェネレーションシリーズ

先述の通りゲーム登場は皆無であったが、2019年発売のGジェネ『CROSSRAYS』にてゲーム初登場。
コンピュータウイルス散布機能が再現されておらず、武装火力も高くないため凡庸な機体になってしまっている。
VPS装甲とNJCを併せ持っているし、射程1~2で特殊格闘のクローアームなど見るべき部分がないわけではないが…。


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最終更新:2024年04月06日 10:12