メロス(ウルトラマンメロス)

登録日:2012/10/06 Sat 05:47:05
更新日:2023/07/20 Thu 19:28:42
所要時間:約 6 分で読めます





●序

ウルトラ戦士は、最悪の危機を迎えていた。
その昔ウルトラマンキングによって宇宙の墓場ブラックホールに追放された宇宙の大魔王ジャッカル
宇宙征服という野望を胸に蘇り、次々にウルトラ戦士を敗北に追い込んだ。
あのキングすら生死不明の状態に陥り、最終的には光の国壊滅と言う最悪の事態に追い込まれたのである。
この時点で生存が確認されていたのは、ゾフィーと一般ウルトラ戦士26人のみ。地球へと避難した彼らだが、ジャッカルの魔の手は執拗に迫る。
多数の部下を従え、ジャッカル軍団がついにウルトラ戦士の一人を追い込んだ。

その時であった。

突如として戦場に現れたのは、全身を甲冑で覆った謎の戦士。
不敵な笑みが刻まれた面のように、その態度は下手すれば相手を舐め切っているようにも見えてしまう。
だが、その実力は本物だった。迫りくるジャッカル軍団の兵士は、彼に次々と蹴散らされてしまったのだ。
そこへ駆け付けたウルトラ戦士たち。
互いに協力し、地球からジャッカル軍団を追い出す事に成功した。
そして、ゾフィーはその鎧をまとった巨人…旧友である彼の名を呼んだ。

メロス、と。




メロスとは、故・内山まもる氏作の漫画『ザ・ウルトラマン』などに登場する、漫画オリジナルのウルトラ戦士である。


●プロフィール

身長:45m
体重:4万5千t
役職:宇宙警備隊・アンドロメダ星雲支部隊長


●概要

前述の通り、鎧をまとった姿が非常に特徴的。
手に入れるまでの経緯は不明だが、ブラックホール内部ですら活動可能という神秘の鎧である。
左の手首にはブレスレットが隠されており、それを操作すればメロス以外のウルトラ戦士でも装着可能。

性格はやや皮肉っぽく、敵に軽口をたたく事も多い。また、初期は一匹狼な一面もあった。
名前の由来は「走れメロス」。


●武装、必殺技

  • アンドラン
腹部に装着されているブーメラン。敵を真っ二つにしてしまう。分離して二つにする事も可能。

  • アンドロレーザーN75
鎧の両肩に備え付けてあるバーの先端にある発射口から放たれる破壊ビーム。射程距離が長いのが特徴。

  • レーザーショット アンドロメロス
両腕を胸の前で交差させる事で放つメロス最強の光線。全身のエネルギーを腕に集中させる。
通常状態でも可能のようだが、鎧の力を使えばその威力はより増大する。
どこかで聞いた名前だが、こちらの方が先である。


●活躍


『ザ・ウルトラマン』

メロスが初登場した作品。登場までの経緯は上記を参考にして頂きたい。
ウルトラ戦士たちとの共闘の後、ゾフィーにこのまま協力して共にジャッカルに挑もう、と提案されたものの彼は断った。
自分だけでジャッカル大魔王を倒すべく、敵の本拠地ジャッカル星へと飛んだのである。
だが、それはあまりにも無謀であった。彼を待っていたのは、敵の円盤からの集中砲火。
彼の危機を知り、ウルトラ戦士たちが駆け付けるも、その強さの前に犠牲者が出てしまった。
自分の身を挺して彼を守った戦士の姿に、メロスは自分の愚かさを痛感、ゾフィーたちと共に本拠地へ挑む事になる。
だが、敵はそれでも非常に強かった。ミニブラックホールの罠にかかり、メロス以外は全滅。
大ボスであるジャッカル大魔王に単身挑んだメロスも、相手が命乞いをした隙を突かれ、瀕死の重傷を負ってしまった。もはやこれまでか…

と思われた時、奇跡は起こった。
なんと、ウルトラ兄弟たちが蘇ったのだ!*1
生死不明と思われていたキングによって命が与えられ、壊滅したウルトラの星も再び輝き始めたのである。キングぱねぇ
そして、兄弟たちの合体光線によってジャッカル大魔王はついに敗れ去り、軍団は敗走していった…。
ウルトラ兄弟に美味しい所を持って行かれたような気がしないでもない。
その後の連載でも、ウルトラ兄弟と並んでメロスが活躍する機会が与えられた。
彼の弟であるファイタスも登場し、物語を盛り上げている。


『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦 戦え!ウルトラ兄弟』

初めてメロスが登場したのは1975年。それから30年以上が経ち、ウルトラマンメビウスが地球での活躍を終え、光の国へと戻って来ていた。
同じ頃、各地で怪獣や宇宙人が暴れているという情報を得たウルトラ戦士たちは、各地で戦いを続けていた。
メビウスもウルトラ兄弟の一員として向かっていたのだが、ヒッポリト星人の罠にはまり、ブロンズ像にされる危機に晒された。前も同じような事を経験しているような。
しかし、そのピンチを救ったのは…

「しゃらくせえ、ヒッポリト星人…」

鎧の戦士、メロスであった!

ヒッポリトカプセルを破壊し、メビウスを解放。共に暴れていたアトランタ星人を、光線一発で片付けてしまう。
その後、危機を察知して駆け付けたウルトラ兄弟と合流。ウルトラ兄弟たちとの合体光線で、ヒッポリト星人を倒した。
ちなみにそのシーンは見開きで描かれているのだが、明らかにオーバーキルであるのは内緒。

実はこの時、メロスはある任務を帯びていた。
エンペラ星人が倒された後、あのジャッカル軍団が何やら怪しい動きを見せ始めていたのだ…。
その後ウルトラ兄弟と別れ、再び単身任務へと戻っていった。


『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス』(漫画版)

そして、それは恐るべき事態となって現れた。
新たなジャッカル大魔王に率いられたジャッカル軍団が、アーマードダークネスを利用して光の国に侵入、大暴れを始めたのだ。
それを迎え撃つべく、メロスはメビウスや女性戦士アウラと戦いに向かう。

ちなみにアウラは、前述した「自分の身を挺して彼を守った戦士」の娘であり、その恩返しのために彼女を育て上げた。
ただ、メロス自身も持っていた気の強さは彼以上で、ウルトラの父にすら強気の態度である。そのためか、メロスはアウラに頭が上がらない様子。
その後もベリアルとの戦いの後、再び活動を開始したグア軍団相手にウルトラ戦士たちと共に戦っている。
ちなみにメロスの弟ファイタスも、新ジャッカル軍団に苦戦するウルトラ兄弟のピンチに駆けつけ、宇宙鳥獣ガロウラーと戦っている。


『ウルトラマンゼット&ゼロ ボイスドラマ』

名前だけだが映像作品の世界線で初めて存在が示唆された。
ウルトラマンゼット宇宙警備隊の採用試験を受ける際、審査官として「メロス支部隊長」「アウラ支部隊長」の名前が挙がっている。

ややこしいことに、同時期に『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』の方でもアンドロメロスが登場しているが、
アンドロメロスは宇宙警備隊の別動隊とも言える組織ギャラクシーレスキューフォースに籍を置いているため、このメロスは普通にウルトラマンメロスの方であろう。


●余談

ウルトラマンゼノンの外見は鎧を取ったメロスと似ているが、これは元々メロス本人が『ウルトラマンマックス』本編に登場する予定だったからである。
だが、メロスの版権が円谷側では無く、漫画の出版元の小学館にあったために実写への登場は果たせなかったらしい。
しかし、その後もソフビやフィギュアが発売されるなど、人気は今も根強い。




追記、修正…しゃらくせえ!

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最終更新:2023年07月20日 19:28

*1 ちなみに『ザ・ウルトラマン』ではウルトラセブンはこの時点で初登場。同作者による『レオ』の漫画版では映像作品と異なりセブンはシルバーブルーメとの戦いで明確に落命しており、他の兄弟たちの復活に併せて彼も蘇ったのである。