ウルトラマン80

登録日:2009/07/19 Sun 09:37:55
更新日:2024/02/19 Mon 22:58:18
所要時間:約 7 分で読めます






エイッティッ!!


画像出展:ウルトラマン80(1980年4月2日~1981年3月25日)
第13話「必殺!フォーメーション・ヤマト」より
@円谷プロ

ウルトラマン80(エイティ)とは、円谷プロダクション制作の特撮作品『ウルトラマン80』を始めとするウルトラシリーズに登場するキャラクター。



【プロフィール】

身長:50m
体重:4万4千t
ジャンプ力:700m
走行速度:時速1700km/マッハ1.3
飛行速度:マッハ9
水中速度:630kt
地中速度:マッハ5
年齢:8000歳
出身:M78星雲・光の国

【デザイナー/俳優】

キャラクターデザイン
  • 山口修

CV

スーツアクター
  • 赤坂順一(『80』第1~8・27・28話)
  • 奈良光一(『80』第9・10・29~50話)
  • 岩泉芳武(『80』第11話)
  • 福田健次(『80』第12~26話)
  • 岩崎賢太郎(『新世紀ウルトラマン伝説』)
  • 川本直弘(『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』)
  • 郡大輝(『ウルトラマンジード』)

人間役


【概要】

宇宙警備隊の隊員にして、エリート集団「ウルトラ兄弟」の九男に位置するウルトラマン。
全体的なビジュアルは初代ウルトラマンに匹敵するほどシンプルだが、
鼻筋が通っており、口元は他のウルトラマンと大きく異なるなど、非常に個性的な顔立ちをしている。
他にもトサカから後頭部にかけた部分が赤い、背ビレがない、腹部にウルトラバックルがあるなど、
上述の通り一見するとシンプルだが、細部を見ていくと他の昭和ウルトラマンとは一風変わったビジュアルとなっている。

地球滞在中は人間に擬態して「矢的猛」を名乗っており、戦闘時には「ブライトスティック」という変身アイテムを使用して変身する(というより元の姿に戻る)。
歴代ウルトラマンの中でも高めの掛け声と「フォッ!」と聞こえる風切り音、キレの良いキックなどの各アクションが特徴。
宇宙警備隊の新人であり、地球での活躍いかんによってウルトラ兄弟入りが認められる「ウルトラ兄弟候補生」として地球にやってきた。

平時は「桜ヶ岡中学校」で教師を務め、思春期という不安定な時期の子供達を教える傍ら、
緊急時には防衛隊「UGM」として、そしてウルトラマンとしてマイナスエネルギー(人間の暗い心の波動)が呼び寄せる怪獣や宇宙人と戦った。

しかし「教育」という方法だけではマイナスエネルギーの発生を抑える事が出来なかったこともあり、
出現し続ける怪獣と戦うため、最終的には教職を捨てなければならなかった。


その圧倒的なスピードと多彩な技を活かした戦闘力は高く、本編で全勝無敗。
設定上でも歴代ウルトラ戦士の中でも高い戦闘力を持つウルトラマンとされている。
同時期の『仮面ライダー(新)』とは違って、光の国の王女・ユリアンウルトラの父(のテレパシー)を除き、ウルトラ兄弟の客演も一切なかった。
一方、全勝とはいっても余裕をもって完勝した戦いは少なく、苦戦から突破口を見つけて勝利するというパターンが多かった。
特に実質最後の敵となったプラズマ・マイナズマ相手には必殺技が一切効かず、ユリアンがいなければ勝てなかった。
ただ、80は戦闘前に左肩を負傷するハンデを抱えた状態での戦闘であり、万全の状態であれば単独で勝利できた可能性もある。

技の種類も非常に多く、多彩な光線技や高い身体能力を活かした格闘技を持つだけでなく、
回復やテレポートといった補助技、それまでの歴代ウルトラマンが使用した透視能力等の特殊能力も大抵使える。流石先生、若いのにスゲェ……
基本的に何でも出来る万能ウルトラマンであり、8000歳という若さでウルトラ兄弟候補生として地球に送り込まれたという設定や、
若さに似合わぬ完成された高い戦闘力・習得技の多さからも、80が元々幹部候補生のようなエリートであった事がうかがえる。


『80』最終話では、マーゴドン出現に際し、正体を見抜いていたUGMのオオヤマキャップから変身しないよう忠告され、
「80に頼る事なく怪獣を倒す」と決心したUGMによって、80やユリアンの力を借りずに怪獣が倒されるという、異例の展開に。
出番こそ無かったが、暖かなラストで物語は締めくくられた。

「ウルトラマン先生」としての真の最終回は、その25年後に訪れる……


ちなみに、本作以降のシリーズには『ウルトラマンメビウス』まで、
ウルトラ兄弟と明確に関わりがあるウルトラマンが出なかったので「80は結局ウルトラ兄弟入りしたのか」が議論されていた。
なお、書籍『君はウルトラマン80を愛しているか』に掲載されたインタビューで長谷川氏は、
「ウルトラ兄弟には入っていないと思う。そういうエリートに進まない道も良いのではないか」
と語っていたが、後に公式でウルトラ兄弟入りを果たしたことが明かされた。

人間体では教師だったからか、メディアでは教師キャラだったり視聴者からも「先生」という愛称で呼ばれ、
実際派生作品では教師役を担当する事が多いが、前述のように実際は当時8000歳であり、
ウルトラ兄弟の中でも6800歳のウルトラマンメビウスに次いで飛び抜けて若い。
5900歳のウルトラマンゼロが人間で表すと高校生くらいらしいので、80は大学生くらいかと思いきや、
メビウスが人間だと20代前半とされているのでそれよりは上になる。
恐らくあまり深くは考えられてはいないので人間換算での年齢おかしくないかとか思ったら負け

なお、坂丘のぼる氏による漫画版では、訓練生時代は手の付けられない不良で、注意しに来たゾフィーにいきなり殴りかかるなど、
教官であるウルトラマンタロウやゾフィーも手を焼く超問題児として描かれていた。
しかし異星人に両親を殺されてからは真面目に訓練に打ち込み、ウルトラ兄弟候補生になる程の実力を身に付けたという。


【能力】

●主な光線技

  • サクシウム光線
80のメイン必殺技。左腕を上に、右腕を横に伸ばした後、腕をL字に組んで放つ。左右どちらの腕からでも発射可能。
右拳を握るポーズで赤外線を含んだBタイプ(別名:ガッツパワー光線)を放った事も。

設定ではセブンのワイドショットと同等かそれ以上の威力とされ、古い資料には、タロウのストリウム光線よりも強力とするものもある。
しかし、この技をもってしても耐えてくるタフな80怪獣も多い。
例えば、実質的なラスボスであるプラズマ・マイナズマ戦ではサクシウム光線とバックルビームを立て続けに放ったが、
相手が驚異的な耐久力を持っていたため、通用しなかった。

  • バックルビーム
腹部のウルトラバックルから放つ光線。サクシウム光線より強力な必殺技。
ホー戦、ロボフォー戦ではサクシウム光線から連続して放った。
『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』ではルーゴサイトのゲネシスレクイエムを簡単に押し返すなど、80最強の必殺技らしい活躍を見せる。

  • ウルトラレイランス
サクシウム光線と同質エネルギーの光の槍を投げつけて敵を貫く。

  • ウルトラスラッシュ
またの名を八つ裂き光輪
初代マン直伝の対バルタン星人用必殺技として放たれ、6代目バルタンを倒した。

  • ウルトラアイスポット
両眼から発射する紅い光線。
怪獣の細胞全てを焼き尽くすほど強力。また、怪獣化した生物を元に戻す事も出来る。


この他にも様々な光線技が存在し、光線技の数だけならウルトラマンエースといい勝負。
……一度きりの技も多いが。

●その他の技

  • ウルトラムーンサルトキック
空中で何度も回転し、足を発光させながら放つキック。
初使用ではギマイラに繰り出し、「お前はもう死んでいる」ばりの時間差で撃破した。

  • ダイナマイトボール
体育座り身体を丸め、高速回転しながら飛び回って体当たりを繰り出す。

  • メディカルパワー
回復光線。
大ケガをした人間を治療したり、枯れた花をよみがえらせたが、死者の蘇生は不可能。

  • ウルトラテレポーテーティング
遠く離れた惑星や、異次元空間へも行ける瞬間移動。
初代ウルトラマンは、テレポーテーション使用には寿命を削るほどの負担があるとされ、
移動(使用)後すぐにカラータイマーが点滅したり、戦闘終了後にハヤタが気を失ったりしていたが、
80はこの技を頻繁に使用するものの、特別負担が掛かるような描写は無く、実際デメリットも設定されていない。
ゾフィーしか出来ないとされる異次元移動も出来るなど、ウルトラ兄弟の中でも屈指の高性能なテレポート能力を持つ。


【本編外での活躍】

●『ウルトラマンメビウス

第41話「思い出の先生」にて、『80』の最終回から26年ぶりに長谷川初範氏が客演。

円盤生物ロベルガーを追って地球に飛来した80は、メビウスと共闘し、ロベルガーを倒した。
その際、メビウスは80から地球でマイナスエネルギーが発生しているという情報を聞く。

調査で出所が桜ヶ岡中学だと知ったヒビノ ミライ=メビウスは、そこで80=矢的の教え子達と出会う。
中学は統廃合されるらしく、ミライは記念として開かれるクラス会に(防衛隊に所属していた繋がりから)矢的を参加させてほしいと頼まれる。

その夜、ミライは80に「生徒達に会ってほしい」と語りかける。
80も生徒達の事はずっと気がかりであったが、教職を捨ててしまった事もあり、了承する事は出来なかった。

クラス会当日、中学校付近にマイナスエネルギーによって硫酸怪獣ホーが出現し、駆け付けたメビウスはホーと交戦する。
硫酸の涙を流しながら戦うその姿に、通常の怪獣と異なる破壊衝動や侵略の意思ではない「何か」を感じるメビウス。

彼は、自分の加勢に駆けつけてくれた80をホーがまるで待っていたように手を広げ、80の攻撃を無抵抗のまま受けて穏やかな表情で消滅した事でその「何か」を悟る。

ホーは、同窓会をするために集まっていたかつての矢的の教え子達の「ウルトラマン80=矢的先生に会いたい」という思いを受けた校舎がそれを汲んで生み出したのだと。
ホーを倒した後、80は屋上に集まっていた教え子達からの言葉、そして彼らの歌う「仰げば尊し」を聞き、もう一度彼らに会って謝ろうと決意する。
変身を解き、矢的猛の姿で屋上に登った80を待っていたのは、自らを慕い続けてくれた生徒達の暖かな笑顔だった。

ちなみにこの回で、「ウルトラマンメビウスに登場したウルトラマン80」が日本オタク大賞06/07の大賞を受賞した。

また、最終話では、エンペラ星人によって光を失った太陽を元に戻すため、ウルトラ兄弟と共に活躍した。
この時、タロウ・ウルトラマンレオアストラと共に4人で並んだシーンを見せている。

●『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE

M78星雲出身の為、早くから登場が確定。ウルトラマンベリアルの手から、光の国の人口太陽「プラズマスパークタワー」を死守するのが主な役割。
今回遂に……敗北しました。
声はオリジナルキャストの長谷川氏ではなく山本修氏が担当しているが、さほど違和感はない。

他のウルトラマンに比べると出番は少なめだが、ウルトラマンジャック・エースの2人との珍しい共闘が見れる。

●『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国

宇宙警備隊本部の会議で、ダークロプスのコアから発せられていたマイナスエネルギーについて解説した。
終盤では光の国に迫るベリアル銀河帝国軍との戦いに参戦した。
前作『ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』と異なり、声は長谷川氏本人が担当。

●『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀

Chapter.1にて登場。声は再び長谷川氏が担当。
ユリアンとソラの護衛として控えており、暴走状態のルーゴサイトが襲撃してくると応戦してこれを撤退に追い込んだ。
ルーゴサイトの攻撃に一発も被弾することなく終始圧倒するが、相手が逃げた為に倒すまでには至らず、ウルトラマンネオスウルトラセブン21を加えた討伐隊を編成して完全な撃破を試みる。
今回は後輩をまとめるベテランの戦士として描かれ、実質的なリーダー格として動いている。


【ゲームでの活躍】

●『ウルトラマン Fighting Evolution 3

隠しキャラ扱いで参戦。
劇中と同じくスピーディーな動きが出来る他、相撲の四股を踏んだり、回転しながら突撃したりとユニークな動きも再現されている。 

また、サクシウム光線」や「バックルビーム」「ウルトラレイランス」などの必殺技も使用出来る他、
バリア判定に成功する事で相手に強烈なカウンターを浴びせる『カウンター必殺技』を光の国のウルトラマンで唯一使用可能(反撃サクシウム光線)。
※光の国のウルトラマン以外では、ウルトラマンダイナ ミラクルタイプが使用可能(レボリウムウェーブ)。

と、再現度の高さから好評価を得ているが、「シュワ」という掛け声をやたら出すため、「80はこんなにシュワシュワ言わない」という声もちらほら。 


【余談】

  • 戦闘時は他のウルトラ戦士と比べて妙に無口になり、いわゆる「シュワッチ!」などの掛け声を殆ど出さなくなる(全く出さないというわけではないが)。
    『メビウス』第41話で共闘した際も、掛け声を出しているのは終始メビウスの方だけであった。

  • 映画『ウルトラマン物語』では、タロウが地球に来る以前に80が既に派遣されていたという風に描かれている。

  • 放送当時の書籍設定では、地球赴任前の80の指南役としてウルトラマンレッドという上司の存在が設定されていた。
    かたおか徹治氏の漫画『ウルトラ兄弟物語』の80主役回ではレッドと80のコンビによる活躍を読む事が出来る。


  • ダイナマイトボール使用時の人形は、上述の通り体育座りをするかの如く足を両手で抱えたシュールな造形となっている。
    「特撮のDNA」展では撮影当時の人形が展示された他、これが印刷されたシュールなTシャツも販売され、人気を博した。

  • 初代マンを意識したシンプルな造形のためか、ゲームオリジナルを含めたフュージョンアップ形態フュージョンライズ形態などの歴代戦士の力を融合する形態からはハブられがち。
    確かに80の特徴としては顔やウルトラバックル、背ビレがない事などであるため、デザイン的に混ぜにくいとは思われるが、なかなか残念である。

  • 『ウルトラマン』が「最も派生テレビシリーズが作られたテレビ番組」としてギネス世界記録に認定され、認定式が行われた際は1960年代~2010年代の各年代を代表するウルトラヒーロー計6名が呼ばれた。
    1980年代代表のウルトラヒーローはもちろん我らがウルトラマン80である。
    1980年代のウルトラヒーローが他にいないからとか言うな。



80「エエエィ、エエィッティ。エィッティッ。」
(訳:追記修正は涙の味を知った後、愛と勇気を教えながらお願いします)

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最終更新:2024年02月19日 22:58
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