機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス

登録日:2010/04/08(木) 04:06:02
更新日:2023/03/16 Thu 23:17:44
所要時間:約 4 分で読めます




「機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス」は長谷川裕一氏による漫画作品。『サイバーコミックス』で連載された。


【概要】

連載時のタイトルは『ガンダムVS伝説の巨神』。名前からわかるように『ガンダムシリーズ』と『伝説巨神イデオン』のクロスオーバー作品。
時系列的には『ガンダムΖΖ』と『逆襲のシャア』の間の4年間を繋ぐ作品となっている。
あくまで外伝作品及び非映像作品であり、宇宙世紀年表の正史に含まれる作品とは言い難いが、それ故の自由度の広さで執筆された「隠れた名作」として知られている。

本作が収録された単行本は『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』と『機動戦士Vガンダム外伝』の2冊が出ている。
前者は長谷川氏のSF短編『わかりすぎた結末 あるいは失笑した宇宙 もしくはキャプテン・オーマイガーの華麗なる挑戦』(ガンダムとは無関係)、
後者はその名の通り『機動戦士Vガンダム外伝』がそれぞれ収録されており、後に『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』のタイトルで再販されている。
なお、『わかりすぎた結末~』は後に『スタジオ秘密基地劇場』に再録されている。

因みに、ガンダムとイデオンのクロスオーバーは長谷川先生が学生時代に構想していたものだという。
「ガンダムで何か描かないか」と打診された長谷川先生がこの構想を提案した時は、先方に冗談だと思われて笑われたとか。


【あらすじ】

宇宙世紀0091。木星圏にいたジュドー・アーシタは地球からの船と共にやってきたアムロ・レイと出会う。
アムロはジュドーに一枚の写真を見せた。その写真に写っていたのは、冗談のようなサイズの超大型MSの腕と、それを囲む数体のザクであった。
アムロはその写真の内容を調査すべく木星圏を訪れたらしく、ジュドーにもその調査への協力を依頼したいという。

ジュドーはアムロの調査協力依頼を受けることに決め、彼と共に『メガゼータ』に乗り、アムロが連れてきたシマ・八丈、鉄面皮の二人と共に強行偵察に出るが……。



【登場人物】


『ガンダムΖΖ』の主人公。かつて第一次ネオ・ジオン抗争を戦い抜いた英雄。
アムロと共にメガゼータに乗り込む。


皆が知っているエースパイロット。写真に写っていた超大型MSの調査のために木星圏へやってきた。
2人乗りのメガゼータを一人で操縦する頑張り屋さん。


  • シマ・八丈
アムロと共に木星圏にやってきた女性パイロット。本職はデータ解析とからしい。
あとがきから察するに、元ネタは『機動戦士ガンダム』の没キャラクター「八丈志麻」のようだ。


  • 鉄面皮
シマと同じくアムロと共に木星圏に来たパイロット。仮面を付けた男性である。
ジュドーやアムロからは火傷を仮面で隠していると思われていたが……?


名前だけ登場。
ジュドー曰く「逃げられました…」とのこと。


父親に似なかった娘さん。一年戦争の後、ザビ家の中で唯一生き残った人物である。
ヒトーリンに巨神起動のキーとして拘束されている。
男の研究員が多いのにすっぽんぽんで実験されているのは……作者の趣味だろう。
機動戦士ガンダムUC』以前の作品のため、「オードリー・バーン」にはならない結末を迎える。


  • ヒトーリン
木星圏のネオ・ジオン司令官。
ネオ・ジオン本隊からの命令を無視し、巨神を起動させようとする。下衆。
豚と人間が融合したような、人間離れした醜悪な見た目だが、一応純粋な人間らしい。


巨神が発動した際に、ネオ・ジオンの大部隊を率いてやってきた。
アムロ達と手を組み、巨神撃退に向かう。


  • ヨシユキ・トミノ
名前だけ登場する小説家。
普段は宇宙世紀の歴史小説を手掛けるが、『伝説巨神』といったフィクション作品も手掛けている。
モデルは言うまでもないだろうが富野由悠季である。



【登場MS】


プロトタイプΖΖガンダムの改修機で、ΖΖガンダムの2倍の出力を持つ。
AメカとBメカそれぞれにコクピットがあり、最大二人乗りだが、一応一人でも操縦は出来る。
ΖΖガンダム同様の武装を持つ他、「サイコミュハンド」というどう見てもロケットパンチな機構も装備されている。


旧式だが、ネオ・ジオン木星圏部隊では現役。


  • リック・ギガン
ギガンを宇宙用に改修した機体。


  • ドガッシャ
ガッシャの改良型。


  • キタラ
機体前面にビームカッターを展開するという独特のMS。
後年のペズ・バタラに似ている。


  • デコプチ
「デコレーション・プチモビルスーツ」の略。見た目はSD。
劇中ではガンダム、騎士ガンダムゲルググ、ザクⅡ、 別世界の救世主の乗る魔神を模した物 が登場。


シャアの機体。
おそらくザクⅢの改良型。


ビグ・ザムの改良型。


  • 巨神
『伝説巨神イデオン』に登場するイデオンそのもの。
作中では、木星圏でネオ・ジオンが発見し、秘密裡に調査を進めていた謎の超大型MSらしきモノとして扱われており、
上述のヨシユキ・トミノの小説作品に因んで『伝説巨神』のコードネームで呼ばれていた。
その圧倒的な大きさから、機体内に通路などが作られて基地化されており、侵入したジュドーも最初巨神内部にいると思っていなかったほど。
ミネバがとあるきっかけで怒りと悲しみを爆発させたことに呼応するように起動し、その圧倒的な力をアムロたちに見せつける。

なお、アムロはまさしく(劇中世界における)元ネタに登場する巨神と同じ力を持っていると思われることについて、
その元ネタである、トミノが執筆した『伝説巨神』の物語は今の宇宙が出来る前、遥か昔に実際に起こった出来事であり、
復活しつつある巨神(無限力)が警告として過去の出来事を夢などでトミノに見せ、彼がそれを小説と言う体で書き留め、発表したものと推測していた。



【他作品とのつながり】

『Vガンダム外伝』には、グレイ・ストークという老人と、彼と共に60年近く戦ってきたという謎のMS*1「ガンプ」が登場するが、
劇中の描写を見ると、その正体は『Vガンダム』の時代まで生きたジュドー・アーシタと、彼に幾度となく改修されたΖΖガンダムであると推測できる。
また、『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』にもストークとガンプは登場している。
書籍『オタクの遺伝子』によれば、メガゼータを修繕した機体がガンプだと解釈できるようになっているが、
版権問題回避のためなのか『逆襲のギガンティス』をなかったことにしても『Vガンダム外伝』が成立するようにはなっているとのこと。



追記・修正はヨシユキ・トミノの著作を読んだ方がお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 漫画
  • 長谷川裕一
  • ガンダム
  • イデオン
  • クロスオーバー
  • 真面目なギャグ
  • 逆襲のギガンティス
  • サイバーコミックス
  • ガンダム漫画リンク
  • 伝説巨神イデオン

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年03月16日 23:17

*1 修理に必要な純正パーツはとっくの昔に手に入らなくなっており、ストークの創意工夫でジャンクパーツなどを用いて改修を重ねた結果、元の形状及びMS名がストーク以外に分からなくなっている。