不思議のダンジョン 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫

登録日:2012/05/20(日) 20:44:05
更新日:2024/02/17 Sat 16:00:25
所要時間:約 5 分で読めます




不思議のダンジョン 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫』は2008年6月5日に発売されたWii用ダンジョンRPG。風来のシレンシリーズ第三作。
2010年1月28日にはPSP版『不思議のダンジョン 風来のシレン3 ポータブル』が発売された。

あらすじ

幾多の冒険を乗り越えきた風来人のシレン。
相棒である語りイタチのコッパと共に風に吹かれて旅をしていたところ、フラリと立ち寄った街で懐かしい人物と出会う。
その人の名はセンセー。
シレンの剣術の師匠であり、叔父でもある凄腕の風来人だ。
思い出話に花が咲く中、センセーはふいに懐から古ぼけたカギを取り出しこう切り出した。
「…シレン、からくり屋敷の眠り姫の伝説を知っているか?」

登場人物

  • シレン
三度笠に縞合羽がトレードマークの風来人。
砂漠の魔城からおよそ1年後で年齢は21歳。
今回はこれまでシリーズで名前だけは出てきた父のギメンジャや、シレンの祖先などが登場する。
ムービーでは声はついていないものの、シリーズの女性たちを泣かせてきたイケメンっぷりを見せつけてくれる。
今回は両手に武器を装備できる二刀流が使用できる。

  • センセー
シレンの叔父であり、剣術の師匠。
凄腕の風来人なのだがゲーム中では二刀流しか使用できず、盾を装備できない。その守備力は多くの
風来人を泣かせた。


  • アスカ
外伝作品では主人公も務めた女風来人。
昔の「~ござる」口調は、妙齢の女性に成長した今作では使わないでござる。
シレンやセンセーのように二刀流は使えないが、これまで通り刀+盾のオーソドックスなスタイルなので使いやすい。
24歳にもなって幽霊を怖がるアスカちゃんかわいい!

評価

シレンシリーズの新規ナンバリング作品としては約8年ぶりに発売された為本作品が発表された当初は多くの風来人達が歓喜した。

しかし他のシレンシリーズと比べると毛色の違う部分が非常に多いため、従来のファンからは否定的な意見が強く、結果的にはシリーズ屈指の低評価を受ける事に…
中には本作品を『黒歴史』と称する人もいるほど…
どうしてこうなった…

以下、よく指摘される問題点。

まずシナリオの雰囲気が大幅に路線変更された。
やたら伏線を張ったり、風来人の運命をプッシュしたりと壮大なストーリーが展開される。
…のだが明らかに今までのシレンシリーズと雰囲気が違い多くの風来人から反感を買った。

特に(ネタバレになるため詳細は伏せるが)「死ね、月よ」という台詞は本作屈指の迷台詞として有名。
また風来人の運命云々に関してはシナリオ担当が風来人という存在に対して根本的に間違った解釈をしているように見受けられる所も多くファンを困惑させた。


またシナリオがやたらと長く、途中でダレるという意見も多い。具体的には平均2~30時間、シレンシリーズとしては異例の長さである。

システム面にも変更点が多い。
まずシレン初のレベル継続制を導入。

それに伴いレベル上げ前提のバランスになっている所が多く、特にボス戦はほぼ全てアイテムの補助効果が効かない為能力と回復アイテム任せのガチ勝負になりがち。
その為今までと比べると戦略性がかなり低い。

ストーリーと合わせてローグライクというより普通のRPGっぽい印象を受ける。

また今回は同行する仲間キャラ全員=プレイヤーキャラという扱いで、仲間が1人でも死ぬとゲームオーバーという謎仕様。
その割に仲間のAIはかなりアホで放っておくとすぐに死ぬ。

仲間が死ぬのを防ぐには態々全員の操作を手動で行う必要があるがそれをするとテンポが無茶苦茶悪くなってしまう。
結果としてスムーズにゲームを進めるには仲間は連れていかないほうが良い。

また今回からモンスターに属性の概念が加わり、属性ごとに特殊な能力を持っている。
…だがこの属性の効果が全体的に強力過ぎ、理不尽な死を頻発させる結果に。
今までも理不尽な特殊能力をもつモンスターはいたが、そのようなモンスターは大抵後半の難関ダンジョンから登場する。
対してこの属性は序盤から頻繁に登場するため対策も出来ないまま倒される事態が非常に多い。
属性によるプレイヤー側が得する要素も無いに等しく、完全にストレスが溜まるだけの誰得要素になっている。
オニギライズしようとしたら痛恨連打で死亡するのはよくある光景である。


また全体的にロードやモーションが遅く非常にテンポが悪い。
武器を空振りして罠確認を繰り返すだけでもかなり億劫。建物に出入りするだけで3~4秒かかる。
これはPSPで改善されているため、プレイするならPSP版推奨。

他にも恒例の罠ダンジョンが存在しなかったり、もののけ王国のようなやりこみ要素が少なかったり…と、細かい不満点が積もり積もった結果が本作品の低評価を招いてしまった。

シレンファンで有名なタレントの伊集院光も本作を
「1(SFC)は100点満点で300点、2(64)は100点満点で315点、3は100点満点で150点」
と酷評を下している。

ただし上記の問題点はあくまで『シレンシリーズとしては』といった物も多く、シレンシリーズやローグライク系列のゲームとして見なければそれなりに良作という意見もある。
実際本作品からシレンシリーズを初体験した人は『普通に楽しめた』という声も多い。


またクリア後の隠しダンジョンはそれなりに手応えがあり、過去作品のキャラクターを登場させる等のファンサービスもそこそこ好評なため従来のファンの中においても『クリア後からが本番』と言う人もそこそこにはいる。

またBGMの評価は高くサヌキノ森、縁日の境内、かぐや御陵など後にシレン4、5にアレンジされたものも多く、中でも縁日の境内はダンジョンの雰囲気も相まって特に高く評価されている。

また、これまでの盾≫武器というゲームバランスに喧嘩を売るセンセーの導入や敵をグループに分けて属性を持たせる仕様は斬新的であり、異常武器台頭&盾の弱体化やオーラという形で引き継がれている。

つまりこの作品の最大の問題点は『単に多く変更点がシレンシリーズのノリに合わなかった』だけであり、単体で見ると決して駄作ではない。
そういう意味では典型的な『ガッカリゲー』とも言える作品とも言えるだろう。

余談だが、転び石の罠を活用したアイテム増殖バグが存在する(Wii、PSP双方)。
持ち込みなしのダンジョンでは手間かつリスキーだが下準備さえできれば気軽にできるため持ち込み可のダンジョンでのアイテムロスを気にしなくて済むのは利点。勿論ご利用は自己責任で。

影響

2024年発売の『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』は時系列が本作より過去になっているが、
その理由としてアスカの口調を元に戻すためであることがインタビューで語られており*1、制作側にとっても触れづらい作品になってしまった節がある。

『死ね、追記修正よ』

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最終更新:2024年02月17日 16:00