横須賀線

登録日:2010/01/07(木) 23:22:53
更新日:2023/05/29 Mon 17:39:36
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横須賀線(よこすかせん)とは、大船から久里浜までのJR東日本の鉄道路線のことである。

独立した線路は上述の区間だけだが、実際は
東京〜品川:東海道線の別線(地下線)
品川〜鶴見:東海道線(品鶴線)
鶴見〜大船:東海道線の別線

を経由して久里浜方面と結ぶ系統を差して言うことが殆どであり、当記事でもそのように扱う。

ラインカラーは青で、路線記号はJO
ナンバリングと路線記号は総武線快速と通しになっている。

概要

軍港である横須賀港へのアクセス路線として1889年に開業し、1944年までに久里浜まで全線が開業した。
古くから軍港や別荘が沿線にあることからクロスシートやトイレ、グリーン車を連結した車両が運行されているが、近郊形を使用しながら全線が電車特定区間に指定された特殊な路線でもある。

大半の列車は総武快速線または湘南新宿ラインに直通する。横浜から大船の間は東海道線の通過する駅の補完も果たしている。

現在では全線独立した線路を走行するが、1980年9月までは東京~大船間で東海道線と線路を共有していた。
国鉄時代の通勤5方面作戦の一環で東海道線との分離および総武快速線への直通運転が開始され、これらの計画は両線の列車番号を取ってSM分離と呼ばれている。
決していかがわしい意味ではない。
ちなみに東海道線が○○○○Mで横須賀線が○○○○S、繰り返すけどいかがわしい意味ではない。
同時に総武線との直通運転が始まっているが、こちらはSF直結と言われている。
これも総武線の列車番号に○○○○Fと振られていたためである。

東京~逗子間では15両または11両で運行されるが、逗子~久里浜間は最長で11両までしか入れない。
これは、逗子以南、特に田浦と横須賀が“横須賀名物”の1つとされているトンネル多発地帯にあり、ホームが短いため。
それでもまだ田浦は長さが足りず、11両編成のうち1号車と2号車久里浜寄りのドアはトンネル内にあり、通称「田浦スイッチ」によってドアカットされ開かない。
増結編成4両が逗子発着・11両の基本編成が逗子以南まで運転する。
……だがしかし、朝の一部の下りだけは逆(後11両が逗子止まり)になるので、慣れないうちは過信せず行先表示を確認しよう。
地方民はたいてい「短い11両編成です」の放送で「どこが短いんじゃ!」とツッコミを入れる。

また、横須賀線の増結編成は下り側に4両で入るが、東海道線は逆の上り側に5両で入る。
これは逗子駅の下り側にある留置場の問題で、4両編成にしないと16編成を留置できないこと、
及び東京側に連結しようとすると機回しが必要になるので発車本数を増やせないという都合がある。
そのせいで湘南新宿ラインと総武快速線の列車でグリーン車の位置がずれるという地味にめんどくさい状況になっていたり。

アナウンスを聞き忘れてて電車が到着した瞬間大移動は誰もが通る道。

◆運行形態

駅一覧

●:停車
┃:通過





駅名



























総武快速線直通




東 京
新 橋
品 川


(※目黒川) 湘南新宿ライン直通
(※蛇窪)
西大井
武蔵小杉
新川崎
(鶴 見)








横 浜
保土ケ谷
東戸塚
戸 塚
大 船



東海道線直通
北鎌倉
鎌 倉
逗 子
東逗子
田 浦
横須賀
衣 笠
久里浜

※は信号場

湘南新宿ライン直通の普通列車は逗子まで運転する為、全区間横須賀線の線路で運転。
また、湘南新宿ライン直通の快速・特別快速は全列車が東海道線直通だが、
蛇窪信号場~戸塚間は横須賀線を走行するため、保土ケ谷と東戸塚はホームのある線路を通過する。
戸塚駅で大船方面のポイントを通過して東海道線に転線する為、大船駅では東海道線ホームに到着する。

品鶴線区間でトラブル発生時、稀に一部列車が東海道線(川崎)経由で運転される。
また、反対に東海道線鶴見~品川間でトラブルが発生した時にも、東海道線の列車が品鶴線経由で運転される事もある。
……どちらの場合も本数は大幅に減るが。
その場合、横浜と品川の渡り線で転線する。

列車種別

  • 普通(湘南新宿ライン直通含む)
  • 快速(湘南新宿ライン・宇都宮線直通)
この2つは横須賀線内各停。
かつて成田空港発着の電車は「エアポート成田」と案内されていたが、停車駅自体は全く変わらない&特急との違いを明確にするため、2018年3月17日ダイヤ改正で廃止された。
また、総武快速線から直通する快速は横須賀線内では普通に種別変更される。

  • 快速
  • 特別快速
いずれも湘南新宿ライン東海道線直通で、西大井、新川崎、保土ケ谷、東戸塚は通過。
大船駅では東海道線ホームから発着する。

車両

一般形車両は全てグリーン車が連結されている。

  • E217系
113系置き換えのために1994年に登場。普通車は9〜11号車がセミクロスシートでその他はロングシートである。
2008年から2012年にかけて更新工事が実施され、帯の色が明るくなった。
E235系の導入に伴い廃車進行中。
  • E235系1000番台
E217系の代替として2020年12月から投入されている。
基本的な仕様は山手線用の同形式に準じているが、一部車両がトイレ付きとなったほか、LCD画面の大型化や袖仕切り形状の変更などのマイナーチェンジがされている。普通車は武蔵小杉駅付近の混雑が酷いこともあり、全車ロングシートとなった。
  • E231系・E233系
湘南新宿ライン用の車両で逗子まで乗り入れる。間合い運用として大船〜逗子間の区間運用に就くことも。
  • E257系5500番台
特急(2022年9月まではホリデー快速)鎌倉用。
かつては種車でもある500番台がおはようライナー/ホームライナーに使用され、東京からホームライナーで来て、おはようライナーで戻る運用だった。
10両前後が当たり前のような東京駅朝夕ラッシュ帯に、まさかの5両編成で登場していた。
  • E259系
特急「成田エクスプレス」で使用。
基本的に2編成連結した12両で運転されるが、一部列車は東京駅で横浜・大船方面の列車と新宿・池袋方面の列車が分割されるため、6両での運転もある。

過去の車両

  • 113系
普通列車用。定期列車の運用は1999年に終了したが、その後も千葉地区の車両がイベント向けの臨時列車として入線していた。
  • 215系
ライナー列車のほか、湘南新宿ラインの普通列車としても使用されていた。
  • 183系
幕張車両センター所属の編成がおはようライナー/ホームライナーに使用されていた。
  • 485系
定期列車ではなく、週末・休日など行楽シーズンに鎌倉への臨時列車や団臨として使用されていた。
  • 205系
休日に設定されていた横浜線根岸線からの直通列車で使用されていた。
2008年に湘南新宿ラインの増発に伴い撤退した。


駅解説

東海道線と併走する東京~品川間は東海道線を参照。
総武快速線から地下で直通するため、東京と新橋はまともにGPSが入らないことでも知られている。

東海道新幹線山手線京浜東北線・東海道線(上野東京ライン)・京急本線乗り換え。
ここから地上に出るため、駅メモなどの位置情報ゲームがまともにプレイできるようになる。

  • 西大井(JO 16)
湘南新宿ライン埼京線(大崎・新宿方面)乗り換え。
東海道線との分離化に伴う品鶴線の旅客化に合わせて、地元の品川区民の要望で誕生した駅である。

  • 武蔵小杉(JO 15)
南武線相鉄線直通東急東横線東急目黒線乗り換え。
川崎市中原区の中心駅で川崎の副都心の一つ。
詳しいことは該当記事を参照すること。

  • 新川崎(JO 14)
SM分離で開業した新駅その1。
貨物列車が間近に見られる為、鉄ヲタ御用達の撮影スポットだったりする。
少し歩けば南武線「上平間駅」こと鹿島田駅と連絡可能。
当初は「新鹿島田」となる予定だったが、地元民以外からは分かりにくいとの理由と川崎駅の代替の意味もあって新川崎とされた。
しかし乗換駅ではないのが影響して、川崎駅の代替の地位は武蔵小杉駅に奪われてしまった。

(新鶴見信号場…武蔵野貨物線、南武貨物線の分岐点)

(鶴見…横須賀線系統と東海道本線、東海道貨物線の分岐駅だが両者ともに全て通過)

  • 横浜(JO 13)
東海道線・根岸線・横浜線・京浜急行線・東急東横線・相鉄線・みなとみらい線・横浜市営地下鉄ブルーライン乗り換え。
工事やら乗り入れ路線やらでかなりカオスな駅。
詳しいことは該当記事を参照。

  • 保土ケ谷(JO 12)
地名の由来が「女性のアソコ(ホト)の形に似た谷」じゃないかといわれている。
保土ケ谷区の端にある駅で、保土ケ谷の中心へのアクセスは相鉄星川駅の方が良好。
東口のバスターミナルは国道1号線を跨いだ反対側にあるため、駅舎にBT行きの歩道橋が繋がっている。

  • 東戸塚(JO 11)
SM分離で開業した新駅その2。東海道貨物線横浜羽沢駅方面との分岐駅である。
実は大正時代に一度開業が決まっていたが、その後関東大震災や第二次世界大戦等が起きたために1980年まで開業できなかった歴史がある。
駅前はショッピングモールがあるなど割りと賑わっている。

  • 戸塚(JO 10)
横浜市営地下鉄ブルーライン乗り換え。
戸塚区自体は「横浜のチベット」と揶揄されることもあるが、駅自体は巨大商業施設と合体しているなど豪華な方。
ちなみに神奈川県民なら一度はお世話になるであろう書店の有隣堂が地下、駅ビル(東急プラザ)、駅近く(モディ)と3箇所もある。
この駅は東海道線と対面乗換えが可能な構造で、乗り換える人が多い。

  • 大船(JO 09)
東海道線・根岸線・湘南モノレール乗り換え。
横浜市と鎌倉市の境界に位置する…というか本当に境界をまたいでいる駅。登記上は鎌倉市大船だが、駅から見える小さな川が境で、北口は横浜市栄区に存在する。鎌倉車両センター最寄駅でもある。

  • 北鎌倉(JO 08)
未だに構内踏切がある。実は円覚寺の境内にあり、落ち着いた雰囲気のある駅。
周辺の高校に通う学生のために朝は臨時改札が設けられている。

  • 鎌倉(JO 07)
江ノ島電鉄線乗り換え。
観光地だけあって改札が町の規模にくらべめちゃくちゃに広い。
かつては横須賀鎮守府に勤務する海軍将校が多く家を構えていたため、彼らの通勤でも賑わった。
中には通勤時に出会う上官にいちいち敬礼するのが嫌で鎌倉住まいを辞めた将校も居たらしい。

  • 逗子(JO 06)
宇都宮線からやってきた湘南新宿ラインはここまで。離れているが京急逗子線逗子・葉山駅に連絡可能。
全列車の半分くらいは逗子止まりだが、15両編成の久里浜行き列車はここで切り離しを行う。
また、増結の4両だけで逗子~久里浜間を往復する編成もある。都合よく久里浜行きがない場合は逗子行きに乗り、逗子で4両編成に乗り換えても良いだろう。
当駅から京急逗子線神武寺駅との間に連絡線がある。理由は京急本線金沢八景駅近くにある総合車両製作所横浜事業所との接続のため。
川崎重工業で作られた京急などの車両もここから京急線に入る。

  • 東逗子(JO 05)
1947年に地元の要望で作られた駅。神武寺と鷹取山への最寄り駅。

  • 田浦(JO 04)
前述したとおり11両編成の列車はドアカットを行う。かつてはここから米軍向けの燃料輸送用の貨物線が分離していた。

  • 横須賀(JO 03)
一応JRにおける横須賀市の代表駅らしいが、街の規模は京浜急行本線横須賀中央駅は疎か汐入駅周辺にも負けているという駅。
むしろ京急バスの運行拠点の役割の方が目立っていると言ってもいい。
かつて米軍向けの貨物輸送に使われていた留置線もあり、今でもたまに保守用のモーターカーや臨時列車が止まっている。
正確には旧横須賀中心部(要は軍用エリア)であり、今でも海上自衛隊横須賀基地の最寄駅である。
駅のすぐ前にあるヴェルニー公園から運が良ければ「いずも」や南極観測船「しらせ」が見える。
終点では無いのに構内踏切も存在しない平屋式の珍しい物。
かつては終着駅だったのもあるが、傷痍軍人の利用を考えて戦前の建物ではあるがバリアフリー構造としたのも理由。
2番線のホームは頭端式のため、イベント開催時等に車両が展示されることも多い。
因みにここから久里浜駅までは単線区間となっている。単線なのは第二次世界大戦中に突貫工事で作ったため。

  • 衣笠(JO 02)
周辺の発展度は横須賀駅よりも上(近くに商店街やスーパーマーケットがある)。なので横須賀市内にある横須賀線の駅では最大の乗降客数を誇る。桜の名所である衣笠山公園などへの最寄駅。
なお衣笠駅と横須賀駅の間は線内でも屈指のトンネル密度であり、3〜5分程度ではあるが圏外になるエリアすらある。この区間での携帯電話の操作は控えておこう。

  • 久里浜(JO 01)
終着駅。駅の隣に留置線がある。
かつては乗務員訓練用として105系が留置してあったが現在は209系に置き換えられている。
終着駅ではあるが、終端部はしばらく延びている。京急久里浜線京急久里浜駅に乗換え可能。
ちなみに駅前にはお店が少ない。用がある方は京急久里浜駅の方へ。
久里浜港の最寄駅でもあり、東京湾フェリーを経由して内房線浜金谷駅に行くことができる。




追記・修正は横須賀線のグリーン車に乗りながらお願いします。

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最終更新:2023年05月29日 17:39