デスティニーガンダム

登録日:2009/06/16 Tue 08:12:18
更新日:2024/04/19 Fri 00:39:56
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君達の、新しい機体だよ。

おれの、新しい……?

「デスティニー」は、火力、防御力、機動力、信頼性。
その全ての点においてインパルスを凌ぐ、最強のMSだ。



出典:機動戦士ガンダムSEED DESTINY HDリマスター、『42.PHASE-43 反撃の声』、
2013年4月~2014年3月まで放送。サンライズ、© 創通・サンライズ。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するモビルスーツ(MS)。


【データ】

型式番号:ZGMF-X42S
全高:18.08m
重量:79.44t
装甲:VPS装甲
動力:ハイパーデュートリオンエンジン
搭乗者:シン・アスカ
所属:ザフト軍ミネルバ級1番艦ミネルバ→ザフト軍軍事要塞メサイア

武装:
MMI-GAU26 17.5mmCIWS×2
MA-BAR73/S 高エネルギービームライフル
MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置×2
RQM60F フラッシュエッジ2ビームブーメラン×2
MMI-714 アロンダイトビームソード
M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲
MMI-X340 パルマフィオキーナ掌部ビーム砲×2
対ビームシールド

特殊装備:
Nジャマーキャンセラー
ミラージュコロイド

【概要】

C.E.73におけるザフト最新鋭機。
サードステージシリーズに位置付けられ、レジェンドガンダムと同時期に開発されている。
王道のトリコロールカラーながら、
  • ややくすんだような、グレーがかった白色の装甲
  • 赤と黒で塗装された一対の大翼
  • 目元に走る涙ラインや隈取りのような赤いライン
といった感じで、主人公機なのにどこか悪役っぽくも見えるデザインが特徴。

前駆型であるデスティニーシルエットは、あらゆる戦局に単独で対応できるインパルスガンダムの換装の手間を省略した万能型として期待されていた。
しかし、搭載した多数の武装によるエネルギー消費が極めて激しく、さらにインパルス特有の合体機構が高機動時の負荷を増加させる事から、
「新規開発した高機動型の本体」に「デスティニーインパルスからより洗練した装備」を搭載する形で本機は完成した。

そしてコンセプトナンバーで欠番となっていた4系列を与え、さらに機体の素性を隠匿するため、型式番号にはセカンドステージ相当のSが与えられた*1

当初の設定ではシン専用のワンオフ試作機であったが、設定の変遷を経て、
現在はザフトにおける精鋭パイロット部隊「コンクルーダーズ」構想の中核を為す機体……つまり超高級ウルトラハイエンド量産機(になる予定だった)という設定になっている。
シンの搭乗機の他にも少数が製造されていたのだが、実際に活躍した描写は今のところなく、総生産数も不明。


【性能】

近接格闘から砲撃までこなせる万能機だが、戦況に応じた換装を行う事で高い汎用性を有したインパルスとは方向性が異なる。
本機は最初から近接用・砲戦用の各武装を搭載しており、戦況に応じて適切な武装を使うという形で高い汎用性を獲得している。

懸念されていたエネルギー供給問題は、インパルスも搭載していたデュートリオンビーム送電システムと核エンジンを併用するハイパーデュートリオンで対処している。
が、もちろん核エンジンはユニウス条約に違反しているため、型式番号からも分かるように、核エンジンが併用されている事は隠されている。
  • 機体本体を上回る長さを持つ対艦刀と大型ビームキャノン
  • 近距離から中距離まで対応出来るビームブーメラン
  • 新たな推進機関である光の翼とそれに伴うミラージュコロイドの応用技術による分身機能
等々……これまでのザフトの軍事技術の集大成とも言うべき、豪華な武装の数々を搭載している。

この機体はストライクフリーダムガンダムと同じく装甲やフレームを細分化させ、
関節部にもヴァリアブルフェイズシフト(VPS)装甲を転用した特殊素材を使用して運動性と関節部の耐久性を高めている。
フレームの発光色は鈍い金属色。さらに装甲の細分化とスライド移動も搭載されている。

これはシンのMS運用データを徹底的に解析して、彼の動かし方に合わせて装甲の可動範囲を調整することで、機体全体の耐久性と機動力を損ねずに両立させているもの。
そういう意味では、「当たらなければどうということはない」という考えで装甲に隙間が出来ても気にしないストライクフリーダムよりは実用的。
とはいえ、デスティニーもストライクフリーダムもパイロットの技量に合わせた設計ではある事には間違いない。

また本機の特徴として、遠隔攻撃端末や両手が塞がっていても使用可能な固定装備をほぼ持たないという点がある。
そのため、最悪の事態として両腕を失うと使える武器が頭部バルカンのみとなってしまう。

同世代機のレジェンドはドラグーン・システムによって遠隔操作できる小型攻撃端末兵装を持つ上、
技術的に同世代のストライクフリーダムや∞ジャスティスも、各々ドラグーンや脚部ビーム刃等の腕に依存しない武装があるため、
これらの機体・兵装と比較され、「“両腕を失うと戦闘継続が不可能になる”重大な欠陥を持つMS」などとしばしば揶揄される。
だが、そもそもMSは両腕をもがれたらまずその時点で兵器として死に体であり、そんな状態で戦場に留まり続けられる事自体がイレギュラーだという反論も多い。
たしかに劇中時系列としても作品公開時期としても、後期登場ガンダムで遠隔攻撃端末や手を使わず使用できる武器を持たないスタイルというのはあまり多くない。
しかし「両腕が無いと戦えない短所」とはあくまで、「両腕が無くても戦える長所」に対する相対的な不利であり、
一兵器として見た時の絶対的な欠陥と定義するのは暴論であろう。

さらに言えば、腕が無くても戦える武装があったとしても戦いに勝てるかは全くの別問題である。
実際にプロヴィデンスガンダムは両腕が破損し、武装がドラグーン2基しか残っていない状況で戦っても最終的には片腕が使えたフリーダムガンダムに撃墜されている。

とはいえ、片腕だけが失われた場合でも同世代の高性能機より戦力低下幅が大きい点は否めない。
よって「腕がないと使えない武装が多い」というより、「背部ウェポンラックの武装2種の取り回しが悪過ぎる」と評するのがより相応しいだろう。
逆に言えば長射程ビーム砲はデスティニーインパルスのように、わざわざ腕で操作して放つ仕様にしなければもう少し取り回しが良くなっていた

シンの力量とデスティニーの性能で問題なく倒せる程度の敵MSはもちろん、小回りのきき難いデストロイガンダムのような大型MSや大型MA相手には滅法強かった。
『DESTINY』では地球連合軍がMAに傾倒しつつあったことを考えると、そのような相手に適した性能を得られていたのは間違いないだろう。

反面、同等クラスのスペックかつ力量のパイロットが乗るストライクフリーダム戦や∞ジャスティス戦では苦戦を強いられる事が多く、
このメイン武装2種の取り回しの悪さが欠点として浮き彫りとなってしまっていた。*2

……少なくとも、『DESTINY』放送当時から約20年はそうだったのだが……(後述)。


ハイパーデュートリオン

デスティニー、レジェンド、ストライクフリーダム、∞ジャスティス、プロヴィデンスザクに採用された新型エンジン。
フリーダムやジャスティスにも搭載された核分裂エンジン(原子炉)とデュートリオンビーム送電システムを併用したハイブリッドエンジンである。
主導力である核エンジン側は、ZGMF-Xシリーズに搭載された従来型核エンジンをより小型化・高出力化した超小型原子炉「ウルトラ・コンパクト・ニュークリア・リアクター」を採用。
加えて、デュートリオンビーム送電システムに対応する高性能なバッテリーも併載している。
これにより、
  • 従来バッテリー機に共通した「バッテリー切れ」の欠点は核エンジンの余剰エネルギーを適宜供給し再充電することで克服。

  • 核エンジン機に存在した「エネルギー消費がエンジン出力を上回った瞬間パワーダウンする」という欠点も、不足分をバッテリー側から供給することで克服。
という相互補完を実現し、理論上は戦闘中のパワーダウンが発生せず従来型核エンジンの数倍の出力を発揮する
デュートリオンビームの受信機構も搭載されているが、上記の通り基本的には機体単独でバッテリー給電が可能なためか、劇中でデュートリオンチャージを受けるシーンはない。
なお、通常のバッテリー駆動の機体同様、発艦時には母艦のAPU(補助動力装置)に接続する設計になっている。
先述の通り、核エンジンを搭載している=ユニウス条約に違反した機体であるが、本機の開発時期にそんな問題を気にする者はもはやいなかっただろう。

劇中のエネルギー切れ描写について

C.E.世界の核分裂エンジンは原子炉において発電した電力を給電する事で成立している。
このため、原子炉側が止まる事が無ければ事実上、エネルギー切れが起こす事はない*3

ただし、原子炉で発電される電力の供給分を超過する電力消費が行われれば、当然一時的なパワーダウンが発生する事もある。
例えばミーティアの試験運転の際はミーティアの未調整が原因で一瞬とはいえ、フェイズシフトダウンを起こしている*4
ところが、デスティニーでは複数のジェネレーターが相互補完するハイブリッドエンジンであるにもかかわらず、劇中でパワーダウンを発生させている*5

これについて設定を担当した森田繁氏は「デュートリオンと核エンジンの二つが相互補完しているので理論上は有り得ない」と答えた上で、
それでも出力低下が起こったのは「デュートリオンのチャージが間に合わなかった……という事にして下さい(笑)」(原文ママ)と、ややお茶を濁す回答をしている*6
また、公式サイトに掲載された「DESTINY-I.Q.」では、
「この頃のデスティニーはまだロールアウトして間もなく、実戦でのデータ取りと調整を繰り返している状態。
それでも強すぎて数体のデストロイを相手取っても限界まで性能を引き出すまでには至っていなかった。
そんな中、オーブ戦でストフリが突然現れ、しかも今回のキラは戦う気満々。
この戦いでポテンシャルを最大まで、尚且つ急激に引き出してしまった結果、
機関部が何らかのエラーを起こしてどちらか一方のチャージが間に合わなくなったのではないか」
とされた。
とはいえ、これもあくまで「色んな所から話を聞いたうえでの憶測」らしいが。

劇中を見る限り、同じエンジンを搭載した他の3機がパワーダウンした場面は存在しないものの、
映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』では、とある核動力機体が激しい攻防を繰り広げた結果、
炉心温度が上昇し続けオーバーヒート気味になってパワーダウンする描写が存在する。
これと照らし合わせると「極短時間で急激にエネルギーを消耗すると、核搭載機でもエネルギーチャージが間に合わなくなる」というのがデスティニーのパワーダウンの解答になりそうである。


【武装】

  • MMI-GAU26 17.5mmCIWS
いわゆる頭部バルカン。
頭部デュアルセンサー脇に搭載されている実弾兵器。
セカンドステージシリーズのものよりも小口径化されているが、連射性の向上や弾の改良により威力は向上している。
劇中では未使用。

  • MA-BAR73/S 高エネルギービームライフル
セカンドステージシリーズが装備していたものの改良モデル。
ハイパーデュートリオンに対応したエネルギー供給システムを採用し、高い威力・速射を実現。
不使用時はリアアーマーのラッチにマウントされる。

  • MX2351 “ソリドゥス・フルゴール”ビームシールド発生装置
マニピュレーターの手の甲側を隠す様に増設された、ナックルガード状の装甲に搭載されたビームシールド機能。
ユーラシア連邦が開発した光波防御帯シールドが源流とされ、展開領域の任意調節が可能で、デストロイの大出力ビームを無効化する等、従来と桁違いの性能を持つ。
対ビームコーティングされた銃弾等の実体武器の類は透過してしまうが、こちらは本体のPS装甲で防げるので大した問題にはならない。
連結させて防御範囲を広げたりビームガンとしても使用可能らしいが、どちらも劇中未使用。

両肩に1つずつ装備されたビームブーメランで、ソードインパルスに搭載されていた「フラッシュエッジ」の発展型。
発展元と同様に簡易的なドラグーンを搭載しており、ある程度は軌道の操作が出来る。
「フラッシュエッジ」にあった連結機能はオミットされているが、代わりにビーム刃を延長してビームサーベルとしても使用可能。
最終決戦での対∞ジャスティス戦など、劇中でも目立たないながらこの方法で使用された事がある。
発振器部には少しだが角度調整機能があり、ブーメラン時にはくの字に、サーベル時には直線に、それぞれの使い易い形でビームを発振出来るようになっている。

後述のアロンダイトは、通常サイズのMS相手に使うには大振りすぎるという欠点が指摘されているが、
設計上は状況に応じてフラッシュエッジ2(ビームサーベル)とアロンダイト(対艦刀)を使い分ける想定だったと思われる。
もちろん投擲武器としての威力も申し分無く、対ビームコーティングシールドを容易に切断する。
……ただし、万一このブーメランを迎撃されるなどして失った場合、接近戦において取り回しの良い武器を失ってしまうという問題が発生しているのだが。

  • MMI-714 “アロンダイト”ビームソード
ソードインパルスの「“エクスカリバー”レーザー対艦刀」やグフイグナイテッドの「“テンペスト”ビームソード」を発展させた大型ビームソード
不使用時は二つに折り畳まれ、背部ウェポンラックの右側に収納される。
種別としては艦船の装甲や機関部の破壊を視野に入れて設計された「対艦刀」だが、対MSも想定に入れた設計がされており、MS相手に使用しても高い有用性を発揮するとされる。
刀身に長大なビーム発振器を内蔵した構造は「エクスカリバー」と同様だが、レーザー刃からビーム刃に変更されたことであちらよりも攻撃力が高まっており、
生半可なシールドなら防御されてもシールドごと敵機を切断出来るため、斬撃兵器としては破格の切断力を誇る他、
先端の実体刃もPS装甲すら刺し貫く貫徹力と強度を持つなど、劇中に登場したMSの持つ「対艦刀」の中でも屈指の性能である。
ビームによって対象物の表面を溶融させ、実体剣の質量で押し広げる『SEED』シリーズの対艦刀シリーズ特有の効能によって破壊力は絶大。
実際、劇中では質量だけ見れば桁違いの大きさのデストロイをも一刀両断するシーンがあった。

実体剣としての威力を高めるためか、全長は機体の全高を上回るほど。
さらに、十全にこれを使用するには駆動部の高い剛性と柔軟性が必要と、実質デスティニー専用の武装。
光の翼の猛加速と合わせてこの武装による斬撃を受け止められる機体や、対処出来る力量のパイロットは殆ど存在しない。
元が対艦刀なだけあり、デスティニーの高速移動を活かした一撃離脱戦法が最も適している。

+ 『DESTINY』劇中でのアロンダイト無力化描写について
この武装の最大の弱点は、先述したビーム発振器である刀身。
刀身の熱耐久力がビーム攻撃に耐えられるほどではないため、劇中では刀身部分をインフィニットジャスティスのビームサーベルに切断されてしまっている描写が存在する*7
このことからMS同士の近接戦闘での本武装の有用性に疑問符が投げかけられる事も多い。

その他、劇中ではキラ・ヤマトの搭乗したストライクフリーダムとの戦闘にて、「ビームシールドでビーム刃を散らしつつ刀身部分を真剣白刃取りする*8というとんでもない奇策で奪い捨てられる場面もある。
この描写が原因で「真剣白刃取りで無力化される可能性があるという致命的欠陥がある」などと他所で語られる事も少なくないが、
そもそも真剣白刃取り自体が現実的にはまず不可能&失敗=即死な危険極まりない非実用的な技……と呼ぶのもおこがましい代物であり、
キラがこんな奇策で対処できたのは、彼が真剣白刃取りをやってのけるほどに非常に高いMS操縦技能を持っていたからに過ぎない。
言い換えれば、キラレベルのパイロットでないと不可能な非常識極まりない対処法と言って差し支えなく、通常の運用で表出する欠陥では断じてない。
というか、こんな対処法が出来るMSパイロットがその辺にホイホイいてたまるかという話である*9
これを欠点と言い出すと実体剣そのものが真剣白刃取りで無効化される欠陥武器となってしまい、キリが無い。
核爆発や隕石直撃に耐えられない家を欠陥住宅と呼ばないのと同じである。

また、劇中において「刀身部分を切断する」「白刃取りで受け止める」というやり方でアロンダイトを無力化されたのは確かだが、
前者はアスラン・ザラ搭乗の∞ジャスティス、後者はキラ搭乗のストライクフリーダムと、どちらも行ったのは劇中トップクラスの実力者が搭乗する最強クラスのMSである。
果たして彼ら以外にこれらの対処を出来る者がどれだけいるのかと考えれば、ただただ相手が悪かったという方が自然だろう。


ペットネームである「アロンダイト」とは、アーサー王伝説でランスロットが持っていたとされるの事である。
ソードインパルスが持っていたのはランスロットが仕えるアーサー王の剣「エクスカリバー」だったため、「格落ちしてないか」などと言われる事も多いが、
有名どころや最強感のある名前を先に使ってしまって後から困ってしまう例は現実にもままある事である。

  • M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲
ブラストインパルスの「“ケルベロス“高エネルギー長射程ビーム砲」を発展させた大型ビームランチャー
C.E.世界の兵器の多くは、それこそ「ケルベロス」のような何かしらのペットネームが付けられているが、この武装には何故かそうした呼び名が無く、
いちいち「高エネルギー長射程ビーム砲」とか言うのがめんどくさいこともあってファンからの通称は「名無し砲」
背部左ウェポンラックに搭載され、砲身が機体の全長に匹敵する長さを誇るため、アロンダイトと同様、不使用時は二つに折り畳まれて収納される。
使用時はマウント部のクランクアーム(取手)を展開、マニピュレーターでグリップを保持する。

ハイパーデュートリオンによる莫大な電力配給によって、ガナーウィザードの「オルトロス」や、ケルベロスを上回る出力を誇る。
同時に速射性能も優秀で、かなりの高速サイクルでも使用可能。
砲身分割の技術には、本体フレームにも採用された基本構造体細部化技術が活かされている。

  • MMI-X340 “パルマフィオキーナ”掌部ビーム砲
左右の掌底部に内蔵された小型ビーム砲……というよりは剥き出しのビームジェネレーターに近いデバイス。
主に密着状態での超近距離砲撃に使用する。
マルチレンジというコンセプトのデスティニーならではの実験的兵装であり、過去にこの様な装備をした例は無く、故に戦術バリエーションは未知数。
パイロットの発想次第で、様々な応用が可能とされ、実は砲撃以外にもビーム刃の形成も可能。
使い難いがその分決まった時の破壊力は高く、デストロイの巨体を一撃で貫通し破壊せしめる威力を持つ。
ちなみに、『SEED』シリーズの射撃ビーム兵器のエフェクトは、一部の例外を除いて緑色か青白い光を纏った赤色に統一されているが、
この武装のみ青白い閃光という専用のエフェクトとなっている特徴がある。

劇中では密着状態での使用が主だったが、設定が固まっていなかったのか1/144コレクションシリーズのボックスアートではピンク色のビームを発射していた。
また、PS2用ゲーム『Generation of C.E.』では中距離射程のビーム砲に、『BATTLE DESTINY』では極短射程のエネルギー球を発射する近距離射撃武器となっている。
ちなみに、両手でかめはめ波っぽいビームを撃つという案もあったらしい。

構造上、物が持ち難くなりそうだが、そのような描写は無いので内部構造はかなりコンパクトか柔軟性のあるものになっていると思われる。
「マニピュレーターを物体に密着させた状態でビームかましたら真っ先にマニピュレーターが溶解するんじゃね?」という疑問は生じるが、そうした耐熱処理なども多分完備。
そもそも「ビームサーベルを敵機にぶっ刺したらビーム発振口が融解して爆発した」なんて例もないので、考えすぎというやつだろう。
ぶっちゃけそんな描写入れると制作陣も視聴者も困るし……
ちなみに最終決戦ではビームサーベルを短時間だが防いでいる……が、流石に想定外の運用ということもあってかすぐに壊れてしまった*10
当然だが、武装を保持している間は使用不可。

余談だが、「敵機に急接近して自機の掌を押し付け、そこから零距離でビームを放って破壊する」という攻撃モーションが、
機動武闘伝Gガンダム』の主役機であるシャイニングガンダムの必殺技「シャイニングフィンガー」に似ている点から、
『Gガンダム』を知るファンからは俗に「デスティニーフィンガー」とも呼ばれる事があり、
同機体のパイロットであるドモン・カッシュを演じた関智一*11からもこの武装の存在を指して「他人の機体とは思えない」と評された。

  • 対ビームシールド
左腕に装備されている対ビームコーティングシールド。
インパルスの盾と同様、上下に伸縮して防御面積を増やす事ができる。
とはいえ本機はビームシールドに加え、VPS装甲の常時展開によって物理攻撃に対する高い防御力を備えている関係で、
このシールドはあくまでもフェイルセーフ用の装備としての意味合いが強いと考えられる。

実際、『DESTINY』劇中では盾としての使用頻度は少なく、光の翼を展開する際の演出の1つとしての出番が大半で、
使われたシーンでもビームライフルや片腕を破壊された時の爆発から身を守る程度にしか使用されなかった。


特殊機能

  • ミラージュコロイド
高性能ステルス迷彩として有名なシステム。
だが本機ではステルスに用いるのではなく、散布したコロイドに自機を映し出す事であたかも分身した様に見せる幻惑効果を目的として採用されている。
特に光の翼を展開した高速機動時に使用され、本機のスピードとの相乗効果により敵を翻弄する。
わかりやすく言えば、ブリッツを始めとするステルス機体が「そこにいる機体をいないように見せかける」のに対して、
デスティニーのそれは「既にそこにいない機体がまだそこにいるように見せかける」という代物。
なお、これも本来はユニウス条約で禁止されている*12装備だが、ただでさえ大戦序盤には早くも形骸化しつつあった上、
その大戦も本機が投入された時期では終盤に差し掛かっており、もはや気にする者などいなくなっていた。

………というのが『DESTINY』までにおけるミラージュコロイドの「表面的なスペック」だったのである。
+ だが……(『SEED FREEDOM』ネタバレ注意)
実はこのミラージュコロイドこそ、デスティニーが持つ最大最強の装備にして真骨頂とでもいうべき代物。
というのもこの技術を取り入れ、本機の性能を120%発揮するパイロットを得たデスティニーは、



本当に分身するのである。



「本体に追従する残像」だの「あたかも分身に見せるような幻惑」などという生温い代物ではない。
というのも、『FREEDOM』においてシンが搭乗したデスティニーSpecⅡとブラックナイトスコードが戦う場面で、
数の上でも性能でも負けているはずのブラックナイトスコード ルドラ4機を向こうに回したデスティニーはこの装備で生み出した分身で対抗し、
分身する前は4vs1だったところを、数十機ものデスティニーが逆に数の暴力で徹底的に蹂躙してみせたのだ*13

『FREEDOM』を未試聴の状態で、「数の上で劣る相手に対し、数十体の分身を生み出して対抗した」と言われても、
そもそも『ガンダム』シリーズ自体がリアルロボット系アニメの金字塔ということもあり、「何言ってんだこいつ」と思われる方もいるかもしれない。
しかし、本編を見ればそうとしか言いようのない戦闘・演出であり、演出が原作より独特、アレンジが加わるスパロボを超える程の凄まじい絵面なのである。
ストライクフリーダムや∞ジャスティスはまだ頭で理解できる範囲の延長線上にある技術だが、
「本体のみならず投擲した武装まで分身する」など、人によっては完全にオカルトやGガンダムに片足を突っ込んでいるように見えるだろう。

ミラージュコロイドの設定から考えると、分身の正体は「周辺宙域に大量に投射された自機と攻撃の映像」であると思われるが*14
たとえそうであったとしても敵からは電子的・視覚的に本当に分身しているようにしか見えないため、
「戦場を超スピードで飛び回って目前で分身してから疑似的オールレンジ攻撃を叩き込んでくる化け物」の正体が、
「戦場を超スピードで飛び回って投射映像に追い付き単騎でオールレンジ攻撃を叩き込んでくる化け物」になるだけなのだ。
……よくもまあこんな技術を開発し、それを完全に活かせるパイロットを選定する事ができたものである。
なお小説版によれば「DUPE粒子」*15という粒子によって分身が生成されるとのことだが、粒子の詳細とミラージュコロイドとの関連は不明である。

他にも、劇中では分身で僚機の姿を隠す事で敵の射線を遮り、その隙に僚機が攻撃準備に入ったり、体勢を立て直す時間を稼ぐなど、
使い方次第で、分身は攻撃のみならず、僚機との連携・サポートにも使えるということが示された。
もし仮に当初の予定通りデスティニー部隊が設立されていた場合、
「戦場全体をデスティニーの分身が大量に飛び交い四方八方から必殺の一撃を叩き込んでくる」
という、敵目線ではこの世の地獄としか思えない光景が展開されていた可能性もある。

ちなみに、前述の通り『FREEDOM』でこの分身攻撃を行ったデスティニーは「SpecⅡ」であり、『DESTINY』の頃より時代と技術の進歩に応じて改修されているのだが、
エリカ・シモンズ曰く「武装自体は前大戦の頃と変わっていない」とのこと。分身攻撃を見た多くの人が「嘘をつくな」とツッコんだことだろう
一方で、『DESTINY』本編でこの武装が本領発揮できなかった理由も諸々推察できる。
例えば武装以外のデスティニーのスペックや出力が足りてなかったという点*16など。
……だが、やはり一番の要因は機体スペック以上に『DESTINY』時点でのシンのメンタルが絶不調だったという点だろう。
今回この性能を限界以上に引き出したのも『DESTINY』の頃と違い、シンが自身の実力を完全に発揮出来るメンタルを持っていたからこそである。


  • ヴォワチュール・リュミエール
DSSDで開発された同名の光圧推進システムを発展させたもの。背部ウイングユニットから展開される光の翼の正式名称。
ストライクフリーダム共々、同組織に出資していたザフトが基礎技術を共有していた事から開発に漕ぎ付けた代物である。

ただし、あちらが外部からの太陽風を利用する受動的な推進能力しか持たなかったのに対し、
こちらはその変換能力をベースに自機のエネルギーによって光圧を生み出す能動的な推進システムとなっている*17
これにより、同年代の最新鋭機と比較しても頭一つ抜けた加速力を実現している可能性があり、
ストライクフリーダムにあっという間に詰め寄り、足止めされた後に(友軍も大勢いたとはいえ)∞ジャスティスにあっさり追いついたりしている。
この圧倒的な速度により武装の取り回しが悪く、(前述の機体群と比べると)攻撃手段も比較的単調というのも実質短所になっていない。

ちなみに当初は「ストライクフリーダムと同じくミラージュコロイドを視覚的に表現したもの」という設定だったが、
後にヴォワチュール・リュミエールの技術を利用した近縁種のスラスターという設定になった。


ハイネ・ヴェステンフルス専用機】

「コンクルーダーズ」構想に則り製造されていたハイネ専用のデスティニー。
シンのデスティニーとは異なり、メインカラーはハイネのパーソナルカラーであるオレンジになっている。
ゲーム作品ではビームの色もオレンジとなっている場合が多い。
機体完成時にハイネが戦死したため、搭乗者が不定なままザフトの保管庫に送られてしまった。

元々はT.M.Revolutionのガンプラ生誕30周年コラボとして発売されたCDアルバム「X42S-REVOLUTION」の初回限定特典Aに付属したガンプラ。
T.M.Revolutionこと西川貴教氏は、アニオタから「アニキ」と呼ばれるほどサブカルに造詣が深いことで知られるが、
それにしたってガンプラを自身のアルバムの初回特典で付けるあたり、流石は西川アニキとしか言いようがない。
なお、この機体の為にわざわざデスティニーはシン専用のワンオフ機という設定を覆されてしまった。


【活躍】

インパルスに代わるシンの機体としてジブラルタル基地でデュランダル議長から直々に受領される。
しかし最初の出撃は華々しいものではなく、奸計からザフトを脱走したアスランと彼に同行したメイリン・ホークを雷鳴轟く豪雨の中で討伐するという、
本機とそのパイロットであるシンのその後の展開を暗示させる不穏なデビューを飾る。

ヘブンズベース攻略戦ではシンのパイロット技量もあって、ザフト正規部隊相手に無双していたデストロイを容易に撃破。
戦いに憑りつかれていくシンを象徴するかのように鬼神のごとき活躍を見せる。

続くオーブ侵攻作戦では、やはりムラサメのような主力機を次々と撃破し、カガリ・ユラ・アスハの搭乗したアカツキを圧倒し撃破寸前にまで追い込む。
しかし、アカツキの救援に飛来したストライクフリーダムによってビームブーメランを破壊されアカツキを撃破し損ねた上、
アロンダイトを白刃取りで奪取されて海にポイ捨てされた挙句、それによって生じた隙にビームではなく実体弾であるレールガンを撃ち込まれる。
こちらの装甲が何であれ貫通するビーム兵器ではなく、敢えてVPS装甲であれば無効化されるレールガンを使用するというキラのこの行動を、
(実際にはキラはパイロットを死傷させずに無力化するためにレールガンを選択したのだが)「殺そうと思ったら殺せたぞ」という挑発と受け取ったシンは激昂するが、
上記のエネルギー切れ問題が露呈したことで一旦帰投し、武装の補充と作戦変更によりレジェンドと出撃し挟撃する。
レジェンドが支援に回る事で接近戦に持ち込むも蹴られ、やっと撃破寸前にまで追い込めたと思えば今度は∞ジャスティスがストライクフリーダムの救援に現れ、
脱走者とはいえ元同僚を討った負い目やアスランの説得で出来た隙を突かれ、右腕を失う損害を受けてしまう。

レクイエム破壊のために宇宙へ上がり行われたダイダロス基地攻略戦では、各種MSやMA相手に無双し、プラント壊滅の危機を救う功労者となる。
デュランダルが提唱したデスティニープランに対する反対勢力らと始まったメサイア攻防戦では、
出撃後にストライクフリーダムと∞ジャスティスを相手に互角に立ち回るも、レクイエム破壊へ動き出した∞ジャスティスらの後を追う。
一騎討ちの末、遂に両腕と右脚を失い月面に墜落。その後は回収されないまま放置された。



【漫画版】

アスランに敗北するのは同じであるものの、不遇ともいえる終わり方を迎えた本編とは違い、扱いが大きく異なる。

コミックボンボン版(著:高山瑞穂)

初陣となるアスラン脱走では、名無し砲でグフを盾ごと貫き撃墜。

オーブ戦では、ジブリールの乗ったシャトルを撃墜するためにキラのストライクフリーダムと一時的に共闘するシーンが見られる。
しかし、加速しながらシャトルを狙うのは両機とも困難であり、渾身の一撃を放つも惜しくも逃すこととなった。

最終決戦では、それまでのアスランの言い分を認めつつも、「仲間を守るために戦う」と迷いを断ち切ってアスランと対峙する。
しかしアスランはそんなシンに対して本気を出して戦おうとせず、それを咎めるシンにその理由を「今のお前の姿は昔の俺に似ているからだ」と答える。
そしてアスランは母親を殺されその憎しみのままに軍人になった事、しかしそうして戦っても心は救われなかった事を語り、「お前ももう過去に囚われず、明日に目を向けるんだ」と説得する。
そのアスランの真摯な言葉に動揺しつつもシンは「俺はもう選んだんだ!この道を!なら行くしかないじゃないか!」「あんたが正しいなら俺に勝ってみせろ!」と戦闘を続行する。
ミーティアを破壊し、デスティニーの性能を最大限に活かして∞ジャスティスを月面に叩き落すも、やむを得ずSEEDを発現させ本気を出したアスランに一瞬の隙を突かれて敗れる。
この時のシンは憎しみに囚われる事無く、憑き物が落ちたかのように素直に彼の実力を認めていた。

「アスラン… あんたやっぱ強いや…」

……だが、それを見下ろすアスランは結局シンを言葉で止められず、本気を出して戦わざるを得なかった事に苦々しい表情を浮かべるしかなかったのである。


THE EGDE版

最終決戦でレクイエムに向かうアスランの前に単独で立ち塞がり、初手でミーティアと∞ジャスティスの右腕を切り落とすも見せ場はそれだけ。
彼が発射阻止を優先した事によりまともに戦ってもらえず、パルマフィオキーナのカウンターで放たれた蹴りにより右腕を潰され、
鬼ごっこの末に奪われたアロンダイトをレクイエムの破壊に使われてしまう。

ただでさえ精神が不安定だったシンはレクイエムの崩壊を見て錯乱してしまい、
停戦の報せに来たにルナマリアのインパルス*24にまで襲い掛かった所をまたもアスラン得意の蹴りでノックアウト。
残った左腕も落とされ墜落していった。
アスラン視点の作品だから致し方ないとはいえ、上2件と比べ全くいい所がないあんまりな扱いである。


【余談】

本機のデザインはストフリや∞ジャスティスと同じく大河原邦男氏が担当したが、翼のデザインに難航し、最終的には一軸でシルエットを変える方向性で完成した。

イラストレーターである森下直親氏のお気に入りMSの一つ。氏曰く「デビルマンみたいなガンダムですよね」とのこと。そういえば乗っている人の名前もアスカくんである。
氏の画集『鋼鬼』の表紙にも鬼神の如き激闘シーンが描かれている。『FREEDOM』で実現してよかったね……

前作の後半主役機であるフリーダムは、当初「ストライクガンダムの全部載せ」をコンセプトにデザインされたが、リテイクの末に全くの別物になった。
対してこちらは「インパルスガンダムの全部載せ」を実現しており、ある意味ではフリーダムのサルベージともいえる。


ガンプラ

コレクションシリーズ、HG GUNDAM SEED、HGCE、1/100、MG、RGで発売。
何かと出来が悪いキットが多い事で知られるストライクフリーダムに対し、後発のこちらは良キットが多い(あくまでストフリと比べての話だが)。
1/100ではライフルが上手く持てなかった*25が、HG GUNDAM SEED(通称旧HG)ではそれを専用手首を用いて解決。
更にパルマフィオキーナ用手首、光の翼のエフェクトパーツに台座まで付属された。
旧HGは1/100より後発で本編放送終了後に発売されたが、後発組ということもあり旧HGでも造形はMGからブラッシュアップされたうえに可動域も工夫されている。

MGは悪魔のような姿を強調した形で、関節ラインも自然なものにする試みが取られている。
通常版だけでなく、メッキが施された関節、光の翼、ブーメラン投擲&パルマフィオキーナエフェクト付属の「エクストリームブラストモード」の二種が発売。

MGのクオリティを1/144で再現したRGも評判が良いが、やはり光の翼はプレバンでの販売。HGに比べ羽が大型化された関係で、HGのものは流用出来ない。
因みに、RGはストライクフリーダムや∞ジャスティスを差し置き、DESTINY勢では一番最初に出ている。
一応主人公機だから当然といえば当然なのだが、劇場版から数えると10年以上前に出たキットということもあり最新のものと比べると見劣りする点も多い。
またRGはスケールこそ1/144だがHGに比べると製作難易度が高めなため、後述のHGCEがプレイバリュー高めかつ製作難易度も低めなためプラモに不慣れな初心者には推奨されることが多い。

HGCEは最近のバンダイとしては珍しく光の翼とパルマ フィオキーナのエフェクト付きだが、その分値段は普通のHGシリーズと比べてお高め(とはいえ誤差程度だが)。
造形やパーツ分割による色分けも評価が高かった旧HGより洗練されている。*26
特に可動面ではMETAL BUILDで採用された腕のロール軸が導入されたことで1/144でありながら今までのプラキットのデスティニーでも随一の可動域を誇っている。

またハイネ機も遅れて発売、機体色に合わせて光の翼もオレンジに変更されている。一般販売だが数量限定生産なので現在は入手が困難。
むしろガンダムベース限定のクリア版の方が定期的に再販され入手難易度が低い、というクリア版が希少なことが多いガンプラには珍しい逆転現象が起きている。

SEEDシリーズ機体全般に言える事だが、背中の羽(バックパック)が重い、下半身が少し保持力に欠けるせいで直ぐ後ろに倒れるという欠点があるので、
原作での再現も含めてアクションベースもセットで買う事をお奨めする。

上記のように「X42S-REVOLUTION」の初回限定特典Aにハイネ機のガンプラが付属(こちらは旧HG)。
まさかのガンプラをおまけに付けるというブッ飛んだ発想は、流石兄貴としか言い様が無い。


【可動フィギュア】

放送当時からMS in Action・HCM-Pro・GUNDAM FIX FIGURATION(GFF)・METAL BUILDやROBOT魂など発売。
MS in Action・HCM-Proは当時の可動フィギュアシリーズらしく安価で出来は良好、付属品も充実しているものの光りの翼は付属せず。
GFFは見た目こそいいがGFFシリーズの常として可動はお察しでパーツの脱落や保持力に難があるためデスティニーの印象的なポージングをとらせるのは厳しい。

METAL BUILDはかなりエッジの効いたヒール的なデザインが公開されたが、柔軟な可動域と多様なエフェクトパーツでヒロイックなポージングが取れるなど良い塩梅になっている。
このアレンジが効いたデザインはそれまであまりアレンジを利かせることがなかったMETAL BUILDで立体化されるメカで度々見られるようになり大きな転機にもなっている。 
可動域も秀逸でアロンダイトを構えるなどダイナミックなポーズのために腕にロール軸が設けられるなど発売から10年以上経った現在でも最新のものと比較しても見劣りすることはない。
光の翼は別売りプレバン販売だったが、後にマーキングが変更された本体とのセット販売もされたうえ、イベント開催記念のリペイント版が出るなど発売から数年置きに再販される人気商品になった。

ROBOT魂は光の翼がプレバンで別売りとなったストフリと違い本体に同封されお得感はあったが顔の造形がイマイチ。
上半身に対して下半身の造形が小さく胴長短足に見える上に足の可動域もあまり広くない加工が必須、と好評な立体物が多いデスティニーにしては評価は今一つ。
METAL ROBOT魂ではSEED系のガンダムがアニメ寄りな造形になっているのに習ってROBOT魂から金型使いまわしではなく新規造形でアニメ準拠のスラっとした造形に変更。
武器も勇者パースが効いたものが付属しており様々なポージングを一番アニメに近いポーズが出来るようになっている。
価格面から光の翼は別売りとなったが翼のほかに保持力が上がった台座・各種エフェクトパーツ・アロンダイトなどの武器も本体付属よりもさらにパースの利いたものが付属している。


【本編以外の活躍】

ガンダムビルドファイターズトライ』のOPで主人公のカミキ・セカイ操るビルドバーニングガンダムと激突する本機が登場。
ライバル機の一つとして登場するのではないか、という期待通り、第6話『素組みのシモン』にて区立常冬中学のエース、イズナ・シモンの愛機(ガンプラ)として採用された。
出場する多くのビルダー(兼ファイター)が、特に大会で使うガンプラに独自の改造パーツを組み込んだり、丁寧に塗装するなどしているのに対し、
シモンは改造も塗装もしていない、所謂素組み(=パチ組み)の状態のデスティニーのガンプラで出場しており*29
完成度がそのまま性能に反映されるガンプラバトルでは、デスティニーの性能はそれなりにしか再現されない*30*31のだが、
その性能の低さを元ボクサーとしての経験や生来のバトルセンスで補うことで、初参加の身でありながら全日本ガンプラバトル選手権西東京予選を勝ち進み、
セカイ達とぶつかる直前の試合では上位常連組の高校を単騎で打ち破っている*32
ビルドバーニングガンダムとお互いボロボロになりながら繰り広げた白熱の近接戦闘(タイマン)は本編に負けず劣らずカッコ良いので、本機が好きな方は是非一度見てみて欲しい。
それはそれとしてパルマフィオキーナの使い方がちょっとおかしい気がしなくもないが、ガンプラは自由だ!
また、DVDの表紙にも本機が大きく描かれている。


【ゲームでの活躍】

ゲームとしてデータに落とし込むと強い特殊能力や武装が揃っている為か、全体的に原作の扱いの悪さとは対照的に優遇されている。










そんな寝惚けた項目が通用するかぁ!!


追記・修正は、こうやるんだぁーーッ!!!


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最終更新:2024年04月19日 00:39

*1 現実でも都合が悪かったり、良い印象を与えない様な用途に使用する機体に、別の型式番号を与える事がある。実質攻撃機ながら戦闘機の型番が与えられたF-117など。

*2 上記欠点のないレジェンドもストライクフリーダム及び∞ジャスティス戦ではまともな戦果を挙げられていないこと、明確に取り回しの悪さが描写されている訳では無いため一概には言い切れない。

*3 現実の原子力潜水艦は艦内でのメンテも加味すれば最大で半年の潜水が可能である。『SEED』シリーズの原子炉がどこまでスタンドアローンな存在であるかは明言されていないが、設定を担当した森田繁氏は「1作目では最終決戦まで原子炉側のメンテはせずに戦ったんじゃないか」との見解を示している。

*4 理論上ではマガノイクタチによる強制放電でも機能停止に陥るという。後年には原子炉どころではないマジモンの半永久機関であるGNドライヴも登場しているが、それでさえ短時間のうちに極端に大量のGN粒子を消費すると、ある程度のGN粒子再生成が完了するまでしばらく性能が大幅に低下する。

*5 劇中の計器類で一次電源と二次電源が同時にエンプティラインになった描写がある。ハイブリッドエンジンでは片一方のパワーダウンが起きてもそのインターバル中にもう片方の二次電源が再供給まで稼働できるため、直ちに全電源の喪失が発生するとは考えにくい。加えてハイパーデュートリオンの場合、パワー系統をプールするバッテリーが存在する事や、デュートリオンビーム送電システムも内蔵されているので、仮に機体の各電源がレッドゾーンに陥ったとしてもミネルバから給電されれば復旧は容易なはずなのだが……

*6 一連の「デスティニーの一時帰還」描写は小説版・スペシャルエディションではエネルギー切れそのものが省略されており、帰還理由はシンの休憩と武器の補給となっている。一方でHDリマスター版では件の描写が復活している。

*7 明確な設定こそ明らかにされてないが、ビームシールドと接触しても刀身が熔解する事はなかったため、ある程度の対ビーム性能は持たされていると思われる。

*8 より詳しく書くと両前腕部の発振器からビームシールドを展開、手首だけをシールドの内側から透過させて実体剣を掌で挟み込み、透過した掌の付け根に位置するビームシールドでビーム刃を受け止める形になる。

*9 このシーンの真剣白刃取りは「高速で振り下ろされるアロンダイトの実体剣部分をピンポイントで手掴みする」「ビームシールドがビーム刃を散らせるように、ビームシールドの展開位置と出力を計算・調整した上であらかじめ展開する」といった内容で構成された超人的な技術となる。さらにビームライフルを真上に投げてから白刃取りに臨んでいるため、「白刃取り前後の隙が最小限になるタイミングで手元に戻るよう、ライフルを投げる力加減や白刃取りの間の取り方を調整する」なんて芸当も追加でやっている。これら一連の動作を土壇場で考案・計算して成功させたキラの技量と度胸を讃えるべきところだろう。

*10 なおこのとき、デスティニーの両腕は切断されるより先に大爆発しており、続く蹴りあいのシーンでは直前まで光の翼を展開していたウイング部まで損壊している。おそらくはビームシールドとパルマフィオキーナ二種のエネルギー供給ラインが誘爆した結果吹き飛んだ破片がウイングを破損させたものだと考えられ、そういったダメージコントロールの観点から見ればデスティニーは腕が弱点である、という見方も間違いではないといえるかもしれない

*11 『SEED』シリーズのイザーク・ジュール

*12 ミラージュコロイド周りの条約は抽象的なものであり、ビームサーベルのような応用技術は不問にされたというケースもある。

*13 ちなみにブラックナイトスコード ルドラも分身攻撃を使うMSではあったが、デスティニーのそれは文字通りの意味で格が違うレベル。あまりの性能に「知らないよこんな武器!?」と叫ぶダニエル・ハルパーの反応に、観客(特に20年来の『SEED』ファン)の中には「(デスティニーを本編で見たことある)こっちも知らなかったんですけど!?」と内心同調した方も多かったのではなかろうか。

*14 周囲に映像を映し出すスクリーンとなる物質を予め散布することから、畑違いの作品だが原理的に「ドラクエシリーズのマヌーサ」が近い。

*15 DUPEとは「複製」・「騙されやすい人、カモ」を意味する英単語。劇中の展開を鑑みるとふさわしいと言える単語であり、名称や効果からF91の「MEPE(金属剥離効果)」をオマージュしたのかもしれない。

*16 今回使ったSpecⅡは動力系が改修されている。

*17 その機能を使用するため、レーザー推進方式をとっているとした資料もある。『STARGAZER』劇中でスターゲイザーがやっていた「プロパルジョンビームによる大加速」を自機で補間しているという理屈。

*18 ちなみにデスティニーSpecⅡは映画公開翌週明けにその存在が公式サイトで公開されたが、ゼウスシルエットはその翌週末まで一切の情報公開がなく、名前すら不明であった。

*19 ザフトはユニウス条約締結の足枷になりえるからとストライクフリーダムの原型機などが他所に流れたのを黙認したなど前議長の息がかかった案件にはあまり反応しなかった前例もあり、デスティニーも晩年の失策で評価を落としたデュランダルの肝いり案の一つだったこともありオーブに機体・装備が流れるのを黙認した可能性は高い、なおデュランダルが死後世間で評判を落とした話は映画の小説で触れられている

*20 一応、シンだけで全部撃墜したわけではなく、ルドラ戦に関してはヒルダ・ハーケンの操るゲルググメナースとの連携戦術もあった事は追記しておく。ただ、シンとデスティニーがルドラ4機を向こうに回してワンサイドゲーム同然で圧倒していたため、「デスティニー単機で問題なく殲滅できたが、長年連れ添った部下2人を殺されたヒルダの心情を慮ったシンが1機トドメを譲った」とする説が有力視されている。

*21 なお、インパルスに搭乗していたのがルナマリア・ホークであること、デュートリオンビーム送受信の都合上デスティニーとインパルスが至近距離で向き合う必要があったことから、「まるで(恋人同士であることが明言されている)シンとルナがキスしているみたいに見える」と評する声もあった。

*22 仮にデスティニーの分身を見切って超スピードを捉えられる力量の持ち主がいたとして、撃墜してはいけないなどの理由がなければ直接本体を叩く方がよっぽど効率的である。

*23 皮肉なことに「一般家庭出身の第二世代コーディネイター」のシンがこの機体を乗りこなしているという事実が、デュランダルの見立ては正しかった事の証明となっている。

*24 本編と違ってルナマリアはシンを止めに来ただけであり、完全にとばっちり。

*25 ビームライフルの尾部と腕が干渉して拳が引き金の位置から下にずれてしまう

*26 一応旧HGからフラッシュエッジ2のサーベル形態のビーム刃がなくなっているが劇中でも使用回数が少ないためそこまでプレイバリューに影響しない

*27 レールガン自体は後日発売されるHGCE ゲルググメナースに同じものが付属するため、そちらから使い回すしかない。

*28 なお、SpecⅡ本体・各オプションの発売月が異なり一括で注文できず、別個注文してる間に品切れになる点なども問題視された。

*29 これはシモン自身が半年前までガンプラバトルに興味を持ってすらいなかった素人であること以上に、病を患って入院している彼の弟が病室で組んだデスティニーのガンプラをそのまま使用しているため。

*30 ガンプラバトルでは塗装や改造など、ビルダーが手を加えたガンプラほどバトルでの性能が向上するという仕様になっており、例えば『00』に登場するGNドライヴ搭載型MSのガンプラで「トランザムシステム」を使用したいなら、かなりの完成度が要求される。

*31 劇中ではシモンのデスティニーは物理攻撃でダメージを受けている描写があることから、素組み故に完成度が低く、原作のデスティニーが持つVPS装甲が再現されていないと推測される。

*32 奇しくもこの時に対戦したチーム・バビロニアは「コスモ学園貴族科」というクロスボーン・バンガードの機体で統一された強豪チームであり、試合開始中にも「素組みの分際で!」と発言するなど、約10年後の『FREEDOM』劇中におけるブラックナイトスコード・ルドラvsデスティニーガンダムSpecⅡと似たような場面も見受けられた。

*33 アタックコンボで複数相手に攻撃すると援護防御を封じられる

*34 読心により驚異的な命中率を誇り、殆どの武器がバリア貫通で、同化により残りHPに関係なく撃墜してくるフェストゥムだが、「特殊装甲でダメージを0にしてしまうと同化が無効化される」と言う抜け穴があった。実際はMSの装甲ではダメージ0は中々難しいものがあるが、回避を盛りまくってフェストゥムの攻撃を全部避けるよりは楽である

*35 ちなみにガンダムSEEDと蒼穹のファフナーのデザイナーは同じ人である

*36 ファフナーは「ファフナー・マーク○○」というネーミングが基本