YF-29 デュランダル

登録日:2011/03/01 Tue 21:23:24
更新日:2023/04/07 Fri 20:08:16
所要時間:約 6 分で読めます






いい機体だろう?


YF-29…25をベースに開発中の対バジュラ決戦用試作機だ


劇場版マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』で活躍した可変戦闘機
パイロットは早乙女アルトが務め、バジュラとの最終決戦に投入された。
VF-25にデフォルトでトルネードパックの機能を取り込むことをコンセプトとしている。


ペットネーム:デュランダル
設計・製造:新星インダストリー・マクロスフロンティア工廠
技術協力:L.A.I社
全長(ファイター):18.73m
全幅主翼展張時:14.15m
全高(ファイター):3.88m
重量:11,920kg
エンジン(主機):
新星インダストリー/P&W/RR社製 FF-3001/FC1 ステージⅡ熱核タービンエンジン×2
新星インダストリー/L.A.I/RR社製 FF-3003J/FC1 ステージⅡ熱核タービンエンジン×2
基本武装:隠顕式連装MDEビーム砲
ビフォーズMBL-02Sマイクロミサイルランチャー
HPB-01A重量子ビームガンポッド
ラミントンES-25A 25㎜機銃
追加重装甲シールド
ピンポイント・バリア・ナイフ
特殊兵装:フォールドウェーブシステム


本機はその形式番号からも分かる通り、いわゆる制式機ではなく試作機群に所属する機体である。
VF-25 メサイアVF-27 ルシファーと同様にYF-24 エボリューションから派生した機体であるため、これらの機体とは兄弟機であると言える。
多くのパーツをこれら派生機体と共有しているため、ある程度の整備性は確保されている模様。

ペットネームのデュランダルはフランスの叙事詩『ロランの歌』に登場する聖剣の名。
これによってVF-9 カットラス、VF-19 エクスカリバーと同様に、VF/YF-X9系列の伝統である剣の名前が冠されることになった。
ちなみにカットラス、エクスカリバー、デュランダルは共通して前進翼機である。

実際にはYF-25 プロフェシーと同時期に開発が始まった機体ではあるが、盛り込んだ機能が多岐に渡ること、
使用技術に大量のフォールド・クォーツが必要であったことなどの理由によって、開発時期が大幅にずれ込んでしまった。

これらは先に制式採用されたVF-25、VF-27の技術フィードバックと、バジュラとの開戦によってフォールド・クォーツが大量に手に入る状況へ推移したことなどによって解決された。


操縦システムにはEX-ギアを採用し、ISCを装備するなど、YF-24系の基本的な機能は盛り込まれている。


翼にはVF-9、VF-19と同様に前進翼が採用され、大気圏内であっても高い運動性能が発揮されるように設計されている。
また、VF-25に比べてエンジンも双発から4発に増え、更なる大出力を発揮する。


武装には大型のビーム砲から、ガンポッド、マイクロミサイル、ナイフが装備されていて、様々な距離の戦闘に対応できるようになっている。
今回のガンポッドは実弾ではなく重量子砲であり、ガトリングとしても、チャージしても使用できる。
これは、VF-27からのフィードバックと思われる。
ノーマル装備でバトロイド時の肩部と脚部にマイクロミサイルを搭載しており、
VF-25の様にパック装備を主体にせず、どちらかと言うとAVF開発計画の時の様にパック装備に頼らない設計となっている。



【特徴的な機能】


〔フォールドウェーブシステム〕
本機で初搭載された特殊兵装で、機体の4ヵ所に設置されたデバイスによって運用される。
大量に使用されているフォールド・クォーツによって無尽蔵にエネルギーをくみ出せるため、エンジンの高効率化、エネルギー転換装甲の常時稼働、フォールドウェーブの探知・解析・増幅が行えるようになった。

また、このシステムは当初の目論みとは別と思われる副作用をもたらしている。
しかし、それによって本機はよりバジュラと近しい存在になったとも言える。
4つのデバイスはそれぞれ聖剣デュランダルの逸話にちなんで「聖ペテロの歯」、「聖バジルの血」、「聖ドゥニの毛髪」、「聖母マリアの衣」と呼ばれる。



【追加兵装】


〔スーパーパック〕
いわゆるFASTパック。外翼エンジンポッドに高機動スラスター付き推進剤ポッドが増槽され、主翼後端にVF-25から流用した化学ロケットブースターが追加される。

武装面では、両翼に大出力フォールド・ウェーブ・プロジェクターとマイクロミサイルポッドの複合ユニットが装備される。




以下、ネタバレ














○本編での活躍


バジュラとの戦闘で大破してしまったアルトのVF-25Fに代わり、対バジュラ最終決戦に投入された。
ゴーストV9(小説版では特別仕様とされている)をあっさり3機撃墜、クィーンと融合したバトル・フロンティアの攻撃を全て回避、ブレラ・スターンからの攻撃を全回避という阿修羅すら凌駕する活躍を果たした。

ただし、前述のフォールドウェーブシステムにより結果としてアルトはバジュラのフォールドネットに共振してしまい、
バジュラの哀しみ、痛みなどの気持ちを共有することになってしまっている。

アルトはそれを逆に利用し、バジュラを演じるというまさかの行動を取った。

ミハエル・ブラン曰く、
「あいつ、歌舞いて(傾いて)やがる……!」

尚、決戦時に金色の光と化して飛ぶシーンがあったが、あれはフォールドクォーツの全能力を引き出したオーバードライブ状態らしい。

ただし、劇中描写からは予め想定された機能なのか、それとも偶発的に発現した機能なのか不明。


【バリエーション】

ゲーム『マクロスラストフロンティア』におけるオリジナル機体が初のバリエーション。
いずれもマクロス30 銀河を繋ぐ歌声に登場。
後年のΔでも新規の機体が出た。

○オズマ機
グレー地に黄色と黒のライン。
頭部がVF-29Sに似たものになっており、頭部機関砲を4門装備している。

○イサム機
YF-19の同様のカラーリング。
『マクロス30』ではシャロンがイサムのために調達した機体であるためか微妙に仕様が異なり、頭部もYF-19と同様のものになっている。
それもあってかシャロンに対して「こんなカワイ子ちゃんをまで用意してくれるとはね」と告げている。

○YF-29B パーツィバル
新星インダストリー地球本社で製作されたYF-29の地球本国仕様。
ロッド機は青と紺のカラーとなっており、カメラの形状も少し異なる。

○マックス機
劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!に登場。カラーリングはマックス機伝統の青。
老いてなお衰える様子のないただの天才が最新作に参戦するにあたって、歴代最強クラスの機体を持ち出してきた事になる*1
機体の出所は不明だが、最新鋭機を揃える癖は小説版マクロスFの頃と変わらない様子。

パンフレット記載の解説によると、EXギアやフォールドウェーブシステムを搭載したこの機体を持ってようやく、マックスの能力を最大限に引き出せたとのこと。
…AVF計画の可変戦闘機が「機体の性能が高すぎてパイロットが付いていけない」という問題に直面して主力機になれなかったというのに、この御仁は逆だったわけである。
またパンフレットでは記載されていないが、EXギア以外の「ISC」もデュランダルは高性能であるため、肉体的限界でも高相性だったのかもしれない。
Fの時代から8年ほど経過しているのに試作機であることを示すYナンバーが取れていないところを見るに、制式配備には至らなかった模様。

ちなみにミサイルポッド内も披露しているが、アルト機は『サヨナラノツバサ』にて使用していなかっため、CGモデルだと中身がなく急遽詰め込んだそうな。


○余談

これのデザインに関しては河森監督は相当苦労したらしい。
TV版マクロスFで登場した機体と大幅な差別化するために、前進翼と赤と白のツートンカラーを採用したとのこと。
また、前作イツワリノウタヒメで登場したトルネードパックのイメージからもフィードバックされている。


ちなみに前進翼は最後の手段だったらしいが、イサム・アルヴァ・ダイソン熱気バサラ同様の「カブキ者」としてのイメージを取り込む為に前進翼を採用したとか。


ネーミングが何故「29」なのかと言うと、マクロスシリーズ生誕29周年だから。

監督曰く、「アルトの『パイロット』としての才能と『役者』としての才能が融合した形」をイメージしたらしい。
ある意味、「対話」の為の機体と言えるかもしれない。


ちなみに、天才やらバカやらが目立つ小説版では『天女』と称された。
確かにアルトは阿修羅というよりも天女の方が(ry 

オーバードライブ時には、(芸者的な意味で)最早別次元の存在として描かれている。


その高性能さから他の機体の性能を語るうえで比較されることもあり、
VF-19EF/A “イサム・スペシャル”は「デュランダルに匹敵」、VF-31AX カイロスプラスは「デュランダルとほぼ変わらない性能」
などと記載されている。


○玩具

ファイターモードのみで1/100がプラモ化している。
プレイバリューは微妙だが安いのが魅力か。

完全変形モデルは超合金で発売。
バンダイ製のバルキリー超合金としては破格の出来ながら、相変わらずの品薄商法で速攻プレ値となった。

スーパーパックはプレミアムバンダイで発売。
汚いなさすがバンダイきたない。

マックス機の超合金も発売決定。


【ゲームでの扱い】

スーパーロボット大戦シリーズ

第2次Z再世篇』では、ストーリー再現はTV版であるが初登場。ただし隠し機体なのでフラグを立てないと入手できない上に、スーパーパックは無し。
演出はかなり気合い入っているが、「思わざれば花なり、思えば花ならざりき」は劇場版では言ってなかったりする。
まあその台詞を体現した機体ではあるが。
VF-25と比べると武器が少なく継戦能力は下がるものの、攻撃力ではこちらが上。好みで使い分けるといいだろう。
ちなみにISCマニューバーの戦闘デモでは、劇場版さながらの光の舞を見れる。

UX』では劇場版参戦なので第2部中盤で入手。終盤でスーパーパックになり、さらにその後特殊行動「翼の舞」が追加される。
こちらでは00劇場版が参戦により、同コンセプトのダブルオークアンタと共闘している(パッケージでも対に描かれており、制作側も意識していると思われる)。
まさかのブレイヴとの相性が最高だったりする(別名「中村スペシャル」)。

第3次Z』ではスーパーパック形態のみの登場。
何故かMDE弾が装備されている。設定がTV版から地続きになっているからであろうか?
また、天獄篇ではビームガンポッド・バーストモードと、ISCマニューバー・オーバードライヴが追加され火力面も改善される。
時獄篇でも天獄篇でも最初は損傷しておりオーバーホール中で、アルトの初期乗機はVF-25に戻っている。まあスパロボではよくあることだが。

BX』では劇場版の原作終了後であるため、最初はボロボロになっていたためまたしてもオーバーホール送りでVF-25からやり直しである。
中盤に復帰し、スーパーパック追加は終盤となる。

マクロス30 銀河を繋ぐ歌声

前述のアルト機、オズマ機、イサム機と本作のライバルキャラクターであるロッドの機体に加え通常版が使用可能。
全機共通の仕様としてスーパーパックが装着可能、かつ手動でパージした際に自動でミサイルが発射される原作再現の演出がある。
スーパーパック装着時はミサイルがVLS方式で撃ち出され、非装着時は正面に撃ち出される。いずれも加速が早く弾道も素直なので命中率は高い部類。
作中最新鋭機であるYF-30にスーパーパックが存在しない事もあり、運用上では最強機体の呼び声も高い。
通常機とアルト機は特殊3が隠顕式連装MDEビーム砲になっており、ミサイルが使いづらい相手への対応力が高い。
オズマ機は特殊3が攻撃UPのバフとなっている。こちらと通常機は1周目で搭乗可能なのもポイント。
ただしここまでの機体はスーパーパック装着前後で特殊1/2ミサイルのマルチと連射が入れ替わる関係で、スーパーパックのマルチミサイル同時発射数が強化できないと言う問題がある。*2
イサム機は前述の問題を解決した上でSPAも無敵時間が長い格闘コンボ+全弾発射なので系列機では一番素直。
ロッド機はSPAが高速化バフとなっているが速度だけでなく旋回性能も上がるため尋常ではない機動が可能。ただし加入が2周目からのため、1周目では搭乗どころか僚機としてTP稼ぎもできないのはネック。


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最終更新:2023年04月07日 20:08

*1 最新型であるVF-31ジークフリードはライブ支援に特化したために武装が減らされており、統合軍が認可している戦闘用可変戦闘機としてはYF-29が最強の座を維持している可能性は十分考えられる。

*2 余談だがオズマ機は何故か前作のVF-25から同様の問題を抱えており、原作で印象的なアーマードとの相性が悪い。今作も全機その傾向にある