セイバー(EXTRA)

登録日:2010/07/25(日) 21:59:05
更新日:2024/04/10 Wed 18:57:20
所要時間:約 28 分で読めます




答えよ。汝が余の奏者(マスター)か?

◆セイバー(赤セイバー)


CV:丹下桜


Fate/EXTRA』でザビーズのパートナーとなる3人のサーヴァントの内の一人。
主人公を『奏者』と書いて『マスター』と呼ぶ(そのまま呼ぶことも)。

容姿はFate本編のセイバーに酷似しているが全くの別人である。

詳しくは赤セイバーの項目を参照。




◆セイバー


「この身は主の為の剣!」


サーヴァント:セイバー
真名:ガウェイン
マスター:レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ
性別:男性
身長・体重:180cm/78kg
属性:秩序・善
血液型:不明
誕生日:不明
イメージカラー:白銀
特技:hit確認からの聖剣の有効利用
好きなもの:アーサー王
嫌いなもの:年上の妻
天敵:ありす

◇ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
B+ B+ B A A A+

どのランクも高ランクを誇っている最優のクラスに相応しい強力なサーヴァント
この段階でも充分馬鹿高いと言えるステータスだが、後述のスキルが発動時は最早化け物染みた能力値に変貌する。

Fate/EXTRA』世界において、地上の6割を支配すると言われる西欧財閥。
その主権者たるハーウェイ家が、次期当主レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイと共に送り込んできた剣士クラスのサーヴァントである。

聖杯戦争において英霊の真名を明かす事は命取りになるが、レオの圧倒的な自負により、常に真名で呼ばれていた。

遠坂凛ラニ=Ⅷが2人がかりでも勝つには厳しいと言う月の聖杯戦争最強のマスターであるレオの能力によってその能力は最大限まで引き出されており、レオと力を合わせることで強力なスキルを使用できる。

その真名は『太陽の騎士』の異名の持つ円卓の騎士ガウェイン
アーサー王に付き従った騎士の中でもランスロットに並び立つ高名な騎士であり、『忠義の騎士』とも呼ばれる忠節の騎士。

生前はアーサー王を崇拝とも深い敬意と忠誠を捧げており、彼(彼女)の影に勤めていた。
アーサー王の影武者ともされ、もしも王に何かが起きた場合は王の代わりを務める王の代行者候補とも言われていた。
もっともガウェイン本人にその気は一切なく、常に主であるアーサー王に良く仕えていた。


  • クラススキル
対魔力:B
セイバーのクラスとしては標準レベル。このランクだと大魔術・儀礼呪法等でも、傷付けるのは難しい。

騎乗:B
上に同じ。幻想種以外の、通常の乗り物なら難なく乗りこなす。

  • 保有スキル
カリスマ:E
設定集において判明したスキル。
軍団を指揮する天性の才能。
このスキルは稀にその持ち主の人格形成に影響を及ぼす事があり、彼の場合彼の裏表のない物言いから、天然扱いされる原因になった。

ベルシラックの帯:EX
FGOにて追加された新スキル。
彼が生前に相対した緑の騎士の諍いの末に手に入れた帯。
具体的な能力は不明。

聖者の数字:EX
彼の異名「太陽の騎士」に由来する彼の特異体質。
太陽が出ている午前9時と午後3時からの3時間、通常の3倍に近い能力を発揮する。そこ、赤い彗星とか言うな。

この能力を発揮した際のガウェインは、自身の生前の主であり、最優のクラスと謳われるセイバーの中でも最強と評されるアーサー王以上とも噂されている。

更に月の聖杯戦争のアリーナのシステム上「何時までも夜が来ない」為に、時間を稼いで解除を待つ戦法すら通用しない。
その特性も相俟ってキャスターから「チート」と称された。

日輪の加護を帯びたガウェインには半端な攻撃は一切通じず、決勝まで無傷で勝ち上がった所以でもある。
ただし、一度でも傷つけられた相手には二度と使えないという欠点がある*1


宝具
転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:20~40
最大補足:300人


この剣は太陽の写し身――――もう一振りの星の聖剣!


ガウェイン卿の剣として非常に有名な剣。ガウェインは、この剣共々自らを「主の剣」と規定している。
かのアーサー王が振るう最強の聖剣「約束された勝利の剣エクスカリバー)」の姉妹剣であり、同じく湖の乙女により委ねられた「もう一振りの星の聖剣」
真名解放時に太陽の極大の熱線と爆炎を放出する太陽の聖剣。
柄には擬似太陽を封じられており、その出力たるやエクスカリバーにも匹敵するという。
エクスカリバーが星の光を束ねて一直線に突き進む謂わば一点集中型の光の斬撃を放つ剣なのに対して、ガラティーンは太陽の灼熱を以て放射状に敵を焼き尽くす拡散型の剣。
更に剣に魔力を込めると内部の疑似太陽と連動して、視認可能な範囲まで伸ばせる高熱の刀身になるという特性がある。
分かり易く言うと13kmや
因みに神話ではエクスカリバーの原典はカラドボルグとされているが、「Fate」ではこのガラティーンがカラドボルグの派生品と設定されている。




清廉潔白、信義と礼節を重んじる騎士の鑑と言える人物。

ただ真面目で堅い訳ではなく、爽やかさと涼やかさを持ったイケメン。
王の剣である自身に誇りを抱いており、自身の全てを主の為に捧げている。

高名さ、原典からしてアーサー王やランスロットと並び称される人物だけあり、その実力は超一流。
その剣技は優美さ、華やかさとはかけ離れた実直な剣であり、技よりも力を前面に押し出した敵を刈り取るような豪快なものであり、単純な剣の腕前は円卓でも上位に位置する。

同僚であるランスロットとは生前で深い因縁があり、
彼が処刑される王妃ギネヴィアを助ける為に弟達であるガレス・ガヘリス(伝承ではランスロットを慕い敵対したくがないために非武装だったという)を殺した事に加え、敬愛するアーサー王の妻ギネヴィアを攫った事に激怒。

ランスロット卿に兄弟を殺されたばかりか、あの黒騎士は王さえ裏切った!王の妻を拐わしたのだ!許せる訳があろうか!

しかしアーサー王は自らに責があるとしてランスロットを許そうとするも、彼はどうしても許せずランスロットに決闘を申し込み闘う事になる。
昼のガウェインの力は円卓でも最強と称されており、ランスロットすらも圧倒するが防戦に徹した彼を攻め切ることが叶わず聖者の数字の時間切れまで粘られてしまい、最後は反撃を貰い敗北した。

決闘後にモードレッドが王に反旗を翻したのを知り、急いで国に戻って反乱軍を相手に奮闘するもランスロットとの決闘による負傷が大きく苦戦。
王の窮地を知って救援に駆け付けたランスロットに対しても、憎悪の念は薄れずに救助を再三にわたり拒絶してしまう。

最期はボロボロの状態をモードレッドに狙われてしまい、交戦。
本来のガウェインなら遅れをとることはなかったものの、大きく消耗した状態でモードレッドの相手をすることは難しく敗北、死亡した。*2

その後、ガウェインを討ち取った事で勢いづいた反乱軍はアーサー王率いる正規軍とぶつかり、両軍の大将であるアーサー王、モードレッドの死によって終幕を迎え、ブリテンは崩壊。
結果として己の私情が原因で王の死を招いてしまったことを深く悔いている。


『――もし次があるのなら。まだ挽回する機会が、二度目の生があるのなら、今度こそ、自らの全てを王に捧げよう――』
我欲と私情の一切を捨て主の剣に徹する完璧な騎士になる事を目指すと誓い、レオとの契約に応じた。
上記の経緯から、ランスロットへの憎しみも既に棄てており、彼の行いも自らの不徳として受け取っているという。


「騎士に心は不要。ただ剣であれば良い」と語るように自らを主の武器と定め、ただ忠実に従う騎士を心掛けていて、
例え友と呼べる者であろうと主が斬れと命じたならば迷わず切り捨てると豪語する程。
盲信的な忠誠から、パートナーサーヴァントからは「忠犬」と例えられて批判されているが、彼本人も承知の上であり、とある事情からそのように振る舞っている。

『EXTRA』


七回戦、決勝まで進んだ主人公の前に立ち塞がる強大な敵。
月における最強のマスターであるレオと最強のサーヴァントであるガウェインが組んだ事でトーナメントに参加したメンバーの中でも最高スペックを叩き出し、優勝を確実視された最強コンビ。

その戦闘力は凜すら「私とランサーが全力でも真っ向勝負じゃ勝てない」と認める程であり、
ファンブックでは主人公の親友が呼んだアーチャーを相手にも勝利を収めた。*3

前哨戦では「聖者の数字」による圧倒的な能力とその桁違いの防御力で主人公達を圧倒する。
因みにその防御力はゲーム的にはあらゆる攻撃がノーダメージというふざけたもの。
ゲームシステム面を除いても、その頑強さは凄まじく、漫画・ドラマCD版でランサー(EXTRA)の宝具・串刺城塞の直撃でも無傷という圧倒的な能力を見せつけた。

このまま勝ち目ないので2度目の戦いではヒロインの協力を得て陽を落とし、その力を破った。


決勝では主人公達と全力で戦い敗れる。
生まれた時より完璧に育てられ、完璧な「王」として歩んだレオは、実際は敗北も失敗も知らないが為に不完全な王にしかなれなかった。
間近でアーサー王を見ていたガウェインはレオの王としての欠陥に気付いていたが、
敗北はそのまま逃れられない死に消滅に繋がるムーンセルでの戦い故に、また過去に王に忠実であれなかった事を悔いていたが為にあえて口に出す事はなく、
「レオに敗北が訪れるまで私は勝ち続ける」と決意してたという。

そして、主人公に敗れた事でレオは初めて敗北を知り、真に王たる資格を備えた人物となる。
レオはガウェインの不器用ながらも確かな忠義に感謝を告げ、ガウェインは主の成長に立ち合えた事を喜び、最後まで忠実な騎士として消えていった……


アルトリアといい、ランスロットといい、コイツといい、モードレッドといい、なんなんだこのチート集団。
残り9人の騎士(トリスタン、パーシヴァル、ケイ、ガレス、ガヘリス、ギャラハッド、アグラヴェインベディヴィエール、後一名)も化け物である可能性が高い。


尚、ベディヴィエールがアーサー王に「王の人としての幸せ」を願っていたのに対して、彼は「王は王として在ること」を望んでいたという。
その為に彼自身はアーサー王に対して厚い忠誠と敬愛を捧げていたものの、アーサー王の苦悩に気付くことはなかったと語られている。
またギャグのノリではあるものの彼の王は男性と発しており、アーサー王が女性である事に気付いてなかったようだ。


熱血直情の善良な性格ではあるが、非常に激し易く、特に主を侮辱されると安い挑発にすら頭に血が上って太刀筋が鈍る。
その所為で、聖者の数字の影響下で大きく実力差が開いている筈の主人公のサーヴァントにすら長い時間をかけて手間取り、逆転される切っ掛けを作ってしまった。
原典でもランスロットとの決闘では、「挑発されて激昂し、調子が狂って日没まで凌がれた挙句に逆転負け」という展開を迎えるものもあり、その流れを踏襲していると言える。


ファンからは初期Fateの男アーサー王に容姿が似ているとも言われているが、これは偶然で初期設定では少年騎士での姿も考案されていた。
因みに元絵の武内絵だとあんまり似てない。


生前のアーサー王を描いた物語「ガーデンオブアヴァロン」にも登場しており、アーサー王と共にヴォーティガーンの竜を2人で協力して討伐を行ったという。
因みにこの竜は昼のガウェインすらもワンパンで瀕死にし、エクスカリバーとガラティーンすらも無効化する程の怪物。
その圧倒的な強さの前に2人以外の遊軍はあっと言う間に全滅してしまったという。
絶対絶命に陥ったガウェインだったがアーサー王が単身で数時間持ちこたえ、
復帰したガウェインとアーサーの同時カリバーからの聖槍ロンゴミニアドの一撃で漸く仕留める事に成功した。
これらの出来事からアーサー王への忠誠を一層深め、王がある限りブリテンは平和だと信じていた。




『EXTRA CCC』


主であるレオ同様に今回は味方なのだが妙な方向にキャラがぶっ飛んでいて、EXTRAでは見せなかった彼の(残念な)素の一面が明らかになった。

レオも生存競争から離れて緊張や重責から解放されて幾らか地が出ているようなので、彼もまた同じなのだろう。

料理の際に野菜をすり潰しただけの雑な料理を自信満々(曰く、かの王は無言で平らげた)に出したり、
好みのタイプとして年下の女性を挙げていて、パッションリップを見た際の主人公のコメント「性欲を持て余す」に周囲が引いてる中で一人だけ同意するなど、
完全にネタキャラ化していた。
どうやら当時の価値観で年上の女性(夜には美女となるBBA)と結婚させられたことがトラウマになっているらしい。

余談だが、天敵は戦闘において相性最悪な相手か、性格面で合わない相手敵対出来ない程愛があるなど複数のパターンがあるが、彼の女性遍歴を見る限りでは(ry

その残念さからアルトリアからは「私の円卓の騎士がこんなに残念な筈がない!」、製作者からは「円卓の良心はベディヴィエールだけ!」とコメントされ、
すっかりネタキャラ扱いされてしまっている。

終いには「騎士は王とは違い、聖剣をぶっぱするだけの仕事じゃない」とアーサー王をさらりとdisっちゃった場面も。
……騎士は王の心が分からない。
尤もこの発言はあくまでもネタであり、
アーサー王本人によると「カリバーンならまだしもエクスカリバーの火力では守るべき土地すらも焼き尽くしてしまう」という理由で使用は控えていたのだとか。



そしてそのネタキャラは、あるシーンで最大の爆発を迎える。
CCCでは選択次第で主人公がレオから利息トイチでお金を借りるシーンがあるのだが、「ここでは時間が進まないからトイチの利息が意味がない」
という事実に途中で気づいて主人公に一括返済を求める事になる。その借金の集金に円卓の最強の騎士たるガウェインが遣わされる

お金を素直に返す選択もあるが、断るとこのガウェインと実際に戦闘になる。
ここまではいいのだが、この戦闘のガウェインは一通りのボイスが専用の集金モードになっている
CCCというゲーム自体がフルボイスでなく、要所のみのボイス収録のゲームであるにも拘わらず、このネタ戦闘のためだけのボイスが一式収録されているのである。


 『返しましょう!!』

 『いいから、払うのです!!』

 『その財布を奪う…!』

 『午前の光よ、借金を返したまえ…』



 『この剣は太陽の現身…かつ負債を回収するもの!!! 転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)!!!』


※しつこいですがフルボイスです

当のガウェインとしては、忠義をささげた主であるレオの主命を忠実に果たしているだけなのだが、
その内容があんまりである上、疑問も持たずに宝具まで遠慮なくぶっぱしてくる有様から、
円卓の借金取りという称号をファンから授かってしまう事となった。




尚、ネタだけでなく、ギルガメッシュとの問答など真面目な一面を見せる所もちゃんと存在していろ。
裏切りを気にしないギルガメッシュと忠誠心に厚いガウェインとの相性は最悪であり、交わる事なく平行線として嫌悪感をむき出しにしていた。
特にギルガメッシュがかつての主君を「裏切りによって惨めに自滅した」と評した際には、
「私に対する批判は構わない。だが、彼の王への中傷はその身を三度焼き尽くしても足らぬ失言と思え」
と普段温厚な彼にしては非常に強い怒りを見せていた。
死後は決して私情は出さないと誓っていたにも関わらずにアーサー王への侮辱にはその誓いすらも踏み越える程であり、彼のアーサー王への忠誠が伺える。


今作においても強大な英霊として扱われ、かの最強クラスの英霊カルナとも、同格・同規模のサーヴァントと称される。
またB+~Aランクの最上位クラスの英霊エリザベートを大した脅威ではないと軽く発している。
マスターとのパッケージング、武芸、宝具などのバランスを考えれば当然か。


作中では戦力の温存とサクラ迷宮内は昼では無い為に切り札の『聖者の数字』が発動出来ないのを理由に校舎の警護に徹しており、闘うシーンは少ない。

更に同作中盤、主人公達を閉じ込めた張本人であるBBと対峙。
マスターの能力差とはいえ、レオと協力して最高位のサーヴァント・カルナすら遙かに凌ぐ火力と称される、
ハーウェイ家秘蔵の炎の結界・決着術式「"聖剣集う絢爛の城"(ソード・キャメロット)」に閉じ込め、BBとの一騎打ちになる。
しかし、最初のうちはBBともそこそこ善戦したが、彼女が英霊よりも遥かに古く霊格の高い原初の女神の『権能』の前には、
『転輪する勝利の剣』すらもあらゆる結果を無かった事にする『十の王冠』によってノーダメージで終わり、『黄金の杯』の一撃であっさり敗北してしまう。
レオの機転によって、吸収される事態こそ避けたものの契約を破棄した事で裏側から消滅してしまった。


余談だが、「CCC」発売前の情報から既にサクラ迷宮は夜だと判明していたので、聖者の数字を発動出来ない点から、
「『あのガウェインが手も足も出ないなんて……』なんて言われる噛ませポジションじゃね?」
と多くのプレイヤーから不安視されていたが、ホントに噛ませポジションで終わってしまった訳である。
まあBBは自己改造によって手に入れた規格外である原初の女神の力の一部の前では、
聖者の数字の有無に関わらず(あの場では)ほぼ勝ち目が無かったと推定されるため仕方ない。
ただし、ガウェインとレオの犠牲が無かった場合、主人公達は無策でBBに突貫をかましてあっさり返り討ちに遭うのが関の山だったので、彼らの交戦と敗北は無駄では無かったりする。


Fate/Grand Order



この剣は太陽の写し身――――

あらゆる不浄を清める焔の陽炎



メインシナリオ第6章「神聖円卓領域エルサレムキャメロット」に登場。
獅子王の下で十字軍を倒し、占拠したエルサレムキャメロットの正門を守護する騎士として現れる。

6章では、終始敵としての登場のみ。獅子王の「聖抜」を受け入れないカルデア一行の行く手を阻む。


荒廃した大地から逃げてきた民の前に現れ、選んだ者のみを都に受け入れるという「聖抜」を行っていた。
聖都に至る正門を抜けた者に飢えは無く互いに尊びあうことが出来る、そんな理想の世界があるのだ――と語る彼に、集まった民達は喜びを示す。

門に現れた獅子王により、ごく一部の民に光が灯される。
獅子王曰く「生まれながらにして不変の、永劫無垢なる人間」にのみ。

光を見た獅子王はその民のみを聖都に受け入れるように命令した。

ガウェインは残る大勢の民に告げる。
「王は貴方がたの粛正を望まれました。 では――これより、聖罰を始めます」

周辺を囲っていたガウェインの部下である騎士達は、選ばれなかった民達に向けて剣を振るった。
許しを乞おうとも構わずに行われる「聖罰」という名の虐殺。
相手が幼い子供だろうが女性だろうが振るわれる暴力。

聖抜に選ばれ、しかし選ばれなかった自分の子を庇って死んだ女性を見てマシュ・キリエライトはその場に飛び出す。
子供をなんとか助け出したカルデア一行の前にガウェインは立ちはだかる。


「聖都の門を乱した罪は万死に値する。
「円卓の騎士、ガウェイン。 この聖罰を任された者として、貴方がたを処断します。」


こうしてカルデア一行とガウェインは戦闘に入る。
詳細は下記の通りだがこのガウェイン、凄く強い。
5ターン耐えれば残りHPに関係無く戦闘中断になるのだが、とにかく硬い。

中断したことに喜ぶプレイヤーに、真の地獄が押し寄せる。
直後にガウェインとの再戦。
しかも今度はHPを0にするまで終わらない。
一回目と比べて防御力が下がっているが、そんなの関係ねぇ! とばかりに硬い。

更に言えば大抵の初見プレイヤーはサポートサーヴァント選択時に???を選択している。
戦う直前にこのサポートキャラは「ギフトを破る」と言っているが、別に宝具を使っても消えないというシステム上のひどい罠が待っている。
正確には戦闘開始時からギフトの効果が弱体化しているという恩恵はあるのだが、弱体化するだけでギフトが消えるわけではないこと、
更に弱体化しても十分凶暴なダメージ軽減がかかっていること、サポートにシナリオNPCを選択しなくてもギフト弱体は起こっていること、
そもそもFGOのゲームデザインとして防御アップ倍率などの具体的な数字はほとんど表示されないことなど、複数の要因からギフト弱体の存在自体がほとんど気づかれなかった。
もっと言うなら「聖剣は使わない、値する強敵ではない」と言っておきながら余裕で使ってくる(おそらくサポートサーヴァントの存在故に)。


ガウェインと敵対はしたものの敵視出来ていないマシュの為に主人公は「何故このようなことをするのか」と問う。
マシュを庇う彼(あるいは彼女)の行動に敬意を示し、目的を答える。

目的は「何者にも冒されない理想郷の完成」「純白の千年王国を成す」こと。
その為に善人を選別し、選ばれなかった人間を排除する。

Fate/EXTRAをプレイした者なら「あのガウェインがこんな事するはずが……」と思うかもしれないが、しかし残念ながら間違いなく彼本人。
ただ違うのは、仕える相手がレオか獅子王かということ。
つまり彼は、かつて述べたように「王の剣」として振舞っているこらそこ、取り立て人を思い出すんじゃない

戦いの最中に現れてカルデア一行の味方となったルキウスことべディヴィエールに「何故貴方が此処に、何故王に叛逆するのですか!」と動揺する。
しかしべディヴィエールは明確な答えを示すことなく、その場から立ち去る。


六章の終盤、カルデア一行がオジマンディアスの助力を得て軍隊を進軍させた事に気付いた為に正門に大量の兵士を配置し待ち構える。
『不夜』のギフトがある彼には常に聖者の数字の祝福が発動し、誰が来ようとも負けるはずが、無かった。

突然起きた謎の砂塵に驚く兵士達。
彼らに指示を出していたガウェインに一つの報告が届く。

モードレッドが率いていたはずの左翼第一隊に潰走の危機。
敵は「遊撃騎士ランスロットが率いる紫の甲冑で統一された部隊」。
ランスロットの裏切りを知り、驚きつつ「残念です」と呟いた。

ならば本気で当たるしかない。
ランスロットとその部下達ごと聖剣で薙ぎ払おう。
そう決めた彼の目の前で、報告に来た兵士が真っ二つに切られる。


「出陣は能わず。 砂塵は諸人を覆い、汝の道をも塗りつぶした」


砂塵に紛れるように、髑髏の面を着けた黒衣の影が現れる。
何者かと切りかかるガウェインを相手に、その黒洞は外套の一振りのみで剣戟を払った。

「ハサン・サッバーハ。 幽谷の淵より、生者を連れに参上した」

「天を見よ、粛正を驕る騎士よ。 ――その頭上に、日輪の陽は在るか?」


吹き荒ぶ砂塵により不夜のギフトが働かない中、ガウェイン対初代ハサンが始まる。

この不気味な相手はどれほど剣を打ち付けても怯むどころか弱る様子を全く見せない。
一時間戦い続け、初代ハサンは唐突に砂塵を消してしまう。

「砂塵は不要。 中天を我が衣で覆う必要なし」
「おごったな……! 太陽の光が戻れば、我が聖剣に敵は無い……!」

しかしガウェインの全力ガラティーンをも、初代ハサンは外套で簡単に振り払った挙句「目覚ましにもならぬ光」と言われてしまう。
つまり、差がありすぎて最初からまるで相手にならないような相手だった。流石グラ…の初代様
初代ハサンは「汝の天命はあちらにある」と言い、その場から去っていく。



モードレッドとトリスタンを倒し、ランスロットはアグラヴェインを倒しに向かった。
残るは獅子王だと急ぐカルデア一行の前にガウェインは現れた。

「(自分たちと戦わなかった円卓の騎士達は)十字軍に倒されたのではなかったのか」と言うべディヴィエールをガウェインは「未熟者」と一喝する。

十字軍に倒されたのではなく、自分達に倒された。
パーシヴァル、ケイ、ガヘリス、パロミデス、ペリノア王、ボールス。 彼らは「騎士王」への名誉のために、「獅子王」との戦いを選んだ。
自分たちは「獅子王」に忠義を示すと決め、「騎士王」の円卓の騎士達と戦い、勝利した。
彼らを倒し、自分達は獅子王の円卓の騎士になったのだ。

だから、同胞殺しはべディヴィエールだけではない。
そして自分とべディヴィエールの目的が相容れることはない。

「その剣を抜け、サー・べディヴィエール。 最後に問おう。 その剣は如何なるものか!」

「――応えましょう! 我が右腕こそ忠節の果て、取り返せぬ罪の証!
是が夢見たものは王の姿。 孤高を歩み続けるその姿を、真実救わんがため!
これを阻む者は何人であろうと斬り伏せる! 我が隻腕、今やヌアザの銀の腕なれば!」

「ではその腕ごと打ち砕こう!
古き円卓、善き騎士道の最後の名残よ! ここで、その命を終える時だ!!」



そうして三度目の戦いが始まる。
屋内故か二戦目よりも更に防御アップの効果が落ちてはいるが、ギフトはあるので、是非とも油断せずに倒してほしい。



「べディヴィエール。 なぜ、今になって現れたのです。
聖都が築かれた時ではなく……すべてが終わろうとしているこの時に、なぜ……。

……貴方であれば、王も――お心を、取り戻したかも、しれないのに――。

私は、貴方が――心底から、うらめしい――」


今まで、どんな場面でも他者へそのような言葉を吐いたことのないガウェインは、消滅する直前にそう言った。
ガウェインは「王の剣」として、本当に言葉通り私情を捨てていた。
しかし同胞を倒した時か、それとも十字軍の首魁を倒した時か、忠節の騎士は心の何処かで「王を止めてほしい」と願っていたのだろう。




六章中のガウェインとの戦いはキャメロットはおろか全ストーリークエ中でも屈指の難所である。
獅子王に従う円卓の騎士たちは「ギフト」という特殊効果を付与されているのだが、
彼のギフト「不夜」は、彼の周囲が常に太陽の光に照らされるというもの。つまり、常時「聖者の数字」の強化を受けている状態。
さすがにEXTRAのように「聖者の数字を破るまで全ダメージ0」というチート効果ではなく、
ゲームにおいてはこれは「常時チャージ加速により2ターンでゲージが満タンになる」「クラス相性関係なく全ダメージ軽減」という効果で表現されている。

素のHPが40万超えと非常に硬く、ガウェイン自身も「聖者の数字」「カリスマ」で火力を上げてくる。
さらに2ターンで火傷とスキル封印の追加効果を持つ全体宝具をぶっ放してくるので、何らかの対策を打たないと数ターンでパーティ6名全員消し飛ぶ、なんて事態にもなりかねない。
防御面でも本来有利のアーチャークラスやバーサーカーの攻撃も通りにくく、長期戦を余儀なくされる。
要するに攻防ともに隙がない性能に仕上がっているのだ。
初戦は宝具も使ってこない上、一定のHPを削るか規定ターン持ちこたえればクリアとなるので楽だが、問題はHPをゼロにしないといけないそれ以降の戦い。
生半可な対策を力押しで潰してくるその強さに、キャメロット実装直後は各地で「これ、負けイベントじゃないの?」というマスターの悲鳴が後を絶たなかったとか…。

対策としては男性特効の単体攻撃宝具を持つオリオンエウリュアレをダメージソースにすること。
この2名はちょうどセイバーに相性有利を取れるアーチャークラスであり、特に後者のエウリュアレは宝具でもスキルでも男性に魅了を付与できるため
主力のダメージになりながら行動の妨害までできるガウェイン殺すマンである。
しかも☆3でフレポガチャで出てくるので入手もたやすい。

他には
  • チャージ減少効果を持つ切嗣ナーサリー・ライムの宝具や先述のエウリュアレのスキルなどで宝具発動の遅延を狙う
  • 「神明裁決」や魔術礼装の「ガンド」など、スタン・魅了で動きを封じて相手にターンを渡さない
  • 回避・無敵付与スキルを持つサーヴァントで宝具はなるべく無傷でやり過ごす
などの方法が有名。
後は思い切って令呪3画の霊基復元(コンティニュー)と石割りでゴリ押すのも手。
トップクラスの難敵であるため、「あと一歩で倒せるのに……」という状況ならば使う価値は十分にある…というかこれが最も手っ取り早い攻略法。ガチャの排出率が渋い本作ではどんどんコンテニューに投資した方がマシな実情もある。


ちなみに、FGOの2周年記念に開催された「メモリアルクエスト」。
各特異点での印象的なバトルを高難易度版で再挑戦できるといった内容のイベントであるが、他の特異点の担当が順当に各々のラストバトルの相手であったのだが、第6特異点
のみラスボスの獅子王では無く「不夜」のギフトを搭載したガウェインであったことが大きな話題になった。(勘の良いユーザーはクエストの出現エネミーのクラスアイコンがランサーではなくセイバーであることから察したとか)
ギフトは第三戦目仕様で一番弱い状態ではあるが、メモリアルクエストの仕様上HPが約1.5倍になるため相変わらずの難関。
多くのマスターが苦戦する一方で、6章当時と比べて戦力が充実したこともあって楽勝だったという人もいたそうな。

サーヴァントとしては、6章クリア後、ストーリー召喚に追加される。レアリティは☆4(SR)。
当初雑誌では☆3と誤植されており「ディライトのレアリティ基準はわからない…」などと言われていた。
Buster3枚というバーサーカー系と同じカード構成で、通称「ゴリラ」と言われる(セイバークラスではフェルグスと同じ。「ゴリティーン」というあだ名が付けられており、公式でもネタにしている。)パワータイプだが、
ArtsとQuickが2hitながら高性能で、「ベルシラックの帯」もあるためフェルグスほどNP溜めには困らない。
特徴となるスキル「聖者の数字」は「攻撃力UP+日差しが出ているステージならバスターカード性能UP」という効果。
腐りにくい火力バフスキルだが、現状プレイヤーが聖者の数字の恩恵を受けられるかをステージごとに知る手段がないというのがネック。
折角条件付きなのだからもっと極端なバフでも良かったのではという声も多い。が強くしすぎたらしすぎたで6章のガウェインが更に手が付けられなくなる可能性もあったのだが
ちなみに地下世界のアガルタでは明るくとも日差し判定はされないなど妙に判定が細かい。…その割には曇り空の鬼ヶ島でも日差し判定されたりするけど。

残る2つのスキルは「カリスマ」(パーティ全体の攻撃力UP)と「ベルシラックの帯」。
本作初出の新スキル「ベルシラックの帯」は「NP増加+クリティカルスター獲得+ガッツ効果」という複合スキルで一見使い勝手がよく見えるが、
「NP増加はスキルレベル問わず20固定」「ガッツの持続は1ターン」と多機能な反面効果一つ一つはあまり強力ではない。
特にガッツ効果が腐りやすく、NP増加スキルとして割りきった運用をするマスターも多い。

宝具は「全体攻撃+確率でスキル封印+確率でやけど付与」。
自身のスキルで火力をブーストできるからか、素の火力は本家エクスカリバーほど圧倒的ではない。

全体宝具セイバーは飽和気味でかつ自身はストーリー召喚限定で宝具のレベルを上げにくいこともあり、バスターゴリラであることや第3スキルのNP20チャージを生かさないことには他のセイバーでいいやとなりやすい。

そんなこんなで強化を切望されていたが、2019/8/10にて待望のスキル強化が実装。
「カリスマ」が「不夜のカリスマ」へ変化し、攻撃UPの倍率が上昇したのに加えて、"自身にフィールドを〔陽射し〕特性にする状態"を付与(1ターン)が追加され、発動順さえ間違えなければクエストを問わず「聖者の数字」のバスターUPが発動出来る様に進化。
これにより3枚のバスターカードによる高火力を安定して出せる様になり、使い勝手が向上した。


なお、絆Lv1で開放されるプロフィールには、身長体重などと共に
どのような仕事でも真面目にこなす。時にそれが、仮に集金であっても。
などと書かれている。
どう考えてもCCCの時の借金取りネタが公式に弄られている…。





竹箒日記のネタバレにつき注意
+ ...
六章のシナリオを担当した奈須きのこの日記である竹箒日記、その七月三十一日分に六章の前日譚として「六章/zero」が公開された。
これには六章における時系列が掲載されており、三度目の戦いにてガウェインが語った円卓の騎士達の戦いも記されている。

獅子王は自分が呼び出した円卓の騎士に、自分がこれから行おうとしている事を告げた。
その上で「私に従うか、去るか、一丸となり私を倒すか」と聞いた。
ガウェインは、何故「獅子王」と名乗るのかを理解し、獅子王に従うことを決める。

十字軍の首魁は『リチャード一世』を名乗り、魔人のような強さをしていた(正体に諸説あるが、リチャード本人ではない可能性が非常に高い)。
ギフトを授かった騎士を複数相手にしても尚、騎士の何人かが犠牲になるかと思われたが、そのリチャードに突撃し、拘束する騎士が居た。
その騎士とはガウェインの兄弟の一人のガレスで、胸を貫かれながらもリチャードを捕まえていた。

この戦いまでに獅子王の騎士達は、既に聖地の人々を手にかけている。
同胞殺しだけでも耐え難いのに、生前『騎士道に悖ることはなかった』ガレスは既に精神が崩壊し、ガレスを象徴する白い手も炭になるという見るも無残な姿となっていた。

「獅子王に従うと決めたのに、もう戦えません。 愚かなわたしに罰を与えてください」
これを見た騎士達はそれぞれに反応したが、誰よりも先に踏み込み、ガレスごとリチャードを斬ったのはガウェインだった。

何度か名前を出されたにも関わらず反獅子王側の騎士として名前を挙げられなかったガレスは、こういう理由で六章に出ていない。
ガレスの人柄について様々な考察がされているが、型月のガレスが『妹』なのは確定しておりおそらく逸話通りの善人だったのだろう。

六章にて初代ハサンと戦った時、そしてベディヴィエールらとの三度目の戦いを終えた時、ガウェインは「何故もっと早くに来てくれなかったのか」と言っている。
もし早くに来ていれば獅子王の考えが変わったかもしれない。
あるいは同胞の騎士達を斬らずに済んだか、妹を斬らずに済んだか。



今作におけるガウェインの宝具の前口上は「あらゆる不浄を清める焔の陽炎」。
六章をプレイしただけではどういう意味なのか不明だったが、六章/zeroを読むとなんとなく理由を理解出来る。

獅子王を止めると決めた彼らを全員殺した後、獅子王の円卓の騎士達はそれぞれギフトを授かった。
ガウェインは「自身の有用性を最大限にするために」と『不夜』を授かる。
そしてこの時、「これ以上穢れないために」と『不浄』のギフトを授かったのがガレスだった。


…そしてこの後、カルデアに来た彼はその罪を捨てなかった。
獅子王から授かったギフトを、聖地で起きた事を、彼は霊基に刻みつけ、「 不夜のカリスマ 」を手にしたのである。



負債回収剣とか言っている場合じゃなかった。



追記・修正は太陽が出ている間にお願いします。

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最終更新:2024年04月10日 18:57

*1 作中描写から聖者の数字スキルが発動していない状態でも傷つけられたら発動出来なくなると推測される

*2 本人曰く怪我がない本調子の状態ならば例え夜であろうとモードレッド程度に負けることはない、との事

*3 それもガウェインはトーナメントで傷一つなく勝ち上がった設定があるので、この時空でも採用されているなら恐らく無傷で