サザンドラ

登録日:2010/09/29 Wed 06:34:16
更新日:2024/03/15 Fri 21:22:09
所要時間:約 14 分で読めます




6枚の羽で空を飛び続け、動くものを敵と思いこみ襲う凶暴なポケモン。




出典:ポケットモンスター ベストウイッシュ シーズン2、第23話『サトシ対コテツ!秘密兵器サザンドラ!!』、
12年6月21日~14年3月27日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon




◆データ


全国図鑑No.635
分類:きょうぼうポケモン
英語名:Hydreigon
高さ:1.8m
重さ:160.0kg
タマゴグループ:ドラゴン
性別比率:♂50:♀50

タイプ:あくドラゴン
特性:ふゆう(じめんタイプの技と「まきびし」「どくびし」「ねばねばネット」「特性:ありじごく」「各種フィールド」が無効)

HP:92
攻撃:105
防御:90
特攻:125
特防:90
素早さ:98
合計:600

努力値:特攻+3

4倍:フェアリー
2倍:こおりかくとうむし/ドラゴン
1/2:くさほのおみずでんきゴースト/あく
無効:じめん(特性の効果)/エスパー

モノズからLv.50でジヘッド。ジヘッドからLv.64でようやく進化


◆概要


モノズの最終進化形。
キングギドラのように頭が三つあるドラゴンのような姿をしたポケモン。
それに伴い前足の部分は無くなり、代わりに中央の首をメインに残りの2つの首を腕のように扱っている。
ちなみに両腕の頭に脳みそはないが、頭と同じ行動を同時にとる。

分類どおり非常に凶暴な性格をしており、6枚の羽根で空を飛びまわり、視界に入った動くものをすべて外敵か獲物と判断して襲い、3つの頭ですべてを食らいつくし、破壊してしまう恐ろしいポケモン。こう見えて知能は高いが、結局考えているのは破壊のことばかりだという。
その生態ゆえにサザンドラに襲われ、滅びた村も多いという。しかし、元々はもう少し落ちついたポケモンだったが人間たちから「邪悪そのもの」と忌み嫌い攻撃され続けて種族全体の気性が荒れ凶暴になったとも言われている。

また、全ポケモンの中で進化が一番遅い(Lv.1から経験値327,680、Lv.50から171,430)。
ちなみに、サザンドラの次に進化が遅いのはドラパルト(Lv.60、Lv.1から270,000)、その次がウルガモス(Lv.59、Lv.1から256,723)。
どれくらい遅いかと言うとLv1から育てるのであればガブリアスやボーマンダを2匹作れるくらいである。
ちなみに進化レベルがもう1高かったらメタグロスやジャラランガを3匹作れる
けいけんアメによる恩恵をかなり受けたポケモンと言えるだろう。


モチーフは恐らく三つ首の邪悪なドラゴンである事からゾロアスター教に伝わるアジ・ダハーカと思われる。

元々、開発段階では戦車をモチーフとしたポケモンを予定されていたらしいが、紆余曲折を経て現在の三つ首の竜のデザインに収まったというエピソードがある。
お腹にあたる部分の模様はその名残で戦車のキャタピラ(もしくはその通った跡)を象ったものになっている。


◆ゲームでのサザンドラ


進化前のモノズはチャンピオンロードの内部で出会え、根気良く育てればサザンドラに進化する。
しかし、上記の通り進化するには相当な量の経験値が必要な上、特性も不安定な『はりきり』のため、クリア後に育成するのが望ましい。
ブラック2・ホワイト2』ではジヘッドがLv.50前後で出現するようになった。
ただ、どちらにしろ根気良く育てなければならないことには変わりはない。流石に第一進化までろくな技を覚えられないドラメシヤよりは育てやすいが

X・Y』ではチャンピオンロードの外部のエリアで低確率でサザンドラが野生として登場する。
初見で驚いた人も多いだろう。
ついでにジヘッドも洞窟の中で出現する。

OR・AS』ではグラードンorカイオーガのイベントクリア後にりゅうせいのたきで図鑑サーチを使うと、進化前のモノズが出現する。

サン・ムーン』では島スキャンを使うことでモノズがテンカラットヒルで入手可能。
運が良ければかなり序盤でも手に入るので旅パにも組み込むのも手。ただし進化レベルが高すぎてサザンドラになるのは早くても殿堂入り直前。
US・UM』では不在。実はサザンドラ系統が野生で登場しないのはここが初めてだったり。

ソード・シールド』ではソード版のみに登場。
ワイルドエリアの「げきりんのみずうみ」に野生のモノズとジヘッドが出現するほか、マックスレイドバトルにはサザンドラも含めて全種登場する。
マックスレイドバトルでのモノズは運が良ければ中盤で仲間になるのでギリギリ旅パに間に合う他、レイドの仕様上個体値が高め。あと低レベルでサザンドラが手に入ったなら下記のチート仕様サザンドラを再現可能
野生登場する場所は入れるのが遅いが、そのぶんレベルが高いので手っ取り早く進化させるならこちら。

また、冠の雪原で追加されたカンムリ雪原ではうみなりのどうくつに固定シンボルとしてサザンドラが登場する。

『スカーレット・バイオレット』ではスカーレット版のみの登場(一定期間のみだが、ミュウツー対策のウォーミングアップレイドのボスとしてバイオレット版にも登場している)。ベイク空洞または北3番エリアの洞窟内に出現する。
オープンワールドなので早い段階から来ることもできるが、周辺のポケモンのレベルが40と高い上に高レベルのポケモンはバッジを一定数持っていないと野生で捕獲しても言うことを聞かないのでバッジを4〜5個集めてから来るのがおすすめ。
また、ある意味リージョンフォームとも言える未来のすがたが新ポケモンとして登場した。こちらはエンディング後にバイオレット版でのみ登場する。


トレーナーでは、あのゲーチスの切り札を務めるほか、BW2ではチャンピオンアイリスPWTワタルの手持ちに入っている。
詳細は後述。


ジヘッドの頃は特性も含めて物理寄りの能力だが、サザンドラに進化すると一転して特殊アタッカーになる。
また、進化すると翼が生え、ひこうタイプの代わりに特性『ふゆう』を獲得し、飛行タイプの技も使えるようになる。
大器晩成型、かつ最終形態で翼が生えるドラゴンと言う点ではカイリューボーマンダとどこか似ている。


なお、凶悪な見た目に反してポケパルレでは非常に可愛い姿を見せる。
撫でたりポフレを与えたりすると三つ首をくねらせ、体いっぱいに喜びを表現する。
その姿は「きょうぼうポケモン」が嘘かと思うほどで、萌えポケと言っていいレベルである。
ポケモンキャンプでもその愛らしい姿は健在。好きな人は連れて歩いて遊んであげよう。


色違い緑色で、デザインとエフェクトの両面でダークボールがよく似合う。


◆対戦でのサザンドラ


カイリュー、ボーマンダ、ガブリアスと同じく非常に高い能力を持った「600族」のドラゴンタイプ。
これまでの600族と言えば全て攻撃の方が高い傾向にあったが、サザンドラは特攻が最も高く設定されており、
その種族値は125と、伝説を除いたドラゴンタイプで第3位の値である。 特殊向きのドラゴン自体もラティオス以来。
125の特攻から繰り出される「りゅうせいぐん」は並のポケモンでは耐えられない。

同タイプにより耐久力の高いアクジキングがいるが、素早さや火力・特性で容易に差別化可能。
アタッカーとしての適性はサザンドラの方が高いとされる。

優秀な妨害技が多いあくタイプ、攻撃技が豊富なドラゴンタイプに加え、
実質的なひこうタイプの役目を果たす特性『ふゆう』まであるため、様々な型の育成が可能だが、基本的には高い特攻を活かした特殊アタッカーになる。
タイプ一致の「りゅうせいぐん」「あくのはどう」を始め、「だいもんじ」「きあいだま」「だいちのちから」「ハイドロポンプ」「ラスターカノン」等サブウェポンも充実。
音技の「ハイパーボイス」「バークアウト」にニッチなところでは「でんげきは」「トライアタック」「ゲップ」なんてものも。

攻撃の方も低くないため、二刀型も可能。
物理技のレパートリーはドラゴン定番の「げきりん」「じしん」にイメージとぴったりな一致技の「かみくだく」をメインに、
サブに「とんぼがえり」「ばかぢから」「アクロバット」「もろはのずつき」「ストーンエッジ」「しねんのずつき」「アクアテール」と粒揃い。三色キバも一通り覚える。
攻撃技のみならず補助技も豊富で「でんじは」「おいかぜ」「はねやすめ」「ちょうはつ」「わるだくみ」「リフレクター」「りゅうのまい」「ステルスロック」と強力なものが揃う。
世代を下るごとに出来ることが増えてきており、技のデパートと言っても過言ではない。


BWでは「あくのはどう」は第4世代の技マシンでドラゴングループの♂(ギャラドスハブネークなど)に覚えさせて遺伝させるしかなかったが、
BW2では技教えでOKになり、XY以降は技マシンも復活した。
これによって「だいちのちから」との両立も可能になっている。

高い特攻を活かした「りゅうせいぐん」は魅力的だが、一度撃つと特攻が2段階下がる上に無効にする相手もいるため、連発可能な「りゅうのはどう」を採用(もしくは併用)する事も考えられる。
高い特攻に通りの良いあくタイプの技を持っているのて眼鏡や命の珠持ちだと「あくのはどう」を撃ってるだけで負担を掛けることもできる。スカーフ持ちなら追加効果のひるみも刺さりやすい。
これに特殊技だけでも充実したサブウェポンもあるので受けられにくく、初登場時の第5世代では耐熱ドータクン以外のすべてに威力200以上で刺さる技構成が可能だった。
ラティオスははがねタイプで止まってしまうのでここは明確な差別化点。

物理技も役割破壊という観点からは優秀。「ばかぢから」で難敵であるラッキーやハピナスバンギラスに強く出れる。
特にバンギラスに対しては『いのちのたま』を持たせて使うことで、
性格が「ひかえめ」や「おくびょう」など攻撃に下降補正がかかっていても、
持ち物が『ヨプのみ』でなかったり防御に努力値が振られていなければ高い確率で一撃で倒すことが可能になる。
ウルガモスピンポイントだが「ストーンエッジ」を持たせているものもいる。
また「とんぼがえり」は不利な相手から逃げたりと何かと便利。上を取りやすいスカーフ型なら活用しやすい。

特殊型ポケモンに強く高速再生技を覚えるので「どくどく」や「みがわり」と併用した耐久型にすることもできる。
「ちょうはつ」を利用した嫌がらせもこなせる。特性で地面技が通らないのでカバルドンなどは完封できる他、地面タイプを呼びにくいので「でんじは」も通りやすい。
ちょっと勿体無い気もするが「おいかぜ」と「とんぼがえり」を覚えるので追い風始動要員にも。


変わったところで行けば、「きあいだめ」を覚えるので、『ピントレンズ』を持たせてこれを使うと、全ての攻撃が急所に当たるようになり、
実質攻撃と特攻を1段階上げて火力の下がらない「りゅうせいぐん」や「ばかぢから」を乱発できるようになる。

あくタイプの中でも珍しく耐久面が高いポケモンであり、タイプ耐性の数は特性『ふゆう』込みで8つにもなる。
ただ、第5世代では4倍弱点は無かったが、
XYから初めて登場するタイプ「フェアリータイプ」からは4倍のダメージを受けてしまう(あく・ドラゴン両方の弱点のため)。
「ラスターカノン」で対策も可能だが、みずやはがね複合の存在を意識するなら「だいちのちから」等を優先するのも手。
仕様上「めざめるパワー」ではフェアリータイプは出せないが、サブウェポンとして「マジカルシャイン」を持つポケモンも多い。

ただ、フェアリータイプはサザンドラの弱点であるかくとう・むし・ドラゴンを半減以下に抑えられるため、
天敵ではあるが相性補完としては優秀な相棒である。
その他、はがね/ゴースト複合のギルガルド、みず/どく複合のドククラゲドヒドイデとの相性補完に優れる。

その耐性によって主にロトムシャンデラナットレイメタグロスゲンガーなどのメジャーポケモン達に後出ししやすいので、
パーティがこれらのポケモンに弱いと感じたらとりあえずサザンドラを入れておくと安定度が増す。
もちろん100%安心して後出しできるわけではないので過信は禁物。

あくタイプの特殊アタッカーということで「ミラーコート」が無効である点も大きく、多くのポケモンの天敵であるソーナンスに非常に強い。


ただ素早さの種族値が「98」という微妙な種族値で、低くはないものの激戦区である素早さ100族を抜けず、上から倒されてしまう事もしばしばある。

強力なポケモンであることは間違いないが、パーティが600族だらけになるようなガチ対戦ではガブリアスなどの速い同タイプの使用率が高いため、
不利なサザンドラは出ていきにくい状況になりやすい。

そのため素早さを潔く諦め、耐久調整をすると共に『こだわりメガネ』で火力を追求する場合もある。
最速必須と言われるラティオスと違って気軽に特攻補正がかけられることから火力はサザンドラ>ラティオスになれる事も多い。
ただしオノノクスと比較すると素早さは1の差で勝っていて、その下にも大量に90族や95族がいる。
また「あくのはどう」の追加効果の範囲も広くなるので、素早さ種族値が98といえども下手に素早さを削るより最速にしておいた方がいい場合も多々ある。

最速にするか準速止めかスカーフ前提で調整するかはそれこそ使い手や環境によって大幅に異なるため、好みに応じて調整すると望ましい。

同じドラゴンポケモン同士で比較すると扱いづらさを感じるかもしれないが「弱い相手にはとことん弱いが、強い相手には滅法強い」
「優秀な耐性と耐久力を生かし、有利な相手に後出しして後続に負担をかける」「上を取れる相手は全力でぶん殴る」という、
クセの強い能力値や技、状況に応じてハイリスク・ハイリターンな読みを要求される等、
扱うにはそれなりのプレイヤースキルを求められるあくタイプのポケモンの中では非常にシンプル、かつ分かりやすい役割を与えられるため、随一の扱いやすさを誇る。

相性の良い持ち物は圧倒的な特殊火力に仕立てる『こだわりメガネ』、メガネより火力は下がるが打ち分けできる『いのちのたま』、
技範囲が広いため有効に使いやすい『たつじんのおび』、使い切りだがメガネ以上の破壊力を出せる『Zクリスタル』、
半端な素早さを補う『こだわりスカーフ』、より特殊に強く出れる『とつげきチョッキ』等々。

上述の通り物理技も豊富だが、こちらは特殊と違ってさほど火力は高くないため、『こだわりハチマキ』や「りゅうのまい」による火力の補強が重要。
なお、物理技の火力自体は下記の進化前ジヘッドの方が特性『はりきり』を持っている分大きく上回るが、こちらは素早さや命中率、覚える技の豊富さで勝る。

余談だが
  • こおり4倍でなくかつ耐久力もそこそこ高いので不意のめざパ氷どころか不一致であれば「れいとうビーム」を食らっても致命打にはなりにくい
  • 悪半減なためラティ兄妹と違って不意討ちで出落ちしない
  • 前述の通りミラコが効かない

等、他のドラゴンと比べてマイナーポケモンがメジャーポケに対して行う奇襲に強い耐性を持っている。
それ故に『得意技は弱い者イジメ』という汚名を着せられていた時期もあった。

シングルでは半端な素早さが祟って準メジャー級程度のサザンドラであるが、ダブルバトルではメジャーなクレセリアやシャンデラを「あくのはどう」で叩ける事、
相方の「でんじは」や「トリックルーム」「おいかぜ」で素早さも容易にカバーでき、
更には自身も追い風始動要員になれたりするので型の読みにくさが増し、更に特殊ドラゴンそのものが貴重なこともあり人気で、一時期はドラゴントップメタだったことも。
BW2イッシュルールの大会であるビギニングカップでは最メジャーのメタグロスを抜いて使用率1位に輝いた。
今日ではラティオスの復権により少々数を減らしたが変わらず高い使用率を保っている。


第6世代ではメインの特殊技の弱体化と前述のとおり、XYでは新登場のフェアリータイプには、
4倍弱点を突かれることになり(特にマリルリはサザンドラのほとんどの攻撃が通らない天敵)、大幅に弱体化。
XY発売初期の頃は『オワコン』の烙印を押される事もしばしばあった。

しかし、XYの対戦環境がある程度煮詰まってくると…

  • 前述の通り天敵のフェアリータイプとの相性補完に優れる
  • さらにフェアリー以上にお互いの相性補完抜群の相方、 ギルガルド の登場。サザンガルドというメジャー構築として有名に。
    どれだけ相性がよいのかというと、サザンドラの『ふゆう』込みによるタイプ相性で両方に等倍で通るタイプがないのである。
    と言っても特性まで入れればこの限りではなく、特性『きもったま』のゴロンダメガミミロップの一致技が両方に抜群で、
    かたやぶり』持ちのじめん技もサザンドラに等倍かつギルガルドに抜群となり、これらのポケモンをサザンガルド構築で相手にするのは難しい。
    しかし、逆に言えばこれらのポケモン以外には有利ということなのであまり問題はない。
  • ファイアローとフェアリータイプの登場で苦手だったかくとうタイプとむしタイプ(特にウルガモス)の使用率が下がり天敵の数自体は減った。
  • あく技がはがねタイプに等倍になり、あく技の一貫性が強化され「あくのはどう」の使い勝手が格段に良くなる。
  • 同じくはがね半減が無くなったゴースト技の一貫性も増し、それらあく・ゴーストの一貫性を消すためにあくタイプの需要が増加。
    中でもサザンドラは癖が強いあくタイプの中では安定した耐久、素早さを持ち癖が無いので採用しやすい。
  • 特殊ドラゴンとして目の上のタンコブであったラティが様々な逆風により対戦環境から大幅に数を減らした。
  • メガシンカで『かげふみ』を手に入れ、トップメタになっていたゲンガーをスカーフを持てば上から狩れる。セットで採用されやすいソーナンスにも強い。

等々の要因により再評価どころのレベルじゃないぐらい評価爆上げ、むしろBW時代より暴れ回る結果となった。

ただし前述のようにマリルリを筆頭とした天敵が多いのも事実であり、優秀な相方との連携は重要である。
前述した通りフェアリータイプも相方として優秀。特にマリルリは天敵でありながら良き相棒でもあるという変わった立ち位置にいる。他にはどくタイプのポケモンとも相性がいい。
やっぱりその辺はあくタイプらしいと言えるだろう。





しかしその隆盛も長くは続かないものである。
第七世代の情勢としては以下の通り。


要するに、サザンドラは肩身が非常に狭くなってしまった。
…と言うよりフェアリー大増殖によりあくタイプにもドラゴンタイプにも大幅な逆風が吹いている状態。
トップメタにいるあくタイプドラゴンタイプが上記のタイプを全く活かそうとしない時点でお察しください。

一方で強化点もあり、あくタイプに『いたずらごころ』の効果を受けた補助技が効かなくなった。
特にスカーフを持たせる事が多いサザンドラにとって、(弱体化しているとはいえ)受けたくない状態異常に多少ながら耐性ができたのは嬉しい。
当のボルトロスが霊獣化して大増殖している事は内緒だ!
アクZにより不足気味の火力も補えるようにはなったが、前述の通り殴れないと死ぬ為ダブル以外での需要はイマイチ。
ちなみに大体一貫性の高い「ブラックホールイクリプス」で済んでしまう為か、アクZの他には下記のドクZくらいしかクリスタルは持たない傾向にある。

USUMではアーボ・ハブネーク経由でタマゴ技でどく技の「ゲップ」を習得。
きのみを消費しないと使えないが、これをZワザにする事で木の実消費条件を無視した上、こちらが控えめならばH252カプ・レヒレを確一にする威力(臆病だと乱数)。
対フェアリー用の技を手に入れ、かつての受けにくさが一応戻ってきた事になるが、Z化させるかきのみ消費を前提としているため人気はイマイチ。
高速化が進み100族ですら最速にする事が少なくなってきた現状ではそこにも微妙に届かない98という素早さが痛い……


また、新UBとして追加されたアーゴヨンの存在が痛い。
あちらは最速が多いため特攻実数値ではまだ上回ることが多いものの、特攻種族値は微妙に下回り、何より素早さで大幅に差が付けられ、更にあちらはどく技を特に何の苦労もなく一致で放てる。
耐性・サブウェポンを活かせば差別化は効くものの、上位陣に苦手な奴が揃い過ぎている……
そもそも『かたやぶり』持ちがメガ含め2匹居座っている時点でじめん耐性も疑わしい

とにかく攻撃の糸目を作らなければ、何もせずにやられてしまう事は少なくない。
そう言う意味では、やっぱりサザンドラはあくタイプである。

とは言え、サイクル構築で重宝される耐性は健在なためサイクル戦では相変わらず強く、
ドヒドイデやミミッキュといった優秀な相性補完のポケモンも増えている。


第8世代では目の上のたんこぶだった高速フェアリーやらガブリアスやボーマンダが『冠の雪原』での再登場まで姿を消し、
一方で相方にしやすいギルガルドやミミッキュは続投するとかなり追い風が吹いていた。
更に「ハイドロポンプ」「わるだくみ」「りゅうのまい」を覚えられるようになり、特殊方面はもちろん、
「りゅうのまい」の追加により持ち余していた物理方面でも考察の余地が出来たのは大きな強化といえよう。
しれっと「あくのはどう」と「だいちのちから」が遺伝技から消えているため、覚えさせるには必ずわざレコードを使うことになる。

今世代から導入されたダイマックスはこだわりアイテムの効果を無効化するため、スカーフで素早さ増強、
メガネで火力強化などこだわりアイテムを持たせる機会の多いサザンドラはダイマックスと通常時の併用で戦略を変えたりできる。
あくタイプの技が元となるダイマックス技「ダイアーク」の追加効果である特防ダウンを特に有効活用できるあくタイプであるという点も小さくない利点となる。

素早さの補強手段としては「りゅうのまい」に加えて「ダイジェット」も取得。
とはいえ特殊ひこう技は持っていないので両刀寄りか物理型にする必要があり現状は変態型としての立ち位置に留まっているのが現状である。
自身への恩恵は微妙な「ダイジェット」だが、苦手なかくとうタイプやむしタイプのポケモンがこれのおかげで減ったのは地味なプラスポイントだったりする。代わりに「おいかぜ」は没収された。

一方で「はねやすめ」がわざマシンからもわざレコードからも消えたため、即効性のある再生手段は没収されてしまっている。
「みがわり」と『たべのこし』を併用した受けループ破壊特化の擬似耐久型こそ存在するが、過去作のような純粋な耐久型構成は不可能となってしまった。
その他にも全ドラゴン中最速の素早さを引っさげた新600族のドラパルトや、
一致技が1/4未満にされるオーロンゲなどの新たな要注意ポケモンも登場しており、完全に我が世の春とはいかないようだ。

このように剣盾環境初期までは活躍できていたサザンドラだったが、DLCによって新たなポケモンの追加や未解禁ポケモンの復帰により段々とその強さに陰りが見え始めた。
特にDLC第2段の『冠の雪原』では7世代での天敵だったポケモンがほぼ全員再登場したため、サザンドラ特有の弱点が致命的になってしまった。
汎用性の高い特殊アタッカーのドラゴンポケモンというポジションは結局ドラパルトやアーゴヨンにほぼ奪われ、
あくタイプの特殊アタッカーのライバルとしてガラルファイヤーも登場したこともあり7世代時点より更に採用率が減少するという憂き目に合う。
その後禁止伝説解禁環境になると今度は黒馬乗バドレックスに刺さりやすいという点を買われ再び採用が増加している。
ザシアンが解禁されたことでフェアリータイプがザシアン以外軒並み減ったのも大きい。
といってもガラルファイヤーがライバルにいることに変わりはなく、大幅に増えたというほどでもない様子。
このため差別化目的からか禁伝環境後半ではダブルバトルでは時折見られた補助型サザンドラがシングルバトルでも見られるようになった。


第9世代では「おいかぜ」を再取得した他、まさかの「ステルスロック」を獲得。
新要素のテラスタルとの相性が発売前から注目されており、天敵のフェアリータイプをどくタイプまたははがねタイプのテラスタルで返り討ち、弱点のじめんタイプは「ふゆう」で無効となるなどよく噛み合う。はがねテラスタルの場合は純粋に耐性が増え、どくテラスタルの場合実質弱点はエスパーのみで、そのエスパータイプには元からのあく技で弱点を付ける。
また、でんきテラスタルなら弱点を無くせるほか、フェアリータイプを半減しつつ弱点のじめんタイプを無効にでき、よくサブウェポンで採用される「だいもんじ」の火力を上げられるほのおテラスタルとも相性が良い。
但し、これらのテラスタルの場合、オノノクス、デカヌチャンなどの「かたやぶり」持ちポケモンの地面技には要注意。当のかたやぶり地震の第一人者は今作ではリストラされたが、それでも不意の「かたやぶり」には注意しよう。
広いわざ範囲で相手のテラスタルへの対応もしやすい。こだわりスカーフを持たない限り、基本的に上から殴られるため分が悪かったガブリアスやボーマンダなどの同じ600族ドラゴンとアイテムの縛り無しで互角に渡り合えるようになったのは特筆すべき点と言えよう。
なお、PVではくさタイプへのテラスタルをしていたが、こちらはサザンドラとの相性は良くない。
一方で「ばかぢから」を失い本格的にバンギラスの相手が厳しくなってしまった。
ついでにBWで技マシン「チャージビーム」を覚えていたが、本作では技マシンであるのにテツノコウベに遠慮したのか覚えなくなった。

だが、第9世代のシーズン1のサザンドラは押しも押されもせぬトップメタの位置にあった
と、言うのも準伝説・パラドックスポケモンが不在の為か環境の素早さ基準がかなり下がっており*1
サザンドラの98と言う素早さでも十分上を取りやすくなっているのである。
元々「弱い者いじめに特化した性能」と言われるだけあって、上を取れる環境と言うのはそれだけで大きい。
更に先述の通りバンギラスが天敵レベルの相手になってしまったが当のバンギラスが大凋落してしまっている
要するにろくに止められる奴がいなくなっているのである。
そして第9世代でギルガルドの代わりに得た新たな相方環境首位。まさに黄金時代の到来である。
四倍弱点のフェアリータイプが、はがね跋扈環境で数を減らしているのも大きい。

シーズン3ではハバタクカミ・テツノブジン・テツノツツミといった高速アタッカーのフェアリーと氷タイプが出現したことで使用率を落としてしまったが、急速に台頭してきたセグレイブ+ヘイラッシャの並びに強く出られる点や貴重なあくタイプ特殊アタッカーと言う点はなかなか替えが効かない事もあり極端な低下はしていない。
なお、一時は同タイプのトドロクツキの登場から更に採用率が下がるのでは?とされていたが、あちらは物理アタッカーである事に加え非常に癖が強く人を選ぶ性能だった事もあり相互互換と言う形に落ち着いている。
現在ではあく特殊アタッカーでライバル枠の四災イーユイ、前作同様に高い使用率のかくとうタイプのウーラオスを筆頭に苦手な奴らが増加したことで使用率こそ落ちてしまったが、サザンドラは◯◯の劣化とかではない独自の強みがあることもあり使われている。

総じて、一度勢い付けば止められる相手は少ない一方、考えもなしに突っ込むと一方的に倒されかねないため、扱いは難しい。
相手とタイミングを選ぶことで強さを発揮するという意味では、やはりあくタイプらしいポケモンと言えるかもしれない。
得意苦手がはっきりしているというだけで弱いわけではなく、上述の通り環境が変わるたびに評価が乱高下する傾向にあるポケモンなため、
サザンドラが対戦相手として出てきたときも決して油断しないようにしよう。


なお、テラスタルと相性がいい反面、テラレイドバトルで出てくると鬼畜になりうる。
サザンドラの豊富なサブウェポンこそわざマシン頼りなのでコノヨザルよりはマシだが、上述のでんきテラスタルのサザンドラは弱点がない。この為大半のレイドで通用する弱点を付いてワンパンという戦法が通用せず、もたもたしている間にバリアを貼られたり味方を倒されて時間を消費させられたりする。
吸収技持ちで辛抱強く殴り合いをすれば勝てたという報告が多いためテツノカイナで挑むのがオススメ。失敗しても何度か繰り返せば勝てるだろう。


◆進化前 ジヘッド


縄張りのエサを食べつくすとほかの土地へ移動する。2つの頭は仲が悪い。

全国図鑑No.634
分類:らんぼうポケモン
英語名:Zweilous
高さ:1.4m
重さ:50.0kg

特性:はりきり(攻撃が1.5倍になるが、物理技の命中率が0.8倍になる)

  • 種族値
HP:72
攻撃:85
防御:70
特攻:65
特防:70
素早さ:58
合計:420

努力値:攻撃+2

4倍:フェアリー
2倍:こおり/かくとう/むし/ドラゴン
1/2:くさ/ほのお/みず/でんき/ゴースト/あく
無効:エスパー


サザンドラの進化前で双頭の竜。
モノズにも言えることだが、目元が隠れた表情は一見大人しそうに見えて、実は非常に獰猛。
この一族は最初からこんな性格なのだ。さすが悪のドラゴン。

サザンドラと違い、それぞれの頭に独立した自我がある。
互いに仲が悪く、常に主導権を争っており、競うように餌を食べるため、つい食べ過ぎてしまう。
この頭同士の争いによってジヘッドの体は鍛えられ、他のポケモンと戦わなくても強くなれるという。
とくに、両方の頭を等しく可愛がらなかった時には嫉妬で激しく喧嘩をしてしまうらしい。意外にも人懐っこいところもあるのだろうか。


進化前と異なり特性『はりきり』で、物理技が命中不安となる代わりに物理攻撃力は種族値にして153相当になり、サザンドラとは違った活躍が見込める。
タイプ一致技は「かみくだく」と「げきりん」か「ドラゴンクロー」。「ドラゴンダイブ」も使えるが命中率が60になってしまうので何らかの補助は必須。
サブウェポンの選択肢としては上述のもの以外では三色牙も使用可能。

攻撃技・変化技共にサザンドラの覚える技の内、ジヘッドには使えないものがかなり多い点に注意。
特に「じしん」「じならし」「だいもんじ」等が使えない関係上、はがねタイプへの打点は等倍の「かみくだく」と「ほのおのキバ」頼りとなる。
「おいかぜ」「はねやすめ」「リフレクター」等の変化技も失うため、役割は完全なアタッカーに限定されるだろう。

ハチマキ型なら「もろはのずつき」でHP振りマリルリを50%で落とすほどの火力。
(ただし、命中率は64まで落ちるので非常に不安定)
スカーフ型ならラティら最速110族まで抜ける。
輝石型だと物理耐久に特化すればガブリアスの「げきりん」も乱数次第で耐える。
と、進化前でありながら持ち物によって様々な運用が可能。

他のポケモンの「おいかぜ」や「トリックルーム」でサポートするのも手。
前者は130族程度なら努力値108振りで抜き去り、最速ならスカーフ持ち95族まで抜ける。

バシャーモアイアントの「つめとぎ」+「バトンタッチ」で長所の火力を伸ばしつつ、弱点である命中率を補うことも可能。
また前者は『かそく』による素早さ上昇値も引き継ぎ可能、後者は誘うほのお技をジヘッドが半減で受けられるという長所もある。

必中効果を得られるZワザやダイマックスとの相性はサザンドラ以上に良いが、ハチマキで超火力にしようとしてもその分の補正は受けられなくなる。
またサザンドラが「りゅうのまい」を習得したのに対し、何故かこちらには与えられなかったのも痛い。


◆ゲーチスのサザンドラ


前述の通り、切り札として登場。
シリーズ恒例の要進化レベルよりも低いチート仕様のレベル54
使う技も【りゅうのはどう/だいもんじ/なみのり/きあいだま】と完全なフルアタ構成。
範囲・威力・対メタの面で非常に優れており、こいつ一匹のためにパーティが壊滅したと言う報告が後を絶たない。
ゼクロムレシラムを出しても、種族値からしてサザンドラの方が素早い上、ストーリーの都合上ゼクロム・レシラムは育成する暇が殆ど無いため、先手を取る事は不可能と思っていい。
その恐ろしさにゲーチスにひれ伏した人は多いはず。
対策には『がんじょう』持ちのダゲキや耐久の高いズルズキン、サザンドラより速いペンドラーコジョンドで弱点を突くのが手っ取り早い。
地味にあく技がないのでりゅうのはどう以外を半減以下に抑え込めるブルンゲルでこおり技を撃つのもあり。
あまりに強すぎたため、ゲーチスのサザンドラは6Vに努力値を振っている構成だという情報まで流れていたが、
実際のゲーチスのサザンドラは6Vではあるが努力値なしの個体(他の強CPUと同じ仕様)である。


BW2でも引き続き切り札としてサザンドラを使ってくる。
レベル52で技構成は、【かみくだく/ドラゴンダイブ/いわなだれ/やつあたり】と、物理仕様になっており、なんと『いのちのたま』を持っている。
物理構成とはいえサザンドラは攻撃種族値もそこそこ高く、珠持ちの火力も馬鹿にはできないが、
前作と違ってはがねタイプで止まってしまう*2構成のため、前作ほどの強さはない。

ちなみにこのBW2でのサザンドラ、なんとORASになって同仕様の個体が配布された
貴重なプレシャスボール入りサザンドラがこれでいいのか………

ゲーチスのサザンドラが「やつあたり」を覚えているあたり、ゲーチスのポケモンに対する態度が非常に悪く、自分のポケモンを大事にしていないことがわかるようだ。
悪の組織ボスでさえ自分のポケモンにたっぷり愛情を注いでいるのに……。


USUMでは伝説のポケモンが手持ちにいるので切り札から降格したが相変わらず手持ちに入っている。
レベルは66で、ようやく正規仕様のサザンドラを使うようになった。
技構成は【あくのはどう/りゅうのはどう/ハイパーボイス/なみのり】となっている。
第五世代当時と異なりあく技がはがねタイプに等倍で通るためか、「だいもんじ」と「きあいだま」が外されているが代わりに「みがわり」とフェアリー対策なのか「ハイパーボイス」が搭載されている。

相変わらず厄介ではあるが一致技と「なみのり」を半減以下にでき、4倍弱点を突けるアシレーヌカプ・ブルル、カプ・レヒレ、同じく4倍弱点を突けて一致技と「ハイパーボイス」が半減以下にできるクチートクレッフィ・ミミッキュなどを手持ちに入れておくと楽に戦える。
ただしUS版の場合、アシレーヌとカプ・レヒレは後続のゼクロムの一致技が抜群なので気をつけること。


◆アイリスのサザンドラ


なんと先発として登場する。

相変わらず要進化レベルよりも低いチート仕様のレベル57
最初の挑戦では【りゅうのはどう/かえんほうしゃ/なみのり/チャージビーム】を覚えている。
チャレンジモードや強化後は、前作のゲーチスと同じ技構成【りゅうのはどう/だいもんじ/なみのり/きあいだま】になり、
なおかつレベルも76(チャレンジモードは81)と非常に高くなる。


◆ポケダンのサザンドラ


マグナゲートと∞迷宮』に登場。

ホワイト1の図鑑説明にあった「3つの頭で食べつくしてしまう」設定が出てくる。
見た目も性質もゾロアスター教に登場するアジ・ダハーカのような存在であるとされていた。
事実、物語の途中で登場するムンナも、何度も食べられそうになるところで命懸けの逃亡を繰り返してきたのである。
ゲームのパッケージでも、主人公に襲い掛かるような構図で描かれている通り、まさしくBWでの設定通り。
作中で屈指の強敵として主人公たちの前に立ちはだかる……





































……と思われたが、それらの背景・構図は夢を思い通りに操る力を持ったムンナによって都合よく作り変えられた誤情報。
その正体はこの世に存在する生き物達の心が一つになった「命の声」の化身。そのため、厳密に言えばポケモンではない
前作である時・闇・空の探検隊に登場したクレセリアに近いポジションである。
前作のジュプトル/ヨノワールと同じく敵と味方が実は反対だったというオチなのだが、両者のビジュアル面もあって案外騙されたプレイヤーも多いと思われる。

本性を現したムンナとその仲間によって窮地に陥る主人公を助け、以降行動を共にすることになる。
BWの恐ろしく凶暴なイメージからはとても想像がつかない性格をしており、あどけなくて心優しく、茶目っ気もある。誰が呼んだかきれいなサザンドラ

その後ははぐれたパートナーが敵に捕まっていることを知り、主人公と共に救出に向かう。主人公の機転が利いて自信を囮にしつつサザンドラに空中から奇襲を仕掛けることで、どうにかパートナーの救出に成功する。
なお、これらの一連のイベントにおいてはあのボーマンダと対峙するという600族同士のなかなかに熱いバトル展開を見ることが出来る。

キュレムに襲撃されて一度は消滅するものの、あくまで実体ではないので、エンディングで再び姿を見せている。

まあ前述の通りこのサザンドラは本物のサザンドラではなく、「命の声」がサザンドラの姿を模した存在なので、
おそらく「命の声」が選んだポケモンがたまたまサザンドラだったというだけの話なのだろう。
もっと他にそれっぽいビジュアルの奴いただろとは誰もがツッコミそうなものだが(事実先述のクレセリアなら違和感はない)、自らもまた主人公に頼り切るのではなく手を貸してくれるので、そういう意味では強いポケモンを選択したのかもしれない。
事実、空を飛べて攻撃性能の高いサザンドラがいてくれたおかげで助かっている場面が何度かある。

今作では性別が廃止されており、中性的なイメージも相まって性別は不明。
性格の可愛さゆえか、どちらで妄想しても都合が悪くならないようになっていると、プラスに考えるべきだろう。

余談だが、モノズから進化させたサザンドラの口調はお姉さんタイプの口調である。
そして、エンディングでは、まさかのDODの伝説のあのセリフ正しい意味で言ってくれる。
エンディング後は当たり前のように第四の壁を越えてプレイヤーに話しかけてくる。まあ「命の声」だから出来る芸当か。
最終的にはケルディオと共に正式にパーティに加入する。

Pokemon GOでのサザンドラ

第5世代組がぽつぽつと追加される中で2019年9月に実装。
600族の例に漏れずモノズの入手難易度はべらぼうに高く、基本的に野生では出現せず専らタマゴを孵化し続けることで入手する形になる。最近はモノズも野生で出るようにはなったが、それでも出現率は低い。

性能に関してはこちらでも高火力アタッカー。
バンギラスを超える攻撃種族値の持ち主で、あくタイプ全体でもメガシンカポケモンや伝説・幻のポケモンを除くとトップになる。一方てドラゴンタイプとしてはボーマンダカイリューガブリアスらの後塵を拝する形となっている。
技はノーマルアタックが「りゅうのいぶき」「かみつく」の2つで、トレーナーバトルにおけるゲージ回収効率以外は全く同じ性能。火力は控えめだがゲージ回収力と連射力があるのでスペシャルアタックを高速で貯めて発動できる。
スペシャルアタックは「りゅうのはどう」「あくのはどう」「ラスターカノン」とメインウェポン2つとサブウェポン1つという構成になっている。
どちらのタイプにおいてもそれなりに優秀な技構成だが、ドラゴンタイプのスペシャルアタックには「げきりん」というより優秀な技があり、ボーマンダやカイリューはそちらを覚えられるのでドラゴンタイプとしての評価は微妙であり、専らあくタイプのジム・レイドバトル用アタッカーとして扱われている。
しかしあくタイプのアタッカーとしても確かに優秀ではあるものの、技性能の問題で実火力がバンギラスに微妙に劣ることと入手難易度が高すぎるという点もあってそこまで使用率は高くなかった。

しかし2022年に開催されたモノズのコミュニティ・デイで限定技「ぶんまわす」を入手。
3ゲージ技で、「かみくだく」に比べると威力が僅かに低い代わりに全硬直時間が2秒を切るという連射性能の高い技となっている。
素の攻撃種族値がバンギラスよりも高いこともあって実火力はバンギラス……どころか幻のポケモンであるダークライすら抜いてメガシンカを除いたあくタイプ全ポケモン中1位という凄まじい火力を叩き出せるようになった。
……が、後にバンギラスも「ぶんまわす」を習得し、サザンドラとの火力差は誤差レベルまでに追いつかれた。
あちらはメガシンカやらシャドウ個体やらで完全にサザンドラをぶっちぎるトンデモ火力が叩き出せる上に、普通のわざマシンでぶんまわすを習得できるため後輩あくタイプのこちらとしてはやや厳しい立ち位置に追いやられているが、純火力では僅かながらにこちらが上回る点は間違いなく長所なので、良個体が手に入ったのならば育成する価値はあるだろう。

コミュニティ・デイ期間限定とはいえそこら中にモノズが出現したことで多くのプレイヤーが入手機会に恵まれることにもなった。

ちなみに弱点が多めでしかもかくとう弱点かつフェアリー二重弱点なのでジム防衛との相性はイマイチ。一応対メタグロスは有利だが、同じあくタイプならアローラベトベトンの方が適任。
トレーナーバトルはそもそもCPの都合マスターリーグしか出場できない場合が多いためあまり出番がないが、はがねタイプのポケモンに等倍でダメージが入ることとミュウツー・ギラティナなどの有利を取りやすいポケモンが環境上位にいることを買われて起用される場合がある。「ぶんまわす」はこちらでも優秀な技で、ゲージを貯めて連発してるだけで勝手に相手に負担をかけられるのは侮れない。
ただしトレーナーバトルでは「かみつく」のゲージ回収力がかなり下げられているのできちんと戦えるようにするには構成をガラリと変えなければならない(=ジム・レイドバトル用に使い回せない)のが辛い点か。


◆アニメでのサザンドラ


映画作品『黒き英雄ゼクロム/白き英雄レシラム』でのゲストキャラ「カリータ」のポケモンとして初登場。
因みに後者の方は色違いの個体となっており、後に同仕様の個体が配布されている。

本編に於いては750話、761話、767話、768話、885話で登場している。
そのうち761話では兄分のジヘッドが進化したという形であり、767話、768話ではライバルキャラの一人であるコテツのポケモンとして登場した。

余談だがゲームでのゲーチスが所持している個体の印象が強くてこいつもアニメだと敵役が多いのではないかという人もいるようだが、
実はこいつが現時点で敵役で登場した話は750話くらいしかなく、それ以外の話ではライバルキャラの手持ちだったり、ただのモブだったりなどと敵役らしい扱いをされた事が皆無だった。*3
更に言うとバンギラスボーマンダのように悪人キャラの手持ちとして登場した事もほぼ無く、本来ゲームでこいつを所持していたゲーチスも結局繰り出す事は無かった。
*4



しかし『めざポケ』10話で久しぶりに登場した際にポケモンハンター(CV:遊佐浩二)の手持ちとして登場。登場から約10年、ようやく悪役の手持ちとしての登場である

同話では3つの頭を利用した同時攻撃でラティオスラティアスと互角に渡り合い、サトシのオオスバメ・タケシのハガネールを一蹴。
最終的に本来は無効になる「サイコキネシス」を目眩ましに利用し、ラティオスの「はどうだん」を直撃させるというサトシの奇策に敗れ去ったが、伝説のポケモン2体と互角に戦い、サトシのピカチュウ含む3対1ですら物ともしない強敵ぶりを発揮した。







追記・修正はレベルを64まで上げてからお願いします。

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最終更新:2024年03月15日 21:22

*1 だいたい素早さ80~90位。100を超えるポケモンは両手で数える程しかいない

*2 第5世代まであくタイプの技ははがねタイプに半減される

*3 しかもその750話で登場した個体はサトシ達と関わっていない。

*4 というかアニメに於けるゲーチスは出番が少なく、ポケモンそのものを繰り出す描写が無かった。