宇宙海賊

登録日:2011/12/09(金) 22:26:09
更新日:2023/08/31 Thu 20:34:29
所要時間:約 3 分で読めます




宇宙海賊とは、宇宙を猟場とした盗賊である。
現在、人類はまだ生活の場を宇宙にまでは広げてはいないので、完全にフィクション、それもSFの世界観にのみ存在する。

海賊の名を冠する通り、地球における海賊のイメージをそのまま宇宙に移したものだが、
それ故にシンボルとしてのドクロの海賊旗や、サーベルなどの武器のイメージもそのままトレースされる事が多い。
多くは大航海時代の海賊のイメージだが、場合によっては海賊(現代)の延長線上の存在も。

宇宙空間を時に海として例える文化があるからこそ海賊の名称をそのまま使っているが、時には宙賊とも呼ばれる。


■フィクションにおける宇宙海賊

前述の通り、人類が宇宙に進出した世界において、しばしば描かれる犯罪者達である。
主に、宇宙旅客機や貨物機を略奪の対象とし、時にはトレジャーハンターのような事もする。
また、地球以外の文明発祥の化け物のような生物が宇宙海賊として人類の前に立つ事もある。
悪役になる事も多いが、しばしば主人公やその味方として登場することも多く、
その場合、国家権力(その場合は銀河支配を目論む星間侵略国家とか)を相手に戦う義賊的なイメージで描かれる。
実は海賊行為をしておらず、トレジャーハンターや冒険者であっても宇宙海賊と呼ばれる、または自ら名乗るなんて事も多い。
他にも興行としての海賊行為を行う宇宙海賊など、意外とバリエーションが豊富である。


■組織

大規模から小規模まで様々。
作品によっては巨大国家を形成してたりする。
逆に故国を逐われた王族が家臣・友と共に海賊化する場合も珍しくない。
一子相伝の場合もありパンピーと思っていた娘さんが実は……という展開も。


■アイテム類

スペースオペラに登場するステレオタイプの宇宙海賊の持ち物を記す。

◆剣
ビームサーベルや重力子サーベルなど、やはりSFらしい設定の剣を持つが、
護手がついてるなど、海賊らしくサーベルやカットラスの意匠を持っていたりする。

◆銃
光線銃が主だが、こちらもリボルバーマスケット銃を模した、見た目だけはクラシカルなものが多い。

◆海賊旗
地球の海賊と同じく、やはり旗を掲げる。なぜ宇宙ではためくのかは突っ込んではいけない。信念の象徴なのだから。
ソコをあえて無粋な考証をするなら「風ではなく宇宙線などにはためく」「ソナーの一部。はためいて感知範囲を随時変化させる」
「宇宙では空気抵抗がないため上だけ固定された布は振り子のように揺れ続ける」などがあり、
中にはエアー噴射機などの「はためかせるための装置」が搭載されている宇宙船も存在する。

◆眼帯
本当に隻眼だったりもするが、高性能なデバイスだったりもする。

◆宇宙船
彼らの移動手段にして居住地。
もちろんSF技術が投入された機械艦だが、見た目はしばしば中世の帆船などに似せられる。居住地でもあるので、まず人工重力完備。
大砲などはレーザーやビームなど熱光学・粒子エネルギー兵器が主流になっている。
中には戦闘機・レーシングカー・トレーラー・潜水艦と合体して巨大ロボになる物もある。船によっては機動兵器を艦載機として積載している場合もある。

◆機動兵器
宇宙戦闘機やロボット等の機動兵器に乗って戦う者もいる。
中にはガンダムとか配備している場合もある。

◆ペット
宇宙生物や小型のロボットをペットにしている場合がある。
どちらも地球には存在しない物である。
例を挙げれるならば…お喋りなオウム型ロボ、巨大生物を召喚する宇宙猿等。

◆地図や地球儀
惑星の地図は大概持っているだろう。
この星には地球儀を常備している宇宙海賊もいる。
それ…ここ!


【宇宙海賊の登場する作品】

◆宇宙海賊そのものを題材とした作品
宇宙海賊の代表的な作品。
腐敗しきった地球を見限り、自由の旗を掲げてドクロの紋章を艦首にかたどった海賊船アルカディア号で宇宙を駆ける男の中の男。
冒険家・義賊としての海賊の代表格と言える。後に銀河鉄道999にも登場。
先の宇宙戦艦ヤマト(漫画版)にも同名の人物が登場しているが、顔を隠した全身サイボーグで他のクルーも全員ロボットなど人物像が異なり、
古代進と会談して態度が軟化したことや沖田十三が艦長と知ってヤマトの援護に尽力することなどから正体は古代守と作中で推測されている。
詳細はゆきかぜ(宇宙戦艦ヤマト)参照。

  • クイーンエメラルダス
松本零士作品でハーロックと双璧をなす宇宙最強の女海賊。
その姿を見たものは死ぬと言われて恐れられているが、真に自由を信念を持つ者たちからは憧れと尊敬を向けられている。
ハーロックの親友トチローとは恋仲で、彼の形見の銃コスモドラグーンを持つ。

一匹狼の最強の海賊コブラの冒険を描いたスペースオペラ。
作中にはほかに海賊ギルドと呼ばれる悪漢の海賊の集まりが存在し、正統派の海賊のコブラとの対決が見どころのひとつ。
とはいえコブラ自身も金塊や美術品などの強奪はおこなっており、海賊らしく宇宙パトロールに目をつけられている。

主人公の所属するクロスボーン・バンガード(前作『機動戦士ガンダムF91』の敵組織とは別物)が宇宙海賊。
木星帝国と熾烈な戦いを繰り広げる。

ヒロインのアイーダ・スルガンらメガファウナ隊が宇宙海賊であるが、実際の所はアメリア軍の秘密部隊なので私掠船に近い。
作中では割と早々に正体がバレたものの、以降もアメリア軍本隊とは別に独自の行動を取っていた。

笹本祐一によるライトノベル。
父の跡を継ぎ私掠船「弁天丸」の艦長となった加藤茉莉香の冒険を描く。

宇宙を支配せんとする宇宙帝国ザンギャックに戦いを挑む5人の宇宙海賊の物語。
下記のギンガマンも含めた今までの戦隊ヒーローにゴーカイチェンジできる。
ザンギャックは宇宙の大部分を支配する超巨大組織であり、それに戦いを挑む愚連隊であるゴーカイジャーはザンギャックからの蔑称として「海賊」とあだ名されたが、彼らはむしろその汚名を自ら誇りとして掲げている。

◆宇宙海賊との戦いを描いた作品
敵組織として宇宙海賊バンカーが登場。決して『スーパーロボット大戦K』のオリジナルキャラではない。

宇宙警察カイザーズと敵対する組織として、宇宙海賊ガイスターが登場。
「宇宙最強の猛者」と称されるダイノガイストを首領に、過去300年間で286もの惑星を荒らし回った経歴を持つ。

シーマ・ガラハウ他ジオンの残党が宇宙海賊として登場している。

ブルワーズなど火星近海を縄張りにする宇宙海賊が登場し、鉄華団と交戦した。

敵組織として登場する犯罪組織マクーは2万6千年もの歴史を持つ巨大な宇宙海賊であり、銀河連邦警察も手を焼いている。
このおかげでギャバンはゴーカイジャーを当初は敵だと思っていた。

大星団ゴズマの副官ブーバは元宇宙海賊であり、29話と48話ではかつての海賊仲間と共にチェンジマンと戦っている。

敵組織として宇宙海賊バルバンが登場。
そのため、ギンガレッド/リョウマは『ゴーカイジャー』にゲスト出演した際、「まさか、宇宙海賊が35番目のスーパー戦隊になるなんてな…」と感慨を口にしている。

敵組織として宇宙海賊スペースパイレーツが登場。

ドラ・ザ・キッドはタイムパトロール所属の宇宙保安官(要するにお巡りさん)なので、たまに登場する。
コロコロ版のキラーなどが該当。

敵組織の一つとして宇宙海賊「春雨」が登場。ヒロインの兄である神威も所属している。
終盤では主人公たちと総力戦を繰り広げた。

  • レンズマンシリーズ
宇宙海賊という題材(モチーフ)の基礎を作った偉大な古典SF…と思われがちだが、後半の展開のせいで実は方向性が違う。
第1話「銀河パトロール隊」は1937年に出版、初期シリーズ最終話「レンズの子供たち」が1947年に出版。
銀河全体で暴れ回る宇宙海賊ボスコーンに、各惑星から選ばれたエリート捜査官で構成された銀河パトロール隊が立ち向かう
…という筋書きなのだが、ボスコーンは実力も専有範囲も、現実の「海賊」という言葉の定義では収まらない超組織。
どちらかというと、現実にも(残念ながら)存在する
「国家社会に寄生して存在する身でありながら国家に匹敵する力をもつ犯罪組織」
が宇宙レベルに拡張されたものであり、日本人に馴染み深いものとしては「ショッカー」などの方が近い。
前述したメトロイド世界の宇宙海賊のモデルも恐らくこちら。

原作『激走戦隊カーレンジャー』の敵組織ボーゾックは宇宙暴走族だったが、こちらでは女首領ディバトックスが率いる宇宙海賊となっめいる。
物語前半では潜水艦サブクラフトを拠点としていた。


◆その他、宇宙海賊の登場する作品
直接は登場しないが作中に度々宇宙海賊が存在することが示唆されている。
多くは略奪者であり、現実の海賊を宇宙に持ち出したような連中らしいが、場合によっては軍に痛手を負わせるほど強武装している者もいるもよう。
また、作中に登場する国家『ゴールデンバウム朝銀河帝国』の開祖である『ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム』は当初は銀河連邦の軍人であり、宇宙海賊の討伐で名を上げていったというエピソードもある。

スペースオペラということでアマゾナ、ロード・レオン、闇の王といった強力な超能力を持つエスパーがたびたび登場する。
変わった例としては銀河帝国の一族でサイバー宇宙船の生体コンピュータに組み込まれて冷凍睡眠していたトレスがむりやりシステムを起動した悪党によって海賊行為をさせられていたこともある。

星間連盟の統治が崩れ治安が悪化した辺境に拠点を構えるならず者。
資源や人手を奪うため周辺の惑星や継承権国家のはずれにしばしば襲撃をかける。ただし、もともと食い詰めた者たちが集まる場所というのもあり、手持ちのメックは整備が行き届かずどこかが損傷してることも多い

主要キャラの一人であるアルゴ・ガルスキーは元宇宙海賊で、逮捕された仲間を人質に取られネオロシアのファイターとなった。
…でも本編終了後設定の二次創作でもまだ爆弾付いたままだったりするのよね。

第2部主人公アセム・アスノがとある事情で宇宙海賊ビシディアンに加入。
後に首領になりキャプテン・アッシュを名乗る。
上記クロスボーンへのオマージュが見て取れる。
ちなみにスパロボではある人物がビシディアンに所属し、最終的には「キャプテン・アッシュの席の預かり」として事実上の次期ビシディアン首領を任せられることに。

炎の海賊団と呼ばれる男たちが登場。その用心棒のグレンファイヤーが後にウルティメイトフォースゼロに加盟する。
その他ウルトラシリーズにはバルキー星人とかムルナウ一味とかバロッサ星人といったろくでもない宇宙海賊が山のようにいる。

伝説の黄金境『レジェンドラ』を守護する八人の勇者……の保険的存在として、「宇宙海賊」を自称する海賊戦艦キャプテンシャークとその主である謎の船長イーター・イーザックが登場。
果たしてイーザック船長の正体は……?

アンゴルモアエネルジーを求めて惑星ガイアにやってきた宇宙海賊シーコンズが登場。
利害が一致したためガルバトロン率いるデストロン機甲軍団と手を組む。

トレイラー(宇宙の何でも屋)を襲撃するチンピラ集団で、彼らが無法を尽くしているのでトレイラー自体が疎まれている。

扉絵連載『エネルのスペース大冒険』でを荒らしまわっていたが、月に辿り着いたエネルにボコボコにやられた。
もしかしたらこいつらが八百屋星人なのかもしれない。

  • Rimworld
敵対勢力の1つ「宙族」が該当。友好度が-100で固定されており、和解はできない。
バニラの勢力の中では最高峰の技術レベルを誇り、ゲームが進むと近接兵がシールドを装備したり、ランチャーを持ち出してきたり、マップの端に拠点を構えて迫撃砲を撃ってきたりする。
普通に戦えば強敵なのだが、超能力で同士討ちを誘われて周囲もろともランチャーで吹き飛んだり、拠点に陣取っているのを逆手に取られてプレイヤーの迫撃砲で焼夷弾や反応弾をぶち込まれたりして早々に退散することもしばしば。
技術レベルが高いが故の欠点を抱えており、慣れたプレイヤーからはローテクながら数の暴力で攻めてくる蛮族のほうが厄介、と言われてしまうこともある。


追記、修正は、これらの要素に男のロマンを感じる方がお願いします。

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