東海道線(JR東日本)

登録日:2009/11/29(日) 22:16:53
更新日:2024/01/30 Tue 20:34:18
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東海道線とは東京から神戸を繋ぐ日本最古の路線である東海道本線の俗称。

本項ではJR東日本が管轄する東京~熱海間について記述する。
(熱海~米原間は東海道線(JR東海)、米原~神戸間はJR京都線・琵琶湖線JR神戸線をそれぞれ参照)

ラインカラーはオレンジで、路線記号はJT

*1

概要

一般的に旅客案内で使用されるのは列車線と呼ばれる東京~熱海間を指すが、正式には電車線(旧国電区間)である根岸線(京浜東北線)・横須賀線(品鶴線)も含まれる。

また、JR東日本とJR貨物双方が保有する貨物線区間も存在し、こちらは浜松町~小田原間が該当する。ただし浜松町~東京貨物ターミナル駅は休止中のため、実質東京貨物ターミナル駅が起点。
また、鶴見~東戸塚間は横浜羽沢駅経由となる。
東京貨物ターミナル駅・横浜羽沢駅共に東日本と貨物の共用駅だが、ダイヤ乱れ時を除いてJR東日本の列車は来ない。
現在は相鉄線直通列車が隣の羽沢横浜国大駅まで東海道貨物線を経由して走行する。

大船~小田原間は比較的線形が良いことから、JR東日本の首都圏向け車両が落成した際は同線で試運転をするのが恒例となっている。


車両

本項では中電区間の品川以西で使用される車両について記述する。
常磐線直通・横須賀線京浜東北線についてはそれぞれ当該項目を参照。

現役車両

  • E233系3000番台
大宮支社小山車両センター・横浜支社国府津車両センター所属。
E233系唯一の近郊形仕様。かつては東海道線のみの運用であったが、2015年3月から湘南新宿ライン上野東京ラインの運用にも入った。
他番台とは異なり、車内表示はLED式である。
初期配備車とそれ以外とで一部仕様が違う。最大の違いは6号車にトイレがあるかないか。
  • E231系近郊タイプ
大宮(ry・横浜(ry所属。
国府津車は東海道線⇔高崎線の湘南新宿ラインに、小山車は横須賀線⇔宇都宮線直通の湘南新宿ラインに使われる。
上野東京ラインルートには両者ともに入るが、併結相手は同じ所属の車両が使われる。また、少数存在する線内のみの列車は国府津車固定。
2015年3月からE233系との併結運用も始まった。
  • E257系
特急「踊り子」用。185系の置き換え用として登場。
2000番台は中央本線、2500番台は房総地区で使用されていた車両を改造したもの。
また、臨時列車には波動用の5000番台・5500番台が使用される。
  • E261系
サフィール踊り子用。全車グリーン車以上、更に食堂車(ヌードルバー)も併結されている豪華仕様。
ミュージックホーンの楽曲がリニューアルされている。
2021年鉄道友の会ローレル賞授賞。
サンライズ用。現在では日本唯一の定期寝台列車。
JR東海とJR西日本が所有する。
  • 伊豆急行2100系
伊豆急の展望電車「リゾート21」。
臨時列車の「リゾート踊り子」で私鉄電車で初めて東京駅へ乗り入れた。
現在は「THE ROYAL EXPRESS」編成が横浜駅まで乗り入れる。
1986年鉄道友の会ローレル賞受賞。
  • EF65形、EF210形
JR貨物所属。貨物列車で使用。

過去の車両

  • 113系
かつての東海道線の主力。111系が最初に登場し113系はその出力強化版として作られた改良型。2006年に東海道線での運用終了。
211系と同一仕様の二階建てグリーン車を組み込んだ編成もあった。この車両は後に宇都宮線・高崎線の211系向けのグリーン車として転用された。
静岡車両区に所属するJR東海の4両編成(T編成)も出張して使われていた。
  • 115系
1973年まで上野・東京経由の高崎線直通列車で使われていた他、御殿場線からの直通列車が2004年3月まで存在した。
  • 211系
111系・113系の初期車置き換え用に1986年に導入。
セミクロスシートの0番台とロングシートの2000番台がある。
2012年に東海道線での運転を終了。一部は長野に転属し2023年現在でも活躍中。
  • 215系
全車2階建てで湘南ライナーなどに用いられるが、かつては快速アクティー運用にも就いていた。
2021年春に運用終了しそのまま廃車となった。
  • E217系
国府津車両センター所属。東京~熱海間の限定運用だった。
横須賀線編成とは異なり基本編成が10両編成、付属編成が5両編成になっている。
2015年3月限りで運用を終了し、横須賀線系統に戻った。
  • 251系
特急スーパービュー踊り子用。10両編成中3両が2階建て車両となっている。
塗装は当初淡いブルーとグレーのツートンだったが、後にグリーンの濃淡ツートンとなった。
2020年春に引退。
1991年鉄道友の会ローレル賞授賞。
  • 185系
特急踊り子用。基本編成が10両編成、付属編成が5両編成である。
踊り子の回送を兼ねて朝に1本だけ普通運用に入っていた。
2021年春に定期運用を終了したが、今も時折臨時列車で姿を見せる。
  • E259系
特急成田エクスプレス用だが、かつて「マリンエクスプレス踊り子」として東海道線での運用も存在した。
  • 373系
JR東海所属の車両で、以前は特急東海や快速ムーンライトながらで東京駅まで乗り入れていた車両。
普通列車で1往復のみ運用があったが2012年3月改正で撤退。
  • 14系客車
ブルートレインの寝台車のほか、「踊り子」に座席車とジョイフルトレイン「サロンエクスプレス東京」が使用されていた。
一般形と「サロンエクスプレス」ともにブルーリボン賞を授賞した珍しい形式。

駅一覧

横須賀線系統のみ、京浜東北線のみの駅は当該記事参照。

東京(JT01)
東海道東北上越北陸山形秋田新幹線中央線快速京葉線山手線京浜東北線総武快速線横須賀線東京メトロ丸ノ内線東西線(大手町駅)乗り換え。
御存知赤レンガ駅舎の大ターミナル。
2015年3月14日より、ここから上野駅まで「上野東京ライン」として再び線路が繋がった。
これにより、宇都宮線高崎線常磐線との直通列車の運転が始まった。

新橋(JT02)
山手線・京浜東北線・横須賀線、東京メトロ銀座線都営地下鉄浅草線ゆりかもめ乗り換え。
日本の鉄道発祥地かつ現在はサラリーマンの聖地。

品川(JT03)
東海道新幹線・山手線・京浜東北線・横須賀線、京急本線乗り換え。
手狭になった東京の代わりに新たに東京の顔として機能している駅。
常磐線からの直通列車はここで東京方面へ折り返す他、ダイヤが乱れた時や早朝深夜には品川始終着の列車がある。
因みにこの駅にあった旧国鉄操車場は1954年にゴジラに最初に破壊された場所という名誉ある記録(?)を持つ。
その影響か品川駅の1番ホームにはゴジラを模したプレート(リードイメージ)が埋められている。
将来は中央リニア始発駅および東京メトロ南北線が乗り入れる予定。

●川崎(JT04)
京浜東北線・南武線乗り換え。
神奈川県第二の都市・川崎市の中心駅。
ラゾーナ川崎などの商業地の最寄り駅。
京浜急行の京急川崎駅も比較的近い位置にある。

横浜(JT05)
横須賀線・湘南新宿ライン・京浜東北・根岸線・横浜線、京急本線、相鉄本線東急東横線みなとみらい線横浜市営地下鉄ブルーライン乗り換え。
神奈川県第一の都市で県庁所在地・横浜市の中心駅。
特急は踊り子系統と寝台特急が停車する一方、湘南は通過する*2
駅周辺はそごう、高島屋などの商業施設は多いが、観光地はみなとみらいや関内・石川町方面が中心となる。

●戸塚(JT06)
横須賀線、横浜市営地下鉄ブルーライン乗り換え。
横浜市戸塚区の中心駅。
横須賀線と対面乗り換えができるので便利。熱海方面と品鶴線方面とを直通する列車は当駅で転線する。

●大船(JT07)
横須賀線・根岸線、湘南モノレール乗り換え。
東京の電車特定区間はここまで。以西では運賃が少し高くなる。

●藤沢(JT08)
小田急江ノ島線江ノ島電鉄線(江ノ電)乗り換え。
藤沢市の中心駅で、江ノ島への玄関口ともなる。

●辻堂(JT09)
テラスモール湘南最寄り駅。アクティー停車駅の茅ケ崎よりも利用者が多い。

●茅ケ崎(JT10)
相撲線乗り換え。
サザンオールスターズのリーダー・桑田佳祐の出身地である茅ヶ崎市の代表駅。東海道線ホームの発メロもサザンの曲である。
湘南海岸から近く、サザンビーチという海水浴場もあったりする。
ここに折り返しできるように引き上げ線を作る計画がある。

●平塚(JT11)
平塚市唯一の駅*3
他線との接続は無いが、アクティーが先行する普通と接続する。大規模な留置線があり、一部の列車はここで折り返す。
また、一部の普通列車はここで後ろ5両を切り離す。

●大磯(JT12)
大磯町唯一の駅。水泳大会の聖地こと大磯ロングビーチ最寄り駅。

●二宮(JT13)
二宮町唯一の駅。
アイドルマスターの天海春香ファンの聖地。
1937年まで(旅客営業は1933年まで)存在し、小田急秦野駅から葉タバコを輸送する列車「湘南軌道」の終点でもあった。

●国府津(JT14)
御殿場線乗り換え。
国府津車両センターがあるため、当駅始終着の列車が存在する。
御殿場線はJR東海管轄のためか、当駅が御殿場線最後のTOICA非対応駅だった。現在でも当駅を跨いだSuica等のICカードを利用した乗車はできないので注意。
かつては当駅から御殿場・山北方面に向かう列車も設定されていた。

●鴨宮(JT15)
新幹線発祥の地記念碑が近くにある。これは東海道新幹線の試験線の鴨宮基地があったことに由来する。

●小田原(JT16)
東海道新幹線、小田急小田原線、箱根登山鉄道線、伊豆箱根鉄道大雄山線乗り換え。
また東海道貨物線との複々線区間はここまで。
神奈川県西湘地域の中心都市である小田原市の代表駅。
観光名所として小田原城がある他、箱根観光の拠点都市としても機能している。

●早川(JT17)
利用者がグッと減り、1日1000人台の乗車人員になる。
小田原漁港最寄り駅。
自動改札機が設置されておらず、有人改札となる。

●根府川(JT18)
支線を除けば東海道本線全線で唯一の無人駅。関東の駅百選認定。
この区間では一番利用者が少ない。
新幹線の有名な撮影スポットの最寄り駅。

●真鶴(JT19)
真鶴町唯一の駅。

●湯河原(JT20)
神奈川県最南端の駅。
湯河原町唯一の駅で文字通り湯河原温泉の最寄駅でもある。

●熱海(JT21)
東海道新幹線・東海道線(三島・沼津・静岡方面)・伊東線乗り換え。
温泉のある静岡県東部の観光地である熱海市の代表駅。

一部の列車は東海区間の沼津まで直通する他、伊東線直通も設定されている。


列車

特急列車

サフィール踊り子踊り子

東京と観光地として名高い静岡県伊豆半島方面を結ぶ特急列車。使用車両は踊り子がE257系、サフィール踊り子がE261系。
かつて同ルートを運行していた特急「あまぎ」と急行「伊豆」の両列車を統合する形で1980年に運行が開始された。
基本は東京~伊豆急下田(伊豆急行線直通)間だが、一部新宿・池袋発着列車がある他、踊り子には伊豆箱根鉄道駿豆線に直通して修善寺まで向かう列車が設定されている。
かつては251系の「スーパービュー踊り子」や伊豆急リゾート21を用いた「リゾート踊り子」、客車列車の「サロンエクスプレス踊り子」が運行されていた。

湘南

2021年3月運行開始。
座席定員制快速「ホームライナー」の一つであった湘南ライナーの後継列車で、朝夜の時間帯に運転する通勤客向け特急。一部は新宿発着。
ルートは一部区間貨物線経由で、基本はライナーと同じ。

サンライズ瀬戸・出雲

それぞれ東京~高松・出雲市間の運転。
現在は日本唯一の定期寝台列車。

普通列車

※常磐線直通列車は当該記事参照
快速アーバン
普通

上野東京ライン開業により、高崎線直通の快速アーバン、宇都宮線直通の快速ラビットも運行を開始した。アーバン・ラビット共に東海道線内は各駅に止まる。
普通は東京~熱海間の運転の他に品川、大船、平塚、国府津、小田原、沼津、伊東行きの列車がある。
2021年3月までは通勤快速が東京~小田原間で、2023年3月までは快速アクティーが東京~熱海間でそれぞれ運行されていた。

湘南新宿ライン(小田原まで)
特別快速
快速(東海道線内快速…高崎線直通)

湘南新宿ラインは品鶴線経由となるため、戸塚駅以北は横須賀線の線路を走る。 

停車駅

本項では便宜上、JR東海管内の沼津まで記載する。

●…停車
|…通過
▲…一部列車が停車

駅番号 駅名








備考
JT01 東京 湘南新宿ライン
直通
JT02 新橋
JT03 品川
JT04 川崎
JT05 横浜 湘南新宿ラインは横須賀線ホーム発着
JT06 戸塚 湘南新宿ラインは横須賀線ホーム発着
JT07 大船
JT08 藤沢
JT09 辻堂
JT10 茅ケ崎
JT11 平塚
JT12 大磯
JT13 二宮
JT14 国府津
JT15 鴨宮
JT16 小田原
JT17 早川
JT18 根府川
JT19 真鶴
JT20 湯河原
JT21
CA00
熱海 特急踊り子・一部普通列車は伊東線直通
CA01 函南
CA02 三島 特急踊り子は伊豆箱根鉄道線直通
CA03 沼津 特急はサンライズ出雲・瀬戸のみ発着

※:特急の一部は東海道貨物線経由となるため、川崎駅と横浜駅を経由しない。



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最終更新:2024年01月30日 20:34
添付ファイル

*1 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/233tokaido.jpg 日時:2016/01/18

*2 前身たる湘南ライナーが東京都心と湘南地域間の通勤客を対象とした列車であったため。過去には通勤快速も通過していた。

*3 市外で最も近いのは秦野市にある小田急小田原線東海大学前駅で、駅名の由来たる東海大学湘南キャンパスは平塚市にある。