ぼくらの

登録日:2011/08/18 (木) 18:57:33
更新日:2024/01/12 Fri 16:25:10
所要時間:約 4 分で読めます




中学生になった時、


ぼくらはもう一人前で自分でなんでもできると思った。


ぼくらは泣いたり笑ったり怒ったり、
もう、この世の中のことはほとんど知った気になっていた。


でも本当は父や母に守られ社会に守られてるただの子供だった。


本当の悲しみや喜びや怒りは、
そんな日常の中にはなかった。


それを知ったのはぼくら15人が集まり、
そして、
あれ、


あれに、出会ってからだった。




月刊IKKIで連載されていた漫画。アニメ化、小説化もされた。

作:鬼頭莫宏

漫画・全11巻
アニメ・全24話
小説・全5巻


◎アニメ版は原作ファンからは不評、というより酷評。
作画崩壊迷言に加えて監督の失言とその評価はボロボロだったが、原作を知らない視聴者からは概ね好評だったらしい。
アニメ前半は漫画の細部まで描いた丁寧な作りだが、原作連載中にアニメ化がスタートした為後半はオリジナル展開になっている。
ただしテーマ曲「アンインストール」は評価が高い。

◎小説版は主役陣が大きく変更されており、ストーリーも当然異なる。

◎作品を作るにあたってはジョージ秋山の漫画『ザ・ムーン』のストーリーを参考にしている。

◎着想のきっかけは、作者が「ロボットに乗っていい気になってる子どもなんてみんな死ねばいい」と思ったことらしい。

◎また、最初に構想されていたのは「魔法を使うと主人公の大切な人が死んでいく魔法少女モノ」で、
 そこから「大きな力を使うには犠牲を支払う必要がある」という発想のもとに「操縦するとパイロットが死ぬロボット」という設定が考え出された。

ここでは主に原作漫画・アニメ版について記述する。


あらすじ
夏の臨海学校に、それぞれ違う土地から集まった15人の少年少女。
彼らは海岸で見つけた洞窟の先で怪しげな男から『ゲーム』に誘われる。
『敵』から地球を守るそのゲームに契約し、軽い気持ちで参加する少年達。
しかしそのゲームは彼らの運命を大きく動かすことになる――


巨大ロボに乗って敵と戦うなかで、少年達は命、家族、そしてまだ見ぬ未来を見つめ直す。
鬼頭お得意の思春期の葛藤描写も細かく描かれており、何の為に戦うのか、何の為に生きているのかの悩みを丁寧に表現している。


ゲームのルール
  • 次々と襲い来る敵を巨大なロボットで倒し、地球を守る
  • 敵は不定期に1体ずつ出現する
  • 戦闘開始時にパイロットはコックピットに強制転送される
  • 自陣の巨大ロボットは毎回同じものを使い、操縦は念動式
  • 敵の心臓部である『核』を破壊すれば勝利となる
  • 操縦者は原則として毎回交代し、次回の操縦者はランダムで決定する
  • 操縦者に選ばれると身体に特有の模様が浮かび上がる(アニメ版)
  • お互いの出現から48時間に決着がつかない場合、双方とも負け扱いとなる


●巨大ロボット
漫画、アニメ版では《ジアース》(Zearth)と名付けられる怪獣のような巨大兵器。甲殻類や甲虫を模したような黒い装甲をもち、全高は500mほど。
小説版では《人形》と呼ばれる。
手足による格闘のほか、機体のあらゆる箇所から地球すら貫通する「レーザー光線*1」を手軽に放つことができる。
構成材は謎ではあるが、弱点部位に核兵器が直撃してなお無傷という桁違いの強度の材質であり、特に装甲部位はさらに別格の強度を誇る。
しかもゲーム終了のたび、どれだけ破損していても必ず完璧に元の形に戻る。
操縦室はフローティング構造となっており、顔にあたる部分には契約者の人数に応じたスリットと光点がともされている。
インターフェースは完全な思考操縦を可能としており、何の補助具もなく、文字通り考えただけで任意の挙動を取らせることができる。
明らかに人知を超えた技術力で製造されたものだが、一部に「敵」との関連性も見られ、多くの謎が隠されている。
《ジアース》の由来は「地球代表のロボット」ということで「EARTH」(地球)に、究極っぽい「Z」をつけた物。

主な登場人物
ゲームに契約し、黒くて硬くてデカい巨大ロボットに乗り込んで敵と戦う。
章ごとに次の操縦者に選ばれたキャラにスポットが当てられ、自分の戦闘終了までの間一時的な主人公として扱われる。
漫画・アニメと小説ではメンバーに違いがある。中学一年生が殆ど。

  • ココペリ
CV:東地宏樹
海岸の洞窟でゲームを作っていた怪しい男。
モニターとして子ども達をゲームに誘う。

CV:石田彰
ネズミのぬいぐるみのような姿をしたゲームのアドバイザー。
宙に浮いており、任意のものをコックピットを介してテレポーテーションできる。
性格も口も悪く、ゲームの詳細を知っているようだがなかなか教えてくれない。
漫画では手の平サイズ、アニメでは人の顔ほどの大きさ。


ルールのネタバレ













途中から明かされるルール
  • ジアースを動かすのに必要なものは契約者の命。たとえ戦いに勝利しても操縦者は死ぬ
    • 契約している≠操縦権がある。操縦者は戦闘直後に契約者の中からランダムで選ばれ、戦闘時のみ操縦権を持つ。万全のセキュリティ。
    • 戦闘はいきなり始まるが、操縦者に選ばれてから数日程度のインターバルがある。
    • 契約を撤回することはできない。
    • 胎児ですら契約者や操縦者として選ばれる。
  • ジアースと敵は実質的に同じ存在。
    • ジアースにも敵と全く同じ見た目の核がある。核の正体は操縦室。
    • ジアースと敵の顔にある光点は残りの操縦者の数。死ぬごとに一つずつ消えていく。
  • 敵の正体は平行世界(パラレルワールド)の地球人であり、戦闘は自分の地球と平行世界の地球の存続をかけたもの。
    • 厳密な勝利条件は核の破壊ではなく、「味方側の地球人の手で敵操縦者を殺す」こと*2
    • 戦いの場は自分達の地球か相手側の地球のどちらかにランダムで決まる。
    • 戦いに負けた側の地球は消滅する
      • 勝った側の地球も戦闘の経過はそのまま残る。自分の地球で下手な戦いをすれば無関係な人々が普通に死ぬ。
      • 48時間以内に勝敗が決まらないと両方の地球が消滅する

要するに契約者は戦闘後ランダムで死の宣告を受けて、死の覚悟ができたかどうか微妙なタイミングで地球の命運を背負った戦闘させられた挙句に死ぬ運命にある。
…不憫過ぎない?



スパロボ等のロボゲーム出演を望む声もあるが、「戦うたびにパイロットが減って足りない!」なんて事態が容易に想像できる為その時点で難しい。
物騒なSRXである。というか無理。

スパロボKより酷いことになるのは明白だし。そもそもジアースのアウェイ戦どうするんだ。
宙さんを連れて行って、戦闘後に死ぬ定めの子供の目の前で「死ねぇ!!」でもしてもらうのか。
どちらにせよ不謹慎な話である。錯乱する奴が増えそうではあるが。

……しかし、遂に2020年10月『スーパーロボット大戦X-Ω』に期間限定参戦が決まった。
しかも元祖トラウマロボットアニメ『伝説巨神イデオンと同時参戦である…ヤバイ臭いしかしない。
さらには参戦発表時は『魔法のプリンセンス ミンキーモモ』が『ぼくらの』の上に並んでおり、交通事故で死ぬ・乗ると死ぬ・みんな死ぬとユーザーを戦慄させた。
こんな連中の先頭に並べられた『牙狼-GARO-』が一周回って平和にしか見えないという間違った場違い感
ちなみに原作は既に完結済みなのだが、アニメ版の方が先に参戦しており、設定面でもアニメ版準拠となっている。


原作漫画最終巻には初版限定版にのみオマケ漫画の小冊子が付属。
セルフパロディといった感じの内容で、作者本人のほかにアシスタントが描いた漫画もある。

重くシリアスな本編とはおよそかけ離れたギャグ要素の強い漫画の為わりと賛否両論。
特に作者本人が描いた最後のページのコエムシは忘れたくても忘れられないインパクトをもつ。



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最終更新:2024年01月12日 16:25

*1 見た目だけの話であり、正確には質量兵器らしい

*2 こちら側の地球人なら誰でも良いので、ロボット戦以外の手段で勝負が決まるケースもある。逆に操縦者が死んでも、敵側の地球人の手にかかったのでないなら敗北にはならず、次の操縦者が選ばれて戦闘続行となる